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しおりを挟むめくったな?
めくってしまったのか。
仕方が無い。まぁ、分かっていた事だ。
これから出来るだけお前が「魔女の森」を見つけられるよう、僕の記憶をフル動員して書き記していく。
それで見つからなくても恨むなよ?
大丈夫、要は心の持ち様だ。
多分な。
僕も分からん。
だが、確かに「死にたい」と思っていた時にあの森は現れた。
だからもしかしてお前がこれを読んで、「魔女の森を見つけるまで死ねない」なんて思ったら見つからんかも知れん。
気を付けろ?
まだ、死ぬ気でいろよ?
だから、見つけたら「どう」なるのかは書かないでおく。
あまり、考えるな。
探すと決めたなら。
じゃあ説明していく。
まず、お前は今北部の森の近く、小さな町の外れで一人で暮らしている筈だ。
その、地下の食糧庫であの箱を見つけた。
そしてそれを居間に持ってきて、読んでいる。
暖炉には薪がくべられ暖かい部屋。
曇った窓ガラスに季節は冬。
昼飯を食った後、夜飯のサーモンが心配で備蓄を見に行った筈だ。
持ってきておけ。また忘れるぞ。
いや、如何、明日死ぬつもりだから駄目だ。
忘れたままにしておけ。
これは魔色のインクだから消せない。
忘れろ。いいな?
難しいな…。
いや、とりあえず間違えるな。
・お前は死にたい気持ちで
・コート一枚で森へ行く
これだけだ。
日暮れ前に、森へ入る。
すぐに日が暮れるから大丈夫だ。
死ぬかも知れんが。
大丈夫だ。もし、死んでも僕を恨むなよ?
お前の「死にたい気持ち」が足りなかった事が原因だからな。
まぁよく分からんが運が良ければまた開く事もあろうよ。
この、報告書の続き。
いや、とりあえず森へ行け。
それだけ。
あとは「死んでこい」。
頑張れよ。
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