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5巻
5-16
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「まあ、カシミアの話はおいといて、リストにあるアイテムを出すぞ。足りないものはチェックしてくれ」
気を取り直して、シンがアイテムボックスからアイテムを取り出す。マリノとカシミアがチェックを入れたところ、アイテムが2つ足りないことがわかった。
「あ、それ私が持ってる。孵化するモンスターが気になるし、アイテム出しますよ」
そう言って、足りない分をカシミアが自身のアイテムボックスから取り出した。
「何もしてないのに、レアアイテムがこんなに」
「六天のアイテムボックスは、相変わらずおかしいな」
慄くマリノの横で、シャドゥが冷静に突っ込みを入れた。
普通のプレイヤーなら倉庫内にしっかり保管していたり、売りに出したりと、間違ってもアイテムボックスの肥やしにするようなアイテムではないのだ。
「じゃあ材料も揃ったし、さっそく始めようぜ」
「そうね。なんだか不正をしている気分だけど、きっと気のせいよね」
人によってはあまり気分のよくないクリア方法だが、本人たちが気にしていないならばシステム上の問題はなかった。あくまで気分の問題である。
クエスト受注者であるマリノがアイテムを使って巣を作り、そこに具現化した卵を置く。
卵の上に出現した待機時間を示すバーは数分で消え、卵の中から鳥の雛が生まれた。
体は薄い青色で、額から頭部にかけて伸びる毛は、赤と緑の二重螺旋を思わせる模様が入っている。羽の先端がわずかに黒く染まっていた。
「ぴぃ!」
「なんだこれ、【分析】が効かないぞ」
「ほんとだ。となると、成体にならないと、どんなモンスターかわからないタイプですね」
モンスターの中には幼生体がほとんど同じ外見で、成体にならないとどんなタイプなのか詳しくわからないものがいる。特徴として、【分析】でモンスター名が見えないのだ。それを知っていたカシミアは、すぐに理由を察した。
「じゃあ、後はこの子を育てればいいのね」
元気に鳴く雛を手のひらの上に乗せて、マリノが言った。
「そうそう。あと、その使わなかったアイテムが餌だと思います」
カシミアが残っていたアイテムの中から、穂のついた稲のような植物を手にとって雛に差し出す。すると、雛は躊躇なくそれに食いついた。
「おお、いい食べっぷり。餌になるアイテムがあるってことは、特定のアイテムを与えて成長させるタイプかな?」
カシミアの予想を肯定するように、いくつかアイテムを食べ終わると、雛の体が輝き、一回り大きくなった。
「これはこれは。この羽の色合いは見たことないなぁ。どんな姿になるんだろう。くっ、別のクエスト中でさえなければ!」
「シン、カシミアちゃん大丈夫かしら」
「いつものことだ。気にしない気にしない」
テンションの上がったカシミアを放置して、シンはマリノの背を押して移動を開始する。餌になるアイテムは、雛を完全に成長させるには足りないのだ。
「時間もあるし、このアイテムがある場所は知ってるので、さっそく行きましょう」
「ま、っ、て、く、だ、さ、い!」
「うぁっ! お前それ、怖ぇよ……」
わざとなのか、素なのか、低い声で背後に立ち、肩をつかむカシミアにシンが顔をしかめた。
「協力したんだから~後で情報くださいよ~」
「わかってるよ。マリノだって、カシミアに情報を渡すのを嫌がりはしないだろ」
「もちろん、わかったことはしっかり教えるよ」
カシミアの様子に苦笑しながら、マリノはうなずく。友人とは言え、ハイヒューマンに協力してもらったのだ。情報を出し渋る気はないだろう。
「よろしくお願いしまっす!」
テンションの上がったカシミアと別れて、シンたちは別のエリアに移動した。
数日後、雛の餌になるアイテムを採取するため、シンたちは再び集まっていた。とくに、マリノとホーリーは雛の可愛さにメロメロになっていて、シンとシャドゥが急かされたくらいだ。
ひびねこがやれやれと苦笑しながらシンたちを見ているのが、平常運転になりつつある。
とはいえ、シンたちが採取に訪れているのは、出現モンスターの平均レベルが750という高レベルエリア。シンはともかく、シャドゥたちですら危険な場所だ。
「ピヨタマのために、今日も頑張りましょう!」
「そうね。ガンガン採取するわよ!」
ピヨタマと名付けられた雛が、2人に呼応するようにぴぃと鳴く。マリノの足元でお座りしているポチタマが、少し寂しそうだ。
「相変わらず、マリにゃーとホーにゃーのやる気はすごいな。今の時代、バイタリティあふれる女性が増えたということか」
目が燃えているようにも見える女性陣に対して、ひびねこが感心したように言った。その口調は、若者を見守る老人のようだ。
「いやひびねこさん。それは違うと思います……」
周囲を警戒しながら、シンは呆れも含んだ声でひびねこに意見した。確かにバイタリティにあふれているが、シンやシャドゥからすると空回っている感が否めない。
「とりあえず、いつも通りいきましょう」
「そうだな。雛が成長すれば、2人も落ち着くだろう」
肩をすくめて、シンとシャドゥは先に進む旨をマリノたちに伝える。モンスターに遭遇すると面倒なので、姿を隠しての移動だ。
「お、ひとつ発見」
モンスターとの戦いを回避しながら、シンたちはアイテムを探した。どんな場所にあるかはおおよそわかっているので、モンスターにさえ気をつけていれば危険は少ない。
もしモンスターと遭遇しても、数が多ければひびねこたちが足止めしてシンが殲滅。数が少なければシンが1人で突撃して殲滅である。
「ぴぃ!」
アイテムを与えられて、また少し成長するピヨタマ。10回を超える成長で、その姿はすでに雛という段階を過ぎつつあった。もはやポチタマよりも大きくなっている。
「もう自力で飛べるもんな。段々、凛々しいって感じになってるし」
それをマリノとホーリーが否定する。
「まだよ、まだ可愛いでいけるわ!」
「そうよ! 成長して小さくなる可能性だってあるわ!」
「なんか方針が変わってないか……?」
若干マリノたちの目的がわからなくなるシンだった。
「これであのタイプだったら、後が怖いな」
「どうかしたのか?」
「いや、育成系の中には、アイテムを残してモンスターがいなくなるタイプがあるじゃないですか。育ててくれてありがとう、みたいな感じで」
「なるほど、確かにそれは荒れそうだ」
シンの話を聞いて、苦笑するシャドゥ。ここ数日のマリノとホーリーの入れ込みようを考えて、笑わずにはいられなかったようだ。
確率としては50パーセントほどで、実はあまり楽観視できなかったりする。
「とりあえず、この辺にあるのは獲り尽くしたみたいですし、一旦戻りましょう」
シンたちはエリアの各地に設置されている転移ポイントからアロライドへと転移し、さらに月の祠へと転移する。
餌を与えるために、マリノとホーリーは転移ポイントがある部屋から飛び出していった。
「おかえりなさいませ」
店番をしていたサポートキャラクターのシュニーが、シンがカウンターに近づいたことで挨拶をしてくる。NPCゆえにその動きや仕草はどこか機械的だが、見た目はプレイヤーと変わらない。
シンはただいまとだけ返して、外へ出た。月の祠の前では、マリノとホーリーがすでにピヨタマにアイテムを与えているところだった。
「けっこう餌をやってるけど、まだ成長しきらないのか」
「まだ与えていないアイテムがある。あれを食べられるようになれば、終わりなのではないか?」
シンの独り言に、近くにいたひびねこが応じた。
「レベルはないんで、たぶんそうなんでしょうね。というか、漫画とかだと、こういう話をしていると決まって何か起こ――」
「光り出したわ!」
「シン! ちょっと来て!」
シンが最後まで言う前に、マリノとホーリーの叫びが響く。2人の前にいるピヨタマが、黄金色に輝いていた。
「ふむ、これがフラグか」
「実際に目の前で起こっているのを見るのは初めてだな。シン、実はフラグ建築士か?」
「いや~この展開は俺も初めてっすわ」
真面目な口調で話すひびねことシャドゥに、シンは気の抜けた返事をした。言った矢先に事が進むなど、さすがにシンも経験がない。
とはいえ、いつまでも呆けているわけにはいかないので、シンたちはピヨタマに近づく。ピヨタマから放たれる光は、多少眩しいが目を開けていられないほどではない。
「もう、成長しきっちゃうのかしら」
「かもな。使ってないアイテムあったろ? たぶん、あれをやれば何かあると思う」
シンの助言を受けて、マリノが最後のアイテムを取り出す。見た目は赤い木の実だ。
「ピヨタマ、はい、これ」
「クアッ!」
マリノが差し出したアイテムを、ピヨタマは躊躇なく口にした。今までは与えようとしてもそっぽを向いていたので、ひびねこの予想は正しかったようだ。
「ク、クア……クアアアアアアアアアアアアッ!!」
ピヨタマの叫びが響く。それと同時にピヨタマから放たれる光が強くなり、シンたちも目を開けていられないほどの光量になった。
数十秒後。
「……終わったみたいだな」
「うわぁ……」
光が収まったことを確認して目を開けたシンたちの目に飛び込んできたのは、4メルを超える巨大なモンスターの姿だった。
「綺麗……」
ぽつりと、マリノの口から言葉が漏れる。
成長したピヨタマは、以前の愛らしい姿からは予想できない荘厳な姿をしていた。
金銀宝石にも劣らぬ輝きを放つ両翼が、マリノとホーリーを包むように広げられている。地面を踏みしめる足は鋭い鉤爪を有し、その存在が確かな力を持っていると訴えてくる。
その瞳に、プログラムだということを忘れそうな、理性の光が宿っているのをシンは感じた。
「KUU……」
小さく鳴いて、成長したピヨタマはくちばしをマリノに押しつける。その姿は、親に甘える子どもと同じだった。
「まさか、ミスティックとはなぁ……」
シンはピヨタマとマリノの触れ合いを見ながら、呆れたようにつぶやいた。
ピヨタマが成長した姿、それは【THE NEW GATE】最高峰のモンスターの一角。鳥型モンスターの頂点、ミスティックだったのだ。
ハイヒューマンでさえ苦戦を免れない、レベル1000の怪物である。
ただ、【分析】が発動しないので、イベント限定出現なのだろうとシンは予想した。シンの知るミスティックより、2回り以上小さいのもそう判断した理由のひとつだ。
月の祠がプレイヤーのほとんど来ない辺鄙なところになければ、大騒ぎになっていたのは間違いない。
「あれ、ピヨタマ、どうしたの?」
シンが見ている前で、ピヨタマはマリノから離れる。そして、大きく翼を広げた。
すると、ピヨタマの体から漏れていた光が、1点に集中し始めた。時間にして30秒ほど。光が消えると、そこには7色に輝く鉱石が出現していた。
「あれは、まさか【界の雫】か?」
それは、古代級の装備を作るためには欠かせないアイテム、【界の雫】だった。
上級プレイヤーでさえ、手に入れるのは至難と言われるアイテム。シンでさえ、そう簡単に手に入れることはできない。
「あ……」
マリノの視線が、ピヨタマの胸元あたりで止まる。顔がわずかに横に動いているのを見て、シンは何かメッセージを呼んでいるのだと推測した。
クエストを受けたプレイヤーはマリノだ。今回のようなクエストでは、マリノのようなプレイヤーにだけ見えるメッセージが表示されることがある。
「そっか……せっかく仲良くなれたのにね」
「マリノちゃん?」
「もう、行かなくちゃいけないみたいです」
マリノとホーリーの会話を聞いて、シンは今回のクエストがアイテムを残して去るタイプだと確信した。
マリノは少し涙ぐみながら、ホーリーは名残惜しそうに、ピヨタマに抱きつく。
ピヨタマも、もう1度2人を包む形で翼を広げた。たとえプログラムだとしても、シンはその仕草からピヨタマが別れを惜しんでいるように感じられた。
抱き合っていたのは十数秒ほど。2人からゆっくりと離れたピヨタマは、一度大きく鳴いて晴天の空に飛び立っていった。
「行っちまったな」
「゛うぅ……シ~ン~っ!」
「うおっ! マジ泣きじゃねぇか! まあわかるけどさ」
我慢できなかったのか、シンにわっしと抱きついてくるマリノ。シンが視線を巡らせば、シャドゥも同じようにホーリーに抱きつかれて困った顔をしている。
「歳を取ると、涙腺が緩くなって困るな」
ひびねこも手で目元を拭っていた。もらい泣きしたようだ。
女性陣が泣き止むのを待って、シンたちは月の祠に入った。
「落ち着いたか?」
「……うん」
数分後、一同は月の祠のリビングでお茶を飲んでいた。
「それで、ピヨタマは何を残していったんだ? 思い出の品なら、俺も見てみたいんだけど」
「えっと、これなんだけど」
ピヨタマとの別れから意識をそらすために、シンはアイテムの話を振る。マリノが取り出したのは、やはり虹色に輝く鉱石、【界の雫】だった。
「これまたすごいアイテムを残していったな。古代級の武具を作るのに使うアイテムだぞ。使うには上級スキルが必要ってのがネックだけど」
「そうなの? でも、アイテムの説明文には、受け取ったプレイヤーなら必須スキルなしで使用できるって書いてあるよ? それに、このアイテムを使って作った装備は、ステータスが足りなくてもペナルティがないんだって」
「なんだよそれ……隠しクエストのアイテム半端ねぇな。いいのか運営」
肩をすくめながら、呆れたようにシンは言う。同時に、マリノの説明を聞いた時点で心の中でカシミアに合掌した。
今回のようなクエストは、基本的に1回限り。なぜなら、このようなアイテムが何度も手に入っては、真面目にスキルを上げているプレイヤーから不満が噴出するからだ。
シンでさえ、【界の雫】が使えるようになるにはかなりの時間がかかった。マリノのプレイスタイルでは年単位で時間がかかる。システム的な縛りがないのは今回に限ってだけだ。
「これで一気にパワーアップね、マリノちゃん」
「古代級の性能は尋常ではないからな」
話を聞いたシャドゥとホーリーは、我がことのように喜んでいる。そこに、レアアイテムを手に入れた相手への妬みはない。
「しかし、あまり人前で出すのは止めた方がいいかもしれんな。目ざとい者なら、アイテムを狙って粘着される可能性がある」
ひびねこは装備を作った後の弊害を心配していた。古代級の装備は非常に高い市場価値があるので、ひびねこの言うような迷惑行為をするプレイヤーもいるのだ。
「せっかくピヨタマがくれたものなので、しっかり考えて使おうと思います」
ひびねこの言葉にうなずいて、マリノはカード化した【界の雫】を見つめていた。
数日後、マリノに呼ばれたシンは、喫茶店『にゃんダーランド』を訪れていた。
「こんにちは、ひびねこさん。マリノはもう来てるって聞いたんですけど」
「話は聞いている。マリにゃーなら、奥の個室にいるぞ。2番の部屋だ」
ひびねこが指示した方へ進むと、店の奥にいくつか個室あった。ひびねこに言われた通り、シンは「2」と描かれた部屋の扉を開く。
「あ、シン」
「よう、装備が出来たんだって?」
シンが呼び出されたのは、マリノが手に入れた【界の雫】を使った装備のお披露目も兼ねていた。
マリノがアイテムカードを取り出して具現化させると、テーブルの上に黒地のマフラーが出現する。装飾は少なく、生地全体に稲妻のような紅いラインが入っていた。
「ほほう、これはなかなか」
マフラーは一流の職人が作った品には劣っていたが、それでも古代級としては十分な性能を誇っていた。
「いい出来でしょ。シンの装備って黒と赤がメインだから、なるべく合うようにこの配色にしたの」
「俺の装備に? マリノの装備だと少し浮かないか?」
自分の装備に合わせたと聞いて、シンは嬉しい反面マリノの装備の配色には合わないと感じた。
「装備するのは、私じゃなくてシンだからいいのよ。頭部の装備が今いち決まらないって言ったでしょ。前に見た漫画で、侍がマフラーっぽいのをしてたからこのデザインにしてみたんだけど」
「俺が装備するって、どういうことだ?」
「シンにはゲームを始めてからけっこうお世話になってるし、アイテムも融通してもらったわ。私からは返せるものがなかったから、ちょうどいいと思って。それに、シンなら古代級の装備をつけていても、何の違和感もないでしょ?」
「いいのか? 滅茶苦茶貴重なんだぞ?」
マリノの話を聞いて、シンは驚かざるを得なかった。無償で古代級の装備を譲るなど、ゲームを引退するプレイヤーでもなかなかしないのだ。
「ホーリーさんたちにも相談したんだけど、賛成してくれたわ。受け取ってくれる?」
「……はぁ、マリノは1度言い出したら聞かないからな。ありがたくもらっとくよ」
マリノの性格を知っているシンは、少し気が引けたものの、素直に受け取ることにした。装備したところを見たいと言うマリノに急かされて、シンはマフラーを装備する。
「どうだ?」
「うん、バッチリね。やっぱりそのデザインで正解だったわ」
満足そうに笑うマリノにつられて、シンも笑った。
「これで、少しは恩が返せたかしら……」
マリノが小さくつぶやいた言葉は、シンの耳に届かなかった。
†
「とまあ、そんな感じで今のこれがあるわけだ。あれからちょっとバージョンアップしたから、性能はもっと上がってるけどな」
バルメルにある新生『にゃんダーランド』の店内にある個室。その1室で、シンは昔話をそう締めくくった。
ちょうどその時のメンバーが集まっていたので、シンの装備【冥王のマフラー】について、ひびねこたちと昔話に花を咲かせていた。
シャドゥやホーリーといった元プレイヤーに加え、シュニーやティエラも同席している。
「手づくりの装備か。やっぱり、そういうのってもらうと嬉しい?」
「俺は嬉しいぞ。使える使えないは別にしてな」
ティエラの問いに、シンは頬をかきながら答えた。使えるに越したことはないが、そういうものは気持ちが大事だとシンは思っている。
「ふむ、あの時は、楽しかったな」
「そうだな」
ひびねことシャドゥが、遠くを見つめるような目をした。
「ええ、同感だわ。ところで、シン君はこっちに来て誰かにプレゼントをもらったことはないの?」
「突然何を言い出すんですか。ないですよ」
唐突に話題を変えたホーリーに、じと目を向けながらシンは否定した。
「今のシン君なら、プレゼントをくれそうな子がたくさんいるんじゃないかと思ったんだけど」
「世界が変わったからって、いきなりモテ出したりしませんよ」
呆れ気味に言うシン。しかし、ホーリーの視線はシンを後ろから見つめるシュニーの姿をしっかりと捉えていた。
「シン君は、自分で思っているよりも慕われていると思うわよ」
「そうですかね……?」
意味深なホーリーの言葉にも、シンは懐疑的だった。
楽しい時間はすぐに過ぎ、シンたちは宿に戻る。
後日、真剣な顔で素材アイテムを選別しているシュニーの姿が、街で目撃されたとかされなかったとか。
気を取り直して、シンがアイテムボックスからアイテムを取り出す。マリノとカシミアがチェックを入れたところ、アイテムが2つ足りないことがわかった。
「あ、それ私が持ってる。孵化するモンスターが気になるし、アイテム出しますよ」
そう言って、足りない分をカシミアが自身のアイテムボックスから取り出した。
「何もしてないのに、レアアイテムがこんなに」
「六天のアイテムボックスは、相変わらずおかしいな」
慄くマリノの横で、シャドゥが冷静に突っ込みを入れた。
普通のプレイヤーなら倉庫内にしっかり保管していたり、売りに出したりと、間違ってもアイテムボックスの肥やしにするようなアイテムではないのだ。
「じゃあ材料も揃ったし、さっそく始めようぜ」
「そうね。なんだか不正をしている気分だけど、きっと気のせいよね」
人によってはあまり気分のよくないクリア方法だが、本人たちが気にしていないならばシステム上の問題はなかった。あくまで気分の問題である。
クエスト受注者であるマリノがアイテムを使って巣を作り、そこに具現化した卵を置く。
卵の上に出現した待機時間を示すバーは数分で消え、卵の中から鳥の雛が生まれた。
体は薄い青色で、額から頭部にかけて伸びる毛は、赤と緑の二重螺旋を思わせる模様が入っている。羽の先端がわずかに黒く染まっていた。
「ぴぃ!」
「なんだこれ、【分析】が効かないぞ」
「ほんとだ。となると、成体にならないと、どんなモンスターかわからないタイプですね」
モンスターの中には幼生体がほとんど同じ外見で、成体にならないとどんなタイプなのか詳しくわからないものがいる。特徴として、【分析】でモンスター名が見えないのだ。それを知っていたカシミアは、すぐに理由を察した。
「じゃあ、後はこの子を育てればいいのね」
元気に鳴く雛を手のひらの上に乗せて、マリノが言った。
「そうそう。あと、その使わなかったアイテムが餌だと思います」
カシミアが残っていたアイテムの中から、穂のついた稲のような植物を手にとって雛に差し出す。すると、雛は躊躇なくそれに食いついた。
「おお、いい食べっぷり。餌になるアイテムがあるってことは、特定のアイテムを与えて成長させるタイプかな?」
カシミアの予想を肯定するように、いくつかアイテムを食べ終わると、雛の体が輝き、一回り大きくなった。
「これはこれは。この羽の色合いは見たことないなぁ。どんな姿になるんだろう。くっ、別のクエスト中でさえなければ!」
「シン、カシミアちゃん大丈夫かしら」
「いつものことだ。気にしない気にしない」
テンションの上がったカシミアを放置して、シンはマリノの背を押して移動を開始する。餌になるアイテムは、雛を完全に成長させるには足りないのだ。
「時間もあるし、このアイテムがある場所は知ってるので、さっそく行きましょう」
「ま、っ、て、く、だ、さ、い!」
「うぁっ! お前それ、怖ぇよ……」
わざとなのか、素なのか、低い声で背後に立ち、肩をつかむカシミアにシンが顔をしかめた。
「協力したんだから~後で情報くださいよ~」
「わかってるよ。マリノだって、カシミアに情報を渡すのを嫌がりはしないだろ」
「もちろん、わかったことはしっかり教えるよ」
カシミアの様子に苦笑しながら、マリノはうなずく。友人とは言え、ハイヒューマンに協力してもらったのだ。情報を出し渋る気はないだろう。
「よろしくお願いしまっす!」
テンションの上がったカシミアと別れて、シンたちは別のエリアに移動した。
数日後、雛の餌になるアイテムを採取するため、シンたちは再び集まっていた。とくに、マリノとホーリーは雛の可愛さにメロメロになっていて、シンとシャドゥが急かされたくらいだ。
ひびねこがやれやれと苦笑しながらシンたちを見ているのが、平常運転になりつつある。
とはいえ、シンたちが採取に訪れているのは、出現モンスターの平均レベルが750という高レベルエリア。シンはともかく、シャドゥたちですら危険な場所だ。
「ピヨタマのために、今日も頑張りましょう!」
「そうね。ガンガン採取するわよ!」
ピヨタマと名付けられた雛が、2人に呼応するようにぴぃと鳴く。マリノの足元でお座りしているポチタマが、少し寂しそうだ。
「相変わらず、マリにゃーとホーにゃーのやる気はすごいな。今の時代、バイタリティあふれる女性が増えたということか」
目が燃えているようにも見える女性陣に対して、ひびねこが感心したように言った。その口調は、若者を見守る老人のようだ。
「いやひびねこさん。それは違うと思います……」
周囲を警戒しながら、シンは呆れも含んだ声でひびねこに意見した。確かにバイタリティにあふれているが、シンやシャドゥからすると空回っている感が否めない。
「とりあえず、いつも通りいきましょう」
「そうだな。雛が成長すれば、2人も落ち着くだろう」
肩をすくめて、シンとシャドゥは先に進む旨をマリノたちに伝える。モンスターに遭遇すると面倒なので、姿を隠しての移動だ。
「お、ひとつ発見」
モンスターとの戦いを回避しながら、シンたちはアイテムを探した。どんな場所にあるかはおおよそわかっているので、モンスターにさえ気をつけていれば危険は少ない。
もしモンスターと遭遇しても、数が多ければひびねこたちが足止めしてシンが殲滅。数が少なければシンが1人で突撃して殲滅である。
「ぴぃ!」
アイテムを与えられて、また少し成長するピヨタマ。10回を超える成長で、その姿はすでに雛という段階を過ぎつつあった。もはやポチタマよりも大きくなっている。
「もう自力で飛べるもんな。段々、凛々しいって感じになってるし」
それをマリノとホーリーが否定する。
「まだよ、まだ可愛いでいけるわ!」
「そうよ! 成長して小さくなる可能性だってあるわ!」
「なんか方針が変わってないか……?」
若干マリノたちの目的がわからなくなるシンだった。
「これであのタイプだったら、後が怖いな」
「どうかしたのか?」
「いや、育成系の中には、アイテムを残してモンスターがいなくなるタイプがあるじゃないですか。育ててくれてありがとう、みたいな感じで」
「なるほど、確かにそれは荒れそうだ」
シンの話を聞いて、苦笑するシャドゥ。ここ数日のマリノとホーリーの入れ込みようを考えて、笑わずにはいられなかったようだ。
確率としては50パーセントほどで、実はあまり楽観視できなかったりする。
「とりあえず、この辺にあるのは獲り尽くしたみたいですし、一旦戻りましょう」
シンたちはエリアの各地に設置されている転移ポイントからアロライドへと転移し、さらに月の祠へと転移する。
餌を与えるために、マリノとホーリーは転移ポイントがある部屋から飛び出していった。
「おかえりなさいませ」
店番をしていたサポートキャラクターのシュニーが、シンがカウンターに近づいたことで挨拶をしてくる。NPCゆえにその動きや仕草はどこか機械的だが、見た目はプレイヤーと変わらない。
シンはただいまとだけ返して、外へ出た。月の祠の前では、マリノとホーリーがすでにピヨタマにアイテムを与えているところだった。
「けっこう餌をやってるけど、まだ成長しきらないのか」
「まだ与えていないアイテムがある。あれを食べられるようになれば、終わりなのではないか?」
シンの独り言に、近くにいたひびねこが応じた。
「レベルはないんで、たぶんそうなんでしょうね。というか、漫画とかだと、こういう話をしていると決まって何か起こ――」
「光り出したわ!」
「シン! ちょっと来て!」
シンが最後まで言う前に、マリノとホーリーの叫びが響く。2人の前にいるピヨタマが、黄金色に輝いていた。
「ふむ、これがフラグか」
「実際に目の前で起こっているのを見るのは初めてだな。シン、実はフラグ建築士か?」
「いや~この展開は俺も初めてっすわ」
真面目な口調で話すひびねことシャドゥに、シンは気の抜けた返事をした。言った矢先に事が進むなど、さすがにシンも経験がない。
とはいえ、いつまでも呆けているわけにはいかないので、シンたちはピヨタマに近づく。ピヨタマから放たれる光は、多少眩しいが目を開けていられないほどではない。
「もう、成長しきっちゃうのかしら」
「かもな。使ってないアイテムあったろ? たぶん、あれをやれば何かあると思う」
シンの助言を受けて、マリノが最後のアイテムを取り出す。見た目は赤い木の実だ。
「ピヨタマ、はい、これ」
「クアッ!」
マリノが差し出したアイテムを、ピヨタマは躊躇なく口にした。今までは与えようとしてもそっぽを向いていたので、ひびねこの予想は正しかったようだ。
「ク、クア……クアアアアアアアアアアアアッ!!」
ピヨタマの叫びが響く。それと同時にピヨタマから放たれる光が強くなり、シンたちも目を開けていられないほどの光量になった。
数十秒後。
「……終わったみたいだな」
「うわぁ……」
光が収まったことを確認して目を開けたシンたちの目に飛び込んできたのは、4メルを超える巨大なモンスターの姿だった。
「綺麗……」
ぽつりと、マリノの口から言葉が漏れる。
成長したピヨタマは、以前の愛らしい姿からは予想できない荘厳な姿をしていた。
金銀宝石にも劣らぬ輝きを放つ両翼が、マリノとホーリーを包むように広げられている。地面を踏みしめる足は鋭い鉤爪を有し、その存在が確かな力を持っていると訴えてくる。
その瞳に、プログラムだということを忘れそうな、理性の光が宿っているのをシンは感じた。
「KUU……」
小さく鳴いて、成長したピヨタマはくちばしをマリノに押しつける。その姿は、親に甘える子どもと同じだった。
「まさか、ミスティックとはなぁ……」
シンはピヨタマとマリノの触れ合いを見ながら、呆れたようにつぶやいた。
ピヨタマが成長した姿、それは【THE NEW GATE】最高峰のモンスターの一角。鳥型モンスターの頂点、ミスティックだったのだ。
ハイヒューマンでさえ苦戦を免れない、レベル1000の怪物である。
ただ、【分析】が発動しないので、イベント限定出現なのだろうとシンは予想した。シンの知るミスティックより、2回り以上小さいのもそう判断した理由のひとつだ。
月の祠がプレイヤーのほとんど来ない辺鄙なところになければ、大騒ぎになっていたのは間違いない。
「あれ、ピヨタマ、どうしたの?」
シンが見ている前で、ピヨタマはマリノから離れる。そして、大きく翼を広げた。
すると、ピヨタマの体から漏れていた光が、1点に集中し始めた。時間にして30秒ほど。光が消えると、そこには7色に輝く鉱石が出現していた。
「あれは、まさか【界の雫】か?」
それは、古代級の装備を作るためには欠かせないアイテム、【界の雫】だった。
上級プレイヤーでさえ、手に入れるのは至難と言われるアイテム。シンでさえ、そう簡単に手に入れることはできない。
「あ……」
マリノの視線が、ピヨタマの胸元あたりで止まる。顔がわずかに横に動いているのを見て、シンは何かメッセージを呼んでいるのだと推測した。
クエストを受けたプレイヤーはマリノだ。今回のようなクエストでは、マリノのようなプレイヤーにだけ見えるメッセージが表示されることがある。
「そっか……せっかく仲良くなれたのにね」
「マリノちゃん?」
「もう、行かなくちゃいけないみたいです」
マリノとホーリーの会話を聞いて、シンは今回のクエストがアイテムを残して去るタイプだと確信した。
マリノは少し涙ぐみながら、ホーリーは名残惜しそうに、ピヨタマに抱きつく。
ピヨタマも、もう1度2人を包む形で翼を広げた。たとえプログラムだとしても、シンはその仕草からピヨタマが別れを惜しんでいるように感じられた。
抱き合っていたのは十数秒ほど。2人からゆっくりと離れたピヨタマは、一度大きく鳴いて晴天の空に飛び立っていった。
「行っちまったな」
「゛うぅ……シ~ン~っ!」
「うおっ! マジ泣きじゃねぇか! まあわかるけどさ」
我慢できなかったのか、シンにわっしと抱きついてくるマリノ。シンが視線を巡らせば、シャドゥも同じようにホーリーに抱きつかれて困った顔をしている。
「歳を取ると、涙腺が緩くなって困るな」
ひびねこも手で目元を拭っていた。もらい泣きしたようだ。
女性陣が泣き止むのを待って、シンたちは月の祠に入った。
「落ち着いたか?」
「……うん」
数分後、一同は月の祠のリビングでお茶を飲んでいた。
「それで、ピヨタマは何を残していったんだ? 思い出の品なら、俺も見てみたいんだけど」
「えっと、これなんだけど」
ピヨタマとの別れから意識をそらすために、シンはアイテムの話を振る。マリノが取り出したのは、やはり虹色に輝く鉱石、【界の雫】だった。
「これまたすごいアイテムを残していったな。古代級の武具を作るのに使うアイテムだぞ。使うには上級スキルが必要ってのがネックだけど」
「そうなの? でも、アイテムの説明文には、受け取ったプレイヤーなら必須スキルなしで使用できるって書いてあるよ? それに、このアイテムを使って作った装備は、ステータスが足りなくてもペナルティがないんだって」
「なんだよそれ……隠しクエストのアイテム半端ねぇな。いいのか運営」
肩をすくめながら、呆れたようにシンは言う。同時に、マリノの説明を聞いた時点で心の中でカシミアに合掌した。
今回のようなクエストは、基本的に1回限り。なぜなら、このようなアイテムが何度も手に入っては、真面目にスキルを上げているプレイヤーから不満が噴出するからだ。
シンでさえ、【界の雫】が使えるようになるにはかなりの時間がかかった。マリノのプレイスタイルでは年単位で時間がかかる。システム的な縛りがないのは今回に限ってだけだ。
「これで一気にパワーアップね、マリノちゃん」
「古代級の性能は尋常ではないからな」
話を聞いたシャドゥとホーリーは、我がことのように喜んでいる。そこに、レアアイテムを手に入れた相手への妬みはない。
「しかし、あまり人前で出すのは止めた方がいいかもしれんな。目ざとい者なら、アイテムを狙って粘着される可能性がある」
ひびねこは装備を作った後の弊害を心配していた。古代級の装備は非常に高い市場価値があるので、ひびねこの言うような迷惑行為をするプレイヤーもいるのだ。
「せっかくピヨタマがくれたものなので、しっかり考えて使おうと思います」
ひびねこの言葉にうなずいて、マリノはカード化した【界の雫】を見つめていた。
数日後、マリノに呼ばれたシンは、喫茶店『にゃんダーランド』を訪れていた。
「こんにちは、ひびねこさん。マリノはもう来てるって聞いたんですけど」
「話は聞いている。マリにゃーなら、奥の個室にいるぞ。2番の部屋だ」
ひびねこが指示した方へ進むと、店の奥にいくつか個室あった。ひびねこに言われた通り、シンは「2」と描かれた部屋の扉を開く。
「あ、シン」
「よう、装備が出来たんだって?」
シンが呼び出されたのは、マリノが手に入れた【界の雫】を使った装備のお披露目も兼ねていた。
マリノがアイテムカードを取り出して具現化させると、テーブルの上に黒地のマフラーが出現する。装飾は少なく、生地全体に稲妻のような紅いラインが入っていた。
「ほほう、これはなかなか」
マフラーは一流の職人が作った品には劣っていたが、それでも古代級としては十分な性能を誇っていた。
「いい出来でしょ。シンの装備って黒と赤がメインだから、なるべく合うようにこの配色にしたの」
「俺の装備に? マリノの装備だと少し浮かないか?」
自分の装備に合わせたと聞いて、シンは嬉しい反面マリノの装備の配色には合わないと感じた。
「装備するのは、私じゃなくてシンだからいいのよ。頭部の装備が今いち決まらないって言ったでしょ。前に見た漫画で、侍がマフラーっぽいのをしてたからこのデザインにしてみたんだけど」
「俺が装備するって、どういうことだ?」
「シンにはゲームを始めてからけっこうお世話になってるし、アイテムも融通してもらったわ。私からは返せるものがなかったから、ちょうどいいと思って。それに、シンなら古代級の装備をつけていても、何の違和感もないでしょ?」
「いいのか? 滅茶苦茶貴重なんだぞ?」
マリノの話を聞いて、シンは驚かざるを得なかった。無償で古代級の装備を譲るなど、ゲームを引退するプレイヤーでもなかなかしないのだ。
「ホーリーさんたちにも相談したんだけど、賛成してくれたわ。受け取ってくれる?」
「……はぁ、マリノは1度言い出したら聞かないからな。ありがたくもらっとくよ」
マリノの性格を知っているシンは、少し気が引けたものの、素直に受け取ることにした。装備したところを見たいと言うマリノに急かされて、シンはマフラーを装備する。
「どうだ?」
「うん、バッチリね。やっぱりそのデザインで正解だったわ」
満足そうに笑うマリノにつられて、シンも笑った。
「これで、少しは恩が返せたかしら……」
マリノが小さくつぶやいた言葉は、シンの耳に届かなかった。
†
「とまあ、そんな感じで今のこれがあるわけだ。あれからちょっとバージョンアップしたから、性能はもっと上がってるけどな」
バルメルにある新生『にゃんダーランド』の店内にある個室。その1室で、シンは昔話をそう締めくくった。
ちょうどその時のメンバーが集まっていたので、シンの装備【冥王のマフラー】について、ひびねこたちと昔話に花を咲かせていた。
シャドゥやホーリーといった元プレイヤーに加え、シュニーやティエラも同席している。
「手づくりの装備か。やっぱり、そういうのってもらうと嬉しい?」
「俺は嬉しいぞ。使える使えないは別にしてな」
ティエラの問いに、シンは頬をかきながら答えた。使えるに越したことはないが、そういうものは気持ちが大事だとシンは思っている。
「ふむ、あの時は、楽しかったな」
「そうだな」
ひびねことシャドゥが、遠くを見つめるような目をした。
「ええ、同感だわ。ところで、シン君はこっちに来て誰かにプレゼントをもらったことはないの?」
「突然何を言い出すんですか。ないですよ」
唐突に話題を変えたホーリーに、じと目を向けながらシンは否定した。
「今のシン君なら、プレゼントをくれそうな子がたくさんいるんじゃないかと思ったんだけど」
「世界が変わったからって、いきなりモテ出したりしませんよ」
呆れ気味に言うシン。しかし、ホーリーの視線はシンを後ろから見つめるシュニーの姿をしっかりと捉えていた。
「シン君は、自分で思っているよりも慕われていると思うわよ」
「そうですかね……?」
意味深なホーリーの言葉にも、シンは懐疑的だった。
楽しい時間はすぐに過ぎ、シンたちは宿に戻る。
後日、真剣な顔で素材アイテムを選別しているシュニーの姿が、街で目撃されたとかされなかったとか。
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