8 / 43
聖女時代
まさかの発見
しおりを挟む
「折角の休みだけど、どこにも出かけられない」
ベネデッタとの一件から、外出するのを躊躇してしまう。
偶然出くわすのも、私が外出したと噂になり周り回って彼女の耳に入るのが気になってしまう。
「公爵令嬢の私が子爵令嬢を気にするなんて……」
なるべく外出することなく、気分転換が出来るものをしたい。
「あっ! そうだった。調べたいことあったのよ」
コルテーゼ領でルードヴィックに沼を案内された時に見た花。
あれは以前、どこかの本に載っていた。
勘違いなのかもしれないが、今はベネデッタを忘れられるなにかに集中したい。
「植物の本を全部部屋に持ってきて」
「畏まりました」
届いた本を手あたり次第読んでいく。
「ないな……どこかで見た気がするんだよな……あの花……」
沼に咲く、白い花。
とても幻想的で、一度見たら忘れられない。
「似たような花は沢山あるんだけどな……」
植物の判断は難しい。
薬草だと思って採取すれば毒草だったりと、簡単に見分けられるものではない。
専門家ですら、間違ってしまう時はある。
私のも、記憶違いなのかもしれない。
だけど、もし正しかったら大発見だろう。
「これも違う……」
簡単には見つからない。
聖女教育が休みの日は、植物図鑑をひたすら読み耽る。
「ダメだ、分からない。今日は、花壇の手入れに行こう」
聖女候補に任命されて二年目だっただろうか、母から「薬草の手入れをしてみたらどう?」と言われたのは。
「今年も順調に……育ち過ぎてるね」
一年目に成功した薬草は、零れ種からあっという間に増殖。
今では私が世話している花壇の一角だけ、小さな森が出来ている。
手を抜いているわけではない。
世話をしているが、摘んでも摘んでも成長が早い。
お茶で飲んだり傷の手当てにいいと言われ実践しているが使い切るのは難しく、料理人にソースにして大量消費してもらっている。
それでも季節によっては、爆発的に増殖してしまう。
「新しい薬草育ててみようかなぁ……薬草? そうだ、薬草だ」
私は植物の本ばかり読んでいたが、以前調べていたのは薬草の本。
急いで部屋に戻り、薬草の本を手に取る。
「……あったぁ……ブルニーマ・クラウト……昏睡状態の患者を導く薬草。沼地に生息し月明かりで成長。満月の夜に採取すれば、効能はより上がる。だが発見するのは難しく、栽培も困難。成功した例はない……って、すごい薬草じゃない……」
これは領主への報告が必要な代物。
「急いでコルテーゼ侯爵に手紙を書かないと……あっ……」
コルテーゼ侯爵に伝えたいのだが、あの沼地を案内してくれたのは令息のルードヴィック。
そして、あの場所は彼の秘密の場所。
侯爵に報告すれば、彼の安息の地を奪ってしまうことになる。
「侯爵じゃなく、ルードヴィックに伝えた方が良いわよね……」
ルードヴィックに手紙を出す。
「お嬢様、コルテーゼ侯爵様より、お手紙が届いております」
手紙は侯爵ではなく、ルードヴィックから。
彼なりにブルニーマ・クラウトを調べ、沼地に咲く花と見比べると同一のものと判明。
彼から侯爵に報告し、私も現地で確認してほしいと連絡をもらう。
手紙をもらった翌日には司祭に許可をもらい、予定を組み翌月にコルテーゼの領地を目指す。
ベネデッタとの一件から、外出するのを躊躇してしまう。
偶然出くわすのも、私が外出したと噂になり周り回って彼女の耳に入るのが気になってしまう。
「公爵令嬢の私が子爵令嬢を気にするなんて……」
なるべく外出することなく、気分転換が出来るものをしたい。
「あっ! そうだった。調べたいことあったのよ」
コルテーゼ領でルードヴィックに沼を案内された時に見た花。
あれは以前、どこかの本に載っていた。
勘違いなのかもしれないが、今はベネデッタを忘れられるなにかに集中したい。
「植物の本を全部部屋に持ってきて」
「畏まりました」
届いた本を手あたり次第読んでいく。
「ないな……どこかで見た気がするんだよな……あの花……」
沼に咲く、白い花。
とても幻想的で、一度見たら忘れられない。
「似たような花は沢山あるんだけどな……」
植物の判断は難しい。
薬草だと思って採取すれば毒草だったりと、簡単に見分けられるものではない。
専門家ですら、間違ってしまう時はある。
私のも、記憶違いなのかもしれない。
だけど、もし正しかったら大発見だろう。
「これも違う……」
簡単には見つからない。
聖女教育が休みの日は、植物図鑑をひたすら読み耽る。
「ダメだ、分からない。今日は、花壇の手入れに行こう」
聖女候補に任命されて二年目だっただろうか、母から「薬草の手入れをしてみたらどう?」と言われたのは。
「今年も順調に……育ち過ぎてるね」
一年目に成功した薬草は、零れ種からあっという間に増殖。
今では私が世話している花壇の一角だけ、小さな森が出来ている。
手を抜いているわけではない。
世話をしているが、摘んでも摘んでも成長が早い。
お茶で飲んだり傷の手当てにいいと言われ実践しているが使い切るのは難しく、料理人にソースにして大量消費してもらっている。
それでも季節によっては、爆発的に増殖してしまう。
「新しい薬草育ててみようかなぁ……薬草? そうだ、薬草だ」
私は植物の本ばかり読んでいたが、以前調べていたのは薬草の本。
急いで部屋に戻り、薬草の本を手に取る。
「……あったぁ……ブルニーマ・クラウト……昏睡状態の患者を導く薬草。沼地に生息し月明かりで成長。満月の夜に採取すれば、効能はより上がる。だが発見するのは難しく、栽培も困難。成功した例はない……って、すごい薬草じゃない……」
これは領主への報告が必要な代物。
「急いでコルテーゼ侯爵に手紙を書かないと……あっ……」
コルテーゼ侯爵に伝えたいのだが、あの沼地を案内してくれたのは令息のルードヴィック。
そして、あの場所は彼の秘密の場所。
侯爵に報告すれば、彼の安息の地を奪ってしまうことになる。
「侯爵じゃなく、ルードヴィックに伝えた方が良いわよね……」
ルードヴィックに手紙を出す。
「お嬢様、コルテーゼ侯爵様より、お手紙が届いております」
手紙は侯爵ではなく、ルードヴィックから。
彼なりにブルニーマ・クラウトを調べ、沼地に咲く花と見比べると同一のものと判明。
彼から侯爵に報告し、私も現地で確認してほしいと連絡をもらう。
手紙をもらった翌日には司祭に許可をもらい、予定を組み翌月にコルテーゼの領地を目指す。
115
あなたにおすすめの小説
婚約者チェンジ? 義理の妹は公爵令嬢の地位もチェンジされました』 ~三日で破談、家ごと褫奪の末路です~
ふわふわ
恋愛
「お姉様の婚約者、私がいただきますわ。だって“公爵令嬢”ですもの」
義理の妹コンキュはそう言って、王太子との婚約を奪いました。
父はそれを容認し、私は静かに受け入れます。
けれど――
公爵令嬢とは“地位”ではなく、“責任”の継承者。
王宮で礼儀も実務も拒み、「未来の王太子妃」を名乗った義妹は、わずか三日で婚約破棄。
さらに王家への不敬と統治能力の欠如が問題視され、父の監督責任が問われます。
そして下されたのは――家ごとの褫奪。
一方で私は、領地を守り、帳簿を整え、静かに家を支え続ける。
欲しがったのは肩書。
継いだのは責任。
正統は叫びません。
ただ、残るだけ。
これは、婚約を奪われた公爵令嬢が
“本当に継がれるべきもの”を証明する物語。
居候と婚約者が手を組んでいた!
すみ 小桜(sumitan)
恋愛
グリンマトル伯爵家の一人娘のレネットは、前世の記憶を持っていた。前世は体が弱く入院しそのまま亡くなった。その為、病気に苦しむ人を助けたいと思い薬師になる事に。幸いの事に、家業は薬師だったので、いざ学校へ。本来は17歳から通う学校へ7歳から行く事に。ほらそこは、転生者だから!
って、王都の学校だったので寮生活で、数年後に帰ってみると居候がいるではないですか!
父親の妹家族のウルミーシュ子爵家だった。同じ年の従姉妹アンナがこれまたわがまま。
アンアの母親で父親の妹のエルダがこれまたくせ者で。
最悪な事態が起き、レネットの思い描いていた未来は消え去った。家族と末永く幸せと願った未来が――。
【完結】「俺は2番目に好きな女と結婚するんだ」と言っていた婚約者と婚約破棄したいだけだったのに、なぜか契約聖女になってしまいました
As-me.com
恋愛
完結しました。
番外編(編集済み)と、外伝(新作)アップしました。
とある日、偶然にも婚約者が「俺は2番目に好きな女と結婚するんだ」とお友達に楽しそうに宣言するのを聞いてしまいました。
例え2番目でもちゃんと愛しているから結婚にはなんの問題も無いとおっしゃっていますが……そんな婚約者様がとんでもない問題児だと発覚します。
なんてことでしょう。愛も無い、信頼も無い、領地にメリットも無い。そんな無い無い尽くしの婚約者様と結婚しても幸せになれる気がしません。
ねぇ、婚約者様。私はあなたと結婚なんてしたくありませんわ。絶対婚約破棄しますから!
あなたはあなたで、1番好きな人と結婚してくださいな。
※この作品は『「俺は2番目に好きな女と結婚するんだ」と婚約者が言っていたので、1番好きな女性と結婚させてあげることにしました。 』を書き直しています。内容はほぼ一緒ですが、細かい設定や登場人物の性格などを書き直す予定です。
偽聖女として私を処刑したこの世界を救おうと思うはずがなくて
奏千歌
恋愛
【とある大陸の話①:月と星の大陸】
※ヒロインがアンハッピーエンドです。
痛めつけられた足がもつれて、前には進まない。
爪を剥がされた足に、力など入るはずもなく、その足取りは重い。
執行官は、苛立たしげに私の首に繋がれた縄を引いた。
だから前のめりに倒れても、後ろ手に拘束されているから、手で庇うこともできずに、処刑台の床板に顔を打ち付けるだけだ。
ドッと、群衆が笑い声を上げ、それが地鳴りのように響いていた。
広場を埋め尽くす、人。
ギラギラとした視線をこちらに向けて、惨たらしく殺される私を待ち望んでいる。
この中には、誰も、私の死を嘆く者はいない。
そして、高みの見物を決め込むかのような、貴族達。
わずかに視線を上に向けると、城のテラスから私を見下ろす王太子。
国王夫妻もいるけど、王太子の隣には、王太子妃となったあの人はいない。
今日は、二人の婚姻の日だったはず。
婚姻の禍を祓う為に、私の処刑が今日になったと聞かされた。
王太子と彼女の最も幸せな日が、私が死ぬ日であり、この大陸に破滅が決定づけられる日だ。
『ごめんなさい』
歓声をあげたはずの群衆の声が掻き消え、誰かの声が聞こえた気がした。
無機質で無感情な斧が無慈悲に振り下ろされ、私の首が落とされた時、大きく地面が揺れた。
お飾りの婚約者で結構です! 殿下のことは興味ありませんので、お構いなく!
にのまえ
恋愛
すでに寵愛する人がいる、殿下の婚約候補決めの舞踏会を開くと、王家の勅命がドーリング公爵家に届くも、姉のミミリアは嫌がった。
公爵家から一人娘という言葉に、舞踏会に参加することになった、ドーリング公爵家の次女・ミーシャ。
家族の中で“役立たず”と蔑まれ、姉の身代わりとして差し出された彼女の唯一の望みは――「舞踏会で、美味しい料理を食べること」。
だが、そんな慎ましい願いとは裏腹に、
舞踏会の夜、思いもよらぬ出来事が起こりミーシャは前世、読んでいた小説の世界だと気付く。
満場一致で削除されましたが、世界は問題なく回っております』
鷹 綾
恋愛
王太子アルベルトは、ある日、貴族全会の満場一致によって廃嫡された。
断罪もなければ、処刑もない。
血も流れず、罪状も曖昧。
ただ「順序を飛ばした」という一点だけで、彼は王位継承の座から静かに削除される。
婚約者だった公爵令嬢エリシアは、婚約破棄の時点で王都の構造から距離を取り、隣国との長期協定を進めていく。
彼女の世界は合理で動き、感情に振り回されることはない。
一方、王太子が選んだ“新たな聖女”は、どこまでも従順で、どこまでも寄り添う存在だった。
「殿下に従わない者は、私が処理しておきます」
その甘い囁きの裏で、王都では“偶然”が重なり始める。
だが真実は語られない。
急病も、辞任も、転任も、すべては記録上の出来事。
証拠はない。
ただ王太子だけが、血に濡れた笑顔の悪夢を見る。
そして気づく。
自分のざまあは、罰ではない。
「中心ではなくなること」だと。
王都は安定し、新王は即位し、歴史は何事もなかったかのように進む。
旧王太子の名は、ただ一行の記録として残るのみ。
婚約破棄のその後に始まる、静かな因果応報。
激情ではなく“構造”が裁く、最強レベルの心理ざまあ。
これは――
満場一致で削除された男と、最初から無関係な位置に立っていた令嬢の物語。
結婚式をボイコットした王女
椿森
恋愛
請われて隣国の王太子の元に嫁ぐこととなった、王女のナルシア。
しかし、婚姻の儀の直前に王太子が不貞とも言える行動をしたためにボイコットすることにした。もちろん、婚約は解消させていただきます。
※初投稿のため生暖か目で見てくださると幸いです※
1/9:一応、本編完結です。今後、このお話に至るまでを書いていこうと思います。
1/17:王太子の名前を修正しました!申し訳ございませんでした···( ´ཫ`)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる