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止まった秒針は壊すに限る5
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あの日から、ケレの心は乱れていた。
ソリアミが生きたがっていたことが、ケレを苦しめた。
母に毒を盛られ。毒であることを知らずに、誰かとなじむために毒をふるまっていた。
我が家の味ですと言う認識だったのだろう。
そのくらい無邪気に、彼女は生きていたのだ。
彼女自身はどのくらい自身のことをしていたのかは、今になっては聞けないことがケレには辛かった。
ソリアミの事情を知らないまま接した方がよかったのかよくなかったのかすら、はっきり答えることのできないもどかしさがあった。
毒を盛られたぐらいで親交を止めない人間がいたことは、彼女の人生とっては幸運であってほしい。
ケレにとってはソリアミという友人いてが嬉しかった。
だから、自分と言う人間が彼女にとって幸せの一つであってほしかった。
ソリアミのことを聞いた日から、どのくらい経過していたのかはケレ自身把握していない。
ケレ自身が把握できることはその日を境に、ヒルケシュに対する襲撃のいなし方が変わったことだ。
はじめは、回避に努めていた。それから、攻撃を受けることに変わっていった。
そして、毒を塗った武器で応戦ところにまで発展していった。
パァンと、何かが弾ける音がした。
ケレの平手が、ヒルケシュの頬をぶったのだ。
今この場で、ケレはヒルケシュの大剣に対して、素手で応戦していた。
ケレにとっては、自分の得物がはじかれただけに過ぎない。
頬をぶたれて呆然とするヒルケシュに、ケレは言った。
「話し合いなさい」
ケレの言葉に反応を見せない、ヒルケシュにさらに言葉をつづけた。
「ラーガディア殿と話し合って」
「お前なんかに…」
「ヒルケシュ殿が、何をどう思って、私を討とうとしたのか私には、どうでもいい。
ただ、ラーガディア殿に伝えたいことがあるなら、伝えてほしい」
ケレ自身も結論が出ないまま、だたヒルケシュとラーガディアと話し合うことだけを伝えた。
要領を得ない問答が2、3回繰り返された後、ラーガディアがヒルケシュの名前を呼んだ。
ヒルケシュがラーガディアの顔を見た瞬間、ケレはその場を後にした。
ヒルケシュから離れたケレは、ソリアミの家へと向かっていた。
あの日を境に、ケレはソリアミの家には行かなかった。
ケレ自身もどう過ごしていたのかすらも覚えていない。
お邪魔します、という言葉をかけた時に、ソリアミの母、ソリエがケレの顔を見て、安堵の顔をしていた。
ケレも、お久しぶりです。と挨拶の言葉を朗らかに交わして、ソリエに近づいた瞬間。
ケレの手から投げられた刃物が、ソリエの腹に刺さった。
ソリエの表情が凍った。ケレを見た後、腹に刺さっている刃物を見た。
刃物には、ソリアミの名が刻まれていた。
刃物には毒が塗ってあったが、それ以上にソリアミの名前に彼女は凍り付いたのかもしれない。
毒に関してはかなり薄めてあるし、なんといってもソリアミ茶を飲んでいるくらいだ。
毒に耐性があることは考えられた。
ソリエは、言葉を出さずにケレを見つめるが、ケレはただ淡々を、ソリエの四肢を長剣で切りつけた。
長い沈黙が訪れた。
ケレ自身、何を聞こうか迷っていた。ソリエの顔を見たらどうでもよくなった。
否、ケレ自身ソリエに対して何もする資格はないという考えに至ったのだ。
ソリエに対し責めることや、問うことができるのは、ソリアミと彼女の弟だ。という答えに行きついたケレは、沈黙を守り続けた。
ソリエは、驚愕の瞳でケレを見つめていた。
「どうして」
長い沈黙をようやく打ち破ったソリエに対して、ケレは拳を握った。
「わかりませんよ」
ソリエの上に跨る。
「娘に毒を盛る人間に、わかる言葉で伝えることはできません」
ケレの拳が、ソリエに降り注いだ。
ソリアミが生きたがっていたことが、ケレを苦しめた。
母に毒を盛られ。毒であることを知らずに、誰かとなじむために毒をふるまっていた。
我が家の味ですと言う認識だったのだろう。
そのくらい無邪気に、彼女は生きていたのだ。
彼女自身はどのくらい自身のことをしていたのかは、今になっては聞けないことがケレには辛かった。
ソリアミの事情を知らないまま接した方がよかったのかよくなかったのかすら、はっきり答えることのできないもどかしさがあった。
毒を盛られたぐらいで親交を止めない人間がいたことは、彼女の人生とっては幸運であってほしい。
ケレにとってはソリアミという友人いてが嬉しかった。
だから、自分と言う人間が彼女にとって幸せの一つであってほしかった。
ソリアミのことを聞いた日から、どのくらい経過していたのかはケレ自身把握していない。
ケレ自身が把握できることはその日を境に、ヒルケシュに対する襲撃のいなし方が変わったことだ。
はじめは、回避に努めていた。それから、攻撃を受けることに変わっていった。
そして、毒を塗った武器で応戦ところにまで発展していった。
パァンと、何かが弾ける音がした。
ケレの平手が、ヒルケシュの頬をぶったのだ。
今この場で、ケレはヒルケシュの大剣に対して、素手で応戦していた。
ケレにとっては、自分の得物がはじかれただけに過ぎない。
頬をぶたれて呆然とするヒルケシュに、ケレは言った。
「話し合いなさい」
ケレの言葉に反応を見せない、ヒルケシュにさらに言葉をつづけた。
「ラーガディア殿と話し合って」
「お前なんかに…」
「ヒルケシュ殿が、何をどう思って、私を討とうとしたのか私には、どうでもいい。
ただ、ラーガディア殿に伝えたいことがあるなら、伝えてほしい」
ケレ自身も結論が出ないまま、だたヒルケシュとラーガディアと話し合うことだけを伝えた。
要領を得ない問答が2、3回繰り返された後、ラーガディアがヒルケシュの名前を呼んだ。
ヒルケシュがラーガディアの顔を見た瞬間、ケレはその場を後にした。
ヒルケシュから離れたケレは、ソリアミの家へと向かっていた。
あの日を境に、ケレはソリアミの家には行かなかった。
ケレ自身もどう過ごしていたのかすらも覚えていない。
お邪魔します、という言葉をかけた時に、ソリアミの母、ソリエがケレの顔を見て、安堵の顔をしていた。
ケレも、お久しぶりです。と挨拶の言葉を朗らかに交わして、ソリエに近づいた瞬間。
ケレの手から投げられた刃物が、ソリエの腹に刺さった。
ソリエの表情が凍った。ケレを見た後、腹に刺さっている刃物を見た。
刃物には、ソリアミの名が刻まれていた。
刃物には毒が塗ってあったが、それ以上にソリアミの名前に彼女は凍り付いたのかもしれない。
毒に関してはかなり薄めてあるし、なんといってもソリアミ茶を飲んでいるくらいだ。
毒に耐性があることは考えられた。
ソリエは、言葉を出さずにケレを見つめるが、ケレはただ淡々を、ソリエの四肢を長剣で切りつけた。
長い沈黙が訪れた。
ケレ自身、何を聞こうか迷っていた。ソリエの顔を見たらどうでもよくなった。
否、ケレ自身ソリエに対して何もする資格はないという考えに至ったのだ。
ソリエに対し責めることや、問うことができるのは、ソリアミと彼女の弟だ。という答えに行きついたケレは、沈黙を守り続けた。
ソリエは、驚愕の瞳でケレを見つめていた。
「どうして」
長い沈黙をようやく打ち破ったソリエに対して、ケレは拳を握った。
「わかりませんよ」
ソリエの上に跨る。
「娘に毒を盛る人間に、わかる言葉で伝えることはできません」
ケレの拳が、ソリエに降り注いだ。
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