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お祭りはイベントです
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長期休暇も残り二週間。
教会に通わなくなると、途端に何をして良いのか分からなくなる。嬉しいことに学園からの課題などはないので、勉強に追われることもない。その分やることがない。
「エレナ」
「はい」
「今日祭りがあるが、行ってみたらどうだ?」
男爵に誘われたのはお祭りだった。
「お祭り…」
この世界で初めてのお祭り。
行ってみたい気持ちはあったが、当然乙女ゲームのお祭りは攻略対象に出会うためのイベント。
「ずっと部屋にいては退屈だろう?楽しんできなさい」
悩んでいると男爵にお金が入った袋を渡されてしまい、行かないという選択肢は消えてしまった。
「…行って…きます」
「あぁ、気を付けて行ってきなさい」
外出する時は必ず王族の護衛が着く。
突然決めたお祭りにも慌てることなく対応してくれる。今回は騎士の制服ではなく、平民の格好で私の護衛してくれていた。
私は今誰かのルートに入っているのだろうか?そのルートの中で好感度はどのくらいなのだろうか?
なのでお祭りに行った際、誰が現れるのか予想がつかない。
クリストフ王子ルートでは、お忍びでやってきた王子と二人でお祭りを楽しむ。
サリモンルートだと、人混みで護衛騎士と私がはぐれた瞬間スリに合うも偶然居合わせた彼にお金を取り返してもらい、その後は護衛しつつお祭りを楽しむ。
マシューズルートでは、宝石店で婚約者の誕生日の贈り物で悩んでいる姿を目撃し一緒に選んであげる。その後、私に彼の瞳の色と同じ宝石が付いた髪留めを贈られる。
ジャック先生ルートでは、数ヵ月前に雷で折れてしまった王都のシンボルでもある大木の一部を使った杖を製作していた。それを取りに行った先生と出会いサンプルとして作ったお揃いの杖を頂く。
ジョルジオ王子ルートでは、兄のクリストフと喧嘩し城を抜け出し町を彷徨っている時に偶然出会い一緒に祭りを楽しむ。
こんな感じで自分が今、誰のルートにいるのかが分かる。好感度によって途中ではぐれたり、贈り物が無くなったりする。ゲームとは違い好感度が見えない今、お祭りは自分の状況を把握する為には大事なイベントだ。
私は緊張しながらお祭りに参加した。
今のところ誰にも会うことなく、お祭りの雰囲気を味わっている。普段の町の様子を知らないので、今日がどのくらい賑わっているのか私には判断できない。それでも、すれ違う人との距離が近いので人気の祭りなんだと思う。
人々の活気に気分が上がり攻略対象を探すのをやめ、屋台などを楽しんだ。日本とは違い見慣れない食べ物に興味を引かれていると、いつの間にかお祭りのゾーンが終わっていた。戻ろうとした時に見覚えのある宝石店を見つけた。なんとなく確認のために外から店内を覗くとマシューズが悩んでいる姿が見えた。
「嘘っ、私マシューズルートに入ってたの?」
教会で同じ空間には居たが、特別親しくしたつもりはないし会話も業務的なものしか…
「あれでマシューズルートに入っちゃうの?」
あまりに驚きで声に出していた。
マシューズに見つかる前に急いでその場を離れることにした。
「きゃっ」
いち早くこの場から立ち去ろうと気が急いてしまい、お祭りで賑わう人にぶつかってしまった。
「大丈夫か…ん?ワンダーソン嬢?」
名前を呼ばれ相手を確認するとまさかの王子がいた…
「ク…トルニダード王子ですか?」
「あぁ、町の雰囲気を確認しに来たんだが、ワンダーソン嬢は祭りを楽しみに来たのか?」
「あっはい」
マシューズルートではなく王子ルート?
「待てっ」
突然後方から声が響くと、同時に男性が捕らえられていた。
「へ?」
何か揉めているのか人々の視線が集まっている。よく見ると盗みを働いた人物が取り押さえられている現場だった。
成り行きを見ていると、見知った人間が近付いてくる。
「これ、お前のか?」
彼の差し出された手には男爵から手渡された袋があった。
「あっ、私のです…ありがとうございます…フィルデガード様」
私はいつの間にかスリにあい、ゲーム通りサリモンが取り返してくれた。
この状況はどういう事?
「ん?クリストフ?」
そこへ声を掛けてきたのは宝石店にいたマシューズだった。
まさかこれって…ハーレムルートだったりする?
私を囲むように攻略対象三人が集結していた。
「マシューズも来てたのか?」
「なんだ皆で祭りに来てたのか?」
「俺はスリを追いかけていたらここへ来た」
「そうか、なら皆で祭りを楽しむか」
…三人の会話に割り込むことはないが、耳だけは確りと参加していた。
今クリストフ王子は「皆」って言いました?その皆って誰ですかね?私入ってたりしますか?
「ワンダーソン嬢は何か気になるものでもあったか?」
会話が振られ私も「皆」に入っていた。
「…ぃえ…お祭り初めてで良く分からず…」
「それは私もだ、ゆっくり回ろう」
「そうだな」
「あぁ」
王子の誘いを断る事も出来ず、四人で祭りを楽しむことに…
お祭りを楽しむのも忘れ、私は今までの行動を振り返っていた。
私、いつの間にハーレムルートに入っちゃってたんだろう…
教会に通わなくなると、途端に何をして良いのか分からなくなる。嬉しいことに学園からの課題などはないので、勉強に追われることもない。その分やることがない。
「エレナ」
「はい」
「今日祭りがあるが、行ってみたらどうだ?」
男爵に誘われたのはお祭りだった。
「お祭り…」
この世界で初めてのお祭り。
行ってみたい気持ちはあったが、当然乙女ゲームのお祭りは攻略対象に出会うためのイベント。
「ずっと部屋にいては退屈だろう?楽しんできなさい」
悩んでいると男爵にお金が入った袋を渡されてしまい、行かないという選択肢は消えてしまった。
「…行って…きます」
「あぁ、気を付けて行ってきなさい」
外出する時は必ず王族の護衛が着く。
突然決めたお祭りにも慌てることなく対応してくれる。今回は騎士の制服ではなく、平民の格好で私の護衛してくれていた。
私は今誰かのルートに入っているのだろうか?そのルートの中で好感度はどのくらいなのだろうか?
なのでお祭りに行った際、誰が現れるのか予想がつかない。
クリストフ王子ルートでは、お忍びでやってきた王子と二人でお祭りを楽しむ。
サリモンルートだと、人混みで護衛騎士と私がはぐれた瞬間スリに合うも偶然居合わせた彼にお金を取り返してもらい、その後は護衛しつつお祭りを楽しむ。
マシューズルートでは、宝石店で婚約者の誕生日の贈り物で悩んでいる姿を目撃し一緒に選んであげる。その後、私に彼の瞳の色と同じ宝石が付いた髪留めを贈られる。
ジャック先生ルートでは、数ヵ月前に雷で折れてしまった王都のシンボルでもある大木の一部を使った杖を製作していた。それを取りに行った先生と出会いサンプルとして作ったお揃いの杖を頂く。
ジョルジオ王子ルートでは、兄のクリストフと喧嘩し城を抜け出し町を彷徨っている時に偶然出会い一緒に祭りを楽しむ。
こんな感じで自分が今、誰のルートにいるのかが分かる。好感度によって途中ではぐれたり、贈り物が無くなったりする。ゲームとは違い好感度が見えない今、お祭りは自分の状況を把握する為には大事なイベントだ。
私は緊張しながらお祭りに参加した。
今のところ誰にも会うことなく、お祭りの雰囲気を味わっている。普段の町の様子を知らないので、今日がどのくらい賑わっているのか私には判断できない。それでも、すれ違う人との距離が近いので人気の祭りなんだと思う。
人々の活気に気分が上がり攻略対象を探すのをやめ、屋台などを楽しんだ。日本とは違い見慣れない食べ物に興味を引かれていると、いつの間にかお祭りのゾーンが終わっていた。戻ろうとした時に見覚えのある宝石店を見つけた。なんとなく確認のために外から店内を覗くとマシューズが悩んでいる姿が見えた。
「嘘っ、私マシューズルートに入ってたの?」
教会で同じ空間には居たが、特別親しくしたつもりはないし会話も業務的なものしか…
「あれでマシューズルートに入っちゃうの?」
あまりに驚きで声に出していた。
マシューズに見つかる前に急いでその場を離れることにした。
「きゃっ」
いち早くこの場から立ち去ろうと気が急いてしまい、お祭りで賑わう人にぶつかってしまった。
「大丈夫か…ん?ワンダーソン嬢?」
名前を呼ばれ相手を確認するとまさかの王子がいた…
「ク…トルニダード王子ですか?」
「あぁ、町の雰囲気を確認しに来たんだが、ワンダーソン嬢は祭りを楽しみに来たのか?」
「あっはい」
マシューズルートではなく王子ルート?
「待てっ」
突然後方から声が響くと、同時に男性が捕らえられていた。
「へ?」
何か揉めているのか人々の視線が集まっている。よく見ると盗みを働いた人物が取り押さえられている現場だった。
成り行きを見ていると、見知った人間が近付いてくる。
「これ、お前のか?」
彼の差し出された手には男爵から手渡された袋があった。
「あっ、私のです…ありがとうございます…フィルデガード様」
私はいつの間にかスリにあい、ゲーム通りサリモンが取り返してくれた。
この状況はどういう事?
「ん?クリストフ?」
そこへ声を掛けてきたのは宝石店にいたマシューズだった。
まさかこれって…ハーレムルートだったりする?
私を囲むように攻略対象三人が集結していた。
「マシューズも来てたのか?」
「なんだ皆で祭りに来てたのか?」
「俺はスリを追いかけていたらここへ来た」
「そうか、なら皆で祭りを楽しむか」
…三人の会話に割り込むことはないが、耳だけは確りと参加していた。
今クリストフ王子は「皆」って言いました?その皆って誰ですかね?私入ってたりしますか?
「ワンダーソン嬢は何か気になるものでもあったか?」
会話が振られ私も「皆」に入っていた。
「…ぃえ…お祭り初めてで良く分からず…」
「それは私もだ、ゆっくり回ろう」
「そうだな」
「あぁ」
王子の誘いを断る事も出来ず、四人で祭りを楽しむことに…
お祭りを楽しむのも忘れ、私は今までの行動を振り返っていた。
私、いつの間にハーレムルートに入っちゃってたんだろう…
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