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キリング・ノヴァの慎也と海児(2)
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「それで、ズバリ聞くよ。キミは健也さんを殺したのは誰だと思ってるんだ?」
直球で海児は才に尋ねた。良くも悪くも単純というのは本当のようだ。
「まだ、特定は……。で、でも、坂上さんと顔見知りの誰かであることは確実です」
「どうしてそう思う?」
海児が身を乗り出した。
「坂上さんが殺されたのはキッチンでしたが、あ、争ったような形跡が有りませんでした」
確かに。私も当日の記憶を思い出して頷いた。
「料理をしていたのが犯人なのか坂上さんなのか、それは判りません。ひょ、ひょっとしたら二人でしていたのかも。間違い無いのは、至近距離から坂上さんが、抵抗できずに刺されたってことです」
「そうか……」
才の解説を聞いた海児は両手で顔を覆った。
「やっぱり、俊の坊やなのかなぁ……」
おや?
「俊というのは、ゴッド☆俊さんのことですか?」
「うん。マングローブの作詞家でプロデューサー」
「あのそれで、ぼ、坊やとは……?」
才も私と同じ箇所で引っ掛かったみたいだ。
「ああ、アイツは……」
ここでドアホンが鳴った。美波が席を立って玄関のインターホンへ向かった。
「聖良お姉さん、慎也おじさん、いらっしゃい!」
渚親子が到着したのだ。私は襟を正して、リビングに案内された親子を迎えた。
わぁ。
非の打ち所がない聖良に続いて、革製のジャケットを着た赤髪の長髪男性が姿を現した。彼が慎也だ。その姿でここまで来たのかと、私は余計な心配をしてしまった。流石は現役ロッカーだな。でもマスクはちゃんとしている。
モデルをしている娘に劣らず、慎也自身も190センチ近い背丈とスリムな肉体を保っていた。還暦間際の男性としては、かなり努力しないと維持できないプロポーションだ。ブラジャーで背中の肉が段になる私とは大違い。
「久し振りだな、海児」
赤髪の男性はサングラスを外して挨拶をした。皺が刻まれてはいるものの精悍さを失わない瞳は、私が知る渚慎也のものだった。
「慎也さん、すっげぇ久し振りだよ。もっと早く会いたかったよ!」
感極まった海児がソファーから立ち上がりかけたが、慎也が右手で制した。
「座ってろ。怪我したって聞いてるぞ」
言葉は少ないが優しい人のようだ。
「うん。慎也さんと聖良ちゃんも座ってよ」
着席した慎也の赤い髪がなびいた。全盛期からまるで衰えない豊かな毛量だ。
しかし私は知り合いの美容師から予言されていた。若い頃にブリーチやカラーリングを繰り返して頭皮を痛めてきた人達は、中年以降に確実に禿げ上がると。
となると慎也のアレは地毛ではなく、頭の上に何かが乗っている状態なのだが、それを指摘するのは野暮と言うものだ。赤髪も皮ジャケットも、彼にはとても似合っていた。
「何年振りだろ、二十年!?」
「海児、同窓会は後だ。今日は事件について話すんだろ?」
「あ、うん。今ね、俊について話してたんだ」
「俊の坊やか……。アイツが友樹さんや健也を殺した犯人だと思うか?」
慎也もゴッド☆俊を坊やと称した。
「まだ何とも。それをこれから突き詰めるんだよ」
「そっちの二人が目撃者か?」
急に慎也の視線がこちらに移り、私は紅茶、才は茶菓子のクッキーでむせた。
「は、はい。日比野と申します!」
情けなくも声が裏返ってしまった。どうしよう、至近距離で見る渚慎也が超カッコイイ。テレビで見るより実物の方が断然イイ。こんな時だがサインが欲しい。
「……久留須です」
横目で私を見る才の目に、蔑みの色が含まれているように感じた。コイツたまに私の心を読むからなぁ。
「あ、あの、坊やと言うのは?」
数分前と同じ質問を才はした。
「俊はさ、俺達と組んでいた時、まだ19のガキんちょだったんだよ」
「へっ?」
海児の答えが意外過ぎて、つい私は間抜けな声を発してしまった。慎也様の前だというのに。
「19歳……?」
「ビックリだろ。未成年者がプロデューサーやってたんだぜ?」
まさにビックリだ。漫画の世界か。
「どうしてそんなことができたんですか!?」
「ん-、コレ」
海児は右手の親指と人差し指で丸を造った。
「お金……ですか?」
漫画の世界から現実世界に引き戻された。
「そう。アイツさ、ガキのくせにスゲー金持ってたんだ。マングローブの歌詞はふざけ過ぎてたから、当初はみんな絶対に失敗すると思って、曲を出すつもりは全然無かった」
そりゃそうだ。
「でも俊がさ、CD製造にかかる金も宣伝費も、全部自分で持つからってゴリ押ししたんだよ。それで事務所も、損しないならいいかって話がまとまってね」
「ゴ、ゴッドはメンバーの誰かとお知り合いだったんですか?」
「いや。俺達のライブに何度か来ていた客だったんだよ。それで大ファンになった、自分が書いた詞で曲を演奏して欲しいって、ある日楽屋に訪ねてきたんだ」
「……変な奴だった。金持ちのボンボンの道楽だとずっと思っていたが……」
慎也は舌打ちした。ああ、舌打ちは行儀の悪い仕草なのに、そんな姿さえ決まっている。
「復讐、だったんだな。俺達は知らずに奴の復讐の手伝いをさせられていたんだ」
空気を介して慎也の苛立ちが伝わってくるようだ。腹立たしいですよね、解ります。怒り顔が尊いです。
「正体が謎のまま俊は去っていったけど、アイツ、荒神って会社の関係者なんだって?」
「おそらくは。か、彼は当時、荒神俊とは名乗っていなかったんですか?」
「……うーんと、松山俊じゃなかったっけ?」
「松山、だったな」
「私も松山だったと記憶してる」
聖良も松山を後押しした。マングローブの曲発表当時、彼女は4歳だったそうだ。ゴッド☆俊を覚えていてもおかしくはない。
私は首を傾げた。
「松山……。彼は荒神一族ではなかったんでしょうか?」
「いや。マングローブの歌詞は教えてもらった事件に酷似している。俊が荒神の関係者であることは間違い無いだろう」
うは。慎也様が私の言葉に反応して下さった。内心喜ぶ私に、横から才の冷たい視線が刺さる。コイツ本気で読心術が使えるんじゃないだろうな。
直球で海児は才に尋ねた。良くも悪くも単純というのは本当のようだ。
「まだ、特定は……。で、でも、坂上さんと顔見知りの誰かであることは確実です」
「どうしてそう思う?」
海児が身を乗り出した。
「坂上さんが殺されたのはキッチンでしたが、あ、争ったような形跡が有りませんでした」
確かに。私も当日の記憶を思い出して頷いた。
「料理をしていたのが犯人なのか坂上さんなのか、それは判りません。ひょ、ひょっとしたら二人でしていたのかも。間違い無いのは、至近距離から坂上さんが、抵抗できずに刺されたってことです」
「そうか……」
才の解説を聞いた海児は両手で顔を覆った。
「やっぱり、俊の坊やなのかなぁ……」
おや?
「俊というのは、ゴッド☆俊さんのことですか?」
「うん。マングローブの作詞家でプロデューサー」
「あのそれで、ぼ、坊やとは……?」
才も私と同じ箇所で引っ掛かったみたいだ。
「ああ、アイツは……」
ここでドアホンが鳴った。美波が席を立って玄関のインターホンへ向かった。
「聖良お姉さん、慎也おじさん、いらっしゃい!」
渚親子が到着したのだ。私は襟を正して、リビングに案内された親子を迎えた。
わぁ。
非の打ち所がない聖良に続いて、革製のジャケットを着た赤髪の長髪男性が姿を現した。彼が慎也だ。その姿でここまで来たのかと、私は余計な心配をしてしまった。流石は現役ロッカーだな。でもマスクはちゃんとしている。
モデルをしている娘に劣らず、慎也自身も190センチ近い背丈とスリムな肉体を保っていた。還暦間際の男性としては、かなり努力しないと維持できないプロポーションだ。ブラジャーで背中の肉が段になる私とは大違い。
「久し振りだな、海児」
赤髪の男性はサングラスを外して挨拶をした。皺が刻まれてはいるものの精悍さを失わない瞳は、私が知る渚慎也のものだった。
「慎也さん、すっげぇ久し振りだよ。もっと早く会いたかったよ!」
感極まった海児がソファーから立ち上がりかけたが、慎也が右手で制した。
「座ってろ。怪我したって聞いてるぞ」
言葉は少ないが優しい人のようだ。
「うん。慎也さんと聖良ちゃんも座ってよ」
着席した慎也の赤い髪がなびいた。全盛期からまるで衰えない豊かな毛量だ。
しかし私は知り合いの美容師から予言されていた。若い頃にブリーチやカラーリングを繰り返して頭皮を痛めてきた人達は、中年以降に確実に禿げ上がると。
となると慎也のアレは地毛ではなく、頭の上に何かが乗っている状態なのだが、それを指摘するのは野暮と言うものだ。赤髪も皮ジャケットも、彼にはとても似合っていた。
「何年振りだろ、二十年!?」
「海児、同窓会は後だ。今日は事件について話すんだろ?」
「あ、うん。今ね、俊について話してたんだ」
「俊の坊やか……。アイツが友樹さんや健也を殺した犯人だと思うか?」
慎也もゴッド☆俊を坊やと称した。
「まだ何とも。それをこれから突き詰めるんだよ」
「そっちの二人が目撃者か?」
急に慎也の視線がこちらに移り、私は紅茶、才は茶菓子のクッキーでむせた。
「は、はい。日比野と申します!」
情けなくも声が裏返ってしまった。どうしよう、至近距離で見る渚慎也が超カッコイイ。テレビで見るより実物の方が断然イイ。こんな時だがサインが欲しい。
「……久留須です」
横目で私を見る才の目に、蔑みの色が含まれているように感じた。コイツたまに私の心を読むからなぁ。
「あ、あの、坊やと言うのは?」
数分前と同じ質問を才はした。
「俊はさ、俺達と組んでいた時、まだ19のガキんちょだったんだよ」
「へっ?」
海児の答えが意外過ぎて、つい私は間抜けな声を発してしまった。慎也様の前だというのに。
「19歳……?」
「ビックリだろ。未成年者がプロデューサーやってたんだぜ?」
まさにビックリだ。漫画の世界か。
「どうしてそんなことができたんですか!?」
「ん-、コレ」
海児は右手の親指と人差し指で丸を造った。
「お金……ですか?」
漫画の世界から現実世界に引き戻された。
「そう。アイツさ、ガキのくせにスゲー金持ってたんだ。マングローブの歌詞はふざけ過ぎてたから、当初はみんな絶対に失敗すると思って、曲を出すつもりは全然無かった」
そりゃそうだ。
「でも俊がさ、CD製造にかかる金も宣伝費も、全部自分で持つからってゴリ押ししたんだよ。それで事務所も、損しないならいいかって話がまとまってね」
「ゴ、ゴッドはメンバーの誰かとお知り合いだったんですか?」
「いや。俺達のライブに何度か来ていた客だったんだよ。それで大ファンになった、自分が書いた詞で曲を演奏して欲しいって、ある日楽屋に訪ねてきたんだ」
「……変な奴だった。金持ちのボンボンの道楽だとずっと思っていたが……」
慎也は舌打ちした。ああ、舌打ちは行儀の悪い仕草なのに、そんな姿さえ決まっている。
「復讐、だったんだな。俺達は知らずに奴の復讐の手伝いをさせられていたんだ」
空気を介して慎也の苛立ちが伝わってくるようだ。腹立たしいですよね、解ります。怒り顔が尊いです。
「正体が謎のまま俊は去っていったけど、アイツ、荒神って会社の関係者なんだって?」
「おそらくは。か、彼は当時、荒神俊とは名乗っていなかったんですか?」
「……うーんと、松山俊じゃなかったっけ?」
「松山、だったな」
「私も松山だったと記憶してる」
聖良も松山を後押しした。マングローブの曲発表当時、彼女は4歳だったそうだ。ゴッド☆俊を覚えていてもおかしくはない。
私は首を傾げた。
「松山……。彼は荒神一族ではなかったんでしょうか?」
「いや。マングローブの歌詞は教えてもらった事件に酷似している。俊が荒神の関係者であることは間違い無いだろう」
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