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10章 延引された結婚式
幕間 初めての女子会~リンダの過去と現在 inリンダside~
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※少しだけ残酷な描写があります。
ご注意ください
ーーーーーーーーーー
◇
あたしがアルマと出会ったのは、あたしが14歳の頃。
ある事件がきっかけだった・・・―――――
◆
王都の大通りから少し外れた場所にある食事処、それがあたしの家だ。
お店の経営状況が悪くて、潰れる寸前のところをエリュシオン様に助けてもらい、常連さんも増えて少し店が繁盛してきたので、あたしもよく店のホールや雑用などを手伝うようになった。
元々大人しい性格じゃなくて、女ながらに威勢の良く声も大きいから周りから「もっと淑女らしく振る舞わないと嫁の貰い手がないぞ」とからかわれるのも日常茶飯事だった。
その日もいつものように「嫁の貰い手がない」とからかわれ、「俺が貰ってやる」とか常連さんと話しているのを軽く受け流しながら、昼のピークを過ぎた後いつものように店の裏に一度ゴミを出しに行った。
事件が起こったのはその時だった・・・――――――
『ふぅ~、最近は常連さんも増えてきたからゴミも重たいなぁ』
嬉しい事に店が繁盛してきて、そこそこ忙しくなってきたのを実感していた時、ガサッという音と共に人の気配がした。
『・・・ビルさん・・・?』
ビルさんはお店の常連さんの一人で、仲間4人でパーティを組んでいる冒険者だ。
お店にもそのパーティの皆で来ることが多く、あたしをからかってくる人達でもある。
『リンダ・・・オレ達、そろそろ王都から別の場所に移動する事になったんだ』
『あ、そうなんですか。寂しくなりますね』
なんの他意もなく、ただ自然に出た言葉だった。
ほんの少しだけ“常連さんが減るから売り上げが減っちゃうな”くらいの気持ちはあったが、実際に寂しい気持ちは微塵もない。
だけど、あたしの言葉をビルさんは自分の良いように解釈したらしい。
『そうだよなぁ、オレがいなくなったら寂しいよな、リンダ』
『は?』
『わかってる。普段からオレに色目使って・・・オレに嫉妬させたくて他の男にも笑顔振りまいてるんだろう?悪かったな、心配させて・・・』
『??』
言ってることが全く理解できなかった。
そして、仮にも相手は冒険者なので知らないうちにすぐそばまで来ていたビルさんに何も反応する事ができなかった。
『・・・っ』
『リンダ・・・周りはもっと淑女らしくしろって言うが、オレは元気なお前が好きだ!』
『!!!』
初めての告白ではあったけど、こんな壁際で力で押さえつけられた状態の今のあたしには、“嬉しい”や“驚き”と言った感情は一切なく、“恐怖”しか感じなかった。
『っ、ビルさんっ!放して!!』
『ははっ、今更何を照れてるんだ?お前だってオレを見てたじゃないか』
『・・・っ、ぃやぁぁぁっ!!!』
力いっぱい抵抗して相手をひっかいたりひっぱたいたりしても、たかだか14歳の小娘と成人済みの冒険者では力量の差が一目瞭然で、あたしの抵抗は虚しく気が付けばビルさんに頬を思いっきり引っぱたかれ、壁際まで吹っ飛ばされていた。
その際掴まれていたシャツが破け、ボタンが弾け飛んでしまい服としての意味がなくなっていた。
『・・・っはぁ、大人しくしていれば痛い目に遭わせるつもりもなかったのに・・・お前が悪いんだぞ、リンダ』
『・・・』
すでにパニックを起こして声すら出せないあたしは、カタカタと泣きながら身体を抱きしめ、震える事しかできない。
痛い・・・
助けて・・・
目の前の男は、下卑た笑みを浮かべながらまた近寄ってくる
やめて、来ないで・・・
来るなっ、これ以上こっちに来ないでっ!!
想い届かず、目の前まで来た男は遠慮なくあたしにまた触れようと手を伸ばす。
“もうダメだ”と、目をギュッと閉じたその時だった・・・――――――
『おじさん、何してるの?』
あたし達以外いなかったお店の裏に、突然見た事のない男の子が現れた。
『・・・坊主、ここはお前みたいなガキが来る場所じゃねぇ。とっとと・・・』
『こっちは何してるの?って聞いてるんだけど・・・あぁ、言い方を変えるよ。イイ年したおっさんその子に何してやがる?』
『『??!!』』
男の子の雰囲気が急にガラッと変わったのがあたしにもわかった。
目の前の男が気迫に負けて一瞬怯んだのもわかったから、その隙に逃げようとあたしも駆け出す・・・が、あっけなく男に捕まってしまった。
『・・・っ痛!!』
『はっ、何逃げようとしてるんだ、リンダ。・・・おいガキ、お前が動いたらコイツがどうなるか・・・――――ぎゃっ!!』
あたしを人質に取ろうとした男が脅しをかけようとした瞬間、目の前から男の子が消えたと同時に男の悲鳴が聞こえた。
意味がわからないまま目に何かを巻かれて視界が真っ暗になった後、男の悲鳴と生々しい音が聞こえる・・・
多分男の子があの男を・・・――――
さっきとは別の意味で怖くなってきた時、知っている声が聞こえてきた。
『アルマ、急にいなくなったかと思ったらここに・・・―――――一体これはなんだ?何があった?』
『・・・エリュシオン様・・・』
聞こえてきた声は、お店の窮地を救ってくれた恩人のエリュシオン様だった。
そして、男の子の名前は“アルマ”と言って、エリュシオン様の知り合いらしい。
知っている声に少し安堵して、頭も少し冷静になってきた時、温かい腕に包まれる感覚があった。
『状況はなんとなくわかった。とりあえずお前はソレをどうにかしろ。・・・≪洗浄≫』
『・・・わかりました。ありがとうございます』
どうやら自分はエリュシオン様に抱えられているらしい。
少し恥ずかしい気持ちもあるけど、それよりも安心感が勝っていた。
そのまま休憩をしていた両親の元へ連れて行かれ、エリュシオン様がお父さんに状況を説明しつつ、あたしは着替えるためお母さんに奥の部屋へと連れて行かれた。
「ごめんね、怖かったね・・・」と優しく撫でながらお母さんに撫でられると、さっきまでの恐怖ともう大丈夫なんだという安心感が同時にやってきて、涙が止まらなくなった。
“女っぽくない”と言いながらも、結局自分は“女”というかよわい生き物なんだと嫌でも実感し、とても悔しかった。
アルマと出会ったこの事件をきっかけに、あたしは強くなりたいと思うようになったのだ・・・――――
ご注意ください
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あたしがアルマと出会ったのは、あたしが14歳の頃。
ある事件がきっかけだった・・・―――――
◆
王都の大通りから少し外れた場所にある食事処、それがあたしの家だ。
お店の経営状況が悪くて、潰れる寸前のところをエリュシオン様に助けてもらい、常連さんも増えて少し店が繁盛してきたので、あたしもよく店のホールや雑用などを手伝うようになった。
元々大人しい性格じゃなくて、女ながらに威勢の良く声も大きいから周りから「もっと淑女らしく振る舞わないと嫁の貰い手がないぞ」とからかわれるのも日常茶飯事だった。
その日もいつものように「嫁の貰い手がない」とからかわれ、「俺が貰ってやる」とか常連さんと話しているのを軽く受け流しながら、昼のピークを過ぎた後いつものように店の裏に一度ゴミを出しに行った。
事件が起こったのはその時だった・・・――――――
『ふぅ~、最近は常連さんも増えてきたからゴミも重たいなぁ』
嬉しい事に店が繁盛してきて、そこそこ忙しくなってきたのを実感していた時、ガサッという音と共に人の気配がした。
『・・・ビルさん・・・?』
ビルさんはお店の常連さんの一人で、仲間4人でパーティを組んでいる冒険者だ。
お店にもそのパーティの皆で来ることが多く、あたしをからかってくる人達でもある。
『リンダ・・・オレ達、そろそろ王都から別の場所に移動する事になったんだ』
『あ、そうなんですか。寂しくなりますね』
なんの他意もなく、ただ自然に出た言葉だった。
ほんの少しだけ“常連さんが減るから売り上げが減っちゃうな”くらいの気持ちはあったが、実際に寂しい気持ちは微塵もない。
だけど、あたしの言葉をビルさんは自分の良いように解釈したらしい。
『そうだよなぁ、オレがいなくなったら寂しいよな、リンダ』
『は?』
『わかってる。普段からオレに色目使って・・・オレに嫉妬させたくて他の男にも笑顔振りまいてるんだろう?悪かったな、心配させて・・・』
『??』
言ってることが全く理解できなかった。
そして、仮にも相手は冒険者なので知らないうちにすぐそばまで来ていたビルさんに何も反応する事ができなかった。
『・・・っ』
『リンダ・・・周りはもっと淑女らしくしろって言うが、オレは元気なお前が好きだ!』
『!!!』
初めての告白ではあったけど、こんな壁際で力で押さえつけられた状態の今のあたしには、“嬉しい”や“驚き”と言った感情は一切なく、“恐怖”しか感じなかった。
『っ、ビルさんっ!放して!!』
『ははっ、今更何を照れてるんだ?お前だってオレを見てたじゃないか』
『・・・っ、ぃやぁぁぁっ!!!』
力いっぱい抵抗して相手をひっかいたりひっぱたいたりしても、たかだか14歳の小娘と成人済みの冒険者では力量の差が一目瞭然で、あたしの抵抗は虚しく気が付けばビルさんに頬を思いっきり引っぱたかれ、壁際まで吹っ飛ばされていた。
その際掴まれていたシャツが破け、ボタンが弾け飛んでしまい服としての意味がなくなっていた。
『・・・っはぁ、大人しくしていれば痛い目に遭わせるつもりもなかったのに・・・お前が悪いんだぞ、リンダ』
『・・・』
すでにパニックを起こして声すら出せないあたしは、カタカタと泣きながら身体を抱きしめ、震える事しかできない。
痛い・・・
助けて・・・
目の前の男は、下卑た笑みを浮かべながらまた近寄ってくる
やめて、来ないで・・・
来るなっ、これ以上こっちに来ないでっ!!
想い届かず、目の前まで来た男は遠慮なくあたしにまた触れようと手を伸ばす。
“もうダメだ”と、目をギュッと閉じたその時だった・・・――――――
『おじさん、何してるの?』
あたし達以外いなかったお店の裏に、突然見た事のない男の子が現れた。
『・・・坊主、ここはお前みたいなガキが来る場所じゃねぇ。とっとと・・・』
『こっちは何してるの?って聞いてるんだけど・・・あぁ、言い方を変えるよ。イイ年したおっさんその子に何してやがる?』
『『??!!』』
男の子の雰囲気が急にガラッと変わったのがあたしにもわかった。
目の前の男が気迫に負けて一瞬怯んだのもわかったから、その隙に逃げようとあたしも駆け出す・・・が、あっけなく男に捕まってしまった。
『・・・っ痛!!』
『はっ、何逃げようとしてるんだ、リンダ。・・・おいガキ、お前が動いたらコイツがどうなるか・・・――――ぎゃっ!!』
あたしを人質に取ろうとした男が脅しをかけようとした瞬間、目の前から男の子が消えたと同時に男の悲鳴が聞こえた。
意味がわからないまま目に何かを巻かれて視界が真っ暗になった後、男の悲鳴と生々しい音が聞こえる・・・
多分男の子があの男を・・・――――
さっきとは別の意味で怖くなってきた時、知っている声が聞こえてきた。
『アルマ、急にいなくなったかと思ったらここに・・・―――――一体これはなんだ?何があった?』
『・・・エリュシオン様・・・』
聞こえてきた声は、お店の窮地を救ってくれた恩人のエリュシオン様だった。
そして、男の子の名前は“アルマ”と言って、エリュシオン様の知り合いらしい。
知っている声に少し安堵して、頭も少し冷静になってきた時、温かい腕に包まれる感覚があった。
『状況はなんとなくわかった。とりあえずお前はソレをどうにかしろ。・・・≪洗浄≫』
『・・・わかりました。ありがとうございます』
どうやら自分はエリュシオン様に抱えられているらしい。
少し恥ずかしい気持ちもあるけど、それよりも安心感が勝っていた。
そのまま休憩をしていた両親の元へ連れて行かれ、エリュシオン様がお父さんに状況を説明しつつ、あたしは着替えるためお母さんに奥の部屋へと連れて行かれた。
「ごめんね、怖かったね・・・」と優しく撫でながらお母さんに撫でられると、さっきまでの恐怖ともう大丈夫なんだという安心感が同時にやってきて、涙が止まらなくなった。
“女っぽくない”と言いながらも、結局自分は“女”というかよわい生き物なんだと嫌でも実感し、とても悔しかった。
アルマと出会ったこの事件をきっかけに、あたしは強くなりたいと思うようになったのだ・・・――――
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