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聖女候補時代
聖女候補七年目 謁見
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遂に国王との謁見。
誰もが遅れて発見されたソミールに注目している。
「あの方が……」
「平民だそうですね」
「遅れて発見されて良いことないのに……」
「能力も一人だけ違うそうですよ」
「……まさかですが、あの方も聖女……婚約者候補なんてなりませんよね? 」
「そんな事、あるはずありませんわ」
「あんな者が王妃だなんて、我々貴族は認めません」
本人に聞こえているかは分からないが、一人が噂するとあちこちで噂が始まる。
それは国王が登場するまで終わらない。
「そなたが聖女候補となった者か? 」
「はい。ソミールと申します」
「聖女の能力を発揮する者は一人でも多い方が、国にとしても安心する。この度、ソミール嬢の聖女候補発覚は喜ばしい事だ」
「いえ、そんなぁ……ぇっ……とんでもないことでございます」
隣に立つ司祭に肘で小突かれ、子声で正しい言葉を囁かれる。
その後も何度か司祭の言葉通り発言し、何とか大きな失態もなく謁見は終えた。
「ほらぁ、大丈夫だったじゃないですかぁ」
「……そうですね」
この日、一番の立役者は司祭だ。
候補者は司祭を労おうとするも、約束のないコルネリウスの登場で変わる。
「コルネリウスさんっ、どうしたんですか? 」
「謁見の間では話せなかったからね」
「私に会いに来てくれたんですか? 」
「フフッ」
コルネリウスは口に出して肯定する事は無かったが、その笑みでそうだと判断出来てしまう。
他の候補者が国王へ挨拶した後に、彼が教会へやって来た事はない。
コルネリウスの行動に婚約者候補としての自覚がある者は怒りその場を離れる。
「なら、紅茶の準備しますねっ」
「私も行こう」
ソミールを追うようにコルネリウスも調理場へと向かう。
「……私、今日はこれで失礼いたします」
「私も失礼致します」
二人を強制的に見送らされた候補者は屋敷に帰る事に。
今日は既に祈りを終え、王族への謁見さえ終われば自由。
最後に残された司祭が、候補者達を見送る。
「……はぁぁぁぁぁ」
最後に残された司祭が、候補者達を見送り深い溜息を吐いた。
誰もが遅れて発見されたソミールに注目している。
「あの方が……」
「平民だそうですね」
「遅れて発見されて良いことないのに……」
「能力も一人だけ違うそうですよ」
「……まさかですが、あの方も聖女……婚約者候補なんてなりませんよね? 」
「そんな事、あるはずありませんわ」
「あんな者が王妃だなんて、我々貴族は認めません」
本人に聞こえているかは分からないが、一人が噂するとあちこちで噂が始まる。
それは国王が登場するまで終わらない。
「そなたが聖女候補となった者か? 」
「はい。ソミールと申します」
「聖女の能力を発揮する者は一人でも多い方が、国にとしても安心する。この度、ソミール嬢の聖女候補発覚は喜ばしい事だ」
「いえ、そんなぁ……ぇっ……とんでもないことでございます」
隣に立つ司祭に肘で小突かれ、子声で正しい言葉を囁かれる。
その後も何度か司祭の言葉通り発言し、何とか大きな失態もなく謁見は終えた。
「ほらぁ、大丈夫だったじゃないですかぁ」
「……そうですね」
この日、一番の立役者は司祭だ。
候補者は司祭を労おうとするも、約束のないコルネリウスの登場で変わる。
「コルネリウスさんっ、どうしたんですか? 」
「謁見の間では話せなかったからね」
「私に会いに来てくれたんですか? 」
「フフッ」
コルネリウスは口に出して肯定する事は無かったが、その笑みでそうだと判断出来てしまう。
他の候補者が国王へ挨拶した後に、彼が教会へやって来た事はない。
コルネリウスの行動に婚約者候補としての自覚がある者は怒りその場を離れる。
「なら、紅茶の準備しますねっ」
「私も行こう」
ソミールを追うようにコルネリウスも調理場へと向かう。
「……私、今日はこれで失礼いたします」
「私も失礼致します」
二人を強制的に見送らされた候補者は屋敷に帰る事に。
今日は既に祈りを終え、王族への謁見さえ終われば自由。
最後に残された司祭が、候補者達を見送る。
「……はぁぁぁぁぁ」
最後に残された司祭が、候補者達を見送り深い溜息を吐いた。
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