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二章 ハーレムルート

婚約者となって始めての朝

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目覚めたらシリクレッチ様の腕の中で、やっぱり二日後だった。

「おはよう」

「おはよう」

目覚めて人の腕の中は、なんて幸せなんだろう。

まだ、出たくないな…。 
夢の中に行ったらずっと抱きしめてくれるかな?

瞼を閉じて幸せの余韻に浸る。

「あむっんんっふぁんっん」

キスされると自然と舌を絡めていた。
唇から離れ首や胸に沢山キスされる。

「あっぁっあっ」

胸を揉まれながら吸われると、大きな赤ちゃんみたいで可愛くてつい頭を抱きしめてしまう。

「あっ…」

「…どうしたの?」

突然シリクレッチ様の動きが止まってしまった。

もっと続きして欲しいのに…。

「悪い…昨日飲みすぎた…」

「へっ?なにを?」

「…母乳」

「え?」

「出ない…。」

「あっ…」

アドルフの母乳…けど、シリクレッチ様の事責められないよね?
だって、フェロモン出したの僕だし…。

ごめん…アドルフ。

「悪いな…アドルフに謝らねぇと…。」

「うんん、僕が…シリクレッチ様を無理矢理誘惑しちゃったから…。」

「無理矢理じゃねぇよ、あれすげぇ良かった。」

「…あれは…僕が…。」

「それ程俺を求めてくれたんだろ?すげぇ嬉しい、またしてくれよ?」

「良いの?怒って…ない?」

「なんで怒るんだよ?」

「…だって」

「それだけ俺を望んでくれたんだろ?そんなの嬉しすぎんだろ?」

「……ありがとっ。」  

「…なぁ、していいか?」

「…ぅん…して。」

唇が重なり僕からシリクレッチ様の身体を撫でた。
僕達はお互い裸で眠っていたらしく、すぐにエッチな事が出来る。
ベッドで愛し合いその後お風呂場に移動してからも僕達はお互いを求めた。

何度しても沢山愛し合っても、僕のお腹は空にされてしまった…。

赤ちゃんは卒業後…お父様のその言葉をシリクレッチ様は律儀に守ってくれてる…嬉しいのに淋しい…。
浴槽に二人で浸かりながらシリクレッチ様の腕の中で淋しさから守ってもらった。
エッチしてないと僕から離れていくのではと不安になる。
それはシリクレッチ様だけでなく皆に対しても同じ。
僕は楽しい人間でも癒しを与えられる人間でもないから、皆に飽きられたら捨てられてしまう。
それが怖くてシャルマンの身体で皆を繋ぎ止めようとしている。

僕にはなんの価値もなく…獣人の能力で皆を虜にしていた卑怯ものだ…。

「フィンコックどうした?」

「んっなんでもない…はは」

幸せなはずなのに怖くて堪らない。
今日はどうしてこんなにも不安なんだろう…。
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