16 / 43
本編
第十五話 懐かしい面影
しおりを挟む
翌朝、目を覚ましたレイチェルは、ブラッドに抱っこされていて驚いた。目の前にブラッドの端正な顔がある。気を失う前に垣間見た顔だ。
「ブラッド、さん?」
恐る恐るレイチェルが問えば、ブラッドがにっと笑う。
「そう、俺」
声にも仕草にも覚えがある。彼なのは間違いないのだけれど、やっぱりレイチェルは不思議だった。どうしても今の彼の顔を見ると、胸が詰まってどうしようもない。涙が零れそうになる。黒髪に赤い瞳、女性のように柔らかい顔立ちに浮かべた微笑みは、どことなく見覚えがあって……。目を細めて、レイチェルがそっと手を伸ばせば、かの赤い唇が動いた。
「気分はどうだ? よく眠れたか?」
そう問われて、思わずぱっと手を引っ込める。無意識に彼の顔を触ろうとしている自分に気が付いて、レイチェルは頬を赤らめた。
やだ、失礼、よね……
「ええ、その……気分は爽快よ? でも、あの、どうして……」
どうしてブラッドさんに抱っこされているの? と問えば、エイミーが口を挟んだ。
「吸血蠅から、レイチェルを守ってくれたらしいわ」
「吸血蠅が出たの? 私、今回は結界を張らなかったけれど、大丈夫だった?」
レイチェルがそう問うと、エイミーは頷く。
「だーいじょーぶ。ニーナが風の結界を張ってくれたから!」
自分とジョージアナだけに、という部分はきっちり端折る。
次いで、エイミーはブラッドの姿をまじまじと見つめた。もの凄く格好良い。漆黒の髪の美青年だ。じっと見つめていると、気後れしそうなほどの……。これならレイチェルと恋人になってもいいかなと、エイミーは思うけれど、やっぱりネックは彼がヴァンパイア、というところか。
「あんたが人間だったら良かったのになー」
ついエイミーがぼやくと、ブラッドに「無理」と即答される。
「分かってるわよぅ」
エイミーは肩をすくめて、引き下がった。
その後、全員で朝食を取る段になって、レイチェルは驚いた。クリフとセイラの顔が見るも無惨な有様だったからだ。吸血蠅にさされたのであろう彼らの顔はひどく腫れあがっている。幼なじみのエイミーも女剣士のジョージアナも猫娘のニーナも、そして御者でさえ無事なのに、どうして彼らだけ被害に遭ったのか分からない。
「あの……それ……」
「吸血蠅にやられたのよ! 何か文句ある?」
セイラが噛み付くように言い、その間も痒い痒いとやっている。
「もう、クリフの役立たず! どうして私がこんな目に遭わなくちゃならないのよ!」
同じように痒がっているクリフが食ってかかった。
「俺のせいか? 大人しく吸血蠅よけの薬を塗っていればよかったじゃないか! そもそも、庶民の生活を知りたいって、乗合馬車を希望したのはセイラだろ! こういった事態が嫌なら、男爵家の馬車に乗れば良かったんだよ!」
セイラのまなじりがきりりとつり上がる。
「なによ! クリフだって賛成したじゃないの! 護衛を買って出たのはクリフなんだから! 危険くらい全部排除したらどうなのよ! あなた、聖女を守る聖騎士希望でしょう?」
クリフが反撃する。
「吸血蠅を剣で追い払う騎士なんかいるもんか! 火魔法か風魔法を使える奴じゃないと……いや、君が結界さえ張れればこんなことにはならなかったんだよ!」
「なんですって! 人のせいにしないで!」
朝っぱらからなんとも騒がしい。ブラッドがパチンと指を鳴らすと、音が消えた。罵り合っている二人は見えるが声は聞こえない。
「お前の仕業か?」
ひそっとジョージアナがブラッドに言えば、「そう」と短く返される。
レイチェルは困ってしまった。
神聖魔法で傷の治癒促進や痛みの軽減は出来ても、痒みを止める魔法は存在しない。かゆさだけはどうにもならないので、虫除けで予防が一番である。せめて虫刺されの薬、とも思うが、吸血蠅の痒みは強烈で、どんな薬もまったくと言っていいほど効き目がなかった。
「大丈夫にゃ、一週間くらいで痛みも痒みもおさまるから、がんばるにゃ?」
猫娘のニーナだけは呑気なものである。彼女にとってあくまで他人事だからなのかもしれない。その間にもセイラ付の侍女は、濡れたタオルをセイラの顔にあてがうなど甲斐甲斐しい。
王都に着けば、男爵令嬢のセイラは侍女につれられて、神殿付の医療院に姿を消した。セイラの護衛役を買って出ていたクリフもその後を追う。乗合馬車を降りた一行の目の前に見えるのは、立派な神殿と、寄り添うようにして建つ医療院である。
「ふんだ、ずうっと医療院から出てこなければ良いのに……」
クリフとセイラの二人の背を見送ったエイミーが、ぼそりと言う。
「それはちょっと……」
レイチェルが苦笑いをすると、ずいっとエイミーが顔を近づけた。
「そんなこと言って……あの女、気を付けないと、ブラッドを狙っていたみたいよ?」
「え」
レイチェルの顔が強ばった。
「で、でも、彼女にはクリフが……」
エイミーが甘いというように指をちちちと振った。
「レイチェルが寝ている時の事よ。私を守って~、なんてブラッドにしなだれかかろうとしたんだから。まぁ、ブラッドに撥ね付けられたけど! 本当に何考えているのよ、あの女は! クリフがいるっていうのに、まーだ他の男を狙うって信じられない! いい? あれと口きいちゃ駄目よ? 何を企んでいるかわからないんだからね!」
レイチェルがブラッドの顔を見上げれば、彼の整った顔がふわりとほころび、気恥ずかしくなってぱっと下を向く。
え、と……私なんでこんなに慌てているんだろう?
自分の気持ちにどぎまぎする自分がいる。
「レイチェルとブラッドの宿泊先は神殿かにゃ? エイミーはどうするにゃ?」
ピンク髪の猫娘の仕草は、相変わらず可愛らしい。にゃんにゃんと猫特有の柔らかさがある。エイミーが肩をすくめた。
「あたしは残念ながら宿をとらないと駄目ー。便乗して神殿に泊まりたいところだけど、流石に無理よね。レイチェルはまだ聖女候補だし……」
「なら、あちし達と一緒の宿にするにゃ?」
猫娘ニーナの提案に、エイミーがぱっと顔を輝かせた。
「え? いいの?」
「もちろんにゃ。エイミーはもうあちしと友達にゃ? 王都の観光も一緒にするにゃ? そんでもって、また全員で酒盛りするにゃ? あちしはブラッドとグールダンスするにゃー!」
ニーナが楽しそうにぴょんぴょん跳ね回った。のんべぇの猫娘は、ブラッドのグールダンスがお気に入りのようである。
「……グールは呼び出さないようにね?」
ぽつりとエイミーが呟いた。ブラッドならやりかねない、そう思ったようである。
「ブラッド、さん?」
恐る恐るレイチェルが問えば、ブラッドがにっと笑う。
「そう、俺」
声にも仕草にも覚えがある。彼なのは間違いないのだけれど、やっぱりレイチェルは不思議だった。どうしても今の彼の顔を見ると、胸が詰まってどうしようもない。涙が零れそうになる。黒髪に赤い瞳、女性のように柔らかい顔立ちに浮かべた微笑みは、どことなく見覚えがあって……。目を細めて、レイチェルがそっと手を伸ばせば、かの赤い唇が動いた。
「気分はどうだ? よく眠れたか?」
そう問われて、思わずぱっと手を引っ込める。無意識に彼の顔を触ろうとしている自分に気が付いて、レイチェルは頬を赤らめた。
やだ、失礼、よね……
「ええ、その……気分は爽快よ? でも、あの、どうして……」
どうしてブラッドさんに抱っこされているの? と問えば、エイミーが口を挟んだ。
「吸血蠅から、レイチェルを守ってくれたらしいわ」
「吸血蠅が出たの? 私、今回は結界を張らなかったけれど、大丈夫だった?」
レイチェルがそう問うと、エイミーは頷く。
「だーいじょーぶ。ニーナが風の結界を張ってくれたから!」
自分とジョージアナだけに、という部分はきっちり端折る。
次いで、エイミーはブラッドの姿をまじまじと見つめた。もの凄く格好良い。漆黒の髪の美青年だ。じっと見つめていると、気後れしそうなほどの……。これならレイチェルと恋人になってもいいかなと、エイミーは思うけれど、やっぱりネックは彼がヴァンパイア、というところか。
「あんたが人間だったら良かったのになー」
ついエイミーがぼやくと、ブラッドに「無理」と即答される。
「分かってるわよぅ」
エイミーは肩をすくめて、引き下がった。
その後、全員で朝食を取る段になって、レイチェルは驚いた。クリフとセイラの顔が見るも無惨な有様だったからだ。吸血蠅にさされたのであろう彼らの顔はひどく腫れあがっている。幼なじみのエイミーも女剣士のジョージアナも猫娘のニーナも、そして御者でさえ無事なのに、どうして彼らだけ被害に遭ったのか分からない。
「あの……それ……」
「吸血蠅にやられたのよ! 何か文句ある?」
セイラが噛み付くように言い、その間も痒い痒いとやっている。
「もう、クリフの役立たず! どうして私がこんな目に遭わなくちゃならないのよ!」
同じように痒がっているクリフが食ってかかった。
「俺のせいか? 大人しく吸血蠅よけの薬を塗っていればよかったじゃないか! そもそも、庶民の生活を知りたいって、乗合馬車を希望したのはセイラだろ! こういった事態が嫌なら、男爵家の馬車に乗れば良かったんだよ!」
セイラのまなじりがきりりとつり上がる。
「なによ! クリフだって賛成したじゃないの! 護衛を買って出たのはクリフなんだから! 危険くらい全部排除したらどうなのよ! あなた、聖女を守る聖騎士希望でしょう?」
クリフが反撃する。
「吸血蠅を剣で追い払う騎士なんかいるもんか! 火魔法か風魔法を使える奴じゃないと……いや、君が結界さえ張れればこんなことにはならなかったんだよ!」
「なんですって! 人のせいにしないで!」
朝っぱらからなんとも騒がしい。ブラッドがパチンと指を鳴らすと、音が消えた。罵り合っている二人は見えるが声は聞こえない。
「お前の仕業か?」
ひそっとジョージアナがブラッドに言えば、「そう」と短く返される。
レイチェルは困ってしまった。
神聖魔法で傷の治癒促進や痛みの軽減は出来ても、痒みを止める魔法は存在しない。かゆさだけはどうにもならないので、虫除けで予防が一番である。せめて虫刺されの薬、とも思うが、吸血蠅の痒みは強烈で、どんな薬もまったくと言っていいほど効き目がなかった。
「大丈夫にゃ、一週間くらいで痛みも痒みもおさまるから、がんばるにゃ?」
猫娘のニーナだけは呑気なものである。彼女にとってあくまで他人事だからなのかもしれない。その間にもセイラ付の侍女は、濡れたタオルをセイラの顔にあてがうなど甲斐甲斐しい。
王都に着けば、男爵令嬢のセイラは侍女につれられて、神殿付の医療院に姿を消した。セイラの護衛役を買って出ていたクリフもその後を追う。乗合馬車を降りた一行の目の前に見えるのは、立派な神殿と、寄り添うようにして建つ医療院である。
「ふんだ、ずうっと医療院から出てこなければ良いのに……」
クリフとセイラの二人の背を見送ったエイミーが、ぼそりと言う。
「それはちょっと……」
レイチェルが苦笑いをすると、ずいっとエイミーが顔を近づけた。
「そんなこと言って……あの女、気を付けないと、ブラッドを狙っていたみたいよ?」
「え」
レイチェルの顔が強ばった。
「で、でも、彼女にはクリフが……」
エイミーが甘いというように指をちちちと振った。
「レイチェルが寝ている時の事よ。私を守って~、なんてブラッドにしなだれかかろうとしたんだから。まぁ、ブラッドに撥ね付けられたけど! 本当に何考えているのよ、あの女は! クリフがいるっていうのに、まーだ他の男を狙うって信じられない! いい? あれと口きいちゃ駄目よ? 何を企んでいるかわからないんだからね!」
レイチェルがブラッドの顔を見上げれば、彼の整った顔がふわりとほころび、気恥ずかしくなってぱっと下を向く。
え、と……私なんでこんなに慌てているんだろう?
自分の気持ちにどぎまぎする自分がいる。
「レイチェルとブラッドの宿泊先は神殿かにゃ? エイミーはどうするにゃ?」
ピンク髪の猫娘の仕草は、相変わらず可愛らしい。にゃんにゃんと猫特有の柔らかさがある。エイミーが肩をすくめた。
「あたしは残念ながら宿をとらないと駄目ー。便乗して神殿に泊まりたいところだけど、流石に無理よね。レイチェルはまだ聖女候補だし……」
「なら、あちし達と一緒の宿にするにゃ?」
猫娘ニーナの提案に、エイミーがぱっと顔を輝かせた。
「え? いいの?」
「もちろんにゃ。エイミーはもうあちしと友達にゃ? 王都の観光も一緒にするにゃ? そんでもって、また全員で酒盛りするにゃ? あちしはブラッドとグールダンスするにゃー!」
ニーナが楽しそうにぴょんぴょん跳ね回った。のんべぇの猫娘は、ブラッドのグールダンスがお気に入りのようである。
「……グールは呼び出さないようにね?」
ぽつりとエイミーが呟いた。ブラッドならやりかねない、そう思ったようである。
20
あなたにおすすめの小説
【完結】赤ちゃんが生まれたら殺されるようです
白崎りか
恋愛
もうすぐ赤ちゃんが生まれる。
ドレスの上から、ふくらんだお腹をなでる。
「はやく出ておいで。私の赤ちゃん」
ある日、アリシアは見てしまう。
夫が、ベッドの上で、メイドと口づけをしているのを!
「どうして、メイドのお腹にも、赤ちゃんがいるの?!」
「赤ちゃんが生まれたら、私は殺されるの?」
夫とメイドは、アリシアの殺害を計画していた。
自分たちの子供を跡継ぎにして、辺境伯家を乗っ取ろうとしているのだ。
ドラゴンの力で、前世の記憶を取り戻したアリシアは、自由を手に入れるために裁判で戦う。
※1話と2話は短編版と内容は同じですが、設定を少し変えています。
大人になったオフェーリア。
ぽんぽこ狸
恋愛
婚約者のジラルドのそばには王女であるベアトリーチェがおり、彼女は慈愛に満ちた表情で下腹部を撫でている。
生まれてくる子供の為にも婚約解消をとオフェーリアは言われるが、納得がいかない。
けれどもそれどころではないだろう、こうなってしまった以上は、婚約解消はやむなしだ。
それ以上に重要なことは、ジラルドの実家であるレピード公爵家とオフェーリアの実家はたくさんの共同事業を行っていて、今それがおじゃんになれば、オフェーリアには補えないほどの損失を生むことになる。
その点についてすぐに確認すると、そういう所がジラルドに見離される原因になったのだとベアトリーチェは怒鳴りだしてオフェーリアに掴みかかってきた。
その尋常では無い様子に泣き寝入りすることになったオフェーリアだったが、父と母が設定したお見合いで彼女の騎士をしていたヴァレントと出会い、とある復讐の方法を思いついたのだった。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
どなたか私の旦那様、貰って下さいませんか?
秘密 (秘翠ミツキ)
恋愛
私の旦那様は毎夜、私の部屋の前で見知らぬ女性と情事に勤しんでいる、だらしなく恥ずかしい人です。わざとしているのは分かってます。私への嫌がらせです……。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
政略結婚で、離縁出来ないけど離縁したい。
無類の女好きの従兄の侯爵令息フェルナンドと伯爵令嬢のロゼッタは、結婚をした。毎晩の様に違う女性を屋敷に連れ込む彼。政略結婚故、愛妾を作るなとは思わないが、せめて本邸に連れ込むのはやめて欲しい……気分が悪い。
彼は所謂美青年で、若くして騎士団副長であり兎に角モテる。結婚してもそれは変わらず……。
ロゼッタが夜会に出れば見知らぬ女から「今直ぐフェルナンド様と別れて‼︎」とワインをかけられ、ただ立っているだけなのに女性達からは終始凄い形相で睨まれる。
居た堪れなくなり、広間の外へ逃げれば元凶の彼が見知らぬ女とお楽しみ中……。
こんな旦那様、いりません!
誰か、私の旦那様を貰って下さい……。
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
不実なあなたに感謝を
黒木メイ
恋愛
王太子妃であるベアトリーチェと踊るのは最初のダンスのみ。落ち人のアンナとは望まれるまま何度も踊るのに。王太子であるマルコが誰に好意を寄せているかははたから見れば一目瞭然だ。けれど、マルコが心から愛しているのはベアトリーチェだけだった。そのことに気づいていながらも受け入れられないベアトリーチェ。そんな時、マルコとアンナがとうとう一線を越えたことを知る。――――不実なあなたを恨んだ回数は数知れず。けれど、今では感謝すらしている。愚かなあなたのおかげで『幸せ』を取り戻すことができたのだから。
※異世界転移をしている登場人物がいますが主人公ではないためタグを外しています。
※曖昧設定。
※一旦完結。
※性描写は匂わせ程度。
※小説家になろう様、カクヨム様にも掲載予定。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる