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二章 ハーレムルート
お泊まり失敗
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朝食の場で一昨日のクッキー事件についてお義母様から謝罪があった。
お酒入りのクッキーが大好きで、サンチェスター家のクッキーは少量のお酒を入れるのが定番なんだと説明してくれた。
「いえ、僕も自分がお酒弱いなんて知らなかったので皆様にご迷惑をお掛けしました。」
「うんん、それは…こちらの責任だからシャルマン様は気にしないで…。」
お義母様が申し訳なさそうに伝えてくれるのが僕としては申し訳なかった。
婚約者の屋敷に来て早々酔っ払って眠り続けるって大失態だよね?
チラッとお義母様の横を見ると、僕と同じくらい反省しているワイアット様の姿があった。
「…あの…ワイアット様にもご迷惑を掛けたんですよね?ごめんなさい。」
謝罪するも酔っていたので全く記憶になかった。
世に言う「記憶にございません」状態だった。
そんなこと本当にあるんだね…。
酔っている間、僕はワイアット様になにかしてしまったかな?
粗相しちゃった?
聞くのが怖い。
「い、いえっ僕はその…すみません。」
「へ?ワイアット様は何も…」
どうしてワイアット様が謝罪を?
クッキーがお酒入りって知らなかったんだから仕方ないのに…。
責任感が強いんだね。
僕より年下なのに確りしてる。
年上の僕が気にかけなきゃいけなかったのに…。
よしっ、年上として懐の大きさを…。
「僕が確認もせずにクッキーをお出ししてしまい…このようなことに…」
あっ、ワイアット様に先越されてしまった。
「あの気にしないでください。それにクッキーが美味しくて沢山食べてしまったのは僕なのでワイアット様は悪くありません。」
「いえ…それだけでは…」
ワイアット様は僕をおもてなししようとしてくれただけなのに、そんなに落ち込まないで。
クッキー本当に美味しかったんだから。
「ワイアット、もぅ…。」
「………」
四日目の朝、もうすぐエドが来てしまうのに、なんだかライとの家族の仲が深まったとは言えなかった。
寧ろ溝が深まったような…。
人見知りでコミュニケーション能力の低い僕は、姿形が変わっても人から好かれる人間にはなれなかったみたい。
気分が晴れないままアドルフの部屋に逃げ込んでいた。
なにも知らないアドルフは僕を見つけると手を伸ばして僕を求めてくれる…。
抱き締めた時の温もりと重さを感じると僕の不安が少し安らぐ…赤ちゃんの存在って凄いんだな。
赤ちゃんを抱き締め続けると、ふわりと優しい温もりに包まれた。
僕の大好きな香りと安心感をくれるその人の胸に頬を寄せ、癒されていく。
守るべき者と守ってくれる者の存在に、もう少し強くならなきゃと決意する。
お酒入りのクッキーが大好きで、サンチェスター家のクッキーは少量のお酒を入れるのが定番なんだと説明してくれた。
「いえ、僕も自分がお酒弱いなんて知らなかったので皆様にご迷惑をお掛けしました。」
「うんん、それは…こちらの責任だからシャルマン様は気にしないで…。」
お義母様が申し訳なさそうに伝えてくれるのが僕としては申し訳なかった。
婚約者の屋敷に来て早々酔っ払って眠り続けるって大失態だよね?
チラッとお義母様の横を見ると、僕と同じくらい反省しているワイアット様の姿があった。
「…あの…ワイアット様にもご迷惑を掛けたんですよね?ごめんなさい。」
謝罪するも酔っていたので全く記憶になかった。
世に言う「記憶にございません」状態だった。
そんなこと本当にあるんだね…。
酔っている間、僕はワイアット様になにかしてしまったかな?
粗相しちゃった?
聞くのが怖い。
「い、いえっ僕はその…すみません。」
「へ?ワイアット様は何も…」
どうしてワイアット様が謝罪を?
クッキーがお酒入りって知らなかったんだから仕方ないのに…。
責任感が強いんだね。
僕より年下なのに確りしてる。
年上の僕が気にかけなきゃいけなかったのに…。
よしっ、年上として懐の大きさを…。
「僕が確認もせずにクッキーをお出ししてしまい…このようなことに…」
あっ、ワイアット様に先越されてしまった。
「あの気にしないでください。それにクッキーが美味しくて沢山食べてしまったのは僕なのでワイアット様は悪くありません。」
「いえ…それだけでは…」
ワイアット様は僕をおもてなししようとしてくれただけなのに、そんなに落ち込まないで。
クッキー本当に美味しかったんだから。
「ワイアット、もぅ…。」
「………」
四日目の朝、もうすぐエドが来てしまうのに、なんだかライとの家族の仲が深まったとは言えなかった。
寧ろ溝が深まったような…。
人見知りでコミュニケーション能力の低い僕は、姿形が変わっても人から好かれる人間にはなれなかったみたい。
気分が晴れないままアドルフの部屋に逃げ込んでいた。
なにも知らないアドルフは僕を見つけると手を伸ばして僕を求めてくれる…。
抱き締めた時の温もりと重さを感じると僕の不安が少し安らぐ…赤ちゃんの存在って凄いんだな。
赤ちゃんを抱き締め続けると、ふわりと優しい温もりに包まれた。
僕の大好きな香りと安心感をくれるその人の胸に頬を寄せ、癒されていく。
守るべき者と守ってくれる者の存在に、もう少し強くならなきゃと決意する。
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