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12章 初めての家族旅行兼新婚旅行 ~お米の国へ出発編~
初めて抱いた恋心2
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◇
レオンと寝室に入ると、眠るミナトちゃんのそばにはマデリーヌさんとサクラがいて、ミナトちゃんの手を握っていた。
ミナトちゃんは、一見とても穏やかな顔で眠っているように見えるけど、今はどういう状態なんだろうか?
「あ、まま!おかえりなさい」
「ただいま、サクラ。ミナトちゃんのそばにいたんだね。マデリーヌさん、ミナトちゃんは・・・」
「あらん、サーヤちゃんじゃないのん♡思ったより帰りが早くて良かったわん♡♡てっきりエリュシオンの事だから、まだまだサーヤちゃんを放さな・・・――――――――」
「だぁぁぁぁぁぁっ、それよりもっ!!ミナトちゃん、ミナトちゃんの状態を教えてくださいっ!!」
「あ、ミナトね♡大丈夫よん♡今は眠ってるだけだからん♡♡」
マデリーヌさんは、一度お城へ帰ったけどすぐにセイルから呼び出されてここに来たらしい。
そんなマデリーヌさんのこの場にそぐわぬ問題発言を何とか防ぎつつ、ミナトちゃんの様子を伺う。
今は眠ってるだけみたいだけど、当初は少し苦しむ様子もあったみたいで、今は大分落ち着いたようだ。
「サーヤちゃん、ミナトの手を握ってあげてねん♡」
「はい、こう・・・ですか?」
「ええ。制約の苦しみを少しでも軽減するための言葉をかけてあげてちょうだいな♡加護者であるサーヤちゃんは念話でも大丈夫よん♡きっと、サーヤちゃんの言葉が一番効くはずだわん♡」
「はい、わかりました」
制約を軽減・・・確か加護を与えてる精霊王様は、加護者に関係ない人間のあれこれに手を出しちゃダメなんだよね?
だから、あたしに関係のない人間に手を出しちゃうと制約に反してしまうって事になる。
だけど・・・――――――
今回の被害者であるレオンは、大切なあたしの子供だ。
ミナトちゃんは、あたしに関係のない人間に手を出したわけじゃない。
あたしの大切なレオンをあたしの代わりに守ってくれただけ。
だから、制約に反していないミナトちゃんは苦しむ必要なんかないんです。
魔力が必要ならあたしの魔力をあげるから、早く元気になっていつもの可愛い天使なミナトちゃんをあたしに見せてね・・・。
ミナトちゃんの手を握りながら、最終的にお願いするような訴えになってしまった。
すると、願った瞬間、辺り一面がパァァァっと眩しい光に包まれ、繋いだ手を通してナニカがあたしからミナトちゃんへと送られたのがわかった。たぶん魔力だろう。
結構な量の魔力を送ってしまったらしく、光が落ち着いた頃にはあたしはミナトちゃんの手を握ったままぽすんっとベッドに倒れこんでしまった。
「「ままっ?!」」
「・・・っ、だい、じょぶ。身体の力が抜けちゃっただけ・・・それより、ミナトちゃんは・・・?」
マデリーヌさんが「今エリュシオン呼ぶから、ちょっと待っててねん♡」と言ってる声と、レオンやサクラが心配そうにあたしを呼ぶ声が少し遠めに聞こえる。
・・・あ、ヤバイ。これ、意識失う感じかも・・・―――――
そう思った時、手をぎゅうっと強く握られる感触と聞きたかった大好きな声が聞こえてきた。
「ありがとう、サーヤまま。もう大丈夫なのよ。もらい過ぎちゃった魔力、今返すからね・・・」
繋いだ手から、温かい温もりと共に魔力が送られてくるのがわかる。
遠のいていた意識も少しずつはっきりしてきて、ようやく目が開いた時には目の前に天使の微笑み・・・もといミナトちゃんの笑顔があった。
「ミナトちゃん・・・もう大丈夫?」
「うん、もう大丈夫なの。サーヤままのおかげなのよ、ありがとう」
「「ミーたんっ!!」」
「レオたん、サクたんも、心配させてごめんなさいなの」
それから、マデリーヌさんが呼んできたエルや、一緒についてきたセイルやベルナートさんやカイトくん、そして、アレク兄様までも一緒に寝室に入って来て、一気に場が賑やかになった。
「エルぱぱ、ごめんなさ・・・」
「ミナト、お前は悪くない。むしろ、俺はお前に礼を言わなければな」
「お礼・・・?」
「あぁ。レオンを守ってくれて感謝する、ミナト。・・・だが、守り方を少し誤ってしまったようだな。今後はすぐに攻撃せずまずはバリアで守るか、余裕があるなら一度周囲に相談してから行動しろ。良いな?」
「!!・・・うんっ、今度から、気を付け・・・ック、ごめ、なさ・・・ぱぱぁ・・・」
嬉しさと申し訳なさとで泣き出したミナトちゃんを優しく抱き上げ、背中をぽんぽんとしてあげるエル。
うんうん、完璧なフォローである。さすがは三人の子供のパパだね!
「ふふっ、今も十分親子っぽいけど、ミナトがレオンと結婚したらエリュシオンは本当にミナトの“パパ”になれるよね☆」
「・・・ぱぱ、ミーたんのぱぱに、なれゆの?」
「レオンとミナトが“婚約”して、君達のパパやママみたいな関係になったらなれるよ♪」
「くーしってゆ!それ、“けっこん”ってゆーのよ!レオたんと、ミーたん、けっこんすゆの?」
ちょっとちょっとっ!誰かそこの大人を止めてっ!!
まだそーゆーのはレオンやサクラには早いからっ!!!!
「じゃあ、ミナトと僕は兄妹みたいなものだから、僕もおにーさんのこと“パパ”って呼んだ方が良い?」
「あらん♡エリュシオンってば、どんどん子沢山なパパになっていくわねん♡♡」
ダメだ。止めるどころかカイトくんやマデリーヌさんまでも便乗してきた。
あたしはまだ皆の暴走を止めるほど、体力が回復してないのでとても止められそうもない。
エルも複雑な顔をしながらどう止めようか考えているようだけど、次の爆弾発言で止めざるを得ない状況になった。
「じゃあ、くーは、ベルとけっこんすゆの!でね、ベルもぱぱのこと、“ぱぱ”ってよぶのよ♪」
「えぇぇ?!いや、さすがにそれは・・・」
「うぅ・・・ベル、やなの?」
「やっ、えっと、そうじゃなくて・・・――――――」
「・・・駄犬、貴様・・・」
「???!!!・・・いやいやいや、俺、今は何も言ってないっ!言ってないよ??!!」
「”今は”・・・だと??」
いつものように、恒例となったエルとベルナートさんの追いかけっこ(?)が幕を開けようとしている。
周囲も”また始まった”って感じでとてもにこやかで楽しい雰囲気なんだけど・・・あたしもすごく好きな雰囲気なんだけど・・・
お願い、誰かあたしに気付いて。
そして、もう少しだけ魔力を下さい。まだ動けないんです・・・
最終的に、あたしの魔力不足に気付いて助けてくれたのは、すっかり元気になったミナトちゃんとカイトくんでした。
やっぱりこの二人は見た目も中身も天使そのモノです!
もう最高っ!あたしの癒しっ!!
レオンと寝室に入ると、眠るミナトちゃんのそばにはマデリーヌさんとサクラがいて、ミナトちゃんの手を握っていた。
ミナトちゃんは、一見とても穏やかな顔で眠っているように見えるけど、今はどういう状態なんだろうか?
「あ、まま!おかえりなさい」
「ただいま、サクラ。ミナトちゃんのそばにいたんだね。マデリーヌさん、ミナトちゃんは・・・」
「あらん、サーヤちゃんじゃないのん♡思ったより帰りが早くて良かったわん♡♡てっきりエリュシオンの事だから、まだまだサーヤちゃんを放さな・・・――――――――」
「だぁぁぁぁぁぁっ、それよりもっ!!ミナトちゃん、ミナトちゃんの状態を教えてくださいっ!!」
「あ、ミナトね♡大丈夫よん♡今は眠ってるだけだからん♡♡」
マデリーヌさんは、一度お城へ帰ったけどすぐにセイルから呼び出されてここに来たらしい。
そんなマデリーヌさんのこの場にそぐわぬ問題発言を何とか防ぎつつ、ミナトちゃんの様子を伺う。
今は眠ってるだけみたいだけど、当初は少し苦しむ様子もあったみたいで、今は大分落ち着いたようだ。
「サーヤちゃん、ミナトの手を握ってあげてねん♡」
「はい、こう・・・ですか?」
「ええ。制約の苦しみを少しでも軽減するための言葉をかけてあげてちょうだいな♡加護者であるサーヤちゃんは念話でも大丈夫よん♡きっと、サーヤちゃんの言葉が一番効くはずだわん♡」
「はい、わかりました」
制約を軽減・・・確か加護を与えてる精霊王様は、加護者に関係ない人間のあれこれに手を出しちゃダメなんだよね?
だから、あたしに関係のない人間に手を出しちゃうと制約に反してしまうって事になる。
だけど・・・――――――
今回の被害者であるレオンは、大切なあたしの子供だ。
ミナトちゃんは、あたしに関係のない人間に手を出したわけじゃない。
あたしの大切なレオンをあたしの代わりに守ってくれただけ。
だから、制約に反していないミナトちゃんは苦しむ必要なんかないんです。
魔力が必要ならあたしの魔力をあげるから、早く元気になっていつもの可愛い天使なミナトちゃんをあたしに見せてね・・・。
ミナトちゃんの手を握りながら、最終的にお願いするような訴えになってしまった。
すると、願った瞬間、辺り一面がパァァァっと眩しい光に包まれ、繋いだ手を通してナニカがあたしからミナトちゃんへと送られたのがわかった。たぶん魔力だろう。
結構な量の魔力を送ってしまったらしく、光が落ち着いた頃にはあたしはミナトちゃんの手を握ったままぽすんっとベッドに倒れこんでしまった。
「「ままっ?!」」
「・・・っ、だい、じょぶ。身体の力が抜けちゃっただけ・・・それより、ミナトちゃんは・・・?」
マデリーヌさんが「今エリュシオン呼ぶから、ちょっと待っててねん♡」と言ってる声と、レオンやサクラが心配そうにあたしを呼ぶ声が少し遠めに聞こえる。
・・・あ、ヤバイ。これ、意識失う感じかも・・・―――――
そう思った時、手をぎゅうっと強く握られる感触と聞きたかった大好きな声が聞こえてきた。
「ありがとう、サーヤまま。もう大丈夫なのよ。もらい過ぎちゃった魔力、今返すからね・・・」
繋いだ手から、温かい温もりと共に魔力が送られてくるのがわかる。
遠のいていた意識も少しずつはっきりしてきて、ようやく目が開いた時には目の前に天使の微笑み・・・もといミナトちゃんの笑顔があった。
「ミナトちゃん・・・もう大丈夫?」
「うん、もう大丈夫なの。サーヤままのおかげなのよ、ありがとう」
「「ミーたんっ!!」」
「レオたん、サクたんも、心配させてごめんなさいなの」
それから、マデリーヌさんが呼んできたエルや、一緒についてきたセイルやベルナートさんやカイトくん、そして、アレク兄様までも一緒に寝室に入って来て、一気に場が賑やかになった。
「エルぱぱ、ごめんなさ・・・」
「ミナト、お前は悪くない。むしろ、俺はお前に礼を言わなければな」
「お礼・・・?」
「あぁ。レオンを守ってくれて感謝する、ミナト。・・・だが、守り方を少し誤ってしまったようだな。今後はすぐに攻撃せずまずはバリアで守るか、余裕があるなら一度周囲に相談してから行動しろ。良いな?」
「!!・・・うんっ、今度から、気を付け・・・ック、ごめ、なさ・・・ぱぱぁ・・・」
嬉しさと申し訳なさとで泣き出したミナトちゃんを優しく抱き上げ、背中をぽんぽんとしてあげるエル。
うんうん、完璧なフォローである。さすがは三人の子供のパパだね!
「ふふっ、今も十分親子っぽいけど、ミナトがレオンと結婚したらエリュシオンは本当にミナトの“パパ”になれるよね☆」
「・・・ぱぱ、ミーたんのぱぱに、なれゆの?」
「レオンとミナトが“婚約”して、君達のパパやママみたいな関係になったらなれるよ♪」
「くーしってゆ!それ、“けっこん”ってゆーのよ!レオたんと、ミーたん、けっこんすゆの?」
ちょっとちょっとっ!誰かそこの大人を止めてっ!!
まだそーゆーのはレオンやサクラには早いからっ!!!!
「じゃあ、ミナトと僕は兄妹みたいなものだから、僕もおにーさんのこと“パパ”って呼んだ方が良い?」
「あらん♡エリュシオンってば、どんどん子沢山なパパになっていくわねん♡♡」
ダメだ。止めるどころかカイトくんやマデリーヌさんまでも便乗してきた。
あたしはまだ皆の暴走を止めるほど、体力が回復してないのでとても止められそうもない。
エルも複雑な顔をしながらどう止めようか考えているようだけど、次の爆弾発言で止めざるを得ない状況になった。
「じゃあ、くーは、ベルとけっこんすゆの!でね、ベルもぱぱのこと、“ぱぱ”ってよぶのよ♪」
「えぇぇ?!いや、さすがにそれは・・・」
「うぅ・・・ベル、やなの?」
「やっ、えっと、そうじゃなくて・・・――――――」
「・・・駄犬、貴様・・・」
「???!!!・・・いやいやいや、俺、今は何も言ってないっ!言ってないよ??!!」
「”今は”・・・だと??」
いつものように、恒例となったエルとベルナートさんの追いかけっこ(?)が幕を開けようとしている。
周囲も”また始まった”って感じでとてもにこやかで楽しい雰囲気なんだけど・・・あたしもすごく好きな雰囲気なんだけど・・・
お願い、誰かあたしに気付いて。
そして、もう少しだけ魔力を下さい。まだ動けないんです・・・
最終的に、あたしの魔力不足に気付いて助けてくれたのは、すっかり元気になったミナトちゃんとカイトくんでした。
やっぱりこの二人は見た目も中身も天使そのモノです!
もう最高っ!あたしの癒しっ!!
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