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5章 帰郷!エルフの里へ ~記憶喪失編~
トルク村へ行こう ~行方不明の飼い猫~
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※途中からエリュシオン視点です
ーーーーーーーーー
◇
「エリュシオン様、アルマからの連絡が途絶えました・・・――――――」
あたしはカイトくんの加護の影響で、熱でぼーっとした状態でエルに抱っこされながら会話を聞いていた。
アルマさんって、あのオッドアイの猫みたいな?
トルク村に先に行ってたけど、呪いのことも解決したからのんびりしてたんじゃなかったの?
「・・・とりあえず詳しい話は移動を開始してからだ。今ここで話をしても時間の無駄だからな」
「はっ、すみません」
「リンダ、御者を頼めるか」
「・・・はい」
「気になるのはわかるが、トルク村に早く着くにはお前にかかっている。それだけは忘れるな」
「リンダ、エリュシオン様との話が終わったらちゃんと話すから、今は馬車を任せても良いか?」
「・・・っ、わかりました!超特急で走らせます!!」
「いや、安全運転で頼む」
「努力はします!」
・・・安全運転は保証されないらしい。
でも、リンダとアルマさんって仲良さそうだったからそりゃ心配にもなるよね。
大きめの馬車には話し合いのため、エル、セイル、カルステッドさんの3人。
ベルナートさんの特殊空間に、ベッドで寝ているあたしと、そのそばにミナトちゃんとカイトくん、ベルナートさんがいる状態だ。
あたしはこの通り加護の影響で高熱ではないものの、たぶん明日までは熱が下がらないだろうから、話し合いはエル達に任せることにした。
「サーヤまま、いやしのみず、のむ?」
「うん、少し飲みたいな」
「あいっ」
ミナトちゃんは今回も癒しの水を作ってくれるみたいだ。台所へてててーっと走っていった。
「おねーさん、おでこのタオル交換するね」
「うん、ありがとう。カイトくん」
おでこに乗せている温くなったタオルを、冷たい水につけてぎゅっと絞って交換してくれるカイトくん。
天使達に看病されるなんて、超癒される。良い子たちだぁ・・・
「サーヤ、俺、添い寝しようか?」
「わんこはそこでステイしてなさい」
「くぅ~ん」
この中では一番年上だと思うけど、看病の仕方がおかしいでしょっ!
添い寝ってなんだっ!もう絆されたりしないんだからねっ!!
大きなわんこは振っていた尻尾と耳が垂れ下がり、すっかり落ち込んでしまった。
・・・後でエルが来たらご褒美にぎゅってするくらいは許してあげよう。
そんな感じで、周りはちょっと緊迫してるけどあたしの周りはいつも通りなのでした。
◇
「・・・―――で、アレックスは何と言っていた?」
「昨日の報告で「アルマの様子がおかしい・・・少し違和感を感じる程度に」と言っていました。以前に報告したとおり、アルマは元奴隷です。トルク村が関係あるかわかりませんが、念のため奴隷市を気にしているか聞いていたら・・・」
「気にしてたんだね☆」
「はい、しかも「昔の知り合いに会った」とも話していたようです」
「ありゃ☆それは奴隷商のヤツか元奴隷のどっちかと接触したっぽいね♪」
「・・・奴隷市はいつだ?」
「5日後の夜、村に奴隷商の大きなテントがあり、その中で行われるようです」
アルマが元奴隷ということは知っていた。隠しているようだったが奴隷紋が右手の甲にあるのを見たことがあったからな。
詳細は聞いていないがアルマが請け負った俺の暗殺は、買われた先か買われた後に逃げた先のどちらかでノウハウを叩きこまれ、依頼されたものだった。
一時期は気に入らないものは破壊しまくっていたし、魔法省のトップになったときも周りからの反感はものすごく、常に敵がいる状態だったから誰からの依頼なのかはわからんがな。
“帰らずの森”に住み始めてから様々な結界を施しはしたが、それでも刺客がくるのでは・・・と安心することはなかった。
・・・サーヤが来るまでは・・・
今では刺客に警戒するどころか、サーヤをそばに置いておかないと眠れなくなるとは・・・俺も随分と変わったものだ・・・。
「カルステッドはアルマのことをどこまで知っている?」
「それが・・・あまり自分のことを話さないので、元奴隷で右手の甲に奴隷紋があることくらいしか・・・あ、もしかしたら我が家の家令や妻は何か聞いてるかもしれませんので、今夜にでも聞いてみます」
「奴隷ね・・・ホントに人間って、人間同士で争ったり奴隷にしたり、バカなことばっかりするよね~」
「そうだな・・・俺も奴隷にされかけたことがあるしな・・・」
「は?そうなんですか?!エリュシオン様!!」
「あまりにも腹が立ったから、奴隷商ごと潰してやった」
「はは・・・さすがです。そうだろうなとは思いましたけど」
「あは☆エリュシオンらしいね♪その勢いで全部潰しちゃえばよかったのに☆」
奴隷制度に嫌悪感はあるが、奴隷制度により金がなく子を売って助かった奴らや、奴隷を買うことで自分を裏切らない味方を得たと思う奴もいる。
娼婦達が身体を使って金を稼ぐように、奴隷も自分自身を売っていると考えれば同じようにも見える。
・・・待遇は大分違うがな。
「とりあえず今は情報が少なすぎるな。セイル、ノルンやフランに連絡して情報を集めてもらうことはできるか?」
「ん~、ノルンはすぐに連絡つくけど、フランは微妙だね☆とりあえずノルンのところに行ってくるよ♪」
そう言ってセイルは転移でノルンのいる森へ一度戻った。
「カルステッド、これを預けておくから馬が疲れているようなら使ってやれ」
「はい。・・・ちなみにこれは何ですか?」
「“妖精の粉”だ。少し舐めるだけで、どんなに疲れや倦怠感があってもすぐに回復できる」
「おぉ!それなら休憩を最小限にしてトルク村まで行けますね!!・・・エリュシオン様、結構減ってますがそんなすごいモノ使うほど疲れることなんてありましたか?」
「・・・俺はそんなに使っていない」
「ん?・・・じゃあ、サーヤ、に・・・。ちょっ、ちょっと??!!エリュシオン様、いったいサーヤにどれだけ・・・って、なに顔背けてるんですか!!!少しはサーヤの身体を考えてあげてくださいよ??!!前だってサーヤが・・・―――」
・・・うるさい。
いつからカルステッドはサーヤの父親みたいになったんだ。口うるさくて仕方ない。
・・・いや、反論できないところは確かにあるがな。
サーヤの周りには本当に人間も精霊もいろいろ集まるものだ。
今まで1人だった俺の周りに、気が付けばこんなにも“仲間”と呼べる奴らができるはな・・・
俺が記憶を失っている間もそれぞれが自分のできることをし、今もアルマのためにこうして動こうとしている。
・・・カルステッドの説教もうるさいし、俺もサーヤのところへ行くとするか。
「・・・―――って、エリュシオン様っ、人の話聞いてますか??」
「うるさい。俺はお前の指図など受けぬ。・・・サーヤのところにいるから馬車を頼むぞ」
「まったく・・・わかりましたよ、我が主」
俺の方が何倍も年上なのに、すっかり所帯を持ち家族ができてからは時折俺よりも年上のように振る舞う。
人間というものを信用していないが、俺との約束を違えたことのないカルステッドは数少ない信用のおける人間だ。アレックスもアルマもリンダも、国王ではなく俺に従うという稀有な奴らだしな。
サーヤほどでないにしても、アルマを心配して何かしてやりたいと思う程、奴らにも俺は気を許しているんだろう。
◇
「サーヤ」
「あ、エル。話し合いは終わったの?」
ベルナートの特殊空間に入ると、ベッドで枕を背もたれにして起きているサーヤと、ベッドのそばにある大きめのクッションで大きな黒い犬(?)がミナトとカイトを包み込むように眠っていた。・・・駄犬か?
「あの黒いのは駄犬か?」
「うん、“わんこだったらぎゅってしたくなるのにね”って言ったら、ホントになっちゃって・・・」
「ふっ、本当に駄犬になったか」
「こらこら、ミリーさんのときといいこの特殊空間といい、今回一番魔法を使ってくれてる功労者だよ?毛並みがもふもふですごく気持ち良かったから、ご褒美にぎゅってしたらミナトちゃんとカイトくんも混ざってそのままあんな感じで寝ちゃった☆」
「まったく、お前はまた勝手に・・・」
また駄犬が調子に乗りかねないというのに、危機感が本当にない奴だ。
・・・まぁ、ミナト達がいたからただじゃれ合って終わったんだろうがな。
俺はサーヤの横のベッド脇に腰掛け、そのままサーヤに口づけした。
「んっ、エル?・・・ふぁ、ぁむ、んんっ」
「ん、まだ熱があるな・・・んっ、はぁ」
熱の原因である魔力をサーヤから奪う。
サーヤの魔力はとても甘く、口付けや抱いているときにもらうととても温かく心地良い。
「はぁっ、はぁ・・・もうっ、皆寝てるけどそばにいるっ、んん~~~~~っ」
魔力を奪っているから抵抗する力も抜けているんだろう。
それに、なんだかんだと俺の口づけに応えようと舌を絡めてくるところが堪らんな。
思う存分魔力と口づけを堪能し、口唇を離したところで涙目になって顔を赤くしているサーヤ。
「んっ、はぁっ、はぁ・・・エルの、バカぁ・・・」
「くくっ、シタくなって濡れたか?」
「!!!」
サーヤはさらに顔を赤くしてポカポカと俺を叩いてくる。どうやら図星らしい。
さすがにベルナートの空間内でこれ以上手を出すのはさすがに気が引けるから、サーヤを抱くなら今夜の野営だな。
「続きは今夜シてやるから、今はたっぷり休んでおけ」
「!!!!」
サーヤに宣言したとおり、その日の夜、野営のとき魔法袋に入れてきたテントに結界を張って一夜を過ごした。
最初は、音が聞こえなくても結界を張ってる時点でバレバレだという状況にサーヤは文句を言っていたが、宿屋で同室の時点でそう思われてることを告げると納得し、開き直って素直に俺に身を委ねてきた。
切り替えの早い奴だ。
カルステッドにあずけた妖精の粉とベルナートの特殊空間のおかげで、野営と馬以外の休憩なしで馬車を走らせているため、1日でだいぶトルク村に近づいている。
翌日も、セイル達精霊側の情報と、カルステッドが家令や嫁から聞いたアルマの情報を共有しつつ、カルステッドとリンダは馬の状況を見ながら交代で御者をして、少しでも早くトルク村に着きたい一心でひたすら馬車を走らせ続けた。
―――そして、俺達はゼノと出発した日の翌日夜遅く目的地であるトルク村に無事到着した。
ーーーーーーーーー
◇
「エリュシオン様、アルマからの連絡が途絶えました・・・――――――」
あたしはカイトくんの加護の影響で、熱でぼーっとした状態でエルに抱っこされながら会話を聞いていた。
アルマさんって、あのオッドアイの猫みたいな?
トルク村に先に行ってたけど、呪いのことも解決したからのんびりしてたんじゃなかったの?
「・・・とりあえず詳しい話は移動を開始してからだ。今ここで話をしても時間の無駄だからな」
「はっ、すみません」
「リンダ、御者を頼めるか」
「・・・はい」
「気になるのはわかるが、トルク村に早く着くにはお前にかかっている。それだけは忘れるな」
「リンダ、エリュシオン様との話が終わったらちゃんと話すから、今は馬車を任せても良いか?」
「・・・っ、わかりました!超特急で走らせます!!」
「いや、安全運転で頼む」
「努力はします!」
・・・安全運転は保証されないらしい。
でも、リンダとアルマさんって仲良さそうだったからそりゃ心配にもなるよね。
大きめの馬車には話し合いのため、エル、セイル、カルステッドさんの3人。
ベルナートさんの特殊空間に、ベッドで寝ているあたしと、そのそばにミナトちゃんとカイトくん、ベルナートさんがいる状態だ。
あたしはこの通り加護の影響で高熱ではないものの、たぶん明日までは熱が下がらないだろうから、話し合いはエル達に任せることにした。
「サーヤまま、いやしのみず、のむ?」
「うん、少し飲みたいな」
「あいっ」
ミナトちゃんは今回も癒しの水を作ってくれるみたいだ。台所へてててーっと走っていった。
「おねーさん、おでこのタオル交換するね」
「うん、ありがとう。カイトくん」
おでこに乗せている温くなったタオルを、冷たい水につけてぎゅっと絞って交換してくれるカイトくん。
天使達に看病されるなんて、超癒される。良い子たちだぁ・・・
「サーヤ、俺、添い寝しようか?」
「わんこはそこでステイしてなさい」
「くぅ~ん」
この中では一番年上だと思うけど、看病の仕方がおかしいでしょっ!
添い寝ってなんだっ!もう絆されたりしないんだからねっ!!
大きなわんこは振っていた尻尾と耳が垂れ下がり、すっかり落ち込んでしまった。
・・・後でエルが来たらご褒美にぎゅってするくらいは許してあげよう。
そんな感じで、周りはちょっと緊迫してるけどあたしの周りはいつも通りなのでした。
◇
「・・・―――で、アレックスは何と言っていた?」
「昨日の報告で「アルマの様子がおかしい・・・少し違和感を感じる程度に」と言っていました。以前に報告したとおり、アルマは元奴隷です。トルク村が関係あるかわかりませんが、念のため奴隷市を気にしているか聞いていたら・・・」
「気にしてたんだね☆」
「はい、しかも「昔の知り合いに会った」とも話していたようです」
「ありゃ☆それは奴隷商のヤツか元奴隷のどっちかと接触したっぽいね♪」
「・・・奴隷市はいつだ?」
「5日後の夜、村に奴隷商の大きなテントがあり、その中で行われるようです」
アルマが元奴隷ということは知っていた。隠しているようだったが奴隷紋が右手の甲にあるのを見たことがあったからな。
詳細は聞いていないがアルマが請け負った俺の暗殺は、買われた先か買われた後に逃げた先のどちらかでノウハウを叩きこまれ、依頼されたものだった。
一時期は気に入らないものは破壊しまくっていたし、魔法省のトップになったときも周りからの反感はものすごく、常に敵がいる状態だったから誰からの依頼なのかはわからんがな。
“帰らずの森”に住み始めてから様々な結界を施しはしたが、それでも刺客がくるのでは・・・と安心することはなかった。
・・・サーヤが来るまでは・・・
今では刺客に警戒するどころか、サーヤをそばに置いておかないと眠れなくなるとは・・・俺も随分と変わったものだ・・・。
「カルステッドはアルマのことをどこまで知っている?」
「それが・・・あまり自分のことを話さないので、元奴隷で右手の甲に奴隷紋があることくらいしか・・・あ、もしかしたら我が家の家令や妻は何か聞いてるかもしれませんので、今夜にでも聞いてみます」
「奴隷ね・・・ホントに人間って、人間同士で争ったり奴隷にしたり、バカなことばっかりするよね~」
「そうだな・・・俺も奴隷にされかけたことがあるしな・・・」
「は?そうなんですか?!エリュシオン様!!」
「あまりにも腹が立ったから、奴隷商ごと潰してやった」
「はは・・・さすがです。そうだろうなとは思いましたけど」
「あは☆エリュシオンらしいね♪その勢いで全部潰しちゃえばよかったのに☆」
奴隷制度に嫌悪感はあるが、奴隷制度により金がなく子を売って助かった奴らや、奴隷を買うことで自分を裏切らない味方を得たと思う奴もいる。
娼婦達が身体を使って金を稼ぐように、奴隷も自分自身を売っていると考えれば同じようにも見える。
・・・待遇は大分違うがな。
「とりあえず今は情報が少なすぎるな。セイル、ノルンやフランに連絡して情報を集めてもらうことはできるか?」
「ん~、ノルンはすぐに連絡つくけど、フランは微妙だね☆とりあえずノルンのところに行ってくるよ♪」
そう言ってセイルは転移でノルンのいる森へ一度戻った。
「カルステッド、これを預けておくから馬が疲れているようなら使ってやれ」
「はい。・・・ちなみにこれは何ですか?」
「“妖精の粉”だ。少し舐めるだけで、どんなに疲れや倦怠感があってもすぐに回復できる」
「おぉ!それなら休憩を最小限にしてトルク村まで行けますね!!・・・エリュシオン様、結構減ってますがそんなすごいモノ使うほど疲れることなんてありましたか?」
「・・・俺はそんなに使っていない」
「ん?・・・じゃあ、サーヤ、に・・・。ちょっ、ちょっと??!!エリュシオン様、いったいサーヤにどれだけ・・・って、なに顔背けてるんですか!!!少しはサーヤの身体を考えてあげてくださいよ??!!前だってサーヤが・・・―――」
・・・うるさい。
いつからカルステッドはサーヤの父親みたいになったんだ。口うるさくて仕方ない。
・・・いや、反論できないところは確かにあるがな。
サーヤの周りには本当に人間も精霊もいろいろ集まるものだ。
今まで1人だった俺の周りに、気が付けばこんなにも“仲間”と呼べる奴らができるはな・・・
俺が記憶を失っている間もそれぞれが自分のできることをし、今もアルマのためにこうして動こうとしている。
・・・カルステッドの説教もうるさいし、俺もサーヤのところへ行くとするか。
「・・・―――って、エリュシオン様っ、人の話聞いてますか??」
「うるさい。俺はお前の指図など受けぬ。・・・サーヤのところにいるから馬車を頼むぞ」
「まったく・・・わかりましたよ、我が主」
俺の方が何倍も年上なのに、すっかり所帯を持ち家族ができてからは時折俺よりも年上のように振る舞う。
人間というものを信用していないが、俺との約束を違えたことのないカルステッドは数少ない信用のおける人間だ。アレックスもアルマもリンダも、国王ではなく俺に従うという稀有な奴らだしな。
サーヤほどでないにしても、アルマを心配して何かしてやりたいと思う程、奴らにも俺は気を許しているんだろう。
◇
「サーヤ」
「あ、エル。話し合いは終わったの?」
ベルナートの特殊空間に入ると、ベッドで枕を背もたれにして起きているサーヤと、ベッドのそばにある大きめのクッションで大きな黒い犬(?)がミナトとカイトを包み込むように眠っていた。・・・駄犬か?
「あの黒いのは駄犬か?」
「うん、“わんこだったらぎゅってしたくなるのにね”って言ったら、ホントになっちゃって・・・」
「ふっ、本当に駄犬になったか」
「こらこら、ミリーさんのときといいこの特殊空間といい、今回一番魔法を使ってくれてる功労者だよ?毛並みがもふもふですごく気持ち良かったから、ご褒美にぎゅってしたらミナトちゃんとカイトくんも混ざってそのままあんな感じで寝ちゃった☆」
「まったく、お前はまた勝手に・・・」
また駄犬が調子に乗りかねないというのに、危機感が本当にない奴だ。
・・・まぁ、ミナト達がいたからただじゃれ合って終わったんだろうがな。
俺はサーヤの横のベッド脇に腰掛け、そのままサーヤに口づけした。
「んっ、エル?・・・ふぁ、ぁむ、んんっ」
「ん、まだ熱があるな・・・んっ、はぁ」
熱の原因である魔力をサーヤから奪う。
サーヤの魔力はとても甘く、口付けや抱いているときにもらうととても温かく心地良い。
「はぁっ、はぁ・・・もうっ、皆寝てるけどそばにいるっ、んん~~~~~っ」
魔力を奪っているから抵抗する力も抜けているんだろう。
それに、なんだかんだと俺の口づけに応えようと舌を絡めてくるところが堪らんな。
思う存分魔力と口づけを堪能し、口唇を離したところで涙目になって顔を赤くしているサーヤ。
「んっ、はぁっ、はぁ・・・エルの、バカぁ・・・」
「くくっ、シタくなって濡れたか?」
「!!!」
サーヤはさらに顔を赤くしてポカポカと俺を叩いてくる。どうやら図星らしい。
さすがにベルナートの空間内でこれ以上手を出すのはさすがに気が引けるから、サーヤを抱くなら今夜の野営だな。
「続きは今夜シてやるから、今はたっぷり休んでおけ」
「!!!!」
サーヤに宣言したとおり、その日の夜、野営のとき魔法袋に入れてきたテントに結界を張って一夜を過ごした。
最初は、音が聞こえなくても結界を張ってる時点でバレバレだという状況にサーヤは文句を言っていたが、宿屋で同室の時点でそう思われてることを告げると納得し、開き直って素直に俺に身を委ねてきた。
切り替えの早い奴だ。
カルステッドにあずけた妖精の粉とベルナートの特殊空間のおかげで、野営と馬以外の休憩なしで馬車を走らせているため、1日でだいぶトルク村に近づいている。
翌日も、セイル達精霊側の情報と、カルステッドが家令や嫁から聞いたアルマの情報を共有しつつ、カルステッドとリンダは馬の状況を見ながら交代で御者をして、少しでも早くトルク村に着きたい一心でひたすら馬車を走らせ続けた。
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