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燻る火種(5)
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「……ロウィー、どうしたんだ?」
甘い声音でアルクナイトが私へ問いかける。
「おまえがこんな大胆な行動に出るなんて」
全くだ。二人きりだったら更に暴走していたかもしれない。クンクン。
「怖い目にでも遭ったのか? ロウィー」
「ちょっと待て、ロウィーとは何だ」
勇者の不機嫌な声が横から届いたが、魔王は私だけに意識を集中していた。
「言ってごらん。何が起きた?」
優しくトントンと背中を叩かれて、私は少しずつ落ち着きを取り戻した。
私が不安になったり動揺する度に、アルクナイトはすっぽりと包み込んで安心させてくれる。身長が183センチ有って大きい彼だが、桁違いの高齢故か精神的にも余裕が有るんだよね。絶対的な包容力。そんな彼に私は惹かれ、世界の半分を敵に回しても嫁ごうと決めたのだ。
……これはアルクナイトと結ばれた周回の記憶。忘れてしまったはずなのに、私の感覚は彼への愛を再現しようとする。
「あのね今、下の会議室に聖騎士さん達が来ているんだ……」
私はゆっくりアルクナイトへ返事をした。もう彼から離れようという気が無くなっていた。腕の中の心地良さに身を委ねてしまったのだ。エリアスが至近距離に居るってのに。
「聖騎士とは、アンドラ討伐で知り合ったアイツらか?」
「うん……」
私は聖騎士達から得た情報をアルクナイトとエリアスへ伝えた。
首領のレスター・アークがここフィースノーに潜伏しているかもしれないこと。レスターを追う為に聖騎士が冒険者になろうとしているとも。
「ほう、聖騎士とは勤勉な奴らだな」
「話はそれだけで終わらないの。ルービックさんが兵団から衝撃的な報告を受け取っていたんだ」
私は国境が謎の深い霧に覆われて、調査で霧の中へ入った兵士が消息不明になったことを二人に話した。
「なんと! そんな事態になっていたとは」
「だから私、なかなかギルドに戻らないアルにも何か遭ったんじゃないかって心配になったの。それでさっき、無事な姿を見て感情が爆発しちゃったんだ」
「……そうだったか。心配をかけたようだな」
エリアスは新情報に驚いた様子だったが、アルクナイトは静かな口調で詫びただけだった。彼のこの反応は薄々予想がついていた。
「アル、あなたも知っていたんだね? 発生した霧のことを」
「………………」
「それを調べて帰りが遅くなったんでしょう? あなたも霧の中へ入ったの?」
「そうなのか? おいアル、おまえは何とも無いか? 身体は大丈夫なのか!?」
私とアルクナイトは抱き合ったままだが、エリアスは親友を案ずる気持ちを優先させた。
「……安心しろ二人とも。俺は霧の中に入っていない。側まで行って、この上なく危険なものだと肌で感じたからな」
やはり彼も調査に出向いていたか。アルクナイトの身には何事も起きなかったようで安堵したが、彼は霧を「この上なく危険」だと表現した。エリアスの目つきも険しくなっていた。
「ただの霧ではないということか?」
「そうだ。あの中に入った者は霧に溶け込み、己の肉体を失うことになるだろう。勇み足で霧の中に入ってしまった部下がそうなった。目には見えなかったが、ソイツの肉体が分解されたことが気配で判った」
「な…………!」
分解って……嘘でしょう!?
「じゃ、じゃあ、行方不明の兵士さんは深い霧で迷子になった訳ではなく、その、死ん……」
最後まで言えなかった。あまりにも恐ろしい現実だったから。
「アル、これは落ち着いている場合ではないぞ」
「ああ、その通りだ。俺が調べた北方面だけではなく、国全体が霧に覆われていたとなると……」
アルクナイトが私を支えつつ、ベッドで上半身を起こした。
「エリー、ロウィー、脅かすようだが時間があまり無いようだ」
「アル……」
「俺達も会議室へ行くぞ。信頼できる者全員で情報を共有した方がいい」
「霧に入ると死亡してしまうと注意喚起するのだな?」
「それも重要だが、この世界の住人は己の存在について知らなければならない」
私とエリアスは、アルクナイトの言わんとしていることが解らずキョトンとした。アルクナイトは独り言のように続けた。
「岩見鈴音……、神の存在と、あまりにも脆く頼りない世界に俺達は生きていると自覚をせねば」
「!」
「イワミスズネ……? それは人の名前か?」
エリアスはまだ解っていなかったが私は察した。
私と魔王だけが知っているこの世界の秘密……。アルクナイトはそれをみんなに明かそうと決めたのだ。
「イワミ……。何だろう、私はこの響きに既視感を抱く」
え? モデルにしたとはいえ、エリアスは衛藤先輩と別人のはずなのに。
「二人とも急げ。聖騎士達が帰ってしまうかもしれない」
「あ、うん」
促されて、私とエリアスはアルクナイトの背中を追って急いで一階へ降りた。
幸い聖騎士達はまだ会議室に居てくれた。長テーブルの上には何枚もの書類とペンが置かれている。冒険者登録が時間のかかる面倒臭い作業で助かった。
扉を開けた音に合わせて会議室に居た全員が顔を上げたが、目線が一点に集中した気がした。
「またあの人あんなカッコして……」
「腹を冷やして下せばいいのに」
会議室の皆は恥ずかしい格好のアルクナイトを見ていた。ルパートとキースが呆れ顔で呟き、
「…………。キミは天才術師のアルくんだよな? オリジナリティ溢れる開放的な衣装で以前とは雰囲気がだいぶ違うが」
「キミには遠征中に着ていた知的なローブの方が似合うと思うぞ」
突如現れた変態に動揺しつつも、ルービックとエドガーは大人の対応で遠回しに過剰露出を指摘した。
「そんな布面積少ない服を着てると、乳首がポロッと出ませんか?」
ストレートに聞いてきたのがマシューだった。
「ギリ出ないよう魔法で布を微調整している」
胸を張って偉ぶっている馬鹿魔王を、ユーリが頬を赤らめて凝視していた。
ユーリは男女関係無く厳つい顔した美形が好きだと聞いたが……あれっ、それって人として好きという意味ではなく、恋愛対象にもなるってこと? 同性もイケちゃう感じですか?
マシューが身を乗り出して、アルクナイトと心底どうでもいいお喋りを展開した。
「すげ。魔法ってそんなコトにも使えるんだ。魔力の超無駄遣い。乳首の位置をサーチして自動的に布の長さが変わるんですか?」
「まぁな。布自体が魔法繊維で織られている」
「便利だなぁ。俺がその服をそのまま着たら見えちゃいそうだもん。アルさんも鍛えてんのに乳首が下向きじゃないんですね」
「ふっ、トレーニングの仕方によって乳首の位置はある程度変えられるんだぞ?」
「アル、お乳の話題はもういい。女性の前だ控えろ。それに私達は重要な話をしに来たはずだ」
乳首談議に苛ついたエリアスが突っ込んだ。ありがとうエリアス。
アルクナイトは今更だが表情を引き締めた。
「チャラ男、マスターのケイシーをここへ呼んでこい。ワンコと忍者……、あとついでに女装男にも話を聞いてもらうか」
「いったいどうしたんですか」
「ルパート先輩、本当に重要な話が有るんです。私も行きますから、手分けしてみんなを会議室へ集めましょう」
「今回ばかりはアルに従ってくれ」
私とエリアスが口添えしたことで漸く会議室が真面目な空気になった。魔王さえ常識的な格好をしていたらもっとスムーズにいったのに。
甘い声音でアルクナイトが私へ問いかける。
「おまえがこんな大胆な行動に出るなんて」
全くだ。二人きりだったら更に暴走していたかもしれない。クンクン。
「怖い目にでも遭ったのか? ロウィー」
「ちょっと待て、ロウィーとは何だ」
勇者の不機嫌な声が横から届いたが、魔王は私だけに意識を集中していた。
「言ってごらん。何が起きた?」
優しくトントンと背中を叩かれて、私は少しずつ落ち着きを取り戻した。
私が不安になったり動揺する度に、アルクナイトはすっぽりと包み込んで安心させてくれる。身長が183センチ有って大きい彼だが、桁違いの高齢故か精神的にも余裕が有るんだよね。絶対的な包容力。そんな彼に私は惹かれ、世界の半分を敵に回しても嫁ごうと決めたのだ。
……これはアルクナイトと結ばれた周回の記憶。忘れてしまったはずなのに、私の感覚は彼への愛を再現しようとする。
「あのね今、下の会議室に聖騎士さん達が来ているんだ……」
私はゆっくりアルクナイトへ返事をした。もう彼から離れようという気が無くなっていた。腕の中の心地良さに身を委ねてしまったのだ。エリアスが至近距離に居るってのに。
「聖騎士とは、アンドラ討伐で知り合ったアイツらか?」
「うん……」
私は聖騎士達から得た情報をアルクナイトとエリアスへ伝えた。
首領のレスター・アークがここフィースノーに潜伏しているかもしれないこと。レスターを追う為に聖騎士が冒険者になろうとしているとも。
「ほう、聖騎士とは勤勉な奴らだな」
「話はそれだけで終わらないの。ルービックさんが兵団から衝撃的な報告を受け取っていたんだ」
私は国境が謎の深い霧に覆われて、調査で霧の中へ入った兵士が消息不明になったことを二人に話した。
「なんと! そんな事態になっていたとは」
「だから私、なかなかギルドに戻らないアルにも何か遭ったんじゃないかって心配になったの。それでさっき、無事な姿を見て感情が爆発しちゃったんだ」
「……そうだったか。心配をかけたようだな」
エリアスは新情報に驚いた様子だったが、アルクナイトは静かな口調で詫びただけだった。彼のこの反応は薄々予想がついていた。
「アル、あなたも知っていたんだね? 発生した霧のことを」
「………………」
「それを調べて帰りが遅くなったんでしょう? あなたも霧の中へ入ったの?」
「そうなのか? おいアル、おまえは何とも無いか? 身体は大丈夫なのか!?」
私とアルクナイトは抱き合ったままだが、エリアスは親友を案ずる気持ちを優先させた。
「……安心しろ二人とも。俺は霧の中に入っていない。側まで行って、この上なく危険なものだと肌で感じたからな」
やはり彼も調査に出向いていたか。アルクナイトの身には何事も起きなかったようで安堵したが、彼は霧を「この上なく危険」だと表現した。エリアスの目つきも険しくなっていた。
「ただの霧ではないということか?」
「そうだ。あの中に入った者は霧に溶け込み、己の肉体を失うことになるだろう。勇み足で霧の中に入ってしまった部下がそうなった。目には見えなかったが、ソイツの肉体が分解されたことが気配で判った」
「な…………!」
分解って……嘘でしょう!?
「じゃ、じゃあ、行方不明の兵士さんは深い霧で迷子になった訳ではなく、その、死ん……」
最後まで言えなかった。あまりにも恐ろしい現実だったから。
「アル、これは落ち着いている場合ではないぞ」
「ああ、その通りだ。俺が調べた北方面だけではなく、国全体が霧に覆われていたとなると……」
アルクナイトが私を支えつつ、ベッドで上半身を起こした。
「エリー、ロウィー、脅かすようだが時間があまり無いようだ」
「アル……」
「俺達も会議室へ行くぞ。信頼できる者全員で情報を共有した方がいい」
「霧に入ると死亡してしまうと注意喚起するのだな?」
「それも重要だが、この世界の住人は己の存在について知らなければならない」
私とエリアスは、アルクナイトの言わんとしていることが解らずキョトンとした。アルクナイトは独り言のように続けた。
「岩見鈴音……、神の存在と、あまりにも脆く頼りない世界に俺達は生きていると自覚をせねば」
「!」
「イワミスズネ……? それは人の名前か?」
エリアスはまだ解っていなかったが私は察した。
私と魔王だけが知っているこの世界の秘密……。アルクナイトはそれをみんなに明かそうと決めたのだ。
「イワミ……。何だろう、私はこの響きに既視感を抱く」
え? モデルにしたとはいえ、エリアスは衛藤先輩と別人のはずなのに。
「二人とも急げ。聖騎士達が帰ってしまうかもしれない」
「あ、うん」
促されて、私とエリアスはアルクナイトの背中を追って急いで一階へ降りた。
幸い聖騎士達はまだ会議室に居てくれた。長テーブルの上には何枚もの書類とペンが置かれている。冒険者登録が時間のかかる面倒臭い作業で助かった。
扉を開けた音に合わせて会議室に居た全員が顔を上げたが、目線が一点に集中した気がした。
「またあの人あんなカッコして……」
「腹を冷やして下せばいいのに」
会議室の皆は恥ずかしい格好のアルクナイトを見ていた。ルパートとキースが呆れ顔で呟き、
「…………。キミは天才術師のアルくんだよな? オリジナリティ溢れる開放的な衣装で以前とは雰囲気がだいぶ違うが」
「キミには遠征中に着ていた知的なローブの方が似合うと思うぞ」
突如現れた変態に動揺しつつも、ルービックとエドガーは大人の対応で遠回しに過剰露出を指摘した。
「そんな布面積少ない服を着てると、乳首がポロッと出ませんか?」
ストレートに聞いてきたのがマシューだった。
「ギリ出ないよう魔法で布を微調整している」
胸を張って偉ぶっている馬鹿魔王を、ユーリが頬を赤らめて凝視していた。
ユーリは男女関係無く厳つい顔した美形が好きだと聞いたが……あれっ、それって人として好きという意味ではなく、恋愛対象にもなるってこと? 同性もイケちゃう感じですか?
マシューが身を乗り出して、アルクナイトと心底どうでもいいお喋りを展開した。
「すげ。魔法ってそんなコトにも使えるんだ。魔力の超無駄遣い。乳首の位置をサーチして自動的に布の長さが変わるんですか?」
「まぁな。布自体が魔法繊維で織られている」
「便利だなぁ。俺がその服をそのまま着たら見えちゃいそうだもん。アルさんも鍛えてんのに乳首が下向きじゃないんですね」
「ふっ、トレーニングの仕方によって乳首の位置はある程度変えられるんだぞ?」
「アル、お乳の話題はもういい。女性の前だ控えろ。それに私達は重要な話をしに来たはずだ」
乳首談議に苛ついたエリアスが突っ込んだ。ありがとうエリアス。
アルクナイトは今更だが表情を引き締めた。
「チャラ男、マスターのケイシーをここへ呼んでこい。ワンコと忍者……、あとついでに女装男にも話を聞いてもらうか」
「いったいどうしたんですか」
「ルパート先輩、本当に重要な話が有るんです。私も行きますから、手分けしてみんなを会議室へ集めましょう」
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