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教会
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地上に戻り祈りの場に到着すると、まさかの顔ぶれがいた。
「聖女様、本日より私も共に祈りの場に参加することになりました」
そう挨拶したのはジョルジオ王子だ。
攻略対象の中では婚約者がいない一人だが、王族のため良からぬ争いに巻き込まれたくない思いから避けがちな人物でもあった。私は彼に対して過剰に身構えていたが、詳しく聞くとジョルジオ王子はいずれ教会に入ることが決まっていて以前から司祭について学んでいるらしい。私が聖女となり近付くために王子も教会に入ったわけではなかった。
ちょっと自意識過剰だったことを知る。
「聖女が教会に入ると聞き、国から予算が組み込まれるため私が管理することになりました」
ジョルジオ王子だけに集中していたが、視界の隅にはこの男も確り捉えていた。
「マシューズ・カントルーク様が聖女の予算管理全般を担当するのですか?」
私の疑問を王子が代わりにしてくれた。
「はい。宰相である父の後を継ぐために日々精進しております。今回は聖女の予算管理を任されました。必要経費があれば私に仰ってください。私の判断で予算を申請します」
学生の今から彼は仕事人間に見える。
こんな彼が恋愛の攻略対象とは到底思えない…
だが、真面目な人程恋愛にハマるとのめり込みやすく、地位を乱用して堕ちていく話も珍しくはない。
彼が恋愛の泥沼にハマるとは思わないが、万が一「ざまぁ」が発生した時、きっと彼は横領の罪なのだろうな…
必要な物以外は強請らない…そもそも必要最低限しか会話しないようにしよう。
「…はい」
思わぬところで予想外のマシューズとの接点が出来てしまい、軽く動揺していた。
折角図書館イベントを回避したというのに…
それからはピエール司祭とジョルジオ王子と共に神に使え、マシューズは常に私の傍に控えていた。
皆と同じように祈るも、「聖女」ということで注目を浴びる。
いや、司祭と王子を引き連れていることも注目を浴びてしまう原因かもしれない。
学園で注目され、漸く落ち着いたかと思えば今度は教会…ヒロインに休まる場は無いらしい。
それでも一週間経てば、いくら珍しい聖女でも侍者も慣れていく。
学生と大人の違いか、初日のような羨望の眼差しが薄まってもフレンドリーに声をかけてくるようなことはなかった。
私が教会で行う聖女としての役割は、「祈り」のみだった。
男爵家から通っているので時間制限もあり、その中でも掃除や食事の準備は侍者が行うので私は免除されている。きっと、覚醒したばかりの聖女としての能力を私が使いこなせていないために「祈り」以外何をさせれば良いのか悩んでいるのだろう。
何も出来ない自分がもどかしく聖女としての仕事について考えると、クリストフ王子の言葉を思い出す。
国民の救いになるような存在…それはアイドルみたいにってことなのかな?
目立つのは嫌だからと学園でも教会でも逃げ回っていたが、それではいけないのでは…もっと前に出るべきなのかもしれないと考えるようになった。
少しは聖女らしく振る舞うべきだと考えを改め、行動に移すことにする。
「司祭様」
「はい、どうかされましたか?」
私が話し掛けるだけで司祭様は優しく微笑んでくれる。
「私は…聖女として国民の前に姿を現した方が良いのではないですか?」
私なりに勇気を振り絞った。
「いえ、それはいけません」
司祭の言葉に時間が止まる。
まさかそんなはっきりと断られるとは予想していなかった。
「ぇっ…そっれは…どうしてですか?」
「聖女と判定しましたが、まだ正式に公表しておりません。王族の許可なく国民に公表も聖女と名乗ることも許されません」
あっ確かに私はまだ聖女として正式発表されていなかった。
…あれ?私学園で聖女であることを認めてしまった…
「ぁっあの…私…学園で、聖女だと話してしまいました」
「学園の者には既に通達しておりますので問題ありません」
「そうなんですね…」
「ですが学園と教会関係者以外、平民は知らない事なので貴方が聖女であることは口外してはいけません」
「はい、気を付けます」
「えぇ、焦ることはありませんからね?」
「へっ?」
「貴方が聖女であることは確かです。能力のある貴方を必要としているのではなく、貴方という存在が居てくれるだけで我々は救われています。貴方はまだ学生、ゆっくりで大丈夫です。貴方を必要とする時まで、我々は補佐します」
「…ありがとうございます」
司祭様は大人で、私の不安などお見通しだった。
それから私は真剣に祈りを捧げた。
国の平和、国民の幸せ、未来への希望。
そして最後に私は私の事を願っていた…彼らが望む本物の「聖女」の能力を使いこなせますように、と。
「聖女様、本日より私も共に祈りの場に参加することになりました」
そう挨拶したのはジョルジオ王子だ。
攻略対象の中では婚約者がいない一人だが、王族のため良からぬ争いに巻き込まれたくない思いから避けがちな人物でもあった。私は彼に対して過剰に身構えていたが、詳しく聞くとジョルジオ王子はいずれ教会に入ることが決まっていて以前から司祭について学んでいるらしい。私が聖女となり近付くために王子も教会に入ったわけではなかった。
ちょっと自意識過剰だったことを知る。
「聖女が教会に入ると聞き、国から予算が組み込まれるため私が管理することになりました」
ジョルジオ王子だけに集中していたが、視界の隅にはこの男も確り捉えていた。
「マシューズ・カントルーク様が聖女の予算管理全般を担当するのですか?」
私の疑問を王子が代わりにしてくれた。
「はい。宰相である父の後を継ぐために日々精進しております。今回は聖女の予算管理を任されました。必要経費があれば私に仰ってください。私の判断で予算を申請します」
学生の今から彼は仕事人間に見える。
こんな彼が恋愛の攻略対象とは到底思えない…
だが、真面目な人程恋愛にハマるとのめり込みやすく、地位を乱用して堕ちていく話も珍しくはない。
彼が恋愛の泥沼にハマるとは思わないが、万が一「ざまぁ」が発生した時、きっと彼は横領の罪なのだろうな…
必要な物以外は強請らない…そもそも必要最低限しか会話しないようにしよう。
「…はい」
思わぬところで予想外のマシューズとの接点が出来てしまい、軽く動揺していた。
折角図書館イベントを回避したというのに…
それからはピエール司祭とジョルジオ王子と共に神に使え、マシューズは常に私の傍に控えていた。
皆と同じように祈るも、「聖女」ということで注目を浴びる。
いや、司祭と王子を引き連れていることも注目を浴びてしまう原因かもしれない。
学園で注目され、漸く落ち着いたかと思えば今度は教会…ヒロインに休まる場は無いらしい。
それでも一週間経てば、いくら珍しい聖女でも侍者も慣れていく。
学生と大人の違いか、初日のような羨望の眼差しが薄まってもフレンドリーに声をかけてくるようなことはなかった。
私が教会で行う聖女としての役割は、「祈り」のみだった。
男爵家から通っているので時間制限もあり、その中でも掃除や食事の準備は侍者が行うので私は免除されている。きっと、覚醒したばかりの聖女としての能力を私が使いこなせていないために「祈り」以外何をさせれば良いのか悩んでいるのだろう。
何も出来ない自分がもどかしく聖女としての仕事について考えると、クリストフ王子の言葉を思い出す。
国民の救いになるような存在…それはアイドルみたいにってことなのかな?
目立つのは嫌だからと学園でも教会でも逃げ回っていたが、それではいけないのでは…もっと前に出るべきなのかもしれないと考えるようになった。
少しは聖女らしく振る舞うべきだと考えを改め、行動に移すことにする。
「司祭様」
「はい、どうかされましたか?」
私が話し掛けるだけで司祭様は優しく微笑んでくれる。
「私は…聖女として国民の前に姿を現した方が良いのではないですか?」
私なりに勇気を振り絞った。
「いえ、それはいけません」
司祭の言葉に時間が止まる。
まさかそんなはっきりと断られるとは予想していなかった。
「ぇっ…そっれは…どうしてですか?」
「聖女と判定しましたが、まだ正式に公表しておりません。王族の許可なく国民に公表も聖女と名乗ることも許されません」
あっ確かに私はまだ聖女として正式発表されていなかった。
…あれ?私学園で聖女であることを認めてしまった…
「ぁっあの…私…学園で、聖女だと話してしまいました」
「学園の者には既に通達しておりますので問題ありません」
「そうなんですね…」
「ですが学園と教会関係者以外、平民は知らない事なので貴方が聖女であることは口外してはいけません」
「はい、気を付けます」
「えぇ、焦ることはありませんからね?」
「へっ?」
「貴方が聖女であることは確かです。能力のある貴方を必要としているのではなく、貴方という存在が居てくれるだけで我々は救われています。貴方はまだ学生、ゆっくりで大丈夫です。貴方を必要とする時まで、我々は補佐します」
「…ありがとうございます」
司祭様は大人で、私の不安などお見通しだった。
それから私は真剣に祈りを捧げた。
国の平和、国民の幸せ、未来への希望。
そして最後に私は私の事を願っていた…彼らが望む本物の「聖女」の能力を使いこなせますように、と。
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