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感情を受け入れてしまえば楽
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その後も信頼関係を築く為、何度か彼が訪れる。
彼の屋敷への訪問日に『頭痛が酷い為、本日は伺えない』というのを騎士に報告させた。
頭痛は本当だが、我慢できない程ではない。
彼の屋敷に訪問しなければならないと思うと、体が病気を作ってしまったらしい。
「お嬢様……ご無理なされず、本日の訪問はおやめになった方がよろしいのではありませんか? 」
気持ちと体調の悪さで訪問の準備を躊躇っている私を見兼ねて、ヴァローナが提案した。
私は当日欠席は相手に失礼と感じ、今までも無理して出席していた。
あの男は何度も私との約束を反故にしていた。
それらの仕返しではないが、体調が優れないのに行きたくもない裏切り者の屋敷に行かなくてもいいのでは? と思い今回は訪問を中止した。
男の屋敷には騎士に報告を頼む。
私はあの男とは違い、約束の時間一時間前に報告を頼んでいる。
あの男は報告させることさえ遅刻していた。
ゆっくり休んでいると、報告に向かわせた騎士が望んでもいない彼から手紙を手にして戻って来た。
『体調が悪いと聞き心配です。俺の事は気にせず、ゆっくり休んでください。あんな事があったのに、我が家に訪れてほしいなんて配慮が出来ておりませんでした。今後は俺が毎回令嬢の屋敷に訪問させていただきます』
過去に私が体調を崩しても心配の手紙なんて一度もなかった男からの手紙。
病気後の訪問でも、呟かれた言葉は「なんだ……元気じゃないか」だったのを、私は聞き逃さなかった。
次回も『頭痛が酷い』と伝え、中止にしようかと企んだのだが二回連続は疑われる可能性を考え仕方なく会うことにした。
「体調はどうですか? あれからとても心配していたんですよ。こちらはお見舞いの花束です、受け取って頂けますか? 」
「……ありがとうございます」
使用人に合図を送り、私は彼からの花束を直接受け取らず使用人に任せた。
素っ気ない態度を繰り返す私に対して、彼は不満を口には出さず毎回約束の時間に遅れる事なく現れる。
次第にそんな彼の思いがしんどく感じ始めた。
「彼も、こんな気分だったのかな? 」
婚約者とはいえ、どうでもいい相手に尽くされると同じ思いで応えられない罪悪感から相手の事がうっとおしいと感じ気が滅入る。
「私……なんでこんな事をし始めたんだっけ? 」
何故、彼にこんなことをしているのか分からなくなってしまった。
初めは信頼していた彼に裏切られた悲しみ・怒りからだった。
だけど、その怒りも薄れ今ではこんな奴に私の貴重な時間を……気持ちを削られたくないと思い始める。
もしかしたら、私は彼を吹っ切れたのかもしれない。
長い間婚約者に蔑ろにされて、それを認めるのが嫌で見ないふりをして自分を守っていた。
だけど、それらを受け入れると……
彼がどうでもよく思えてきた。
「契約……終了させようかな……」
彼との関係は時間の無駄なように思えてきた。
彼の屋敷への訪問日に『頭痛が酷い為、本日は伺えない』というのを騎士に報告させた。
頭痛は本当だが、我慢できない程ではない。
彼の屋敷に訪問しなければならないと思うと、体が病気を作ってしまったらしい。
「お嬢様……ご無理なされず、本日の訪問はおやめになった方がよろしいのではありませんか? 」
気持ちと体調の悪さで訪問の準備を躊躇っている私を見兼ねて、ヴァローナが提案した。
私は当日欠席は相手に失礼と感じ、今までも無理して出席していた。
あの男は何度も私との約束を反故にしていた。
それらの仕返しではないが、体調が優れないのに行きたくもない裏切り者の屋敷に行かなくてもいいのでは? と思い今回は訪問を中止した。
男の屋敷には騎士に報告を頼む。
私はあの男とは違い、約束の時間一時間前に報告を頼んでいる。
あの男は報告させることさえ遅刻していた。
ゆっくり休んでいると、報告に向かわせた騎士が望んでもいない彼から手紙を手にして戻って来た。
『体調が悪いと聞き心配です。俺の事は気にせず、ゆっくり休んでください。あんな事があったのに、我が家に訪れてほしいなんて配慮が出来ておりませんでした。今後は俺が毎回令嬢の屋敷に訪問させていただきます』
過去に私が体調を崩しても心配の手紙なんて一度もなかった男からの手紙。
病気後の訪問でも、呟かれた言葉は「なんだ……元気じゃないか」だったのを、私は聞き逃さなかった。
次回も『頭痛が酷い』と伝え、中止にしようかと企んだのだが二回連続は疑われる可能性を考え仕方なく会うことにした。
「体調はどうですか? あれからとても心配していたんですよ。こちらはお見舞いの花束です、受け取って頂けますか? 」
「……ありがとうございます」
使用人に合図を送り、私は彼からの花束を直接受け取らず使用人に任せた。
素っ気ない態度を繰り返す私に対して、彼は不満を口には出さず毎回約束の時間に遅れる事なく現れる。
次第にそんな彼の思いがしんどく感じ始めた。
「彼も、こんな気分だったのかな? 」
婚約者とはいえ、どうでもいい相手に尽くされると同じ思いで応えられない罪悪感から相手の事がうっとおしいと感じ気が滅入る。
「私……なんでこんな事をし始めたんだっけ? 」
何故、彼にこんなことをしているのか分からなくなってしまった。
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だけど、その怒りも薄れ今ではこんな奴に私の貴重な時間を……気持ちを削られたくないと思い始める。
もしかしたら、私は彼を吹っ切れたのかもしれない。
長い間婚約者に蔑ろにされて、それを認めるのが嫌で見ないふりをして自分を守っていた。
だけど、それらを受け入れると……
彼がどうでもよく思えてきた。
「契約……終了させようかな……」
彼との関係は時間の無駄なように思えてきた。
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