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2章 過去の自分と新しい出会い
思わぬ来客と思わぬ一面
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◇
はぁ・・・冷たいシーツが気持ちいい。
お腹もすいたなぁ、窓の外から見える陽があんなに上にある。きっともう昼すぎてるんだろうな。
起きなきゃ。起きたい。起きればいいじゃない。
そんなことはわかってる、わかってるんだよ。でも、でもね・・・
「ぉき・・・れ、な・・・ぃ」
ってか、声もかすれて全然出ない!
昨日から朝にかけてさんざんエルに抱きつぶされ、あんなにナカに出され・・・
さりげなく嬉しいことも言ってくれたけど、でもでも限度ってもんがあるでしょうよっ!
なんであたしはこんな状態なのに、エルは普通に起きれるのよっ!理不尽だ!!
とりあえず、起きれないにしてもベッド脇の棚に水差しがあるはず・・・せめて水分を・・・
手探りで水差しがあるであろう方向に手を伸ばす。
「み、み・・・ずぅ・・・」
首を動かして場所を確認したいが、思うように動かない。
声も出せないならエルに助けも求められないじゃないかっ!ピンチになる理由がなんかおかしくない?!
「っ・・・ど、こ・・・水・・・」
「はい、お水」
手にグラスらしきものが触れる。あ、ありがたい。
なんとか頑張って体の向きを変えて、寝そべった状態で少しずつ飲む。
「んくっ・・・んん、ぷはぁ~~。水なのにすごく身体にしみわたるわぁ・・・生きかえる~~~」
「良かった。おねーさん、少し、元気になった」
「ん?」
声のした方向を見てみると、水色の長い髪にクリっとした青い瞳の美少女が目の前にいた。
どうやらこの子が水をくれたらしい。
「え?・・・あなたがこの水をくれたの?・・・ってかどちら様?」
「あたし、ミナト。癒しのお水、あげた。おねーさん、辛そうだった・・・。」
癒し?普通のお水だったけど、何か入ってたのかな?
ちょっともじもじしながらたどたどしく話すミナトちゃん。
なんだろう・・・急にあらわれて怖いって気持ちよりも、可愛いな、愛でたいなって気持ちになっちゃう。
頭撫でても良いかな?良いよね?
あたしはお礼の気持ちを込めて優しくミナトちゃんの頭をなでる。うわっサラサラだぁ!
「ミナトちゃん、ありがとう。すごくお水が飲みたかったから助かったよ。」
頭を撫でられて驚いていた顔をしたけど、その後にへにゃって嬉しそうに笑うミナトちゃんは、それはもう超可愛い。悪いおじさんと遭遇させてはいけない。絶対誘拐されちゃう。
お水を飲んだだけなのに、普通に声が出るようになったし、心なしか身体も少し動かせそう。
これなら起きれるかな。
当たり前だけど服を着ていないので、シーツを身体に巻いてから身体を起こす。
「おねーさん、えりゅしおんに、ひどいこと、された?」
「ん?どうして?」
「だって、いっぱい、赤い」
「!!」
なっ、なにこれぇぇぇ??!!
身体に目を向けると、見えている胸元だけでも無数のキスマークがあった。
恐らくこれなら首や背中にも多数つけられているはず・・・。
つけられること自体は嬉しいけど、それを見られるのは・・・しかもこんな子供(?)に見られるのは恥ずかしすぎるっ!!せめて見えないところにつけてぇぇ!!!
「・・・えりゅしおん、こらしめて、くる」
「へ?」
ミナトちゃんはそう言って、てててっと走り去っていった。おそらくエルの元に向かったと思われる。
「はっ!ダメだ。ミナトちゃんの方がエルにひどいことされちゃうっ」
さすがに子供にひどい事をしないと信じたいが、心配だ。
ベッドから立ち上がろうとしたが、さすがに立ち上がるまでは回復していなかったようでシーツを巻いたまま床に転がってしまった。
「っイタタ・・・さすがに歩けはしなかったか・・・」
それでも上半身が動くまで回復するのは早いなぁと思いながら身体を起こしたところで、エルを連れたミナトちゃんが部屋に戻ってきた。
あたしがベッドから落ちてる姿を見て、ミナトちゃんはあたしに駆け寄ってきた。
「おねーさん、だいじょうぶ?」
「あはは、大丈夫よ。・・・動けないけど」
ミナトちゃんがエルをきっと睨みつける。・・・うん、全然怖くない。むしろ睨む顔も超可愛い。
「えりゅちおん!おねーさんに、ひどいことっ、めっ!!」
「・・・噛んだぞ」
「!!・・・え、えりゅ、しぉ・・・っふぅ、めなのぉ~~」
噛んだことを指摘されたミナトちゃんが怒りながら泣き出してしまった。
「ちょっと、エル!泣かすことないでしょっ」
「・・・勝手に泣いただけだ」
「いや、そうかもしれないけど・・・ミナトちゃん、大丈夫だよ~。ほら泣かないの、あたしはミナトちゃんの笑顔が見たいな☆」
「ふぇっ・・・お、ねーさ・・・」
「あたしは別に、エルに酷いことされてないから、ね。」
「まぁ、・・・多少ヤリ過ぎたか」
「そこっ、おだまりっ!!」
あたしはミナトちゃんを優しく抱きしめると、ミナトちゃんもぎゅっと抱きしめ返してくれる。
何この子!天使かっ!!
はぁ・・・冷たいシーツが気持ちいい。
お腹もすいたなぁ、窓の外から見える陽があんなに上にある。きっともう昼すぎてるんだろうな。
起きなきゃ。起きたい。起きればいいじゃない。
そんなことはわかってる、わかってるんだよ。でも、でもね・・・
「ぉき・・・れ、な・・・ぃ」
ってか、声もかすれて全然出ない!
昨日から朝にかけてさんざんエルに抱きつぶされ、あんなにナカに出され・・・
さりげなく嬉しいことも言ってくれたけど、でもでも限度ってもんがあるでしょうよっ!
なんであたしはこんな状態なのに、エルは普通に起きれるのよっ!理不尽だ!!
とりあえず、起きれないにしてもベッド脇の棚に水差しがあるはず・・・せめて水分を・・・
手探りで水差しがあるであろう方向に手を伸ばす。
「み、み・・・ずぅ・・・」
首を動かして場所を確認したいが、思うように動かない。
声も出せないならエルに助けも求められないじゃないかっ!ピンチになる理由がなんかおかしくない?!
「っ・・・ど、こ・・・水・・・」
「はい、お水」
手にグラスらしきものが触れる。あ、ありがたい。
なんとか頑張って体の向きを変えて、寝そべった状態で少しずつ飲む。
「んくっ・・・んん、ぷはぁ~~。水なのにすごく身体にしみわたるわぁ・・・生きかえる~~~」
「良かった。おねーさん、少し、元気になった」
「ん?」
声のした方向を見てみると、水色の長い髪にクリっとした青い瞳の美少女が目の前にいた。
どうやらこの子が水をくれたらしい。
「え?・・・あなたがこの水をくれたの?・・・ってかどちら様?」
「あたし、ミナト。癒しのお水、あげた。おねーさん、辛そうだった・・・。」
癒し?普通のお水だったけど、何か入ってたのかな?
ちょっともじもじしながらたどたどしく話すミナトちゃん。
なんだろう・・・急にあらわれて怖いって気持ちよりも、可愛いな、愛でたいなって気持ちになっちゃう。
頭撫でても良いかな?良いよね?
あたしはお礼の気持ちを込めて優しくミナトちゃんの頭をなでる。うわっサラサラだぁ!
「ミナトちゃん、ありがとう。すごくお水が飲みたかったから助かったよ。」
頭を撫でられて驚いていた顔をしたけど、その後にへにゃって嬉しそうに笑うミナトちゃんは、それはもう超可愛い。悪いおじさんと遭遇させてはいけない。絶対誘拐されちゃう。
お水を飲んだだけなのに、普通に声が出るようになったし、心なしか身体も少し動かせそう。
これなら起きれるかな。
当たり前だけど服を着ていないので、シーツを身体に巻いてから身体を起こす。
「おねーさん、えりゅしおんに、ひどいこと、された?」
「ん?どうして?」
「だって、いっぱい、赤い」
「!!」
なっ、なにこれぇぇぇ??!!
身体に目を向けると、見えている胸元だけでも無数のキスマークがあった。
恐らくこれなら首や背中にも多数つけられているはず・・・。
つけられること自体は嬉しいけど、それを見られるのは・・・しかもこんな子供(?)に見られるのは恥ずかしすぎるっ!!せめて見えないところにつけてぇぇ!!!
「・・・えりゅしおん、こらしめて、くる」
「へ?」
ミナトちゃんはそう言って、てててっと走り去っていった。おそらくエルの元に向かったと思われる。
「はっ!ダメだ。ミナトちゃんの方がエルにひどいことされちゃうっ」
さすがに子供にひどい事をしないと信じたいが、心配だ。
ベッドから立ち上がろうとしたが、さすがに立ち上がるまでは回復していなかったようでシーツを巻いたまま床に転がってしまった。
「っイタタ・・・さすがに歩けはしなかったか・・・」
それでも上半身が動くまで回復するのは早いなぁと思いながら身体を起こしたところで、エルを連れたミナトちゃんが部屋に戻ってきた。
あたしがベッドから落ちてる姿を見て、ミナトちゃんはあたしに駆け寄ってきた。
「おねーさん、だいじょうぶ?」
「あはは、大丈夫よ。・・・動けないけど」
ミナトちゃんがエルをきっと睨みつける。・・・うん、全然怖くない。むしろ睨む顔も超可愛い。
「えりゅちおん!おねーさんに、ひどいことっ、めっ!!」
「・・・噛んだぞ」
「!!・・・え、えりゅ、しぉ・・・っふぅ、めなのぉ~~」
噛んだことを指摘されたミナトちゃんが怒りながら泣き出してしまった。
「ちょっと、エル!泣かすことないでしょっ」
「・・・勝手に泣いただけだ」
「いや、そうかもしれないけど・・・ミナトちゃん、大丈夫だよ~。ほら泣かないの、あたしはミナトちゃんの笑顔が見たいな☆」
「ふぇっ・・・お、ねーさ・・・」
「あたしは別に、エルに酷いことされてないから、ね。」
「まぁ、・・・多少ヤリ過ぎたか」
「そこっ、おだまりっ!!」
あたしはミナトちゃんを優しく抱きしめると、ミナトちゃんもぎゅっと抱きしめ返してくれる。
何この子!天使かっ!!
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