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泊まる 帰れ 連れていく 私も行く
使用人が離れていくのがわかった。
「グッグラキエス様?」
「んー」
離れたくなくてエストレヤの中に入ったまま抱きしめた。
「準備…しないと…。」
「…やだ…離れたくない。」
抱きしめたまま甘えてみた。
「…グラキエス様。」
困ったような声で俺の名を呼ぶ。
「…エストレヤともっと一緒にいたい。」
「…ぼくも…。」
エストレヤも優しく俺の背に手を回してくる。
そうやって簡単に流されると危険だぞ?
教えねぇけど。
「泊まっていい?」
「えっ」
「だめ?」
「…だめ…じゃない」
「エストレヤの部屋にいていい?」
「…ぅん」
「…なら用意する。」
納得しつつも不満ではあったので、のそのそと起き上がりエストレヤと離れる。
繋がりを解いていけば「あぁん。」と俺を煽る声をあげてくる。
「エストレヤ、態と俺を試してるの?」
顔を覗き込み唇を指でなぞった。
「んや、違うの。」
まだ、余韻に感じているようだった。
「やっぱり続ける?」
「…ぁん…だっだめぇん…」
だめぇんって言いながら気持ち良さそうな顔で俺を誘ってくるなよ。
薄く開いた口は俺の指を誘惑するように咥え、潤んだ瞳で俺に助けを求めてくるも、この状況は誰がみても誘っているようにしか見えないだろう。
やりてぇが婚約したその日からやりまくるのはマズイというのは俺でもわかる。
理性を必死にかき集め、エストレヤの身体から抜け出した。
身だしなみを整える中、エストレヤは新たな服に着替えた。
先程と違う服で現れることがどのような意味なのか、きっとエストレヤにはわからないんだろうな。
俺はあえて言わない。
やったばかりのエストレヤの火照った身体はふらついていたので、腰を抱いて歩き出す。
食堂に付き一歩入れば、既に席についている人間たちの視線が一気に集まる。
俺にというより、エストレヤにだ。
俺に支えられながら歩き潤んだ瞳に紅潮した頬、極めつけは先程とは違う服。
誰がどうみてもしていました…なのに、エストレヤは一切バレてはいないと思っているので、誰も尋ねてくることはなかった。
俺の両親は唖然としつつも受け入れていたが、イグニス家…いや当主は怒りの色を隠さず俺を睨み付けてきた。
気付かない振りをしてエストレヤをイグニス夫人の隣まで案内し、俺は対面の席に移動した。
「…では食事にしよう。」
侯爵の言葉で食事が運ばれてきた。
侯爵家なので料理も申し分なく一見和やかに?進んだ。
「ぁっあの…」
今まで大人しかったエストレヤが口を開き、全員の視線が集中した。
「どうした?」
侯爵は心配するようにエストレヤに尋ねていた。
俺にもエストレヤが何を言い出すのか予測できなかった。
「あの…もう…遅いですし皆さんには我が家に…泊まって頂いては…。」
先程俺が「泊まっていい?」と言ったので動いてくれたんだろう。
あぁ、やっぱりエストレヤは良いなぁと思っていれば鋭い視線を感じた。
「今日はっ書類の手続きなどで色々と有ったし、グラキエス公爵も忙しく引き留めるのは良くないぞ゛。」
侯爵は冷静に話すも最後の言葉には異様に力が込められていた。
「俺は構いませんよ?」
笑顔で答えるとかなりの目力で睨まれた。
「公爵は大変忙しい方ですから。」
「なら、エストレヤが来るか?いずれ結婚すれば一緒に住むんだ早いうちに公爵家に慣れていた方がいいだろ?」
「一人では行かせない、私も行く。」
俺がエストレヤを言いくるめようとすれば侯爵が割って入った。
「当主は忙しいのでは?安心してください、エストレヤは俺が守ります。」
「…ん゛、グラキエス公爵、本日は泊まってはいかがですか?」
自身の見えないところでエストレヤを好きなようにされるよりか、手元に置いていた方が監視できると考えた苦渋の決断か?
俺としては、俺の家の方が自由にできんだけどなぁ。
エストレヤの部屋に泊まっても我慢はしないけどな。
「よろしいんですか?」
親父が本当に良いのか再度確認した。
「えぇ、客室に・客室に・客室にお泊まりください。」
俺をみながら、すげぇ強調されたな。
「ありがとうございます…エストレヤ、客室の案内してくれるか?」
「使用人が案内します。」
俺がエストレヤに話し掛けるも侯爵に遮られた。
相当俺は要注意人物なのか警戒されてるな。
「そうですか。エストレヤ、学園主催パーティーについても話し合おう。客室に来てくれるよな?」
「ん゛っ」
学園パーティーの話し合いと言えばさすがの侯爵も口を挟めなかったようだ。
「そうだな、婚約して学園とはいえ初めてのパーティーだ確りしないとな。」
「だけど、今からでは衣服と宝石も間に合いませんよ。」
「…せめて、色だけでも。」
親父や母さん、それにイグニス夫人は乗り気で話を進めていき、侯爵だけが眉間に皺寄せたままだった。
なんだか親たちのが乗り気なので黙って見守ることにした。
「エストレヤ、案内してくれるか?」
「はいっ。」
部屋を出るまで侯爵には無言で睨み付けられた。
相当嫌われてしまったらしい。
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