【本編完結済】【R18】異世界でセカンドライフ~俺様エルフに拾われました~

暁月

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13章 初めての家族旅行兼新婚旅行 ~お米をGetするために~

予期せぬ来客は傍若無人2

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ノルンさんに抱きつき癒されてたら、ベリっとはがされ逆側にいたエルに抱きつく体勢にさせられた。
ノルンさんもノルンさんで、先代様に後ろから抱きしめられる体勢となっている。

「俺達は暇ではない。これから大事な話し合いをせねばならぬ。部外者はさっさと帰れ」
「そうだ。この話し合いが終わらねば、ノルンを連れて帰れぬではないか」

エルと先代様の意見が珍しく合い、ライムントさんに帰れって言ってるけど、あたしやノルンさんを抱えながら言っても説得力ないんじゃ・・・?
先代様なんてモロ本音を言っちゃってるし。

「話し合い・・・先ほどサーヤが言っていた“家探し”というやつか?」
「そうよん♡この国にいつでも買い物しに来れるような拠点にするのん♡♡メラニウムにあるみたいに、大きくて庭付きの家が良いわん♡」
「それに、近くに森や自然があると嬉しいわね」
「庭は薬草農園と離れとして研究室を作るくらい広くて、何より強固な結界を張れないとダメだ」
「ん~、でも結界を張り過ぎて見えなくしちゃうと、前みたいに変な奴らが捜しに来ちゃうかもよ☆」
「すべての条件を満たす家を探すより、作った方が早いのではないか?我なら魔法ですぐに空き地を作れるぞ」
「先代様、それは悪目立ちしてしまいますから、めっです」

ライムントさんの一言をきっかけに、皆で家の条件を出し合っている。

でも、改めて考えるとなかなか難しい条件だよね。
とりあえず先代様の言う”作る”は却下だ。
家を作るために空き地作るって、間違いなく焼け野原にしかならない気がする。
ノルンさん、先代様を止めてくれてありがとうございます!


新しい家の条件をまとめて見ると・・・

・皆が寝泊まりできるような大きい家
・適度に自然もあって、エルの薬草農園や研究室を作れるほどの大きな庭がある
・厳重な結界を張っても人間に干渉されない


うん。そんな家、なかなかない・・・――――――


「・・・あるぞ。その条件の揃った家」
「え?」
「・・・どういうことだ?」
「え?ライムントって意外とこの国に詳しいの??どこの町?」
「我はこの国の事など興味はないし、町の事も知らぬ」
「あらん?じゃあライムントが言ってる条件の合った家と言うのはどこにあるのかしらん?」

ライムントさんの言ってる事がいまいちわからない。
自信満々に言ってるけど、ホントにそんな家なんてあるんだろうか?

「薬草や珍しい調味料を栽培している薬草農園、簡単な実験や研究ができる離れ、自然に囲まれ結界を張っても他の人間に干渉されることもない場所にある広い家・・・これらは全て該当する」
「すごいっ、そんな家あるんですね!どこですか??」
「??・・・何を言っておる。サーヤは一度来た事があるではないか」
「・・・へ?」

あたし、そんな場所に行ったことあったっけ?
あたしが言ったことある場所で、ライムントさんも行ってる場所って・・・―――――

「・・・――――――!!え、ちょっと待って!それってもしかして・・・」
「あぁ。我が条件に合うと言ったのは、タモツの家だ」
「!!!」

あたしとしては、サクラやリリアと共にライムントさんに攫われた場所で、できれば二度と行きたくない場所だった。
そしてエルも同様に、条件に合っているからと言ってあたしやサクラ達が誘拐されていた場所だから複雑な気持ちだろう。

でも、セイルやノルンさんは「あ、あそこかぁ☆」とか「確かに良い場所よね」などと普通にしていて、さほど気にしている様子はない。
あたし達が気にし過ぎなんだろうか?

「でも、あの場所は・・・」
「うむ・・・」
「あの家の薬草農園は、タモツが見つけたこの国でも希少な薬草や、調味料に使える“はーぶ”も育てていて、台所にはタモツがよく料理に使っていた“はーぶそると”もあるぞ」
「希少な、薬草・・・だと?!」
「ハーブにハーブソルトまで??!!」
「あ、二人とも食いついた☆」

確かに、ちらっと見えたあの台所は、懐かしい調理器具もチラホラ見えたし使い勝手も良さそうだった。
それだけじゃなくタモツさんが作ったハーブにハーブソルトまであるだって?!
なんとなくだけど、きっと他にも色々あるはず!!

正直トラウマになるほど嫌なことはなかったし、それ以上にタモツさんが残したモノというのがめっちゃ気になる。
・・・“行ってみたい”って言ったら、エルは怒るかな?

エルの方を見てみると、眉間にしわを寄せながら本気で悩んでいた。
どうやら“希少な薬草”というのに惹かれたらしい。

「・・・エル、もし迷ってるならとりあえず実際に見に行ってみない?」
「!!・・・っ、だが、そこは以前お前が・・・」
「気が付いたら家の中だったし、確かにアレの解体・・・いや、調理については思い出したくもないけど・・・でも、それ以外に嫌なことは特になかったよ?」
「・・・サクラやリリアは?」
「あたしが目を覚ました時、サクラはライムントさんに変なポーズを教わってたけど、リリアは特に変わらな・・・」
「何を言う!あの幼子おさなごは目についたものを何でも口に入れたがる魔物のような生き物ではないかっ!!我の髪がよだれまみれにしおって・・・何度髪を洗う羽目になった事か・・・」
「えっと・・・なんか、うちの娘がすみません・・・」
「ふふっ☆さすがはリアだね♪」

少し青ざめた顔でそう話すライムントさん、リリアの事が若干トラウマになっているようだ。

リリアは長くて綺麗な髪が大好きだから・・・髪の長い方は誰もが通る道みたいなモノなんだよね。
ライムントさんが片方に髪の毛をまとめてるのって、もしかしてそれが理由なのかな?

「だが、お前としては大切な者との思い出の家なのだろう?なぜ俺達に見せようとする?もし住むことになれば、中の家具を買い替えたり内装を変える可能性だってあるのだぞ?」

確かに、タモツさんをとても大切にしてるのに、その思い出の場所をあたし達に提供しちゃったら、すべてをそのまま使うなんてことは絶対ないし、そもそもそんな場所に他人であるあたし達が足を踏み入れて良いんだろうか?

ライムントさんは、お茶を一口飲んで一息ついてから静かに語り始めた。

「・・・確かに、お前達の言うとおりだ。あの家をお前達に提供すれば、改装したり家具を買い替える場所が多々あるだろう。だが、我はもうあの家を残し思い出に浸る生活をすでに何百年と続けてきた。・・・続け過ぎたのだ」
「ライムントさん・・・」
「あの家をどれだけ残していても、タモツはいないし帰ってくるわけでもない。たとえ面影があっても、カケルはタモツではない・・・家主のいない家や薬草農園を維持し続けるのに、我は少々疲れたのだ」
「なるほど、な・・・」
「だったら、せめてタモツの作る味を限りなく近く再現できるサーヤに・・・そう思ったのだ」
「・・・そう、だったんですね」

場が少しだけしんみりとしてしまう。
大切な人を失った悲しみは計り知れないものなんだろう。
・・・あたしだって、エルがいなくなってしまったら・・・なんて考えたくもないもの。

「ねぇねぇ、だいぶほだされて忘れちゃってるみたいだけどさ、ライムントは最初、サーヤを誘拐してその家に拉致監禁しようとしてたんだよ☆」
「!!!」
「何を言う、セイル。拉致監禁などではない。我の眷属にしてやろうと・・・――――――」
「いやいや、そんなの望んでませんから!セイルの言うとおり、あれは立派な誘拐っ、拉致監禁です!!無理矢理、ダメっ、絶対!!!」

危ない危ない。
切ない話で流されかけたけど、ライムントさんはこの部屋に来てからもかなり自分勝手で防着武人だったじゃないか。
信用するのはまだ早い!

「・・・お前の目的は何だ?今の話、俺達には確かに好条件だが、”思い出に浸るのに疲れたから”という理由だけで提案したとは思えぬ」

エルの質問に、”そう言えばそうだよね”と内心納得しながら会話に耳を傾ける。
ライムントさんは聞かれるとわかっていたらしく、動じることもなく淡々と”目的”を話し始めた。

「我の目的は・・・サーヤ、お前の料理だ」
「・・・え?あたしの、料理??」
「”落ち人”であるお前は、元はタモツと同じ異世界から来たのであろう?我に、タモツと同じモノを・・・とは言わぬ。タモツの故郷の味を我に食べさせてくれ。家にあるものは何を使ってもかまわぬ」
「ライムントさん・・・」
「家を維持し続けるより、タモツが作ったモノを生かし、それを食しながら生きていくのが我の望みだ・・・頼む、サーヤ。タモツの味を、我に思い出させてくれ・・・」
「・・・」


そう言って、あたしに軽く頭を下げるライムントさん。
今言ったことはきっと本音だろう。

信用はできないけど、タモツさんを大切にしていた気持ちは信じても良いと思う・・・そう感じた。


エルもあたしと同じ気持ちだったのか、目を合わせると軽く頷きすぐにライムントさんに家を見せてもらう日程や、見に行く際の約束事などを話し始めていた。

さりげなく”こちらの仲間に、今後一切危害を与えないこと”と約束させているエルは、やっぱり素晴らしい旦那様だなと思い、惚れ直したのは言うまでもない。
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