【完結】恋愛に向いていない女性の記録。婚約者との関係改善を目指して記憶喪失のフリをしたら……婚約解消になった編

天冨 七緒

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その後は?

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 あれから、お茶会などに参加するようになった。
 一度パーティーに参加してしまったので、お茶会を断るのは難しい。
 当然というべきか、婚約解消した令嬢は話題の中心となる瞬間がある。
 そこで動揺を見せてはその後も標的になるので、微笑み携えながら振る舞う。
 一度枯れる程泣いてしまえば、すっきりしてしまったので令嬢からの追及にも平然と答えられていた。
 
「何故婚約解消の選択をなさったのですか? 令嬢の方が傷を負いますでしょう? 」

 私を労わっての言葉であり、正直な疑問でもあり、刃でもある。
 
「婚約していも、我が家ですと利益がそれほど……」

 私達の婚約は『利益優先』『恋愛などではない』と宣言したかった。
 だが、相手の家門に対して『利益が無い』と断定してしまうと、後々面倒になるので『侯爵家の我が家と比べると』の前置きと、更には曖昧にしておいた。

「流石はギャスパル侯爵家ですわね。考え方を見習いたいですわ」

 令嬢の言葉は本心と嫌味。
 
「婚約に対しては様々な考え方がありますから、私は侯爵令嬢という立場を優先しなければなりませんから」

 婚約解消の原因となった令嬢は伯爵令嬢。
 私とは『背負っている責任が違う』と宣言。
 この場にいるのは公爵令嬢に侯爵令嬢、伯爵令嬢。子爵令嬢がいる。
 この言葉の意味に高位貴族は頷き納得し、唯一の下位貴族である子爵令嬢は周囲に同調するしかなかった。

「そうですわね。我々は王族に近い分、一時の感情に流されるわけにはいきませんもの」

「はい。ヴィアンカ公爵令嬢の仰る通りです」

 本日の主催者であり、この場で一番爵位の高い令嬢に同意すれば出席者全員が納得する。

「ギャスパル侯爵はこの後どうなさるのかしら? 」

「あちら側との契約は全て解消致しましたので、仕事面で一切関わる事は無いかと」

「そうですのね、ギャスパル侯爵は我が家とも関係がありますので父が心配しておりましたの」

「それは、大変ご心配おかけいたしました。今後はあちらの家門を通さず我が家が直接行いますので、何かあれば我が家へお尋ねください」

「えぇ、分かったわ。父にもそう伝えておくわ」

「宜しくお願い致します」

 一難去ってまた一難。
 話題が変わっても、私に関係がある内容をぶつけられる。

「あの方達、直ぐにでも婚約なさると思っていたのですが、なかなか婚約の報せが訪れませんね? セラフィーナ令嬢は何か聞いていらっしゃいます?」

 令嬢にとってはただの疑問なのかもしれないが、周囲は緊張している。
 特に子爵令嬢なんて、この空気に耐えられないと言った表情だ。

「私のところにも、一切報告はありませんわ」

「そうなの、貴方に無いのなら私達が知るのも時間が必要そうね」

 令嬢は、私が……我が家が元婚約者の行動を調査・監視しているとも思っているのかもしれない。
 『興味がない』という対応をしなければ、私がいない場所で良からぬ噂を立てられてしまう。
 頬を引き攣らせながら、笑顔を崩さなかった。
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