【R18】無能王子の傀儡計画 怠惰に寵姫たちと暮らしたいだけです

白鷺雨月

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第二十三話 協力関係

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 騒ぎを聞きつけたジルとエルクが戻ってきた。
 僕はすでにズボンを履きなおしている。
 目をあけたまま、下半身丸だしで気絶しているゾルジアを見て、ジルは冷静に対処する。
「たった一度で意識を失うとはお姉様もたいしたことありませんね」
 ジルは脱げかけているゾルジアに服を着せる。もともと半裸みたいな服装だったのでそれは容易いようだ。
「エルク、お姉様を運ぶのを手伝ってくれませんか?」
 190センチメートル以上ありそうなゾルジアを一人で運ぶのは骨が折れるだろう。エルクの腕力なら余裕だろう。
「分かった」
 エルクは言うとゾルジアの体をお姫様抱きする。
 美形のエルクがそれをすると絵になるな。戦女神フィオナもかくやという格好よさだ。

「殿下、お姉様をしばらく休ませてきます」
 ジルはそう言い、部屋を出た。
 交代に入ってきたのはあの猪牙オーク族のメイドだ。
 彼女はサンドイッチと紅茶のおかわりを持ってきてくれた。サンドイッチはこのあたりの特産であるベーコンを挟んだものだ。カリカリに焼かれた分厚いベーコンがうまそうだ。
「そう言えば君、名前を聞いていなかったね」
 猪牙オーク族のメイドに入れてもらった紅茶を飲みながら、僕は尋ねた。

「私はヒルデガルトと申します。猪牙オーク族の第一の牙アルベルトが娘てございます。どうぞヒルダとお呼びください」
 猪牙オーク族のヒエラルキーがどうなっているのかよく分からないが、それなりに名家の出のようだ。
 それにしてもこのベーコンのサンドイッチ美味いな。脂たっぷりのベーコンの甘さが一口食べる度に口の中に広がる。またマスタードのソースが良いアクセントだ。
「これはヒルダが作ったの」
 僕はサンドイッチを味わいながら、ヒルダに訊く。
「はい、僭越ながら……」
 ヒルダの控え目な態度はメイドとして好感が持てるな。それに巨乳だし。
 猪牙オーク族ってイメージしていたのとちょっと違うな。ぽっちゃり女子に近いな。大きな特徴と言えば頭の豚耳ぐらいなものか。
 体力はなかりあるらしいので僕もヒルダのようなメイドが欲しいな。
 シオン派をシリウスに対抗するべく大きくするならば、いずれジル一人では補えなくなってくるだろう。
 王宮で一人わがままをしていたときなら、ジル一人でもよかったけど、これからそうはいかなくなるだろうな。

 僕がお昼ご飯のサンドイッチを平らげ、食後のレモンティーを飲んでいるとジルたちが戻ってきた。もちろんゾルジアを連れてだ。 
 多少ふらつきながらではあるが、ゾルジアは僕の向かいに座る。
 ちらりとゾルジアの左胸を見ると淫紋は刻まれたままだ。これはリリムに言って解除してもらわないと。
 
 メイドのヒルダは落ち着いた様子でゾルジアの前に紅茶を置く。
 ティーカップを震える手でもち、それを蛇の舌で舐めるように飲む。
 そう言えばゾルジアはターバンも頭巾もつけていないな。
 ジルとエルクが再び僕の背後に控える。
 猫に戻ったリリムは僕の膝の上で寝ている。

「ふーまだ頭がぼんやりする」
 ゾルジアは軽く頭を振る。

「ゾルジアさん、僕はあなたを怖がりません。対等につきあいたいと思っています」
 僕はできるだけ柔和を装い、そう言った。
「ああっそれはよく分かった。シオン王子は亜人とか人族とかそんなことは関係ないのだな。すべての女子をそういう意味では対等に見ているということか」
「まあ、そんなところです」
 ゾルジアの言うことはだいたい当たっている。
 僕の生きる目的は女の子とエッチなことをすることだからね。すべての女の子がある意味、その対象だ。そこには人族とか亜人とかは関係ない。
「あなたの元なら、亜人たちの未来は変わるかも知れない。このゾルジア・シルバードラゴンはシオン殿下に忠誠を誓おう」
 赤い瞳でゾルジアは僕を見る。
「ありがとう、ゾル」
 僕は立ち上がり、ゾルの頬に手を触れる。そのまま鼻先にキスをした。
 ゾルの赤い瞳はうっとりとしている様に見えた。

 僕はまたソファーに腰かける。
 しばらく思案する。
 ゾルの忠誠にはどのようにして報いればいいのか。
 並の地位ではゾルは納得してもその部下たちは納得しないだろう。
 そこで僕は公爵ならびにエルディア王国宰相の地位を約束した。ちなみに現在のところ宰相の地位についている者はいない。
 エドワード叔父さんがなりたがっていたが、侯爵で止まっていた。
 ゾルジア・シルバードラゴンは現在のところ辺土伯爵という地位にある。
 辺土伯爵とは辺境の土着民のリーダーに名目上与えられた地位、そんなところだ。
 辺境伯爵ならもっと地位は上なんだけどね。
 辺土伯爵とは言わば名誉職に近く、王国での貴族の爵位の外にある。
 ゾルは貴族であって貴族ではない。
 貴族にしてしまえば中央の貴族はいい顔はしない。だからと言ってゼルダン帝国との国境を守る者に何も地位を与えないわけにはいかない。
 そこで辺土伯爵という中途半端な地位を作ったわけだ。
 僕は一足飛びにそんなよく分からない地位よりもさらに上の地位を約束した。

「ずいぶんと気前がよろしいのですね」
 ふふっとゾルジアは微笑む。
 竜の顔なのでその表情は読み取りにくいが、僕には喜んでいるように見えた。
「まあね、言うのはタダだしね」
 今の僕にできるのはこれぐらいだ。
 ゾルは政治家として有能なようなので宰相になってくれたら、僕は女の子たちと怠惰にエッチなことに集中できる。
「かしこまりました。シオン殿下がこのフェリオスにいる限りはその安全は保証いたしましょう。またその時がきましたならば、このゾルジア一軍いちぐんを率いて、殿下の先陣と成りましょう」
 僕はこうして力強い後ろ盾を得た。
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