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好感度…
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二週間ほど過ぎた頃、ピエール司祭から「もうじき聖女としての教会体験は終了とする」と報告があった。
二週間前の私と今の私は何も変わっていない気がした。
私が教会で聖女見習いをしているという情報をどこから嗅ぎ付けたのか、狩猟大会で出会ったフィリップス子爵令嬢が教会を訪れた。
あの日と違い今日の彼女のコーデは全体をピンクでまとめ、髪も以前とは違い結い上げて可愛らしい姿だった。
「ワンダーソン令嬢がいらっしゃると聞き、伺いましたっ」
純真な笑顔で話す彼女はあの日と違いなんだか妹のようで、態々私に会いに教会まで来てくれたのが嬉しかった。
彼女はこの世界で初めて心許せる友人かもしれない。
彼女の登場を喜ぶも教会で楽しくお喋りなどは許されず、短い挨拶のみだった。
それでも私達の会話を大目に見てもらえたのは、私が聖女ということとフィリップス子爵令嬢が教会に多額の寄付をしたからだ。
教会といえど、お金は大事ですよね。
短い時間ではあったがフィリップス子爵令嬢の訪問で元気をもらい、再び祈りに集中した。
私が教会を訪れてから、祈り以外に成し遂げた事は何一つ無い。
寧ろ教会関係者からすると、私が教会で聖女として働いたという証明として、必ずマシューズが傍にいた。そうなると、彼らにとって食事の準備が二人分増える事になる。「聖女」という肩書きだけで成果をあげられない私を、彼らは快く受け入れてくれている…
私の教会体験は終わり、男爵家に戻る。
見送る最後まで彼らは何も出来なかった私に優しかった。
神に使える人は、悪意とは無縁なのか?負の感情は無いのだろうか?彼らに何か見返りがあったりするのだろうか?そんな考えしか浮かばない私は穢れている?
ここにいれば私は彼らのように、穢れを払われ心穏やかでいられるのかな?
私はこれから、あの人達のように神に使える聖女として相応しい人間になれるのだろうか…
帰りの馬車の中で、どこまでも澄み渡る青空を眺め続けた。
「今夜は雨が降るかもしれませんね?」
「へ?」
聖女の予算について男爵にも話があるということで、同じ馬車にはマシューズも同席していた。彼は馬車内で私に興味などなく、書類に視線を落としていた。そんな彼が突然口を開いた。
雲一つない青空なのに、雨が降るなんて信じられない。
彼は何を見て雨が降ると言ったのだろうか?
尋ねたかったのだが、彼は再び持っていた資料に目を落としている。将来宰相の跡を継ぐために、聖女の予算管理を任されている彼の邪魔は出来ない。空を見て彼の言う雨の気配を私なりに探した。
私は子供のように空を眺め、彼は資料を捲り続けている。
男爵家に着き、マシューズを応接室へと案内し使用人に男爵を呼びに行かせた。それから私は自身の部屋に戻り、何もすることがなかったので綺麗に整備された何もない庭を眺めた。
今頃男爵とマシューズは聖女の予算について話している。私は特に欲しいものは無いが、護衛にはお金が掛かる。それに、聖女をするための必要な衣裳や宝飾品も用意しなければならないらしい。
それらを発注し予算などを二人が確認している。お金の話が下品な訳ではないが、以前まで平民だった私が見た事の無い額のお金が国から宛がわれたと知ればきっと無駄遣いすると思われているのだろう。彼らの話し合いの場に私が呼ばれることはなかった。
別に話し合いに参加したいと思っていなかったので問題はない。
長い時間、男爵とマシューズは話し合いをしていた。それもあり、夕食にはマシューズも一緒となった。
外堀を埋められるように、攻略対象とお父様の顔合わせが叶っている。この世界はどうやっても私を乙女ゲームのような恋愛の方向に向かわせたいようだ。
夕食が終わるとマシューズは席を立つ。
「長居してしまいました。それでは私は失礼します」
帰るマシューズを私が見送ることになった。
「あの…カントルーク様」
「はい」
「カントルーク様から見て、私は本当に聖女なのでしょうか?」
「司祭の判定に私は異を唱えることはありません」
私にとって切実な質問を、マシューズは与えられた資料を元に判断する感情の無い人間だった。
「…もし私が聖女じゃなかったら…」
「…貴方は聖女ですよ」
根拠もなくマシューズが言い放ったことに驚いた。
「…何故そう言いきれるんですか?」
「…いずれ…分かります」
その後彼は黙ってしまった。もしかしたら彼は狩猟大会での私の能力を目撃したのかもしれない。
彼の言葉は納得できるものではなかったが、これ以上聞いても彼が重要なことを語るとは思えず諦め馬車まで彼を見送った。
彼と恋愛するつもりはないが、帰り際私を一切振り返ることのない彼を見ると好感度はそんな高くないことを知る。
それはそれでちょっと…ほんのちょっとだけ寂しかったりもしなくもない…
暫くすると彼が言った通り雨が降りだした。
雨の中を馬車が走るのは危険なのではと思うと、マシューズが無事に屋敷に着くことを聖女としてではなく人として祈った。
二週間前の私と今の私は何も変わっていない気がした。
私が教会で聖女見習いをしているという情報をどこから嗅ぎ付けたのか、狩猟大会で出会ったフィリップス子爵令嬢が教会を訪れた。
あの日と違い今日の彼女のコーデは全体をピンクでまとめ、髪も以前とは違い結い上げて可愛らしい姿だった。
「ワンダーソン令嬢がいらっしゃると聞き、伺いましたっ」
純真な笑顔で話す彼女はあの日と違いなんだか妹のようで、態々私に会いに教会まで来てくれたのが嬉しかった。
彼女はこの世界で初めて心許せる友人かもしれない。
彼女の登場を喜ぶも教会で楽しくお喋りなどは許されず、短い挨拶のみだった。
それでも私達の会話を大目に見てもらえたのは、私が聖女ということとフィリップス子爵令嬢が教会に多額の寄付をしたからだ。
教会といえど、お金は大事ですよね。
短い時間ではあったがフィリップス子爵令嬢の訪問で元気をもらい、再び祈りに集中した。
私が教会を訪れてから、祈り以外に成し遂げた事は何一つ無い。
寧ろ教会関係者からすると、私が教会で聖女として働いたという証明として、必ずマシューズが傍にいた。そうなると、彼らにとって食事の準備が二人分増える事になる。「聖女」という肩書きだけで成果をあげられない私を、彼らは快く受け入れてくれている…
私の教会体験は終わり、男爵家に戻る。
見送る最後まで彼らは何も出来なかった私に優しかった。
神に使える人は、悪意とは無縁なのか?負の感情は無いのだろうか?彼らに何か見返りがあったりするのだろうか?そんな考えしか浮かばない私は穢れている?
ここにいれば私は彼らのように、穢れを払われ心穏やかでいられるのかな?
私はこれから、あの人達のように神に使える聖女として相応しい人間になれるのだろうか…
帰りの馬車の中で、どこまでも澄み渡る青空を眺め続けた。
「今夜は雨が降るかもしれませんね?」
「へ?」
聖女の予算について男爵にも話があるということで、同じ馬車にはマシューズも同席していた。彼は馬車内で私に興味などなく、書類に視線を落としていた。そんな彼が突然口を開いた。
雲一つない青空なのに、雨が降るなんて信じられない。
彼は何を見て雨が降ると言ったのだろうか?
尋ねたかったのだが、彼は再び持っていた資料に目を落としている。将来宰相の跡を継ぐために、聖女の予算管理を任されている彼の邪魔は出来ない。空を見て彼の言う雨の気配を私なりに探した。
私は子供のように空を眺め、彼は資料を捲り続けている。
男爵家に着き、マシューズを応接室へと案内し使用人に男爵を呼びに行かせた。それから私は自身の部屋に戻り、何もすることがなかったので綺麗に整備された何もない庭を眺めた。
今頃男爵とマシューズは聖女の予算について話している。私は特に欲しいものは無いが、護衛にはお金が掛かる。それに、聖女をするための必要な衣裳や宝飾品も用意しなければならないらしい。
それらを発注し予算などを二人が確認している。お金の話が下品な訳ではないが、以前まで平民だった私が見た事の無い額のお金が国から宛がわれたと知ればきっと無駄遣いすると思われているのだろう。彼らの話し合いの場に私が呼ばれることはなかった。
別に話し合いに参加したいと思っていなかったので問題はない。
長い時間、男爵とマシューズは話し合いをしていた。それもあり、夕食にはマシューズも一緒となった。
外堀を埋められるように、攻略対象とお父様の顔合わせが叶っている。この世界はどうやっても私を乙女ゲームのような恋愛の方向に向かわせたいようだ。
夕食が終わるとマシューズは席を立つ。
「長居してしまいました。それでは私は失礼します」
帰るマシューズを私が見送ることになった。
「あの…カントルーク様」
「はい」
「カントルーク様から見て、私は本当に聖女なのでしょうか?」
「司祭の判定に私は異を唱えることはありません」
私にとって切実な質問を、マシューズは与えられた資料を元に判断する感情の無い人間だった。
「…もし私が聖女じゃなかったら…」
「…貴方は聖女ですよ」
根拠もなくマシューズが言い放ったことに驚いた。
「…何故そう言いきれるんですか?」
「…いずれ…分かります」
その後彼は黙ってしまった。もしかしたら彼は狩猟大会での私の能力を目撃したのかもしれない。
彼の言葉は納得できるものではなかったが、これ以上聞いても彼が重要なことを語るとは思えず諦め馬車まで彼を見送った。
彼と恋愛するつもりはないが、帰り際私を一切振り返ることのない彼を見ると好感度はそんな高くないことを知る。
それはそれでちょっと…ほんのちょっとだけ寂しかったりもしなくもない…
暫くすると彼が言った通り雨が降りだした。
雨の中を馬車が走るのは危険なのではと思うと、マシューズが無事に屋敷に着くことを聖女としてではなく人として祈った。
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