30 / 43
本編
第二十九話 青天の霹靂
しおりを挟む
自分を嘲るセイラに、きっとクリフは怒りの眼差しを向けた。
「お、おまえこそ、おまえこそ大聖女じゃなかったくせに!」
そうだよ! お前だって散々、自分が大聖女よねと言っていたじゃないか!
クリフがそう指摘すると、セイラは哀れむような目をクリフに向けた。
「ああん、そうねぇ、それは残念だけどぉ、残念じゃないわぁ。だって……」
もっさりドワーフの王太子様が勇者じゃ、くっつきたくないもの? こうなると、大聖女じゃなくて良かったわって思うわよ。あの王太子様は全然私のタイプじゃないもの。
セイラがクリフにそうひっそりと囁き、意地悪く笑う。
「ほーんと、あなたと一緒にならなくて良かったわよ。そこだけは感謝してあ、げ、る? うふふ、大魔法士様に暴言吐いて無事でいられるといいわね? 騎士の資格を剥奪されるかも?」
クリフがはっとなり、セイラがたたみかけた。
「ふふっ、将来にケチが付いちゃったあなたに言い寄る女なんていないと思うけど、ま、せいぜいがんばって? 二流の女なら相手にしてくれるかもしれないわよ? それこそ村に帰って相手を探したら? あはは、田舎者のあなたにはぴったりね?」
洒落た黒いドレスを翻し、セイラが背を向ける。大聖女じゃなくても、私は貴族で王都の女だもの、そう言いたげな自信に溢れた姿だ。艶やかな黒髪がふわりと揺れた。
クリフの拳が震えた。愛しかったはずのその姿が今や憎たらしい。その間にも周囲は歓喜に沸いている。勇者だ! 勇者様だ! ジュリアン王太子殿下ばんざいと、そんな声で溢れかえっていた。先程までちびで髭もじゃと自分が馬鹿にし、嘲っていた王太子は、いまや英雄扱いだ。いや、本物の勇者なのだから当然の反応なのだが……
それは自分がそうなりたいと思い描いた光景で……クリフは悔しさで涙がにじむ。
くそっ! くそっ! くそっ!
◇◇◇
同じように夜会に出席していた第二王子ランドールは、横手に美しい貴婦人を侍らせ、余裕綽々で極上のワインをたしなんでいたが、雷神剣を手にしたジュリアンを目にして、口にしたワインをぶっと吹き出した。
驚いたなんてものじゃない。まさに青天の霹靂だった。目の玉が転がり落ちそうな程目をかっ開き、手にしていたグラスを取り落とす。燦然と輝く雷神剣を手にしたジュリアンの姿は、ランドールにとっては、鈍器で頭を殴られたような衝撃である。
ゆ、勇者? あ、兄上が勇者?
あ、あああああああああありえなぁあああああああい!
そんな絶叫が、ランドールの胸の内から漏れた。
もっさりドワーフが! あの不細工が! 若年寄が! 品性の欠片もないあの男が! ゆ、ゆゆゆゆゆゆ勇者だとぉ! あり得ないあり得ないあり得ない!
放心状態のランドールの肩を側近が叩く。
「あ、あの、殿下、どうされましたか?」
「ありええええええええええええぇん!」
突如、ランドールに絶叫されて、側近がびくぅっと身を引いた。
「薬殺だ撲殺だ刺殺しろ! 今すぐに!」
ランドールの命令に側近が目を白黒させる。
「いえ、あの、だだだだだ誰を?」
「あの、もっさり……いや、なんでもない」
ぴたりとランドールは口を閉じた。流石に王太子を殺せなどと指示すれば、自分が牢にぶち込まれてしまう。輝く雷神剣を手にしたジュリアンとレイチェルの隣に立つブラッドを睨み付けた。
くそっ!
私が始末したかったのは、大聖女を横取りしたあのヴァンパイアだが! それもこれもあの邪魔な第一王子を蹴落としたいがためだ! いっそまとめて始末出来れば……
ランドールは蜂蜜色の頭をかきむしり、はっとなる。起死回生の逆転劇を思いついたのだ。あの勇者もどきが、腕輪の力を開放出来れば、両方始末出来るかもしれない、と。
そうだ! もし、あの腕輪の力が解放されれば、あの勇者もどきは狂戦士となる。邪魔なヴァンパイアと王太子がそろっている今こそ、最大のチャンスかもしれない。
そんなことを考え、ほくそ笑んだ。
「クリフ・ハントをここへ呼べ」
第二王子ランドールは従者にそう告げ、にやりと笑った。腕輪の力を自分で開放出来ないなら、私が手助けしてやると、そう考えながら。
◇◇◇
「ね、ブラッド、提案なんだけどさ。僕が作り出す疑似ドラゴンとやりあってみる? 多分、それで多少は君の力を示せると思うけど」
アウグストの提案に、ブラッドが顔をしかめた。
「……なんで俺がそんなことしなくちゃなんねーんだよ?」
めんどくせー、そう言いたげだ。
アウグストがにっこりと笑う。
「一度ばしっとやっておいた方が良いかなって……ほら、周り見てみなよ。神官達は君が気に入らないみたいだよ? ヴァンパイアである君をね。ブラッドはレイチェル嬢と結婚したいんだよね? 周囲から二人の仲に、この先なにかとちょっかいかけられて、君、面白い?」
夜会会場である大広間には、神官達も多数出席している。確かに友好的ではない視線も多い。ブラッドが舌打ちを漏らせばアウグストがたたみかけた。
「ほら、ね? 僕や大神官がいっくら言っても、聞き分けのない者っているもんだよ。だったらさ、君に絡むのは無謀って示しておいた方がいいんじゃない? これはね、親切心だよ」
ブラッドの無言を了承のしるしと受け取ったか、アウグストは早速、王太子ジュリアンに向き直り、恭しく頭を下げてみせた。こういう時の仕草は流石に手慣れている。
「ジュリアン王太子殿下、庭園での戦闘の許可をいただけますか? ちょっとしたデモンストレーションです。ブラッドとレイチェル嬢の結婚に異を唱える連中に、僕達四大英雄の功績を思い出してもらうにはちょうどいいかと……」
ふむとジュリアンがふさふさの顎髭を撫でる。
「それが疑似ドラゴンとの模擬戦かね?」
「ええ、大丈夫ですよ。僕がコントロールしていますから、危険はありません」
「……許可しよう」
「じゃ、どーんっと疑似ドラゴン十体行こうか? 派手な方がいいよね?」
嬉々としてアウグストが声を張り上げた。
目を剥いたのは周囲の人々である。ドラゴンは一体でも強敵だ。なのにそれを十体も同時に出現させるという。大丈夫なのか? そんな声が飛び交った。
慌てふためく周囲は完全蚊帳の外で、大魔法士アウグストはコツンと手にした杖で床を叩く。ふわりと光が飛び散った。魔力光だ。
レイチェルの手がブラッドの腕を掴んで引き止めた。
「ま、待って! あ、あのあの! 危ない真似は!」
「んー、心配してくれるのか?」
「あ、当たり前ですよぅ! なに、にやけてるんですかぁ! 真面目に聞いてください!」
レイチェルが必死の様子で叫ぶ。
ああ、つい嬉しくて顔が緩んだか?
ブラッドが身をかがめ、ちゅっとレイチェルの唇にキスすれば、これまた可愛い反応だ。目の玉がこぼれ落ちそうなほど目を見開き、固まったのである。みるみるうちに彼女の顔が真っ赤になった。まるでリンゴのよう。
ブラッドが相好を崩す。
ああ、駄目だ、やっぱり顔が緩んじまう。レイチェルは俺が好きか? 好きなんだよな? ことあるごとにこうして確認したくなっちまう。嬉しくて、嬉しくて……
大丈夫だから、ブラッドは身をかがめ、レイチェルの耳元でそう囁いた。
そう、君を悲しませることはしない、絶対に……
「お、おまえこそ、おまえこそ大聖女じゃなかったくせに!」
そうだよ! お前だって散々、自分が大聖女よねと言っていたじゃないか!
クリフがそう指摘すると、セイラは哀れむような目をクリフに向けた。
「ああん、そうねぇ、それは残念だけどぉ、残念じゃないわぁ。だって……」
もっさりドワーフの王太子様が勇者じゃ、くっつきたくないもの? こうなると、大聖女じゃなくて良かったわって思うわよ。あの王太子様は全然私のタイプじゃないもの。
セイラがクリフにそうひっそりと囁き、意地悪く笑う。
「ほーんと、あなたと一緒にならなくて良かったわよ。そこだけは感謝してあ、げ、る? うふふ、大魔法士様に暴言吐いて無事でいられるといいわね? 騎士の資格を剥奪されるかも?」
クリフがはっとなり、セイラがたたみかけた。
「ふふっ、将来にケチが付いちゃったあなたに言い寄る女なんていないと思うけど、ま、せいぜいがんばって? 二流の女なら相手にしてくれるかもしれないわよ? それこそ村に帰って相手を探したら? あはは、田舎者のあなたにはぴったりね?」
洒落た黒いドレスを翻し、セイラが背を向ける。大聖女じゃなくても、私は貴族で王都の女だもの、そう言いたげな自信に溢れた姿だ。艶やかな黒髪がふわりと揺れた。
クリフの拳が震えた。愛しかったはずのその姿が今や憎たらしい。その間にも周囲は歓喜に沸いている。勇者だ! 勇者様だ! ジュリアン王太子殿下ばんざいと、そんな声で溢れかえっていた。先程までちびで髭もじゃと自分が馬鹿にし、嘲っていた王太子は、いまや英雄扱いだ。いや、本物の勇者なのだから当然の反応なのだが……
それは自分がそうなりたいと思い描いた光景で……クリフは悔しさで涙がにじむ。
くそっ! くそっ! くそっ!
◇◇◇
同じように夜会に出席していた第二王子ランドールは、横手に美しい貴婦人を侍らせ、余裕綽々で極上のワインをたしなんでいたが、雷神剣を手にしたジュリアンを目にして、口にしたワインをぶっと吹き出した。
驚いたなんてものじゃない。まさに青天の霹靂だった。目の玉が転がり落ちそうな程目をかっ開き、手にしていたグラスを取り落とす。燦然と輝く雷神剣を手にしたジュリアンの姿は、ランドールにとっては、鈍器で頭を殴られたような衝撃である。
ゆ、勇者? あ、兄上が勇者?
あ、あああああああああありえなぁあああああああい!
そんな絶叫が、ランドールの胸の内から漏れた。
もっさりドワーフが! あの不細工が! 若年寄が! 品性の欠片もないあの男が! ゆ、ゆゆゆゆゆゆ勇者だとぉ! あり得ないあり得ないあり得ない!
放心状態のランドールの肩を側近が叩く。
「あ、あの、殿下、どうされましたか?」
「ありええええええええええええぇん!」
突如、ランドールに絶叫されて、側近がびくぅっと身を引いた。
「薬殺だ撲殺だ刺殺しろ! 今すぐに!」
ランドールの命令に側近が目を白黒させる。
「いえ、あの、だだだだだ誰を?」
「あの、もっさり……いや、なんでもない」
ぴたりとランドールは口を閉じた。流石に王太子を殺せなどと指示すれば、自分が牢にぶち込まれてしまう。輝く雷神剣を手にしたジュリアンとレイチェルの隣に立つブラッドを睨み付けた。
くそっ!
私が始末したかったのは、大聖女を横取りしたあのヴァンパイアだが! それもこれもあの邪魔な第一王子を蹴落としたいがためだ! いっそまとめて始末出来れば……
ランドールは蜂蜜色の頭をかきむしり、はっとなる。起死回生の逆転劇を思いついたのだ。あの勇者もどきが、腕輪の力を開放出来れば、両方始末出来るかもしれない、と。
そうだ! もし、あの腕輪の力が解放されれば、あの勇者もどきは狂戦士となる。邪魔なヴァンパイアと王太子がそろっている今こそ、最大のチャンスかもしれない。
そんなことを考え、ほくそ笑んだ。
「クリフ・ハントをここへ呼べ」
第二王子ランドールは従者にそう告げ、にやりと笑った。腕輪の力を自分で開放出来ないなら、私が手助けしてやると、そう考えながら。
◇◇◇
「ね、ブラッド、提案なんだけどさ。僕が作り出す疑似ドラゴンとやりあってみる? 多分、それで多少は君の力を示せると思うけど」
アウグストの提案に、ブラッドが顔をしかめた。
「……なんで俺がそんなことしなくちゃなんねーんだよ?」
めんどくせー、そう言いたげだ。
アウグストがにっこりと笑う。
「一度ばしっとやっておいた方が良いかなって……ほら、周り見てみなよ。神官達は君が気に入らないみたいだよ? ヴァンパイアである君をね。ブラッドはレイチェル嬢と結婚したいんだよね? 周囲から二人の仲に、この先なにかとちょっかいかけられて、君、面白い?」
夜会会場である大広間には、神官達も多数出席している。確かに友好的ではない視線も多い。ブラッドが舌打ちを漏らせばアウグストがたたみかけた。
「ほら、ね? 僕や大神官がいっくら言っても、聞き分けのない者っているもんだよ。だったらさ、君に絡むのは無謀って示しておいた方がいいんじゃない? これはね、親切心だよ」
ブラッドの無言を了承のしるしと受け取ったか、アウグストは早速、王太子ジュリアンに向き直り、恭しく頭を下げてみせた。こういう時の仕草は流石に手慣れている。
「ジュリアン王太子殿下、庭園での戦闘の許可をいただけますか? ちょっとしたデモンストレーションです。ブラッドとレイチェル嬢の結婚に異を唱える連中に、僕達四大英雄の功績を思い出してもらうにはちょうどいいかと……」
ふむとジュリアンがふさふさの顎髭を撫でる。
「それが疑似ドラゴンとの模擬戦かね?」
「ええ、大丈夫ですよ。僕がコントロールしていますから、危険はありません」
「……許可しよう」
「じゃ、どーんっと疑似ドラゴン十体行こうか? 派手な方がいいよね?」
嬉々としてアウグストが声を張り上げた。
目を剥いたのは周囲の人々である。ドラゴンは一体でも強敵だ。なのにそれを十体も同時に出現させるという。大丈夫なのか? そんな声が飛び交った。
慌てふためく周囲は完全蚊帳の外で、大魔法士アウグストはコツンと手にした杖で床を叩く。ふわりと光が飛び散った。魔力光だ。
レイチェルの手がブラッドの腕を掴んで引き止めた。
「ま、待って! あ、あのあの! 危ない真似は!」
「んー、心配してくれるのか?」
「あ、当たり前ですよぅ! なに、にやけてるんですかぁ! 真面目に聞いてください!」
レイチェルが必死の様子で叫ぶ。
ああ、つい嬉しくて顔が緩んだか?
ブラッドが身をかがめ、ちゅっとレイチェルの唇にキスすれば、これまた可愛い反応だ。目の玉がこぼれ落ちそうなほど目を見開き、固まったのである。みるみるうちに彼女の顔が真っ赤になった。まるでリンゴのよう。
ブラッドが相好を崩す。
ああ、駄目だ、やっぱり顔が緩んじまう。レイチェルは俺が好きか? 好きなんだよな? ことあるごとにこうして確認したくなっちまう。嬉しくて、嬉しくて……
大丈夫だから、ブラッドは身をかがめ、レイチェルの耳元でそう囁いた。
そう、君を悲しませることはしない、絶対に……
30
あなたにおすすめの小説
【完結】赤ちゃんが生まれたら殺されるようです
白崎りか
恋愛
もうすぐ赤ちゃんが生まれる。
ドレスの上から、ふくらんだお腹をなでる。
「はやく出ておいで。私の赤ちゃん」
ある日、アリシアは見てしまう。
夫が、ベッドの上で、メイドと口づけをしているのを!
「どうして、メイドのお腹にも、赤ちゃんがいるの?!」
「赤ちゃんが生まれたら、私は殺されるの?」
夫とメイドは、アリシアの殺害を計画していた。
自分たちの子供を跡継ぎにして、辺境伯家を乗っ取ろうとしているのだ。
ドラゴンの力で、前世の記憶を取り戻したアリシアは、自由を手に入れるために裁判で戦う。
※1話と2話は短編版と内容は同じですが、設定を少し変えています。
大人になったオフェーリア。
ぽんぽこ狸
恋愛
婚約者のジラルドのそばには王女であるベアトリーチェがおり、彼女は慈愛に満ちた表情で下腹部を撫でている。
生まれてくる子供の為にも婚約解消をとオフェーリアは言われるが、納得がいかない。
けれどもそれどころではないだろう、こうなってしまった以上は、婚約解消はやむなしだ。
それ以上に重要なことは、ジラルドの実家であるレピード公爵家とオフェーリアの実家はたくさんの共同事業を行っていて、今それがおじゃんになれば、オフェーリアには補えないほどの損失を生むことになる。
その点についてすぐに確認すると、そういう所がジラルドに見離される原因になったのだとベアトリーチェは怒鳴りだしてオフェーリアに掴みかかってきた。
その尋常では無い様子に泣き寝入りすることになったオフェーリアだったが、父と母が設定したお見合いで彼女の騎士をしていたヴァレントと出会い、とある復讐の方法を思いついたのだった。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
どなたか私の旦那様、貰って下さいませんか?
秘密 (秘翠ミツキ)
恋愛
私の旦那様は毎夜、私の部屋の前で見知らぬ女性と情事に勤しんでいる、だらしなく恥ずかしい人です。わざとしているのは分かってます。私への嫌がらせです……。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
政略結婚で、離縁出来ないけど離縁したい。
無類の女好きの従兄の侯爵令息フェルナンドと伯爵令嬢のロゼッタは、結婚をした。毎晩の様に違う女性を屋敷に連れ込む彼。政略結婚故、愛妾を作るなとは思わないが、せめて本邸に連れ込むのはやめて欲しい……気分が悪い。
彼は所謂美青年で、若くして騎士団副長であり兎に角モテる。結婚してもそれは変わらず……。
ロゼッタが夜会に出れば見知らぬ女から「今直ぐフェルナンド様と別れて‼︎」とワインをかけられ、ただ立っているだけなのに女性達からは終始凄い形相で睨まれる。
居た堪れなくなり、広間の外へ逃げれば元凶の彼が見知らぬ女とお楽しみ中……。
こんな旦那様、いりません!
誰か、私の旦那様を貰って下さい……。
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
不実なあなたに感謝を
黒木メイ
恋愛
王太子妃であるベアトリーチェと踊るのは最初のダンスのみ。落ち人のアンナとは望まれるまま何度も踊るのに。王太子であるマルコが誰に好意を寄せているかははたから見れば一目瞭然だ。けれど、マルコが心から愛しているのはベアトリーチェだけだった。そのことに気づいていながらも受け入れられないベアトリーチェ。そんな時、マルコとアンナがとうとう一線を越えたことを知る。――――不実なあなたを恨んだ回数は数知れず。けれど、今では感謝すらしている。愚かなあなたのおかげで『幸せ』を取り戻すことができたのだから。
※異世界転移をしている登場人物がいますが主人公ではないためタグを外しています。
※曖昧設定。
※一旦完結。
※性描写は匂わせ程度。
※小説家になろう様、カクヨム様にも掲載予定。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる