9 / 52
予定どおり
しおりを挟む
ある地域での獣被害が私の耳にも入るようになった。
毎年の狩猟祭の時期としてはかなり早いが、被害を考えるとそんなこと言っていられず連休を使い貴族であれば学生達も参加することになった。
といっても危険な獣は騎士達が事前に討伐し、安全の確保がされ命の危険がない獣…動物だけとなった、お膳立てされた森の中で狩猟祭が行われる。
だが、イベントには危険がつきもの。
ゲームでは男性達が狩りをしている間、女性達は準備された特設テントの中でお茶会を楽しむ。
誰が数多くの獲物を仕留めるのか、大きさは誰か一番なのか予想し、その贈り物を手にする幸運は誰なのかをお茶をしながら優雅に語り合う。
その場を仕切るのは貴夫人達で、多少の腹の探りあいはあるが現時点では可愛いものだ。
夫人達の婚約者探しの場であって、貴族を分裂させるものではない。
このシーンは後に分断した後の比較映像となる。
男性達が狩猟で盛り上がっている頃、追い詰められた一匹の獣が女性達のいるテントの方へ逃げ込んでくる。
警護のためにテントの周辺を囲っていた数名の騎士の声で異変に気付き、夫人や令嬢達は逃げるも、女性達の衣服や靴では死に物狂いで走る獣に簡単に追い付かれてしまう。
そんな中、転んでしまったヒロインの友人に狙いを定めた獣がやってくる。
持ち前の正義感でヒロインは友人を見捨てる事が出来ず、突進してくる獣の前に立ちはだかったときに、聖女としての力が覚醒する。
ヒロインの能力を目撃した貴族達は伝説の聖女だと囁かれ、次第に彼女こそ王子の隣にいるべきなのではないかと噂されるようになる。
それから貴族の間に亀裂が生じ始める。
ゲームなので都合よくヒロインの同級生に王子が存在し、障害があるほど恋愛は盛り上がるという言葉のように、王子は既に公爵令嬢と婚約している。
それにも拘わらず「王子は聖女と結婚するべきではないのか?」と口にする者が現れる。
そして、王子の婚約者とヒロインのバトルが始まる。
ヒロイン目線でゲームをするので、どうしても婚約者の公爵令嬢は悪役のような構図になってしまうが、実際は正しいことを言っていたりする。
幼い頃から王子の為、国の為にと努力していたのに、突然聖女などという者が現れ「婚約者こっちに変えます」なんて言われれば悔しいどころではない。
努力を無駄にされ、存在意義さえ奪われてしまえば嫌がらせしてしまうのは仕方ないと感じる。そういう感情になるのは予測できることなので、そこは周囲が気を掛けるべきではないのか?
なので狩猟大会はかなり重要なイベントとなる。
残念ながら欠席することはできず、お父様からも参加するようにとお達しが来ている。私が出来るのは静かに見守り、能力が覚醒しないように目立たないこと。
毎年の狩猟祭の時期としてはかなり早いが、被害を考えるとそんなこと言っていられず連休を使い貴族であれば学生達も参加することになった。
といっても危険な獣は騎士達が事前に討伐し、安全の確保がされ命の危険がない獣…動物だけとなった、お膳立てされた森の中で狩猟祭が行われる。
だが、イベントには危険がつきもの。
ゲームでは男性達が狩りをしている間、女性達は準備された特設テントの中でお茶会を楽しむ。
誰が数多くの獲物を仕留めるのか、大きさは誰か一番なのか予想し、その贈り物を手にする幸運は誰なのかをお茶をしながら優雅に語り合う。
その場を仕切るのは貴夫人達で、多少の腹の探りあいはあるが現時点では可愛いものだ。
夫人達の婚約者探しの場であって、貴族を分裂させるものではない。
このシーンは後に分断した後の比較映像となる。
男性達が狩猟で盛り上がっている頃、追い詰められた一匹の獣が女性達のいるテントの方へ逃げ込んでくる。
警護のためにテントの周辺を囲っていた数名の騎士の声で異変に気付き、夫人や令嬢達は逃げるも、女性達の衣服や靴では死に物狂いで走る獣に簡単に追い付かれてしまう。
そんな中、転んでしまったヒロインの友人に狙いを定めた獣がやってくる。
持ち前の正義感でヒロインは友人を見捨てる事が出来ず、突進してくる獣の前に立ちはだかったときに、聖女としての力が覚醒する。
ヒロインの能力を目撃した貴族達は伝説の聖女だと囁かれ、次第に彼女こそ王子の隣にいるべきなのではないかと噂されるようになる。
それから貴族の間に亀裂が生じ始める。
ゲームなので都合よくヒロインの同級生に王子が存在し、障害があるほど恋愛は盛り上がるという言葉のように、王子は既に公爵令嬢と婚約している。
それにも拘わらず「王子は聖女と結婚するべきではないのか?」と口にする者が現れる。
そして、王子の婚約者とヒロインのバトルが始まる。
ヒロイン目線でゲームをするので、どうしても婚約者の公爵令嬢は悪役のような構図になってしまうが、実際は正しいことを言っていたりする。
幼い頃から王子の為、国の為にと努力していたのに、突然聖女などという者が現れ「婚約者こっちに変えます」なんて言われれば悔しいどころではない。
努力を無駄にされ、存在意義さえ奪われてしまえば嫌がらせしてしまうのは仕方ないと感じる。そういう感情になるのは予測できることなので、そこは周囲が気を掛けるべきではないのか?
なので狩猟大会はかなり重要なイベントとなる。
残念ながら欠席することはできず、お父様からも参加するようにとお達しが来ている。私が出来るのは静かに見守り、能力が覚醒しないように目立たないこと。
38
あなたにおすすめの小説
追放された偽物聖女は、辺境の村でひっそり暮らしている
潮海璃月
ファンタジー
辺境の村で人々のために薬を作って暮らすリサは“聖女”と呼ばれている。その噂を聞きつけた騎士団の数人が現れ、あらゆる疾病を治療する万能の力を持つ聖女を連れて行くべく強引な手段に出ようとする中、騎士団長が割って入る──どうせ聖女のようだと称えられているに過ぎないと。ぶっきらぼうながらも親切な騎士団長に惹かれていくリサは、しかし実は数年前に“偽物聖女”と帝都を追われたクラリッサであった。
召喚失敗!?いや、私聖女みたいなんですけど・・・まぁいっか。
SaToo
ファンタジー
聖女を召喚しておいてお前は聖女じゃないって、それはなくない?
その魔道具、私の力量りきれてないよ?まぁ聖女じゃないっていうならそれでもいいけど。
ってなんで地下牢に閉じ込められてるんだろ…。
せっかく異世界に来たんだから、世界中を旅したいよ。
こんなところさっさと抜け出して、旅に出ますか。
番に見つからない街で、子供を育てている
はちも
BL
目を覚ますと、腕の中には赤ん坊がいた。
異世界の青年ロアンとして目覚めた「俺」は、希少な男性オメガであり、子を産んだ母親だった。
現世の記憶は失われているが、
この子を守らなければならない、という想いだけははっきりと残っている。
街の人々に助けられ、魔石への魔力注入で生計を立てながら、
ロアンと息子カイルは、番のいない街で慎ましく暮らしていく。
だが、行方不明の番を探す噂が、静かに近づいていた。
再会は望まない。
今はただ、この子との生活を守りたい。
これは、番から逃げたオメガが、
選び直すまでの物語。
*不定期連載です。
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
「魔道具の燃料でしかない」と言われた聖女が追い出されたので、結界は消えます
七辻ゆゆ
ファンタジー
聖女ミュゼの仕事は魔道具に力を注ぐだけだ。そうして国を覆う大結界が発動している。
「ルーチェは魔道具に力を注げる上、癒やしの力まで持っている、まさに聖女だ。燃料でしかない平民のおまえとは比べようもない」
そう言われて、ミュゼは城を追い出された。
しかし城から出たことのなかったミュゼが外の世界に恐怖した結果、自力で結界を張れるようになっていた。
そしてミュゼが力を注がなくなった大結界は力を失い……
龍王の番〜双子の運命の分かれ道・人生が狂った者たちの結末〜
クラゲ散歩
ファンタジー
ある小さな村に、双子の女の子が生まれた。
生まれて間もない時に、いきなり家に誰かが入ってきた。高貴なオーラを身にまとった、龍国の王ザナが側近二人を連れ現れた。
母親の横で、お湯に入りスヤスヤと眠っている子に「この娘は、私の○○の番だ。名をアリサと名付けよ。
そして18歳になったら、私の妻として迎えよう。それまでは、不自由のないようにこちらで準備をする。」と言い残し去って行った。
それから〜18年後
約束通り。贈られてきた豪華な花嫁衣装に身を包み。
アリサと両親は、龍の背中に乗りこみ。
いざ〜龍国へ出発した。
あれれ?アリサと両親だけだと数が合わないよね??
確か双子だったよね?
もう一人の女の子は〜どうしたのよ〜!
物語に登場する人物達の視点です。
私、魅了魔法なんて使ってません! なのに冷徹魔道士様の視線が熱すぎるんですけど
紗幸
恋愛
社畜女子だったユイは、気づけば異世界に召喚されていた。
慣れない魔法の世界と貴族社会の中で右往左往しながらも、なんとか穏やかに暮らし始めたある日。
なぜか王立魔道士団の団長カイルが、やたらと家に顔を出すようになる。
氷のように冷静で、美しく、周囲の誰もが一目置く男。
そんな彼が、ある日突然ユイの前で言い放った。
「……俺にかけた魅了魔法を解け」
私、そんな魔法かけてないんですけど!?
穏やかなはずの日々に彼の存在が、ユイの心を少しずつ波立たせていく。
まったりとした日常の中に、時折起こる小さな事件。
人との絆、魔法の力、そして胸の奥に芽生え始めた“想い”
異世界で、ユイは少しずつ——この世界で生きる力と、誰かを想う心を知っていく。
※タイトルのシーンは7話辺りからになります。
ゆったりと話が進みますが、よろしければお付き合いください。
※カクヨム様にも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる