16 / 34
16 春虎。駆ける
しおりを挟む
義国は竹原城の鉄砲兵を一の郭の門前に集め筒先を並べた。
その数わずか十挺。
たったそれだけの鉄砲なのに射手がいないのだ。
弓隊も五人ほど配しているが、こちらも達者と呼べる者は少ない。
鉄砲優先を押し付けたからだ。
「殿よ。鉄砲を放つより、駆け降りて佐竹を蹴散らす方が上策ではないか」
鉄砲を持たされた武者から同調の声があがる。
道の隅に何本もの槍が寝かしてあるのは、頃合いを見て突きかかるつもになのだろう。
鉄砲を扱えるとはいえ、弓、槍働きが得意な騎乗身分の武者ばかりなのだ。
「兵が足らぬ。鉄砲で追い払えばよい」
下から一の郭に登る道は、ひとつしかない。
攻めてくる敵は大手門を突破して二の館と三の館の間を通り土手に遮られ、左に折れ細道を登らなければ一の郭の門に辿りつけない。坂虎口と呼ばれる備えだ。
坂虎口の上の一の郭に、投石隊や弓隊、鉄砲隊を並べられれば、武者らの突撃は脅威になるだろうが、手勢は騎乗身分が十名、その手下が十名。
城住いは重臣が三名、徒士武者が八人。
足軽も兼ねる小者が三十六人。
己を入れても七十に満たぬ兵数では、西側や北側に見張りのための兵を数人置くだけが精々である。
(二日だ。二日耐えればそれでよい。府中の戦仕度が整うまで耐えるのだ)
義国は、生きて城を出る考えを捨てていた。
府中の戦備えが整うまで佐竹を足止めすればそれでいい。
大掾の家老として最後の責務を全うするつもりだった。
「佐竹常陸介、如何ほどのものか! 目に物見せてくれようぞ」
割れんばかりの大声を張り上げた。
春虎は街道を逸れると馬をあおった。
岩間口も逃げる商人で混雑していて馬を走らせることができなかったからだ。
二町ばかり走らせることはできたが、間道は、曲がりくねった細い畑道が続くと思えば、深い森に入り込み、抜けたと思うと谷津田に沿って、また深い森の中に導かれる。
馬を走らすことができない細道ばかりで迂回したことを後悔した。
一里は進んだのだろうか、森を抜けると田畑が広がる集落にでた。
道も広く、すこし離れた高台に茅葺屋根が見えた。
道の真ん中で手を振り制する者があった。
この地に住まう地侍のようだ。
「この先に武装した野盗の一団がおります。その数三、四十。御一同様だけでは、危のうござる」
春虎らを野盗と聞いて駆け付けた役人と思ったようだ。
「茂助、夜盗と違う。佐竹だ! 佐竹の騙し討ちだ。兵を集めて城に向かえ」
騎馬武者の一人が男に怒鳴った。知り合いなのだろう。
茂助と呼ばれた男は眼をむき言葉もでない。
大掾家の佐竹臣従は領民にまで知れ渡っている。
茂助は真っ青な顔を下げ一礼すると家の方に駆けていった。
「将監さま、小川道に迂回しましょう」
城から出した使いが帰ってこないのも、竹原城周辺の村々から報せる者が来ないのも、すでに街道が佐竹が押さえてしまったためだろう。
佐竹の侵攻は予想以上に速いと見るしかない。
「そうしよう。先行し物見を頼む」
武者が馬をあおり駆けだすと、春虎は速足で後に続いた。
佐竹を警戒しなければならない。
気ばかりが焦った。
幸いなことに佐竹の手は小川道には伸びおらず、春虎は栗又まで進み、林道に馬を入れた。
広大な森林が続く栗又の地は竹原城の対岸まで続いており、処所に集落はあるものの谷津田や丘陵を開いて畑としていて、平坦な土地は少ない。
隠れながら城に向かうのには適していた。
春虎は集落を避け、馬を一列に並べ杣道を進んだ。
突然、先頭の武者が右手を横にあげ、馬を止めた。
椚の大木の下に黒い影が二つ。
人だ。
「将監さま」
影が悲鳴のような声を発した。
春虎は慌てて馬を降り駆け寄った。
泥だらけの豊王丸と守役の栗原惣部衛門だった。
豊王丸は側室が生んだ義国のただ一人の男子である。
「竹原城はどうした! 四郎叔父はどこだ!」
二人は着物はボロボロに破れており泥だらけである。
髪は乱れ顔や手から血を滲ませていた。
「わ、わかりませぬ。奥方や家人を連れ府中に行けと命ぜられました」
惣部衛門の白髪頭が小刻みに震えていた。。
「叔母上らはどうした。はぐれたのか」
「井戸下の隠し通路から沼地に降りようとしたところ、銃撃を受け我らは沼に落ちましたが、何とか葦の中に潜り込み助かりました。母らは城に引っ返したようです」
隠し通路は、矢倉と一の館の連絡用で、砦側に面した北東に造られていて、一の郭の井戸の先にあり、階段状に斜面を削ったもので、二の郭の端をかすめ水堀まで降りられる通路である。
水堀と沼のわずかな間だけ浅くしてあり、沼に沿って川に抜け、川沿いを上れば街道に出られるのだ。
二人は街道から府中に向かおうとしたが、既に街道を佐竹の兵が封鎖しており、止む負えず森に入り方向を見失い府中とは逆の栗又に辿り着いたようだ。
二人はこの地がどこなのかもわからなかった。
「よくぞ、逃げおおせた。惣部衛門殿大義であった」
春虎は老臣の肩を叩き労った。
城の状況がわかるのは有り難い。
「将監さま、至急援軍をお送り下され」
泥だらけの手が縋りつく。
言われるまでもない。
「豊王丸、叔父御は何か申したのか」
あの叔父が、我が子可愛さで城から落としたとは思えない。
「今日より竹原四郎左衛門はお前だと。さすればわしは死なんと」
春虎の顔色が変わった。
まるで影武者を命じた様な言葉だ。
大掾の柱は紛れもなく叔父の義国だ。
もし叔父が死ねば味方の離反に繋がる。
それ程影響力を持っている。
「惣部衛門殿、直垂を貸せ。二名は豊王丸と惣部どのを府中にお連れしろ。三名はここに留まり待機。俺は竹原城を見てまいる」
「お待ちください。わたしもお供致します。一人では危ない」
「なあに、この辺はガキのころ見知った地。一人の方が目立つまい」
惣部衛門の泥だらけの直垂を春虎は羽織った。
かなり小さいく所々破けているため大きく裂けてしまったが、襤褸布ようで敵への目隠しとなるはずだ。
春虎は森の中を急いだ。
かなり薄暗くなっている。
陽が落ちてしまっては戻れなくなる恐れがあった。
四半時(約三十分)突き進み、西日が射し込む場所についた。
外に出ればどこら辺りか解るのだが、佐竹を警戒しなければならない。
春虎は外側に張り出た枝のある大きな楠に眼を付けよじ登った。
枝に昇ると田んぼの先の川沿いに兵士らが見えた。
背旗は五本骨扇。佐竹兵だ。
春虎は気づかれないように太枝に足をかけ幹に身を隠して竹原城を仰ぎ見た。
燃えてるっ⁉ ──
土塁の上の一の館が煙を噴き上げ燃えていた。
バカなっ ──
喊声も銃声も聞こえない。
城を取り巻く佐竹兵は隊列を組み城を見上げている。
土塁下の沼には大勢の人が浮いていた。
殺された家人たちだ。
春虎は手を合わせ拝んだ。
叔父が生きているとは思えなかった。
悲しみを打ち払い春虎は奮い立たねばならなかった。
次は府中である。
佐竹を迎え撃たなければ大掾は消滅する。
降りようとしたとき、南の田んぼ沿いを向かって来る一団が見えた。
先頭に押し立てた旌旗の紋は州浜、小川城の薗部宮内大輔だ。
佐竹義重に同行し府中に入城するはずの香澄の海北側の領主である。
こいつらもいたかっ ──
敵は佐竹だけではない。
常陸国、全ての領主を敵に回さなければならない。
春虎は幹を滑り降り、森の中を遮二無二走った。
その数わずか十挺。
たったそれだけの鉄砲なのに射手がいないのだ。
弓隊も五人ほど配しているが、こちらも達者と呼べる者は少ない。
鉄砲優先を押し付けたからだ。
「殿よ。鉄砲を放つより、駆け降りて佐竹を蹴散らす方が上策ではないか」
鉄砲を持たされた武者から同調の声があがる。
道の隅に何本もの槍が寝かしてあるのは、頃合いを見て突きかかるつもになのだろう。
鉄砲を扱えるとはいえ、弓、槍働きが得意な騎乗身分の武者ばかりなのだ。
「兵が足らぬ。鉄砲で追い払えばよい」
下から一の郭に登る道は、ひとつしかない。
攻めてくる敵は大手門を突破して二の館と三の館の間を通り土手に遮られ、左に折れ細道を登らなければ一の郭の門に辿りつけない。坂虎口と呼ばれる備えだ。
坂虎口の上の一の郭に、投石隊や弓隊、鉄砲隊を並べられれば、武者らの突撃は脅威になるだろうが、手勢は騎乗身分が十名、その手下が十名。
城住いは重臣が三名、徒士武者が八人。
足軽も兼ねる小者が三十六人。
己を入れても七十に満たぬ兵数では、西側や北側に見張りのための兵を数人置くだけが精々である。
(二日だ。二日耐えればそれでよい。府中の戦仕度が整うまで耐えるのだ)
義国は、生きて城を出る考えを捨てていた。
府中の戦備えが整うまで佐竹を足止めすればそれでいい。
大掾の家老として最後の責務を全うするつもりだった。
「佐竹常陸介、如何ほどのものか! 目に物見せてくれようぞ」
割れんばかりの大声を張り上げた。
春虎は街道を逸れると馬をあおった。
岩間口も逃げる商人で混雑していて馬を走らせることができなかったからだ。
二町ばかり走らせることはできたが、間道は、曲がりくねった細い畑道が続くと思えば、深い森に入り込み、抜けたと思うと谷津田に沿って、また深い森の中に導かれる。
馬を走らすことができない細道ばかりで迂回したことを後悔した。
一里は進んだのだろうか、森を抜けると田畑が広がる集落にでた。
道も広く、すこし離れた高台に茅葺屋根が見えた。
道の真ん中で手を振り制する者があった。
この地に住まう地侍のようだ。
「この先に武装した野盗の一団がおります。その数三、四十。御一同様だけでは、危のうござる」
春虎らを野盗と聞いて駆け付けた役人と思ったようだ。
「茂助、夜盗と違う。佐竹だ! 佐竹の騙し討ちだ。兵を集めて城に向かえ」
騎馬武者の一人が男に怒鳴った。知り合いなのだろう。
茂助と呼ばれた男は眼をむき言葉もでない。
大掾家の佐竹臣従は領民にまで知れ渡っている。
茂助は真っ青な顔を下げ一礼すると家の方に駆けていった。
「将監さま、小川道に迂回しましょう」
城から出した使いが帰ってこないのも、竹原城周辺の村々から報せる者が来ないのも、すでに街道が佐竹が押さえてしまったためだろう。
佐竹の侵攻は予想以上に速いと見るしかない。
「そうしよう。先行し物見を頼む」
武者が馬をあおり駆けだすと、春虎は速足で後に続いた。
佐竹を警戒しなければならない。
気ばかりが焦った。
幸いなことに佐竹の手は小川道には伸びおらず、春虎は栗又まで進み、林道に馬を入れた。
広大な森林が続く栗又の地は竹原城の対岸まで続いており、処所に集落はあるものの谷津田や丘陵を開いて畑としていて、平坦な土地は少ない。
隠れながら城に向かうのには適していた。
春虎は集落を避け、馬を一列に並べ杣道を進んだ。
突然、先頭の武者が右手を横にあげ、馬を止めた。
椚の大木の下に黒い影が二つ。
人だ。
「将監さま」
影が悲鳴のような声を発した。
春虎は慌てて馬を降り駆け寄った。
泥だらけの豊王丸と守役の栗原惣部衛門だった。
豊王丸は側室が生んだ義国のただ一人の男子である。
「竹原城はどうした! 四郎叔父はどこだ!」
二人は着物はボロボロに破れており泥だらけである。
髪は乱れ顔や手から血を滲ませていた。
「わ、わかりませぬ。奥方や家人を連れ府中に行けと命ぜられました」
惣部衛門の白髪頭が小刻みに震えていた。。
「叔母上らはどうした。はぐれたのか」
「井戸下の隠し通路から沼地に降りようとしたところ、銃撃を受け我らは沼に落ちましたが、何とか葦の中に潜り込み助かりました。母らは城に引っ返したようです」
隠し通路は、矢倉と一の館の連絡用で、砦側に面した北東に造られていて、一の郭の井戸の先にあり、階段状に斜面を削ったもので、二の郭の端をかすめ水堀まで降りられる通路である。
水堀と沼のわずかな間だけ浅くしてあり、沼に沿って川に抜け、川沿いを上れば街道に出られるのだ。
二人は街道から府中に向かおうとしたが、既に街道を佐竹の兵が封鎖しており、止む負えず森に入り方向を見失い府中とは逆の栗又に辿り着いたようだ。
二人はこの地がどこなのかもわからなかった。
「よくぞ、逃げおおせた。惣部衛門殿大義であった」
春虎は老臣の肩を叩き労った。
城の状況がわかるのは有り難い。
「将監さま、至急援軍をお送り下され」
泥だらけの手が縋りつく。
言われるまでもない。
「豊王丸、叔父御は何か申したのか」
あの叔父が、我が子可愛さで城から落としたとは思えない。
「今日より竹原四郎左衛門はお前だと。さすればわしは死なんと」
春虎の顔色が変わった。
まるで影武者を命じた様な言葉だ。
大掾の柱は紛れもなく叔父の義国だ。
もし叔父が死ねば味方の離反に繋がる。
それ程影響力を持っている。
「惣部衛門殿、直垂を貸せ。二名は豊王丸と惣部どのを府中にお連れしろ。三名はここに留まり待機。俺は竹原城を見てまいる」
「お待ちください。わたしもお供致します。一人では危ない」
「なあに、この辺はガキのころ見知った地。一人の方が目立つまい」
惣部衛門の泥だらけの直垂を春虎は羽織った。
かなり小さいく所々破けているため大きく裂けてしまったが、襤褸布ようで敵への目隠しとなるはずだ。
春虎は森の中を急いだ。
かなり薄暗くなっている。
陽が落ちてしまっては戻れなくなる恐れがあった。
四半時(約三十分)突き進み、西日が射し込む場所についた。
外に出ればどこら辺りか解るのだが、佐竹を警戒しなければならない。
春虎は外側に張り出た枝のある大きな楠に眼を付けよじ登った。
枝に昇ると田んぼの先の川沿いに兵士らが見えた。
背旗は五本骨扇。佐竹兵だ。
春虎は気づかれないように太枝に足をかけ幹に身を隠して竹原城を仰ぎ見た。
燃えてるっ⁉ ──
土塁の上の一の館が煙を噴き上げ燃えていた。
バカなっ ──
喊声も銃声も聞こえない。
城を取り巻く佐竹兵は隊列を組み城を見上げている。
土塁下の沼には大勢の人が浮いていた。
殺された家人たちだ。
春虎は手を合わせ拝んだ。
叔父が生きているとは思えなかった。
悲しみを打ち払い春虎は奮い立たねばならなかった。
次は府中である。
佐竹を迎え撃たなければ大掾は消滅する。
降りようとしたとき、南の田んぼ沿いを向かって来る一団が見えた。
先頭に押し立てた旌旗の紋は州浜、小川城の薗部宮内大輔だ。
佐竹義重に同行し府中に入城するはずの香澄の海北側の領主である。
こいつらもいたかっ ──
敵は佐竹だけではない。
常陸国、全ての領主を敵に回さなければならない。
春虎は幹を滑り降り、森の中を遮二無二走った。
0
あなたにおすすめの小説
独裁者・武田信玄
いずもカリーシ
歴史・時代
国を、民を守るために、武田信玄は独裁者を目指す。
独裁国家が民主国家を数で上回っている現代だからこそ、この歴史物語はどこかに通じるものがあるかもしれません。
【第壱章 独裁者への階段】 純粋に国を、民を憂う思いが、粛清の嵐を巻き起こす
【第弐章 川中島合戦】 甲斐の虎と越後の龍、激突す
【第参章 戦争の黒幕】 京の都が、二人の英雄を不倶戴天の敵と成す
【第四章 織田信長の愛娘】 清廉潔白な人々が、武器商人への憎悪を燃やす
【最終章 西上作戦】 武田家を滅ぼす策略に抗うべく、信長と家康打倒を決断す
この小説は『大罪人の娘』を補完するものでもあります。
(前編が執筆終了していますが、後編の執筆に向けて修正中です))
滝川家の人びと
卯花月影
歴史・時代
勝利のために走るのではない。
生きるために走る者は、
傷を負いながらも、歩みを止めない。
戦国という時代の只中で、
彼らは何を失い、
走り続けたのか。
滝川一益と、その郎党。
これは、勝者の物語ではない。
生き延びた者たちの記録である。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
if 大坂夏の陣 〜勝ってはならぬ闘い〜
かまぼこのもと
歴史・時代
1615年5月。
徳川家康の天下統一は最終局面に入っていた。
堅固な大坂城を無力化させ、内部崩壊を煽り、ほぼ勝利を手中に入れる……
豊臣家に味方する者はいない。
西国無双と呼ばれた立花宗茂も徳川家康の配下となった。
しかし、ほんの少しの違いにより戦局は全く違うものとなっていくのであった。
全5話……と思ってましたが、終わりそうにないので10話ほどになりそうなので、マルチバース豊臣家と別に連載することにしました。
本能寺からの決死の脱出 ~尾張の大うつけ 織田信長 天下を統一す~
bekichi
歴史・時代
戦国時代の日本を背景に、織田信長の若き日の物語を語る。荒れ狂う風が尾張の大地を駆け巡る中、夜空の星々はこれから繰り広げられる壮絶な戦いの予兆のように輝いている。この混沌とした時代において、信長はまだ無名であったが、彼の野望はやがて天下を揺るがすことになる。信長は、父・信秀の治世に疑問を持ちながらも、独自の力を蓄え、異なる理想を追求し、反逆者とみなされることもあれば期待の星と讃えられることもあった。彼の目標は、乱世を統一し平和な時代を創ることにあった。物語は信長の足跡を追い、若き日の友情、父との確執、大名との駆け引きを描く。信長の人生は、斎藤道三、明智光秀、羽柴秀吉、徳川家康、伊達政宗といった時代の英傑たちとの交流とともに、一つの大きな物語を形成する。この物語は、信長の未知なる野望の軌跡を描くものである。
与兵衛長屋つれあい帖 お江戸ふたり暮らし
かずえ
歴史・時代
旧題:ふたり暮らし
長屋シリーズ一作目。
第八回歴史・時代小説大賞で優秀短編賞を頂きました。応援してくださった皆様、ありがとうございます。
十歳のみつは、十日前に一人親の母を亡くしたばかり。幸い、母の蓄えがあり、自分の裁縫の腕の良さもあって、何とか今まで通り長屋で暮らしていけそうだ。
頼まれた繕い物を届けた帰り、くすんだ着物で座り込んでいる男の子を拾う。
一人で寂しかったみつは、拾った男の子と二人で暮らし始めた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる