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第二十話 西に向けて
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明朝、僕たちはセリーナが用意してくれた朝食を食べたあと、ジルのお姉さんが治めるフェリオスに向けて所出発することになった。
セリーナはエレノアをともなってハルトムート家が統治する北のシルヴァニア地方に出立する。
ハルトムート家は北に広大な領地をもち、国境を守っている。
ハルトムート家の領地は北のグランヴァニア王国と領地を接しているのである。
このような国の重大な任をになっているハルトムート家を敵にまわして、シリウスは本当になにを考えているのだろうか。まったく理解の範疇を越えている。
セリーナは旅立つ僕たちのためにいろいろと用意してくれた。
まずは旅に必要な移動手段である馬だ。
僕が乗るのはオリオンとう濃い茶色の毛をした牝馬だ。黒い目がとても理知的であった。
セリーナが言うには彼女が持つ馬のなかでもっとも賢い馬だという。
オリオンには僕とジルが乗ることにした。
エルクには巨大な黒馬が用意された。まるで世紀末覇者か天下一の歌舞伎者が乗るにふさわしい巨大な馬であった。名はヘラクレスと言い、驚いたことに牝馬だということだ。
エルクがこの馬にまたがると戦女神フィオナを連想させた。
旅に必要な道具はヘラクレスの背に乗せることにした。
また護身用に僕には長剣をエルクには巨大な戦斧を譲ってくれた
エルクがこの戦斧を振るえば、まさに一騎当千であろう。
セリーナにはいろいろと世話になったから、何かむくいなければいけないな。旅に必要な路銀も用意してもらったし。僕はいろいろと考えた結果、ある提案をセリーナにした。
「どうだろうか、このごたごたがおさまったら王都に娼館をいとなむことを許すよ。そうだね、その時はセリーナ、君が責任者になってよ」
僕がそう提案するとセリーナは大きな黒い瞳をさらに見開いた。
「かしこまりました。その時にはぜひこのセリーナにおまかせください」
セリーナは僕に深く頭をさげた。
歓楽の街ムーンウィを出立した僕たちはオリオンとヘラクレスを西にむけてはしらせる。
西の国境の街フェリオンには騎馬で七日か八日の距離だ。
僕にとっては初めての国境の街であり、長旅であった。
エルディア王国は街道が整備されているので、騎行の旅は快適とまではいかなくても、苦労はすくなかった。
この街道を整備したのは初代エルディア国王アベルの功績である。
アベルはマザコンではあったが、名君でもあったのだ。
旅だって初日は宿場町の安宿にとまった。もちろん、風呂などはないのでジルがお湯をもらってきてくれた。
二日目は野宿となった。サバイバル能力の高いエルクがたき火を焚き、ジルが保存食で料理を作ってくれた。リリムは猫の姿でいる。
僕の肩に乗っているかエルクの背中につかまっていることが多い。
三日目はまた宿場町にとまることができた。
ジルとエルクが旅に必要な食料を買いにいくあいだ、僕とリリムは酒場にいた。
リリムはワインを僕は果実の沈んだ水を飲んで、二人の帰りを待っていた。
僕は平民が着る服を着ているので、王子とは思われていないようだ。どこかの商家の息子、そんなところだ。
リリムは薄い布地の服をきている。肩がでているのでキャミソールのような造りだ。
さすがに全裸ではまずいので、ジルが初日に宿場町で買ってきたものだ。
リリムと雑談して待っていたら、僕たちは人相の悪い酔っ払いに絡まれてしまった。
「いろっぽい姉ちゃんよ、俺らといいことしないか」
酒臭い男はリリムの肩に手を置く。
リリムはゴミでもみるような目で男たちを見た。
男たちの数は三人ていど。
エルクが居なくてもやろうと思えば僕たちで対処できる。
「興味ない」
リリムは冷たく言い放つ。
彼女の瞳が赤くなる。魔力をこめている証拠だ。
また、あの青年貴族たちにつかった魔術でも使用する気だろうか。
僕たちは逃げている身分なので、あまり目立ちたくないんだけどね。
「嬢ちゃんたちがいやがっているじゃないか」
快活な男の声がする。
金髪を短く刈り込んだ背の高い男が立っていた。革の鎧を着た、いかにも傭兵といった雰囲気の男だ。
背中にはドラコンでも殺しそうな大剣を背負っている。
その傭兵風の男は銅貨色の瞳で僕たちに絡んできた男たちをにらむ。
冗談だよ、冗談と酔っ払いたちは言い、僕たちのテーブルから立ち去った。
「ありがとうございます」
僕は傭兵風の男に礼を言う。
「なに、気にするな兄ちゃん。俺はおせっかいなだけだ」
にこりと人の良さそうな笑みを彼は浮かべる。
「俺の名はジクスムント。ジグスって呼んでくれ」
白い歯を見せて、男は笑う。
「僕はシオン、こっちはリリムっていいます」
僕は名乗る。偽名をつかってもよかったがシオンという名前はエルディア王国ではポピュラーネームなのでそのまま使うことにしていた。
「どーも」
とリリムは軽く頭を下げる。
どうやら魔術を使い損ねて、機嫌を悪くしているようだ。
「兄ちゃんらも王都に行くのかい?」
ジグスは銅貨色の目でテーブルに立てかけている長剣を見る。
「いえ、フェリオスにいる知り合いのところを訪ねるところです」
僕は答える。
嘘はついていない。
変に嘘をつくとボロが出るからね。
「そうかい。俺はこれから王都に行くんだ。王太子が身分や出自を問わず戦士を集めているっていうでね」
ジグスが言うには立太子の儀が行なわれる数日前にシリウスは募兵をしていたようだ。
うーん、そんなことをしていてのか。
「そうですが、受かるといいですね」
僕は言葉を選び、当たり障りのない返答をする。
「ありがとうな、兄ちゃん。あんたの剣の腕ならあいつらなんかどうってことなかったかも知れんがね。まあ、あいつら命拾いしたってことだよ」
また快活に笑う。
もしかして、ジグスは僕たちの実力を見ぬいていたのだろうか。
「じゃあな、兄ちゃん。あんたとはまた会いそうな気がするよ。そんときはよろしくな」
人好きのする笑顔でジグスは立ち去った。
この人とは友人になりたい。そう思わせる気持ちの良い笑顔であった。
セリーナはエレノアをともなってハルトムート家が統治する北のシルヴァニア地方に出立する。
ハルトムート家は北に広大な領地をもち、国境を守っている。
ハルトムート家の領地は北のグランヴァニア王国と領地を接しているのである。
このような国の重大な任をになっているハルトムート家を敵にまわして、シリウスは本当になにを考えているのだろうか。まったく理解の範疇を越えている。
セリーナは旅立つ僕たちのためにいろいろと用意してくれた。
まずは旅に必要な移動手段である馬だ。
僕が乗るのはオリオンとう濃い茶色の毛をした牝馬だ。黒い目がとても理知的であった。
セリーナが言うには彼女が持つ馬のなかでもっとも賢い馬だという。
オリオンには僕とジルが乗ることにした。
エルクには巨大な黒馬が用意された。まるで世紀末覇者か天下一の歌舞伎者が乗るにふさわしい巨大な馬であった。名はヘラクレスと言い、驚いたことに牝馬だということだ。
エルクがこの馬にまたがると戦女神フィオナを連想させた。
旅に必要な道具はヘラクレスの背に乗せることにした。
また護身用に僕には長剣をエルクには巨大な戦斧を譲ってくれた
エルクがこの戦斧を振るえば、まさに一騎当千であろう。
セリーナにはいろいろと世話になったから、何かむくいなければいけないな。旅に必要な路銀も用意してもらったし。僕はいろいろと考えた結果、ある提案をセリーナにした。
「どうだろうか、このごたごたがおさまったら王都に娼館をいとなむことを許すよ。そうだね、その時はセリーナ、君が責任者になってよ」
僕がそう提案するとセリーナは大きな黒い瞳をさらに見開いた。
「かしこまりました。その時にはぜひこのセリーナにおまかせください」
セリーナは僕に深く頭をさげた。
歓楽の街ムーンウィを出立した僕たちはオリオンとヘラクレスを西にむけてはしらせる。
西の国境の街フェリオンには騎馬で七日か八日の距離だ。
僕にとっては初めての国境の街であり、長旅であった。
エルディア王国は街道が整備されているので、騎行の旅は快適とまではいかなくても、苦労はすくなかった。
この街道を整備したのは初代エルディア国王アベルの功績である。
アベルはマザコンではあったが、名君でもあったのだ。
旅だって初日は宿場町の安宿にとまった。もちろん、風呂などはないのでジルがお湯をもらってきてくれた。
二日目は野宿となった。サバイバル能力の高いエルクがたき火を焚き、ジルが保存食で料理を作ってくれた。リリムは猫の姿でいる。
僕の肩に乗っているかエルクの背中につかまっていることが多い。
三日目はまた宿場町にとまることができた。
ジルとエルクが旅に必要な食料を買いにいくあいだ、僕とリリムは酒場にいた。
リリムはワインを僕は果実の沈んだ水を飲んで、二人の帰りを待っていた。
僕は平民が着る服を着ているので、王子とは思われていないようだ。どこかの商家の息子、そんなところだ。
リリムは薄い布地の服をきている。肩がでているのでキャミソールのような造りだ。
さすがに全裸ではまずいので、ジルが初日に宿場町で買ってきたものだ。
リリムと雑談して待っていたら、僕たちは人相の悪い酔っ払いに絡まれてしまった。
「いろっぽい姉ちゃんよ、俺らといいことしないか」
酒臭い男はリリムの肩に手を置く。
リリムはゴミでもみるような目で男たちを見た。
男たちの数は三人ていど。
エルクが居なくてもやろうと思えば僕たちで対処できる。
「興味ない」
リリムは冷たく言い放つ。
彼女の瞳が赤くなる。魔力をこめている証拠だ。
また、あの青年貴族たちにつかった魔術でも使用する気だろうか。
僕たちは逃げている身分なので、あまり目立ちたくないんだけどね。
「嬢ちゃんたちがいやがっているじゃないか」
快活な男の声がする。
金髪を短く刈り込んだ背の高い男が立っていた。革の鎧を着た、いかにも傭兵といった雰囲気の男だ。
背中にはドラコンでも殺しそうな大剣を背負っている。
その傭兵風の男は銅貨色の瞳で僕たちに絡んできた男たちをにらむ。
冗談だよ、冗談と酔っ払いたちは言い、僕たちのテーブルから立ち去った。
「ありがとうございます」
僕は傭兵風の男に礼を言う。
「なに、気にするな兄ちゃん。俺はおせっかいなだけだ」
にこりと人の良さそうな笑みを彼は浮かべる。
「俺の名はジクスムント。ジグスって呼んでくれ」
白い歯を見せて、男は笑う。
「僕はシオン、こっちはリリムっていいます」
僕は名乗る。偽名をつかってもよかったがシオンという名前はエルディア王国ではポピュラーネームなのでそのまま使うことにしていた。
「どーも」
とリリムは軽く頭を下げる。
どうやら魔術を使い損ねて、機嫌を悪くしているようだ。
「兄ちゃんらも王都に行くのかい?」
ジグスは銅貨色の目でテーブルに立てかけている長剣を見る。
「いえ、フェリオスにいる知り合いのところを訪ねるところです」
僕は答える。
嘘はついていない。
変に嘘をつくとボロが出るからね。
「そうかい。俺はこれから王都に行くんだ。王太子が身分や出自を問わず戦士を集めているっていうでね」
ジグスが言うには立太子の儀が行なわれる数日前にシリウスは募兵をしていたようだ。
うーん、そんなことをしていてのか。
「そうですが、受かるといいですね」
僕は言葉を選び、当たり障りのない返答をする。
「ありがとうな、兄ちゃん。あんたの剣の腕ならあいつらなんかどうってことなかったかも知れんがね。まあ、あいつら命拾いしたってことだよ」
また快活に笑う。
もしかして、ジグスは僕たちの実力を見ぬいていたのだろうか。
「じゃあな、兄ちゃん。あんたとはまた会いそうな気がするよ。そんときはよろしくな」
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この人とは友人になりたい。そう思わせる気持ちの良い笑顔であった。
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