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冒険者ギルドへ帰還です!(4)
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キースは瞳の魔力で老若男女を魅了してしまうのだ。今は強力な防御障壁で相手を弾けるが、魔法に拙い少年期は大変だったはず。
私はマキアに助けてもらったけど、キースには救いの手が間に合わなかった……。
「幼い頃からずっと僕は、親以外の者達に性の対象として見られてきたんだ。両親は僕を護ろうとしてくれたけど、それぞれすべき仕事が有ったからね、常に僕から目を離さないというのは不可能だった」
「白……」
「狙われて襲われ続けた僕を、両親は寺院に預けることにしたんだよ。俗世から離れて修行する僧侶なら、魅了の瞳に負けない精神力が有るだろうと考えたんだ。……でも結局そこでも駄目だった」
キースは選んで僧職に就いたのではなかった。寺院に避難していただけだったんだ。
「俺の思慮が足りなかった。許せ」
ツンデレ魔王が即座にキースへ謝った。偉そうな物言いだが魔王は非を認めた時は素直だ。エリアスは私へ頭を下げた。
「キース殿の言う通りだ。エロスに頭を支配されてしまい、キミの問題なのに勝手に話を進めてしまうところだった。すまなかった、ロックウィーナ」
「あ、いえ……私は大丈夫です」
デリケートな話題を迂闊に持ち出してキースを傷付けてしまった。思慮が足りなかったのはアルクナイトではなく私の方だ。
私もキースに謝らないと。
「ごめんなさい先輩。軽い気持ちで人の過去を知りたがったりして」
キースは私には自然な笑顔を向けた。
「いいんだ。もしも大好きなキミが僕を深く知りたいと願うのなら、キミの前に全てをさらけ出す覚悟が有るよ」
「深く知りたい……全てをさらけ出す……」
「白、言葉のチョイスがいちいちエロいぞ」
ブツブツ言う外野を無視してキースは続けた。
「さっき言った通り、僕は過去に何人もの相手に暴行されている。そんな僕を穢れていると思うかい?」
「思う訳がありません!!」
私は即答した。
「恥じるべきは乱暴した人達です。クソッタレどもです。先輩が気に病む必要なんてこれっぽっちも有りません!」
「ふふっ」
キースが私の頭をポンポンと優しく撫ぜた。ギルドでもよくやってくれたな。ずっと私にとって優しいお兄ちゃんだった彼。
「キミならそう言ってくれと思った。うん大丈夫、僕も落ち込むことは有ったけど、今はもう遠い過去だと割り切ってるよ。ケイシーがキミと同じように言ってくれたからね」
「ケイシーとはギルドマスターの禿ちゃびんか?」
「そう。寺院を飛び出して行き倒れた僕を拾ってくれた恩人。当時はSランクの凄腕冒険者だった。髪も有った」
キースは恩人のマスターと一緒に冒険者ギルドへ来たんだね。そして今は落ち着いて生活できているように見える。
キースがギルドの秩序維持に一生懸命な理由が解った。彼にとってギルドは漸く手に入れた安全な家で、同僚は家族も同然なんだ。それを考えると切なくなる。
「ねぇロックウィーナ」
「はい」
「散々な体験をした僕だけど、えっちなコトには興味が有るよ?」
「ふぇっ!?」
キースも魔王や勇者のように迫ってくるのかと一瞬心配したが、それは杞憂だった。彼は魔法を詠唱する時のような穏やかな声音で囁いた。
「好みの相手にドキドキしたり、触れたいと思うことは自然な感情なんだ。そうやって人は後世に命を繋いできたんだからね。もちろん、相手の意思を無視して強引にしてはいけないけれど」
「………………」
前髪に隠れたキースの目尻が緩んだ気がした。
「だからキミも、えっちなコトを考えたからって恥じることはないんだよ」
「あ……はい!」
まさか励まされるとは。私のゲスい質問のせいで、つらい過去をみんなの前で暴露する流れになってしまったのに。
(こういう所がキースなんだよなぁ)
本気で戦えばアルクナイトの方が圧倒的に強いはず。それなのに魔王は文句を言いながらもキースを立てている。それはきっと、キースの本質を知っているからなんだろうね。
冒険者ギルド内で誰よりも後輩の面倒見が良いのはキースだ。職場に早く馴染めるよう様々な心配りをしてくれる。客として寮に長期滞在している、エリアスやアルクナイトに対してもそれは変わらない。
みんなそんなキースが好きなんだ。
「なぁエリー、俺達完全に背景と化してないか?」
「やっぱり私にとって最大の強敵はキース殿かもしれない……」
外野がゴチャゴチャ言っていたが、私はキースへ笑い返した。
私はマキアに助けてもらったけど、キースには救いの手が間に合わなかった……。
「幼い頃からずっと僕は、親以外の者達に性の対象として見られてきたんだ。両親は僕を護ろうとしてくれたけど、それぞれすべき仕事が有ったからね、常に僕から目を離さないというのは不可能だった」
「白……」
「狙われて襲われ続けた僕を、両親は寺院に預けることにしたんだよ。俗世から離れて修行する僧侶なら、魅了の瞳に負けない精神力が有るだろうと考えたんだ。……でも結局そこでも駄目だった」
キースは選んで僧職に就いたのではなかった。寺院に避難していただけだったんだ。
「俺の思慮が足りなかった。許せ」
ツンデレ魔王が即座にキースへ謝った。偉そうな物言いだが魔王は非を認めた時は素直だ。エリアスは私へ頭を下げた。
「キース殿の言う通りだ。エロスに頭を支配されてしまい、キミの問題なのに勝手に話を進めてしまうところだった。すまなかった、ロックウィーナ」
「あ、いえ……私は大丈夫です」
デリケートな話題を迂闊に持ち出してキースを傷付けてしまった。思慮が足りなかったのはアルクナイトではなく私の方だ。
私もキースに謝らないと。
「ごめんなさい先輩。軽い気持ちで人の過去を知りたがったりして」
キースは私には自然な笑顔を向けた。
「いいんだ。もしも大好きなキミが僕を深く知りたいと願うのなら、キミの前に全てをさらけ出す覚悟が有るよ」
「深く知りたい……全てをさらけ出す……」
「白、言葉のチョイスがいちいちエロいぞ」
ブツブツ言う外野を無視してキースは続けた。
「さっき言った通り、僕は過去に何人もの相手に暴行されている。そんな僕を穢れていると思うかい?」
「思う訳がありません!!」
私は即答した。
「恥じるべきは乱暴した人達です。クソッタレどもです。先輩が気に病む必要なんてこれっぽっちも有りません!」
「ふふっ」
キースが私の頭をポンポンと優しく撫ぜた。ギルドでもよくやってくれたな。ずっと私にとって優しいお兄ちゃんだった彼。
「キミならそう言ってくれと思った。うん大丈夫、僕も落ち込むことは有ったけど、今はもう遠い過去だと割り切ってるよ。ケイシーがキミと同じように言ってくれたからね」
「ケイシーとはギルドマスターの禿ちゃびんか?」
「そう。寺院を飛び出して行き倒れた僕を拾ってくれた恩人。当時はSランクの凄腕冒険者だった。髪も有った」
キースは恩人のマスターと一緒に冒険者ギルドへ来たんだね。そして今は落ち着いて生活できているように見える。
キースがギルドの秩序維持に一生懸命な理由が解った。彼にとってギルドは漸く手に入れた安全な家で、同僚は家族も同然なんだ。それを考えると切なくなる。
「ねぇロックウィーナ」
「はい」
「散々な体験をした僕だけど、えっちなコトには興味が有るよ?」
「ふぇっ!?」
キースも魔王や勇者のように迫ってくるのかと一瞬心配したが、それは杞憂だった。彼は魔法を詠唱する時のような穏やかな声音で囁いた。
「好みの相手にドキドキしたり、触れたいと思うことは自然な感情なんだ。そうやって人は後世に命を繋いできたんだからね。もちろん、相手の意思を無視して強引にしてはいけないけれど」
「………………」
前髪に隠れたキースの目尻が緩んだ気がした。
「だからキミも、えっちなコトを考えたからって恥じることはないんだよ」
「あ……はい!」
まさか励まされるとは。私のゲスい質問のせいで、つらい過去をみんなの前で暴露する流れになってしまったのに。
(こういう所がキースなんだよなぁ)
本気で戦えばアルクナイトの方が圧倒的に強いはず。それなのに魔王は文句を言いながらもキースを立てている。それはきっと、キースの本質を知っているからなんだろうね。
冒険者ギルド内で誰よりも後輩の面倒見が良いのはキースだ。職場に早く馴染めるよう様々な心配りをしてくれる。客として寮に長期滞在している、エリアスやアルクナイトに対してもそれは変わらない。
みんなそんなキースが好きなんだ。
「なぁエリー、俺達完全に背景と化してないか?」
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外野がゴチャゴチャ言っていたが、私はキースへ笑い返した。
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