145 / 512
4章 打倒!悪役令嬢ヒロイン
ヒロインへの逆襲 ~接触してきた毒婦 inエリュシオンside~
しおりを挟む
◇
「ん・・・」
窓から差し込む陽光の眩しさで目が覚めた。俺はいつの間にか眠っていたらしい。
陽の温かさとは別に、脇のあたりに温もりを感じて目を向けると、ミナトが俺にしがみついたまま眠っていた。
・・・そばに来たことなど全く覚えてない。いつもなら近づく物音や気配があればすぐ起きるのに、俺はミナトが来ても気づかないくらい熟睡していたということか?
「おはよ、エリュシオン。身体の調子はどう?」
「セイル・・・俺はどれくらい眠っていた?何か動きはあったか?」
「そうだねぇ、丸一日ぐっすり眠ってたよ☆」
「は?」
「アネモネ側も動きはないし、ベルナートからもサーヤはだいぶ落ち着いたけど熱はまだ下がってないって聞いてるよ♪」
「そ、そうか・・・。俺は、丸一日も眠ってたのか?」
「ふふ、ミナトが疲れてるエリュシオンを見て何かしてあげたみたいだよ☆でも、怒らないであげてね♪」
「ミナトが・・・」
丸一日寝ていたにしては、思ったより体力も魔力も回復している。
サーヤの為に大量の癒しの水を作って、自分だってまだ回復しきってなかっただろうに・・・
そばで眠る少し汗ばんだ小さい身体に手を伸ばし、無意識に優しく撫でていた。
「ミナトは、大丈夫なのか?」
「さすがに今日は森へ連れ帰って休ませるよ。多分サーヤが回復するのは明日だ。それまでに少しでも回復させてあげないとね☆」
「明日か・・・」
とりあえず、今日もアネモネがサーヤの元に行かないよう、気が向かないようにできれば安泰か・・・
「・・・エリュシオン、何かしようとしてるみたいだけど、サーヤを泣かすようなことはしないでよ?」
「あぁ、わかっている。俺はしないさ」
「なら良かった☆程々にね♪」
「・・・あぁ」
俺の予想が正しければ、そろそろ接触してくる頃だろう。
俺は横で眠るミナトを優しく撫でてから、ミナトをセイルに託し、行動を起こすことにした。
◇
俺は今図書館で調べ物をしている。
許可証がなければ入る事ができないエリアなので、おのずと利用者が限られる。
今このタイミングで、俺に声をかけてくる者は、さらに限られた者しかいない。
魔術師団にいて俺を知っている連中か、もしくは・・・
「あなたが、サーシャリア=ロンドの婚約者、エリュシオンさんかしら?」
そう、アネモネだ・・・。
「お前は誰だ?」
「あら、城にいる人から聞いてないの?アタシはアネモネ、王太子の婚約者でもうすぐ王太子妃になるの♡あなたの婚約者とは、昔とぉ~っても仲が良かったのよ♡」
「・・・知らんな」
読んでいた本を閉じ、この場から立ち去ろうとする。
俺は質の悪い王族や貴族の人間を嫌というほど見てきた。
だから、アネモネの考えや行動、どうすれば俺の考える展開になるのかが手に取るようにわかる。
「ねぇ、あなたの婚約者、本当に病で伏せってるの?」
「・・・何が言いたい」
「本当は居なくなったんじゃない?ある筋から情報を聞いたの。彼女が今どこでナニをしているか・・・」
「何を、知っている?」
「ふふ・・・あなたの婚約者の居場所、知ってるわ♡」
「・・・」
「勘違いしないでね、アタシは何もしてないわ。・・・でも、ずいぶんと愉しんでるみたいよ♡こんなに素敵な婚約者がいるのに酷い女ね」
「どういうことだ」
「ココではとても言える内容ではないわ♡
・・・ねぇ、世間ではあなたみたいな黒髪は嫌われるんでしょ?サーシャだってなんだかんだ言って嫌ってるんじゃないかしら?」
「・・・」
「黒い髪に、黒いピアス・・・アタシはあなたのような黒が似合う人が大好きよ♡サーシャの話もしたいし、別の場所でゆっくり話さない?・・・誰にも邪魔されない場所で♡」
「・・・」
「別にあなたの婚約者がどうなっても知らないっていうなら良いのよ、無理にとは言わないから。・・・ただ、帰ってくるといいわねぇ・・・」
「・・・話はどこで?」
「うふ♡もちろん、アタシの部屋よ♡♡」
アネモネはそう言って俺の腕を組み、上機嫌のアネモネと俺はこいつの自室へと向かった・・・―――
「ん・・・」
窓から差し込む陽光の眩しさで目が覚めた。俺はいつの間にか眠っていたらしい。
陽の温かさとは別に、脇のあたりに温もりを感じて目を向けると、ミナトが俺にしがみついたまま眠っていた。
・・・そばに来たことなど全く覚えてない。いつもなら近づく物音や気配があればすぐ起きるのに、俺はミナトが来ても気づかないくらい熟睡していたということか?
「おはよ、エリュシオン。身体の調子はどう?」
「セイル・・・俺はどれくらい眠っていた?何か動きはあったか?」
「そうだねぇ、丸一日ぐっすり眠ってたよ☆」
「は?」
「アネモネ側も動きはないし、ベルナートからもサーヤはだいぶ落ち着いたけど熱はまだ下がってないって聞いてるよ♪」
「そ、そうか・・・。俺は、丸一日も眠ってたのか?」
「ふふ、ミナトが疲れてるエリュシオンを見て何かしてあげたみたいだよ☆でも、怒らないであげてね♪」
「ミナトが・・・」
丸一日寝ていたにしては、思ったより体力も魔力も回復している。
サーヤの為に大量の癒しの水を作って、自分だってまだ回復しきってなかっただろうに・・・
そばで眠る少し汗ばんだ小さい身体に手を伸ばし、無意識に優しく撫でていた。
「ミナトは、大丈夫なのか?」
「さすがに今日は森へ連れ帰って休ませるよ。多分サーヤが回復するのは明日だ。それまでに少しでも回復させてあげないとね☆」
「明日か・・・」
とりあえず、今日もアネモネがサーヤの元に行かないよう、気が向かないようにできれば安泰か・・・
「・・・エリュシオン、何かしようとしてるみたいだけど、サーヤを泣かすようなことはしないでよ?」
「あぁ、わかっている。俺はしないさ」
「なら良かった☆程々にね♪」
「・・・あぁ」
俺の予想が正しければ、そろそろ接触してくる頃だろう。
俺は横で眠るミナトを優しく撫でてから、ミナトをセイルに託し、行動を起こすことにした。
◇
俺は今図書館で調べ物をしている。
許可証がなければ入る事ができないエリアなので、おのずと利用者が限られる。
今このタイミングで、俺に声をかけてくる者は、さらに限られた者しかいない。
魔術師団にいて俺を知っている連中か、もしくは・・・
「あなたが、サーシャリア=ロンドの婚約者、エリュシオンさんかしら?」
そう、アネモネだ・・・。
「お前は誰だ?」
「あら、城にいる人から聞いてないの?アタシはアネモネ、王太子の婚約者でもうすぐ王太子妃になるの♡あなたの婚約者とは、昔とぉ~っても仲が良かったのよ♡」
「・・・知らんな」
読んでいた本を閉じ、この場から立ち去ろうとする。
俺は質の悪い王族や貴族の人間を嫌というほど見てきた。
だから、アネモネの考えや行動、どうすれば俺の考える展開になるのかが手に取るようにわかる。
「ねぇ、あなたの婚約者、本当に病で伏せってるの?」
「・・・何が言いたい」
「本当は居なくなったんじゃない?ある筋から情報を聞いたの。彼女が今どこでナニをしているか・・・」
「何を、知っている?」
「ふふ・・・あなたの婚約者の居場所、知ってるわ♡」
「・・・」
「勘違いしないでね、アタシは何もしてないわ。・・・でも、ずいぶんと愉しんでるみたいよ♡こんなに素敵な婚約者がいるのに酷い女ね」
「どういうことだ」
「ココではとても言える内容ではないわ♡
・・・ねぇ、世間ではあなたみたいな黒髪は嫌われるんでしょ?サーシャだってなんだかんだ言って嫌ってるんじゃないかしら?」
「・・・」
「黒い髪に、黒いピアス・・・アタシはあなたのような黒が似合う人が大好きよ♡サーシャの話もしたいし、別の場所でゆっくり話さない?・・・誰にも邪魔されない場所で♡」
「・・・」
「別にあなたの婚約者がどうなっても知らないっていうなら良いのよ、無理にとは言わないから。・・・ただ、帰ってくるといいわねぇ・・・」
「・・・話はどこで?」
「うふ♡もちろん、アタシの部屋よ♡♡」
アネモネはそう言って俺の腕を組み、上機嫌のアネモネと俺はこいつの自室へと向かった・・・―――
0
あなたにおすすめの小説
借金まみれで高級娼館で働くことになった子爵令嬢、密かに好きだった幼馴染に買われる
しおの
恋愛
乙女ゲームの世界に転生した主人公。しかしゲームにはほぼ登場しないモブだった。
いつの間にか父がこさえた借金を返すため、高級娼館で働くことに……
しかしそこに現れたのは幼馴染で……?
兄様達の愛が止まりません!
桜
恋愛
五歳の時、私と兄は父の兄である叔父に助けられた。
そう、私達の両親がニ歳の時事故で亡くなった途端、親類に屋敷を乗っ取られて、離れに閉じ込められた。
屋敷に勤めてくれていた者達はほぼ全員解雇され、一部残された者が密かに私達を庇ってくれていたのだ。
やがて、領内や屋敷周辺に魔物や魔獣被害が出だし、私と兄、そして唯一の保護をしてくれた侍女のみとなり、死の危険性があると心配した者が叔父に助けを求めてくれた。
無事に保護された私達は、叔父が全力で守るからと連れ出し、養子にしてくれたのだ。
叔父の家には二人の兄がいた。
そこで、私は思い出したんだ。双子の兄が時折話していた不思議な話と、何故か自分に映像に流れて来た不思議な世界を、そして、私は…
バッドエンド回避のために結婚相手を探していたら、断罪した本人(お兄様)が求婚してきました
りつ
恋愛
~悪役令嬢のお兄様はヤンデレ溺愛キャラでした~
自分が乙女ゲームの悪役キャラであることを思い出したイザベル。しかも最期は兄のフェリクスに殺されて終わることを知り、絶対に回避したいと攻略キャラの出る学院へ行かず家に引き籠ったり、神頼みに教会へ足を運んだりする。そこで魂の色が見えるという聖職者のシャルルから性行為すればゲームの人格にならずに済むと言われて、イザベルは結婚相手を探して家を出ることを決意する。妹の婚活を知ったフェリクスは自分より強くて金持ちでかっこいい者でなければ認めないと注文をつけてきて、しまいには自分がイザベルの結婚相手になると言い出した。
※兄妹に血の繋がりはありません
※ゲームヒロインは名前のみ登場です
私は5歳で4人の許嫁になりました【完結】
Lynx🐈⬛
恋愛
ナターシャは公爵家の令嬢として産まれ、5歳の誕生日に、顔も名前も知らない、爵位も不明な男の許嫁にさせられた。
それからというものの、公爵令嬢として恥ずかしくないように育てられる。
14歳になった頃、お行儀見習いと称し、王宮に上がる事になったナターシャは、そこで4人の皇子と出会う。
皇太子リュカリオン【リュカ】、第二皇子トーマス、第三皇子タイタス、第四皇子コリン。
この4人の誰かと結婚をする事になったナターシャは誰と結婚するのか………。
※Hシーンは終盤しかありません。
※この話は4部作で予定しています。
【私が欲しいのはこの皇子】
【誰が叔父様の側室になんてなるもんか!】
【放浪の花嫁】
本編は99話迄です。
番外編1話アリ。
※全ての話を公開後、【私を奪いに来るんじゃない!】を一気公開する予定です。
愛する殿下の為に身を引いたのに…なぜかヤンデレ化した殿下に囚われてしまいました
Karamimi
恋愛
公爵令嬢のレティシアは、愛する婚約者で王太子のリアムとの結婚を約1年後に控え、毎日幸せな生活を送っていた。
そんな幸せ絶頂の中、両親が馬車の事故で命を落としてしまう。大好きな両親を失い、悲しみに暮れるレティシアを心配したリアムによって、王宮で生活する事になる。
相変わらず自分を大切にしてくれるリアムによって、少しずつ元気を取り戻していくレティシア。そんな中、たまたま王宮で貴族たちが話をしているのを聞いてしまう。その内容と言うのが、そもそもリアムはレティシアの父からの結婚の申し出を断る事が出来ず、仕方なくレティシアと婚約したという事。
トンプソン公爵がいなくなった今、本来婚約する予定だったガルシア侯爵家の、ミランダとの婚約を考えていると言う事。でも心優しいリアムは、その事をレティシアに言い出せずに悩んでいると言う、レティシアにとって衝撃的な内容だった。
あまりのショックに、フラフラと歩くレティシアの目に飛び込んできたのは、楽しそうにお茶をする、リアムとミランダの姿だった。ミランダの髪を優しく撫でるリアムを見た瞬間、先ほど貴族が話していた事が本当だったと理解する。
ずっと自分を支えてくれたリアム。大好きなリアムの為、身を引く事を決意。それと同時に、国を出る準備を始めるレティシア。
そして1ヶ月後、大好きなリアムの為、自ら王宮を後にしたレティシアだったが…
追記:ヒーローが物凄く気持ち悪いです。
今更ですが、閲覧の際はご注意ください。
婚約解消されたら隣にいた男に攫われて、強請るまで抱かれたんですけど?〜暴君の暴君が暴君過ぎた話〜
紬あおい
恋愛
婚約解消された瞬間「俺が貰う」と連れ去られ、もっとしてと強請るまで抱き潰されたお話。
連れ去った強引な男は、実は一途で高貴な人だった。
義兄に嫌われようとした行動が裏目に出て逆に執着されることになった話
よしゆき
恋愛
乙女ゲームのヒロインに意地悪をする攻略対象者のユリウスの義妹、マリナに転生した。ユリウスに一目で恋に落ちたマリナは彼の幸せを願い、ゲームとは全く違う行動をとることにした。するとマリナが思っていたのとは違う展開になってしまった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる