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悪役令嬢の退場
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「私にどのような能力があるのか分かりませんが、私に出来るのであれば国の為に最善を尽くしたいと思います」
追い詰められての言葉ではなく、私はこれから聖女として生きていくと決めていた。なので、この言葉に嘘はない。
私が宣言すると盛大な歓声が生まれ、皆が私を聖女と崇め惜しみない拍手を送る。
そんな中、クレアベールだけは顔を歪めていた。
「愚か者」
声は聞こえなかったが、クレアベールの口はそう言っていた。
「クリス…本気なのね?」
「あぁ」
「クリス…貴方は時期国王に相応しいと思っているわ…けれど、今回の決断だけは支持できない」
「クレアもいずれ分かってくれる」
「…それは…ないわ。いくら話し合っても今回の件だけは、考えを変える気はない。…私しばらくの間、隣国に行くことにするわ」
クレアベールは一度私に視線を送るも、諦めた表情で会場を後にする。誰もが彼女の後ろ姿を無言で見つめた。
もしかしたら、これが切っ掛けとなり二人の婚約は解消となるのでは?と頭に過る。
「クリストフ王…ひっ」
王子は鬼の形相で私を睨んだ。王子として振る舞う彼に似つかわしくない表情に驚いた。だがそれも一瞬で、すぐにいつもの優しい王子に戻った。
「問題ない」
王子はクレアベールを追いかけることなく、パーティーの続行を選んだ。
王子の判断を目撃した生徒は皆、クレアベールの事を口にすることなく必死に楽しもうとしていた。
これが断罪になるの?
悪役令嬢は去った…けど、これでは何か物足りない。
追放も婚約解消も私への嫌がらせの追求だってしていない。
私がクレアベールに階段がら落とされたのは、王子も知ったいるのに…何で?
これでは、クレアベールが冷静になる為に一時的に隣国へ向かったに過ぎない。ただの、休暇。
時が経てば、この場にいた生徒達も今日の事を忘れ、再び彼女はクリストフ王子に相応しい婚約者と言われるに違いない。
これではヒロインの立場は?
婚約解消していないのであれば、クレアベールはいずれ王宮で暮らすことになる。聖女である私も王宮で保護されると先ほど知らされた。となると、どんなに避けたとしても王宮内で偶然鉢合わせする可能性はある。険悪な状態で出会えば学園で起きたような嫌がらせ以上の事が再び始まる。
この世界に起きることが今まで私が前世で経験したゲームのようなものであれば、命を狙われるシチュエーションもいずれ訪れるだろう…
暗殺だったり、毒殺だったり…私よりもこの世界に詳しく、権力や人脈のあるクレアベールには敵わない。
私は私を守らないといけない。
聖女を受け入れクレアベールと対立はしていても、攻略対象やその婚約者達は彼女を認めていた。
私が階段から突き落とされたというのに、誰もクレアベールが犯人だと騒ぎ立て噂を流すことがなかった。寧ろ、私が嫌がらせされていたことも階段から突き落とされた事も一切噂にならなかった。
「…聖女」
「あっはい」
つい、パーティーの最中だというのに考え事に夢中になってしまった。
マシューズの声により現実に戻る。
「私と…ダンスを…」
マシューズは照れているのか、私を直視することなく手だけを差し出した。
「…はい」
彼のリードでダンスをしていると、彼の婚約者エレンターナが視界にはいる。
彼女は微笑みながら私達を観ていた。
マシューズとのダンスが終わると、代わりにサリモンが現れた。
「俺とも…」
それ以上の言葉はないが、ぶっきらぼうの彼らしい誘い方で和んでしまう。
「はい」
私は笑顔で彼の手を取った。
彼は騎士として常に鍛えダンスは少々強引な所もあったが、確りとした手は頼りになる。彼の婚約者エスメラルダは彼に興味ないのか、友人達と会話していたように見えたが一度だけ視線があったように感じた…やはり、婚約者の事を気にしてないようで気にしていた。
彼とのダンスが終わるとクリストフ王子が現れた。
ラストダンスは王子で締めくくる…のかと思えば、エスコートされ会場を後にした。
追い詰められての言葉ではなく、私はこれから聖女として生きていくと決めていた。なので、この言葉に嘘はない。
私が宣言すると盛大な歓声が生まれ、皆が私を聖女と崇め惜しみない拍手を送る。
そんな中、クレアベールだけは顔を歪めていた。
「愚か者」
声は聞こえなかったが、クレアベールの口はそう言っていた。
「クリス…本気なのね?」
「あぁ」
「クリス…貴方は時期国王に相応しいと思っているわ…けれど、今回の決断だけは支持できない」
「クレアもいずれ分かってくれる」
「…それは…ないわ。いくら話し合っても今回の件だけは、考えを変える気はない。…私しばらくの間、隣国に行くことにするわ」
クレアベールは一度私に視線を送るも、諦めた表情で会場を後にする。誰もが彼女の後ろ姿を無言で見つめた。
もしかしたら、これが切っ掛けとなり二人の婚約は解消となるのでは?と頭に過る。
「クリストフ王…ひっ」
王子は鬼の形相で私を睨んだ。王子として振る舞う彼に似つかわしくない表情に驚いた。だがそれも一瞬で、すぐにいつもの優しい王子に戻った。
「問題ない」
王子はクレアベールを追いかけることなく、パーティーの続行を選んだ。
王子の判断を目撃した生徒は皆、クレアベールの事を口にすることなく必死に楽しもうとしていた。
これが断罪になるの?
悪役令嬢は去った…けど、これでは何か物足りない。
追放も婚約解消も私への嫌がらせの追求だってしていない。
私がクレアベールに階段がら落とされたのは、王子も知ったいるのに…何で?
これでは、クレアベールが冷静になる為に一時的に隣国へ向かったに過ぎない。ただの、休暇。
時が経てば、この場にいた生徒達も今日の事を忘れ、再び彼女はクリストフ王子に相応しい婚約者と言われるに違いない。
これではヒロインの立場は?
婚約解消していないのであれば、クレアベールはいずれ王宮で暮らすことになる。聖女である私も王宮で保護されると先ほど知らされた。となると、どんなに避けたとしても王宮内で偶然鉢合わせする可能性はある。険悪な状態で出会えば学園で起きたような嫌がらせ以上の事が再び始まる。
この世界に起きることが今まで私が前世で経験したゲームのようなものであれば、命を狙われるシチュエーションもいずれ訪れるだろう…
暗殺だったり、毒殺だったり…私よりもこの世界に詳しく、権力や人脈のあるクレアベールには敵わない。
私は私を守らないといけない。
聖女を受け入れクレアベールと対立はしていても、攻略対象やその婚約者達は彼女を認めていた。
私が階段から突き落とされたというのに、誰もクレアベールが犯人だと騒ぎ立て噂を流すことがなかった。寧ろ、私が嫌がらせされていたことも階段から突き落とされた事も一切噂にならなかった。
「…聖女」
「あっはい」
つい、パーティーの最中だというのに考え事に夢中になってしまった。
マシューズの声により現実に戻る。
「私と…ダンスを…」
マシューズは照れているのか、私を直視することなく手だけを差し出した。
「…はい」
彼のリードでダンスをしていると、彼の婚約者エレンターナが視界にはいる。
彼女は微笑みながら私達を観ていた。
マシューズとのダンスが終わると、代わりにサリモンが現れた。
「俺とも…」
それ以上の言葉はないが、ぶっきらぼうの彼らしい誘い方で和んでしまう。
「はい」
私は笑顔で彼の手を取った。
彼は騎士として常に鍛えダンスは少々強引な所もあったが、確りとした手は頼りになる。彼の婚約者エスメラルダは彼に興味ないのか、友人達と会話していたように見えたが一度だけ視線があったように感じた…やはり、婚約者の事を気にしてないようで気にしていた。
彼とのダンスが終わるとクリストフ王子が現れた。
ラストダンスは王子で締めくくる…のかと思えば、エスコートされ会場を後にした。
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