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13章 初めての家族旅行兼新婚旅行 ~お米をGetするために~
名物料理はどっち?!ガチンコ料理対決5 ~結果発表前の密約~
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◇
「〈皆さーん、お待たせしました!!全員分の投票が完了です。これから結果発表を致しますっ!!!〉」
そして、ついに結果発表の時間がやってきた。
「〈青い箱がモジアルドさん、赤い箱がサーヤさん、それぞれのパルミアが美味しいと思った箱ガラス玉を入れていただきました。箱に入っているガラス玉の数が多い方が勝者となります!〉」
司会のお姉さんのそばには2つの箱があり、アシスタントと思われる女の子が司会のお姉さんの声に合わせてガラス玉を数え始める。
「サーヤ、ちょっと良いか?」
「あ、モジャさん。お疲れ様です、どうしたんですか?」
「ちょっとおめぇに話があってな・・・あ、旦那も来てくれて構わねぇ」
「そうか、ならばこのテントの裏に行くぞ。ほら、サーヤも来い」
「あ、うん!」
ガラス玉の数を数えている最中に、モジャさんから「話がある」と呼び出され、エルも一緒に待機しているテントの裏に行った。
ちょうど路地裏に面しているので、少し薄暗く人はほとんどいない。
「一応遮音の結界を張った。これで何を話しても周囲には聞こえないだろう」
「恩に着るぜ、旦那。・・・結果が出る前に呼び出して悪かったな。どうしても先に言っておきてぇことがあったんだ」
「言っておきたいこと・・・ですか?」
「あぁ。・・・サーヤ、この料理対決の結果に関係なく、おめぇとリーズの取引をしてやる」
「・・・え?」
リーズの取引をしてくれる・・・ってことは、お米が手に入るの?
やった!すごく嬉しい!!
・・・あれ?でもどうして急に??
「・・・結果が出る前にそのような結論に至ったのはなぜだ?結果が出た後でも良かろう?」
エルの言うとおりだ。
別にこの話は今しなくたっていい内容だと思うんだけど・・・
「今回の2つのパルミア・・・率直な意見だが、お前のパルミアの方がオレ様のパルミアよりも断然美味かった。そもそも約束は、料理対決の結果じゃなく”オレ様が美味いと思ったら”という約束だったはずだ」
「あ、確かに・・・」
「だがな、オレ様にとってはこの料理対決の結果なんざ関係ねぇ。リーズは美味い食べ物なんだといろんな奴らにわかってもらえりゃそれで良いんだ」
「モジャさん・・・」
「料理対決をした結果の末にリーズの取引をするんじゃねぇ。こいつならリーズで美味い飯を作ってくれると思ったから取引してぇんだ!」
モジャさんはホントに熱い人で、リーズが本当に好きでそれを作ってる事に誇りを持ってるんだろうなというのがわかる。
なんかこういう熱血漢が、ホントにタツ兄みたいで懐かしいなぁ。
・・・髪型が紫のアフロってのはすごいけど。
「なるほど。結果が出た後では、どう理由付けしようが“負けたから”とどこかで思われてしまうからな」
「あぁ。それに、しばらく祭りやイベントがなかったから、村の奴らがこの料理対決を楽しんでいたのも事実。それをどうこう言うつもりもねぇ。だから料理対決の結果、勝った方のパルミアをこの村の名物料理にすると発表するつもりだ」
「うむ、それならば村の奴らも納得するだろう」
エルとモジャさんで話が進んでいくのを見ながら、この対決を始めてから思っていることを打ち明けてみた。
「・・・あのね、エル、モジャさん。ちょっと思ったんだけど・・・」
勝敗関係なくリーズを融通してくれるということは、素直に嬉しいしありがたい。
でも、今回の対決ってパルミア・・・要はパエリアの作り方を知ってるか知らなかったかというだけの違いであって、決してあたしの料理が美味いとかそう言うことじゃないと思うんだよね。
今日モジャさんが作った尾頭付きのパエリアだって、事前に仕込みをしたりちゃんと味がしみ込むよう煮込み時間や火加減を調整したら、あたしのパエリアよりも美味しかったと思うもの。
「・・・―――――だから、この料理対決の勝敗は、あまり意味がないと思うの・・・盛り上がってるのにこんなこと言うのはアレなんだけど・・・」
「いや、調理方法を知ってるというのは、料理人として十分武器になり勝敗を付けるに値する事だ。おめぇに料理を教えた師匠は、さぞ有名な国を跨いだ料理人だったんだろうな!」
すみません。あたしの料理の師匠は人ではなく、クック〇ッド先生です・・・
「パエリア・・・いえ、パルミアも材料や元となるスープを変えたらいろんな種類が作れます。だから、これからはモジャさんがこの国の食材をふんだんに生かしたパルミアを名物にするのが一番だと思うんです」
「・・・なるほど。地元の食材を利用か・・・確かにそれもありだな。だが、それはゆくゆくの話だ」
「では、取引の詳細については後ほどアレクと話してくれ。サーヤがパルミアに使ったコンソメも取引するよう話しておく」
「おぅっ!恩に着るぜ、旦那!!」
一通り話がまとまったところでエルが遮音の結界を解くと、「〈モジアルドさ~ん?サーヤさ~ん、どこですか~~?〉」と司会の人があたし達を探す声が聞こえてきたので、あたし達は急いで会場へ戻ることにした。
◇
「〈あ、いらっしゃいました!モジアルドさんとサーヤさんです。皆様、今一度拍手でお迎えくださ~い〉」
パチパチと温かい拍手で出迎えられ、皆の注目を浴びる。
なんか、さっきよりも心なしか人が多い・・・というか、女性が多い??
「モジアルドっ、大変よ!大変な方がいらっしゃったわ!!」
「ペチアリア?どうした、大変な方っていったい・・・」
「〈改めて結果発表をする前に、突然いらっしゃった特別ゲストの方から一言ご挨拶がございます!〉」
「え?ゲストなんていたっけ?」
「いや、“突然来た”と言っているのだ。元より予定にはなかったのであろう」
会場に戻ってきたあたし達・・・というかモジャさんに慌てて声をかけ「大変な方が来た」と訴えるペチャさん。
それとほぼ同時に、司会のお姉さんが“特別ゲスト”と言って紹介した人を見て、あたしは驚いた。
「・・・―――あ!あれって、もしかして・・・」
高貴な服を纏い、周囲の女の子達から熱い視線を浴びている二人の男性。
忘れもしない、でもできれば忘れたかった人・・・
エルが以前最北の町に置いて来てしまったこの国の第二王子と、雷の精霊王であるライムントさんだった。
・・・良かった。第二王子、ちゃんと城に帰れてたんだね。
「〈皆さーん、お待たせしました!!全員分の投票が完了です。これから結果発表を致しますっ!!!〉」
そして、ついに結果発表の時間がやってきた。
「〈青い箱がモジアルドさん、赤い箱がサーヤさん、それぞれのパルミアが美味しいと思った箱ガラス玉を入れていただきました。箱に入っているガラス玉の数が多い方が勝者となります!〉」
司会のお姉さんのそばには2つの箱があり、アシスタントと思われる女の子が司会のお姉さんの声に合わせてガラス玉を数え始める。
「サーヤ、ちょっと良いか?」
「あ、モジャさん。お疲れ様です、どうしたんですか?」
「ちょっとおめぇに話があってな・・・あ、旦那も来てくれて構わねぇ」
「そうか、ならばこのテントの裏に行くぞ。ほら、サーヤも来い」
「あ、うん!」
ガラス玉の数を数えている最中に、モジャさんから「話がある」と呼び出され、エルも一緒に待機しているテントの裏に行った。
ちょうど路地裏に面しているので、少し薄暗く人はほとんどいない。
「一応遮音の結界を張った。これで何を話しても周囲には聞こえないだろう」
「恩に着るぜ、旦那。・・・結果が出る前に呼び出して悪かったな。どうしても先に言っておきてぇことがあったんだ」
「言っておきたいこと・・・ですか?」
「あぁ。・・・サーヤ、この料理対決の結果に関係なく、おめぇとリーズの取引をしてやる」
「・・・え?」
リーズの取引をしてくれる・・・ってことは、お米が手に入るの?
やった!すごく嬉しい!!
・・・あれ?でもどうして急に??
「・・・結果が出る前にそのような結論に至ったのはなぜだ?結果が出た後でも良かろう?」
エルの言うとおりだ。
別にこの話は今しなくたっていい内容だと思うんだけど・・・
「今回の2つのパルミア・・・率直な意見だが、お前のパルミアの方がオレ様のパルミアよりも断然美味かった。そもそも約束は、料理対決の結果じゃなく”オレ様が美味いと思ったら”という約束だったはずだ」
「あ、確かに・・・」
「だがな、オレ様にとってはこの料理対決の結果なんざ関係ねぇ。リーズは美味い食べ物なんだといろんな奴らにわかってもらえりゃそれで良いんだ」
「モジャさん・・・」
「料理対決をした結果の末にリーズの取引をするんじゃねぇ。こいつならリーズで美味い飯を作ってくれると思ったから取引してぇんだ!」
モジャさんはホントに熱い人で、リーズが本当に好きでそれを作ってる事に誇りを持ってるんだろうなというのがわかる。
なんかこういう熱血漢が、ホントにタツ兄みたいで懐かしいなぁ。
・・・髪型が紫のアフロってのはすごいけど。
「なるほど。結果が出た後では、どう理由付けしようが“負けたから”とどこかで思われてしまうからな」
「あぁ。それに、しばらく祭りやイベントがなかったから、村の奴らがこの料理対決を楽しんでいたのも事実。それをどうこう言うつもりもねぇ。だから料理対決の結果、勝った方のパルミアをこの村の名物料理にすると発表するつもりだ」
「うむ、それならば村の奴らも納得するだろう」
エルとモジャさんで話が進んでいくのを見ながら、この対決を始めてから思っていることを打ち明けてみた。
「・・・あのね、エル、モジャさん。ちょっと思ったんだけど・・・」
勝敗関係なくリーズを融通してくれるということは、素直に嬉しいしありがたい。
でも、今回の対決ってパルミア・・・要はパエリアの作り方を知ってるか知らなかったかというだけの違いであって、決してあたしの料理が美味いとかそう言うことじゃないと思うんだよね。
今日モジャさんが作った尾頭付きのパエリアだって、事前に仕込みをしたりちゃんと味がしみ込むよう煮込み時間や火加減を調整したら、あたしのパエリアよりも美味しかったと思うもの。
「・・・―――――だから、この料理対決の勝敗は、あまり意味がないと思うの・・・盛り上がってるのにこんなこと言うのはアレなんだけど・・・」
「いや、調理方法を知ってるというのは、料理人として十分武器になり勝敗を付けるに値する事だ。おめぇに料理を教えた師匠は、さぞ有名な国を跨いだ料理人だったんだろうな!」
すみません。あたしの料理の師匠は人ではなく、クック〇ッド先生です・・・
「パエリア・・・いえ、パルミアも材料や元となるスープを変えたらいろんな種類が作れます。だから、これからはモジャさんがこの国の食材をふんだんに生かしたパルミアを名物にするのが一番だと思うんです」
「・・・なるほど。地元の食材を利用か・・・確かにそれもありだな。だが、それはゆくゆくの話だ」
「では、取引の詳細については後ほどアレクと話してくれ。サーヤがパルミアに使ったコンソメも取引するよう話しておく」
「おぅっ!恩に着るぜ、旦那!!」
一通り話がまとまったところでエルが遮音の結界を解くと、「〈モジアルドさ~ん?サーヤさ~ん、どこですか~~?〉」と司会の人があたし達を探す声が聞こえてきたので、あたし達は急いで会場へ戻ることにした。
◇
「〈あ、いらっしゃいました!モジアルドさんとサーヤさんです。皆様、今一度拍手でお迎えくださ~い〉」
パチパチと温かい拍手で出迎えられ、皆の注目を浴びる。
なんか、さっきよりも心なしか人が多い・・・というか、女性が多い??
「モジアルドっ、大変よ!大変な方がいらっしゃったわ!!」
「ペチアリア?どうした、大変な方っていったい・・・」
「〈改めて結果発表をする前に、突然いらっしゃった特別ゲストの方から一言ご挨拶がございます!〉」
「え?ゲストなんていたっけ?」
「いや、“突然来た”と言っているのだ。元より予定にはなかったのであろう」
会場に戻ってきたあたし達・・・というかモジャさんに慌てて声をかけ「大変な方が来た」と訴えるペチャさん。
それとほぼ同時に、司会のお姉さんが“特別ゲスト”と言って紹介した人を見て、あたしは驚いた。
「・・・―――あ!あれって、もしかして・・・」
高貴な服を纏い、周囲の女の子達から熱い視線を浴びている二人の男性。
忘れもしない、でもできれば忘れたかった人・・・
エルが以前最北の町に置いて来てしまったこの国の第二王子と、雷の精霊王であるライムントさんだった。
・・・良かった。第二王子、ちゃんと城に帰れてたんだね。
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