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四章 物語は終盤へ
現実 ライアン
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「ぁんっんんっ気持ちいい…ライ…もっとしてぇんっんっ」
…シャルの艶かしい声が響いた…。
シャルは王子とベッドの上で…。
「はぁん…ライっんっん好きっ大好きぃ」
王子としていながら俺の名前を呼んでいる。
拳を握り俺が駆け出すよりも前にシリクレッチが走りだし王子を殴っていた。
先に怒りをぶちまけられると悔しくも冷静になるしかなかった…。
二人の繋がりが解かれ、上半身裸の王子と一糸纏わぬシャルの姿があった。
「やぁん、ライ…ライ?んふふこっちのライも好きぃ。」
この緊迫した状況の中、エッチを求めるシャルに疑問を抱いた…。
フェロモンが暴走したわけでもないのに状況が分からずエッチに従順となり相手が誰かも分かっていなかった。
王子に抱かれながら「ライ」と…俺を呼んでいた…。
「まさか…これは…」
後方でギノフォード先生がローテーブルのカップを確認していた。
まさか…薬か?
「ペア時に使った薬ですね…」
学園でペアの授業で使われたもの…獣人には媚薬の効果が現れるってやつ…。
それを王子はシャルに薬を飲ませて行為に及んだ…のか…。
「ライ…続きしてぇんっライっ」
何も分かってないシャルは俺を素直に求め続けてる。
「…こんなんで嬉しいのかよ?旦那の身代わりで抱いて…」
混乱している俺達をよそにシリクレッチは王子のはだけだシャツを掴んでいた。
どんな理由があろうと王族に手をあげるのは暴行罪、不敬罪、謀反…その前に不法侵入などを上げればきりがないが、結果として俺達に待っている未来は…処刑。
裸のシャルにシーツを被せるだけで、シリクレッチがこれ以上暴力を震わせないようにエドバルドと俺は駆け寄った。
「止めろっ」
手遅れだが、シリクレッチを王子から離した。
「良いんだよ、こいつはっ」
「よくないだろっ相手は王族だっ」
エドが必死にシリクレッチを後ろから羽交い締めにして止めていた。
「こいつはっ……俺の弟だ…」
「「「「……え?」」」」
おと…うと…?
「俺は側室で、こいつは王妃の子供だ。」
「側室…そんな話は…」
ギノフォード先生も初耳だったようだ。
「あぁ、俺が生まれて直ぐにこいつが生まれ俺の存在は隠されていた…継承権問題が本格化なる前に魔力の低かった俺は母さんと共に王宮を追い出される事に…。婚約が決まっていた母さんを無理矢理側室にしておきながら必要なくなったら捨てられた…母さんは…全ての人間を拒絶して…独り…死んだ…お前は知っているはずだ…俺達の事を。都合の悪い真実から目を背ける…お前はあの父親そっくりだ。」
「………」
シリクレッチの告白に羽交い締めににしていたエドバルドも手を緩めた。
「フィンコックの事も獣人としか見てないんだろ?」
「違うっ」
「違わねえよ、どうせ母親に言われて近付いたんだろ?」
「…ち…が…」
「温厚…優しい…お前は何もしないだけだよな。なにもしなければ周囲が動いてくれる。お前はいつもそうだ。苦しんでいる俺達に同情する素振りを見せながら誰かの後ろに隠れる…決してなにもしない…母親に言われるがままでしか行動できない…」
「………」
「黙っていれば誰かが助けてくれるって思ってるのか?」
「………」
「お前がフィンコックにしたことを知りながらお前を庇う奴はここには居ない。どうせお前は何も出来ない…出来ないから母親に報告する…報告すればあの母親は目障りな俺を処刑しフィンコックの旦那達も処罰する。そしてお前の側室にとフィンコックを…獣人を隔離して贈り物としてお前に差し出すんだろうな…。お前達親子はそういう奴らだよ。」
「………」
「俺は王族と名乗りをあげるつもりはない…だがこれ以上フィンコックに手を出せば表舞台に立つ。俺の事も…貴重な光属性に対しての魔力酔いについても明るみになるだろう。光属性の加護は神聖なもの、その魔力に対して魔力酔いを起こすと知られれば国民から不信感を抱くだろうな…。次期国王の座を手放したくなければ、これ以上フィンコックに近付くな。」
…シャルの艶かしい声が響いた…。
シャルは王子とベッドの上で…。
「はぁん…ライっんっん好きっ大好きぃ」
王子としていながら俺の名前を呼んでいる。
拳を握り俺が駆け出すよりも前にシリクレッチが走りだし王子を殴っていた。
先に怒りをぶちまけられると悔しくも冷静になるしかなかった…。
二人の繋がりが解かれ、上半身裸の王子と一糸纏わぬシャルの姿があった。
「やぁん、ライ…ライ?んふふこっちのライも好きぃ。」
この緊迫した状況の中、エッチを求めるシャルに疑問を抱いた…。
フェロモンが暴走したわけでもないのに状況が分からずエッチに従順となり相手が誰かも分かっていなかった。
王子に抱かれながら「ライ」と…俺を呼んでいた…。
「まさか…これは…」
後方でギノフォード先生がローテーブルのカップを確認していた。
まさか…薬か?
「ペア時に使った薬ですね…」
学園でペアの授業で使われたもの…獣人には媚薬の効果が現れるってやつ…。
それを王子はシャルに薬を飲ませて行為に及んだ…のか…。
「ライ…続きしてぇんっライっ」
何も分かってないシャルは俺を素直に求め続けてる。
「…こんなんで嬉しいのかよ?旦那の身代わりで抱いて…」
混乱している俺達をよそにシリクレッチは王子のはだけだシャツを掴んでいた。
どんな理由があろうと王族に手をあげるのは暴行罪、不敬罪、謀反…その前に不法侵入などを上げればきりがないが、結果として俺達に待っている未来は…処刑。
裸のシャルにシーツを被せるだけで、シリクレッチがこれ以上暴力を震わせないようにエドバルドと俺は駆け寄った。
「止めろっ」
手遅れだが、シリクレッチを王子から離した。
「良いんだよ、こいつはっ」
「よくないだろっ相手は王族だっ」
エドが必死にシリクレッチを後ろから羽交い締めにして止めていた。
「こいつはっ……俺の弟だ…」
「「「「……え?」」」」
おと…うと…?
「俺は側室で、こいつは王妃の子供だ。」
「側室…そんな話は…」
ギノフォード先生も初耳だったようだ。
「あぁ、俺が生まれて直ぐにこいつが生まれ俺の存在は隠されていた…継承権問題が本格化なる前に魔力の低かった俺は母さんと共に王宮を追い出される事に…。婚約が決まっていた母さんを無理矢理側室にしておきながら必要なくなったら捨てられた…母さんは…全ての人間を拒絶して…独り…死んだ…お前は知っているはずだ…俺達の事を。都合の悪い真実から目を背ける…お前はあの父親そっくりだ。」
「………」
シリクレッチの告白に羽交い締めににしていたエドバルドも手を緩めた。
「フィンコックの事も獣人としか見てないんだろ?」
「違うっ」
「違わねえよ、どうせ母親に言われて近付いたんだろ?」
「…ち…が…」
「温厚…優しい…お前は何もしないだけだよな。なにもしなければ周囲が動いてくれる。お前はいつもそうだ。苦しんでいる俺達に同情する素振りを見せながら誰かの後ろに隠れる…決してなにもしない…母親に言われるがままでしか行動できない…」
「………」
「黙っていれば誰かが助けてくれるって思ってるのか?」
「………」
「お前がフィンコックにしたことを知りながらお前を庇う奴はここには居ない。どうせお前は何も出来ない…出来ないから母親に報告する…報告すればあの母親は目障りな俺を処刑しフィンコックの旦那達も処罰する。そしてお前の側室にとフィンコックを…獣人を隔離して贈り物としてお前に差し出すんだろうな…。お前達親子はそういう奴らだよ。」
「………」
「俺は王族と名乗りをあげるつもりはない…だがこれ以上フィンコックに手を出せば表舞台に立つ。俺の事も…貴重な光属性に対しての魔力酔いについても明るみになるだろう。光属性の加護は神聖なもの、その魔力に対して魔力酔いを起こすと知られれば国民から不信感を抱くだろうな…。次期国王の座を手放したくなければ、これ以上フィンコックに近付くな。」
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