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オマケの続き
全力で休ませます
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食事の後はお風呂を頂いて、明日に備えて寝るだけ…なんだけど…一人になるとオルフレッドの事を考えてしまう。
彼はちゃんと休んでいるだろうか?もう、眠っているだろうか?まさか、明日は災害地に出向けないからといって今日中に書類仕事を…なんて思っていないよね?
「おやすみなさい、確り休んでくださいね?」
「はい、ヴァレリア嬢もおやすみなさい」
別れ際に交わした言葉だが、今の彼を信じることは出来ない。
一応見に行ってみようかな?寝てるかを確認出来ればすぐに戻れば良いよね?…あれ?オルフレッドの部屋って何処だ?まいっか、一部屋一部屋探せば見つかるだろう。
私はこっそり部屋を出て、廊下に誰もいないことを確認し彼の部屋を探す。
「奥様っ」
「ひゃっ」
誰もいないことを確認して歩いてきたのに、突然後方から声をかけられた。振り向いて相手を確認すれば、そこにはマークが立っている。
「どうかなさいましたか?」
「あっぃぇっえっあっとぉ…」
オルフレッドがちゃんと寝ているのかを確認しに…なんて言ったら、幼い子供がちゃんと寝ているのか確認する親みたいだよね。年上の男性に対してするべきではないと思いつつ自分を止められなかった。
「旦那様ですか?」
「…ぇっ…はぃ」
どうしても言い訳が思い浮かばず、頷いてしまった。
こんな時間に男性の部屋なんて良くないですよね…はっ…まさか、私が今からオルフレッドに夜這いを掛けると思われていたりする?違いますよっ私そんな事一切考えておりません。私達はキスも未だな清い関係なんですからっ。
「旦那様はきっと部屋におりますが、まだ起きていらっしゃるかと…」
マークに誤解はされてないみたいで安心するも、彼の言葉に不満を覚えた。私の予想通りオルフレッドは、まだ眠らずに部屋で仕事をしている…「休んでくださいね」って言ったのにどうして約束を破るんだ…
「部屋を…案内していただけますか?」
「はい」
マークに案内され彼の部屋を知る。夫婦だから隣や近い部屋かと思えば、結構離れていてマークに案内を頼んでいなければかなりの時間が掛かっていただろう。
私は扉の前に立つと、ノックをするのを躊躇ってしまった。
眠ってほしいという思いはあるが、彼の邪魔はしたくない…本当に起きているんだよね?既に眠っていたら彼を起こしてしまう事になる…それは絶対にしてはいけないことだ。
「奥様…お願いします」
私の悩みなどマークにはお見通しなのか、「行ってください」と背中を押された気がした。
私は意を決して扉を叩く。
コンコンコン
「あぁ」
すぐに返事が帰ってくる事で、彼がまだ眠る気がないのが伝わる。
「私、ヴァレリアです」
「あっはい」
彼が扉を開け私の姿と後ろに控えていたマークを確認した。
「どうしました?」
「…少し、よろしいでしょうか?」
「どうぞ」
初めての男性の部屋に緊張しながら足を踏み入れる。
ソファに促され落ち着こうと心掛けるも周囲を見渡し、マークが部屋にいないことに気が付いた。
ふふふふふふた…二人きり…ですか?
「どうかされましたか?」
「ぃぇっ…オルフレッド様はいつおやすみに?」
私は笑顔を向けているが、自身の体を大事にしないオルフレッドに怒りが込み上げていた。
「…ぁっ…書類を確認したら…すぐに」
私が何を言いたいのか察したのか、視線を逸らされた。
「んふ。私、オルフレッド様が眠るのを確認するまでここにいますね」
私はあなたが眠るまで寝ませんよ?と圧をかけてみた。
「いゃっそれは…」
彼の反応からして、私が部屋を出ていけば再び書類に目を通しいつまでも寝ないんだろう。
「えぇ、私の事は気にせずどうぞ書類を確認してくださって構いませんよぉ」
満面の笑顔を彼に向ける。
その裏には愛しているからこそ、彼には身体を気にしてほしい。自身は呪われているから何らかの症状が現れても構わない、無理をしても良いという考えにいい加減我慢できない。
「…その…」
「んふ」
「…もう、休みます」
「あらっそうですかぁ、ではベッドへどうぞぉ」
私って怒りか込み上げると口調が変わるのね、知らなかった。声を荒げそうになるのを圧し殺して、とても優しく…優しく促す。
「えっ?」
「オルフレッド様が眠るのを確認したら私も部屋に戻りますから」
「あぁ…そぅですよね…本当にもう寝ますので…」
「はぁい、寝てくださぁい」
優しい言葉と作り笑顔でなんとか彼に詰め寄る自分を押さえた。
私のベッドでもないのに手でベッドを紹介し、観念した彼がちゃんとベッドに入るのを確認する。
何サイズかは分からないが、大きいサイズのベッドの中心に横たわるオルフレッドに失礼して少しだか腰かけさせてもらった。
「オルフレッド様…領地を預かる者として貴方は素晴らしい方です。だけど頑張りすぎる貴方が心配です。私が東部まで足を運んだのは支援の確認でもありますが、使用人達がオルフレッド様を心配し私に助けを求めたからです…食事も睡眠も充分とは言えず、このままでは倒れてしまうんじゃないかと。私もオルフレッド様の働き方には心配です。お願いですから明日一日はちゃんと休んでください」
「…それは…すまない」
私だけでなく、使用人の思いを知り彼の体から力が抜けるのを確認した。
「はい…では眠ってください」
私は彼の瞼を覆うように手を翳し、彼が眠るまで傍にいるつもりだ。だが、オルフレッドは余程疲れが溜まっていたのか、すぐに寝息をたてはじめる。寝たふりかもしれないと疑い、少しだけ彼の寝顔を見続けた。本当に眠っていることを確認し、私は彼を起こさないよう静かに立ち上がり部屋を出る。
「ぉゃすみなさぃ」
小声で彼に声を掛け、扉を閉めた。
彼はちゃんと休んでいるだろうか?もう、眠っているだろうか?まさか、明日は災害地に出向けないからといって今日中に書類仕事を…なんて思っていないよね?
「おやすみなさい、確り休んでくださいね?」
「はい、ヴァレリア嬢もおやすみなさい」
別れ際に交わした言葉だが、今の彼を信じることは出来ない。
一応見に行ってみようかな?寝てるかを確認出来ればすぐに戻れば良いよね?…あれ?オルフレッドの部屋って何処だ?まいっか、一部屋一部屋探せば見つかるだろう。
私はこっそり部屋を出て、廊下に誰もいないことを確認し彼の部屋を探す。
「奥様っ」
「ひゃっ」
誰もいないことを確認して歩いてきたのに、突然後方から声をかけられた。振り向いて相手を確認すれば、そこにはマークが立っている。
「どうかなさいましたか?」
「あっぃぇっえっあっとぉ…」
オルフレッドがちゃんと寝ているのかを確認しに…なんて言ったら、幼い子供がちゃんと寝ているのか確認する親みたいだよね。年上の男性に対してするべきではないと思いつつ自分を止められなかった。
「旦那様ですか?」
「…ぇっ…はぃ」
どうしても言い訳が思い浮かばず、頷いてしまった。
こんな時間に男性の部屋なんて良くないですよね…はっ…まさか、私が今からオルフレッドに夜這いを掛けると思われていたりする?違いますよっ私そんな事一切考えておりません。私達はキスも未だな清い関係なんですからっ。
「旦那様はきっと部屋におりますが、まだ起きていらっしゃるかと…」
マークに誤解はされてないみたいで安心するも、彼の言葉に不満を覚えた。私の予想通りオルフレッドは、まだ眠らずに部屋で仕事をしている…「休んでくださいね」って言ったのにどうして約束を破るんだ…
「部屋を…案内していただけますか?」
「はい」
マークに案内され彼の部屋を知る。夫婦だから隣や近い部屋かと思えば、結構離れていてマークに案内を頼んでいなければかなりの時間が掛かっていただろう。
私は扉の前に立つと、ノックをするのを躊躇ってしまった。
眠ってほしいという思いはあるが、彼の邪魔はしたくない…本当に起きているんだよね?既に眠っていたら彼を起こしてしまう事になる…それは絶対にしてはいけないことだ。
「奥様…お願いします」
私の悩みなどマークにはお見通しなのか、「行ってください」と背中を押された気がした。
私は意を決して扉を叩く。
コンコンコン
「あぁ」
すぐに返事が帰ってくる事で、彼がまだ眠る気がないのが伝わる。
「私、ヴァレリアです」
「あっはい」
彼が扉を開け私の姿と後ろに控えていたマークを確認した。
「どうしました?」
「…少し、よろしいでしょうか?」
「どうぞ」
初めての男性の部屋に緊張しながら足を踏み入れる。
ソファに促され落ち着こうと心掛けるも周囲を見渡し、マークが部屋にいないことに気が付いた。
ふふふふふふた…二人きり…ですか?
「どうかされましたか?」
「ぃぇっ…オルフレッド様はいつおやすみに?」
私は笑顔を向けているが、自身の体を大事にしないオルフレッドに怒りが込み上げていた。
「…ぁっ…書類を確認したら…すぐに」
私が何を言いたいのか察したのか、視線を逸らされた。
「んふ。私、オルフレッド様が眠るのを確認するまでここにいますね」
私はあなたが眠るまで寝ませんよ?と圧をかけてみた。
「いゃっそれは…」
彼の反応からして、私が部屋を出ていけば再び書類に目を通しいつまでも寝ないんだろう。
「えぇ、私の事は気にせずどうぞ書類を確認してくださって構いませんよぉ」
満面の笑顔を彼に向ける。
その裏には愛しているからこそ、彼には身体を気にしてほしい。自身は呪われているから何らかの症状が現れても構わない、無理をしても良いという考えにいい加減我慢できない。
「…その…」
「んふ」
「…もう、休みます」
「あらっそうですかぁ、ではベッドへどうぞぉ」
私って怒りか込み上げると口調が変わるのね、知らなかった。声を荒げそうになるのを圧し殺して、とても優しく…優しく促す。
「えっ?」
「オルフレッド様が眠るのを確認したら私も部屋に戻りますから」
「あぁ…そぅですよね…本当にもう寝ますので…」
「はぁい、寝てくださぁい」
優しい言葉と作り笑顔でなんとか彼に詰め寄る自分を押さえた。
私のベッドでもないのに手でベッドを紹介し、観念した彼がちゃんとベッドに入るのを確認する。
何サイズかは分からないが、大きいサイズのベッドの中心に横たわるオルフレッドに失礼して少しだか腰かけさせてもらった。
「オルフレッド様…領地を預かる者として貴方は素晴らしい方です。だけど頑張りすぎる貴方が心配です。私が東部まで足を運んだのは支援の確認でもありますが、使用人達がオルフレッド様を心配し私に助けを求めたからです…食事も睡眠も充分とは言えず、このままでは倒れてしまうんじゃないかと。私もオルフレッド様の働き方には心配です。お願いですから明日一日はちゃんと休んでください」
「…それは…すまない」
私だけでなく、使用人の思いを知り彼の体から力が抜けるのを確認した。
「はい…では眠ってください」
私は彼の瞼を覆うように手を翳し、彼が眠るまで傍にいるつもりだ。だが、オルフレッドは余程疲れが溜まっていたのか、すぐに寝息をたてはじめる。寝たふりかもしれないと疑い、少しだけ彼の寝顔を見続けた。本当に眠っていることを確認し、私は彼を起こさないよう静かに立ち上がり部屋を出る。
「ぉゃすみなさぃ」
小声で彼に声を掛け、扉を閉めた。
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