【本編完結済】【R18】異世界でセカンドライフ~俺様エルフに拾われました~

暁月

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11章 双子、失踪事件

大人にとっては些細な事も、子供にとっては大問題

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天気の良い昼下がり。
今日も庭で皆でティータイムを楽しもうかなと思い、あたしはお菓子作りをしていた。

「ん~・・・人数が結構いるからなぁ。クッキーだけじゃ足りないし、焼き菓子もいくつか用意しようかな・・・」
「じゃあスコーンもいっぱい用意してね☆ボクが美味しい蜂蜜用意してあげるから♪」
「セイル!・・・ふふっ、ホントにスコーンが好きなんだから。わかったよ~」
「ぁぷー、えいー、」
「あら、リリア起きてたの?お昼寝してるかと思ってたのに」
「ふふっ、リア、後でボクと一緒にお菓子食べようね☆」
「あんぁー」
「ふふっ、リリアにはまだちょっとスコーンや蜂蜜は早いから、別に用意するクッキーを食べさせてあげてね」
「うん、わかったよ☆」


リリアというのは、結婚式の後にエルと頑張って子作りした結果産まれた女の子で、シルバーブロンドに深紅の瞳で耳の形だけエルから引き継いだ、現在1歳ちょっとの元気な愛娘である。
妊娠した時もセイルから祝福をもらい、産まれてからも「リアに繋がる何かを感じる」とセイルが嬉しそうに言っていたので、名前も“リリア”とリナリアさんに近い名前を付けた。

エルも娘を溺愛してるけど、セイルはそれ以上に溺愛してるのでパパが2人いるみたいな感じだ。
あたしとしてはどちらにも安心して任せられるし、任せている間に別の事ができるからとてもありがたいんだけどね。

セイルは、あたしの背中にいる起きてしまったリリアを抱っこ紐ごと預かって、庭へと連れて行ってくれた。
これであたしは安心してお菓子作りに専念できると思い、てきぱきと数種類のお菓子を作る。
魔法袋マジックバックにもストックしているが、これはあくまで非常用なので普段食べる分は作れる時にその場で作るようにしてるのだ。

「よし!後はこれを焼くだけ……」
「む、今日はプリンを作っていないのか?」
「ひゃっ?!・・・エル!!」

後ろから急に抱きしめてきたのは、愛しい旦那様であるエル。
白衣姿という事は、今も研究室に引きこもっていたんだろう。

「プリンはたくさんストックが・・・んっ」
「んっ、俺は別にが食べられればそれで良いがな」

え?専用の菓子・・・ってあたしか―――――??!!

優しく啄むようなキスからだんだん深いキスになり、エルはあたしの服のボタンを少しずつ外し・・・――――――

「・・・って、ココではダメだし、今はお菓子を作ってる最中だからダメ―――――!!!」
「ならば、作り終わった後ここでなければ良いのだな?」
「え?あの・・・」
「わかった。楽しみにしているぞ、サーヤ」

エルはそう言って何事もなかったかのように去って行き、残されたのは中途半端に服を乱され火照った身体のあたしだけだった。
俺様エル様は、相変わらずいつでもどこでも好きな時にあたしにちょっかいをかけてくるけど、引き際は潔いという相変わらずどこかズレている旦那様だ。

エルに求められたり、キスやハグもされるのは好きだし嬉しいんだけど、普通に最後までシようと服を脱がせてくるので、特に子供達もいる家の中では教育上見せたくないのだ。

「まま、きょうのおやつなぁに?」
「いいにおい、するの♪」
「あ、レオンにサクラ。今日はね、クッキーとスコーンだよ♪セイルが美味しい蜂蜜を用意してくれてるみたい」
「「やったぁ♪」」

双子のレオンとサクラも早いものでもう5歳。
相変わらず甘えん坊だけど、魔法もそして武術までもがすでにあたしよりできるとても有能な子供達でもある。

「まま、リリたんは?」
「ん?リリアは今セイルと一緒に庭でお散歩してるんじゃないかな?」
「むー・・・セイたん、さいきんリリたんばっかで、あそんでくれないの」
「リリたんこのまえ、くーのおにんぎょう、ポイってしたのよ。ひどいの・・・」
「あらあら、そうだったの・・・。でもね、リリアはまだ小さくて周りが助けてあげないといけないことがレオンやサクラより多いの。だから・・・―――――――」
「サーヤ!リアが泣き出しちゃった!!ちょっと来て~~~~~~~~っ」
「あら、そろそろおしめかな?はいはーい。セイル、今行くからちょっと待ってて!・・・ごめんね、ママちょっとリリアの様子見に行かなきゃ。後で庭でティータイムにするから、一緒にお菓子食べようね♪」
「「まま・・・」」

双子達はもちろん可愛い。
だけど、産まれたばかりのリリアは可愛い上に手がかかるので、どうしてもリリア優先になってしまうのだ。
周囲も双子の時みたいにいろいろ手伝ってくれるけど、おしめかご飯かそれ以外かの判断がわからないため、何かあるとあたしがすぐにこうして呼ばれる。
それがレオンやサクラにとっては、“リリアばかり可愛がっている”と見えてしまうのは仕方ないことなんだろう。

おむつ交換の準備をしながら、ティータイムの時はエルにリリアをお願いして、あたしは双子達の相手をしようかなと考えていたら、手を繋いだ天使達・・・もとい、ミナトちゃんとカイトくんが転移魔法で現れた。
カイトくんの転移魔法もだいぶ上達して、よく行く場所なら問題なく転移できるようになったようだ。

「サーヤまま、リアたん、こんにちわなの~♪」
「おねーさん、遊びに来たよ。リリア、泣いてたの?」
「ミナトちゃん、カイトくん、いらっしゃい。リリアはね、ちょうどおしめを替える時間みたいでちょっとグズっちゃったの」
「サーヤまま、あたし、おしめ交換するの!」
「え?ミナトちゃんが??」
「大丈夫だよ、おねーさん。僕もフォローするから。レオンとサクラのおしめ交換は結構してたんだよ」
「そう?じゃあお願いしようかな?」
「任せてなの!」

ミナトちゃんは双子達と共に成長し、今ではしっかりとお姉ちゃんになっているし、カイトくんも身長が少し伸びて少年のようなあどけなさを残しながら、外見も中身も以前より大人っぽくなった。

そして、ミナトちゃんは先日、正式に継承の儀式を終えて水の精霊王となった。
前任の水の精霊王であるアクアリーズさんが額に付けていた、精霊王の証であるサファイアブルーのサークレットを、ミナトちゃんはブレスレットに変えて装着している。
正式に精霊王となったことで魔力量も格段に増えたようで、「今なら、悪い奴らを100人位は縄でぎゅーしたり、ぷっちんしたりできるのよ♪」と笑顔で言っていた。
・・・成長しても考え方はブレていなかった。
ホントに精霊さんの教育方針ってどうなってるの??!!

見た目も少し大人になったけど相変わらずの美少女で、今日は水色の長いふわふわの髪をポニーテールにして白いワンピースを着てるので、背中に天使の羽根があるんじゃないかって錯覚してしまうくらい可愛い。
カイトくんも肩まである白髪をミナトちゃんとお揃いでポニーテールにしていて、今日も二人セットであたしにとっては安定の天使です。眼福眼福、超可愛い。

そんな天使が、我が家の新米天使のおしめ交換を・・・どうしよう、ベルナートさんからもらった黒曜石に残しておこうかな?
でも、使いすぎてこの前エルにお仕置きされたばかりだから、ちょっと控えようかな・・・


そんな感じで、我が家は相変わらず育児に追われながらも平和な毎日を過ごしてます。
悩み・・・というか、少し気になることがあるとすれば、双子達のことだろうか。

最近は皆が最年少のリリアばかりをかまっているので、双子達が少し寂しそうにしている姿が時々目に入る。
あたしも、母乳あげたりご飯用意したりで、どうしてもリリア優先になってしまうからちょっと申し訳ないけど、これも年上兄姉ならではの悩みだよね。
・・・あたしはお兄ちゃんしかいなかったからわからないけど。


この時は、時間が経てば双子もわかってくれるかなと楽観的に考えていた。
だけど、実際レオンとサクラはあたしが思っていた以上に思い詰めていると知ったのは、コトが起こってからだった。


あたしがもっと早くに二人を気遣っていたら、あんな事にはならなかったかもしれない・・・―――――――
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