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第十三章
ブルームーン
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「いらっしゃい」
「蓮志さん、こんばんは」
「こっち座って」
星空は、蓮志に促されるようにカウンターの席に腰掛けた。
「何飲む?」
「じゃぁ蓮志さんの一番好きなカクテルってありますか?」
「わかった、作るね。楽しみにしてて」
いつものように繊細で丁寧な所作に見惚れてしまう。
「はい、お待たせ」
星空の目の前に運ばれてきたのは、澄んだ青に薄紫が混じったような綺麗なカクテルだった。
「これは?」
「ブルームーンだよ」
「綺麗な色ですね。それと美味しいです」
「良かった。ちなみに、星空くんはカクテル言葉って知ってる?」
「初めて聞きました」
「このカクテルの意味には、叶わぬ恋っていうのがあるけど、完全なる愛っていう意味もあるんだよ」
「そうなんですか、なんか俺と蓮志さんみたいですね」
「たしかに。星空くんに対する気持ちを込めたのかも。このカクテルの矛盾した言葉の中に儚さを感じて好きだなって思うんだよね。それを星空くんにも知って欲しかった」
「そうなんですね。俺もこのカクテルのこと知れて良かったし、好きなカクテルだなって思います」
すると、星空は不意に自分の腕がグラスに当たりそうになり少しずらすと、コースターの下から何かが見えるのに気付いた。
「……蓮志さん、これって?」
「ああ、それはスペアキーだよ、星空くん、俺と一緒に暮らさない?」
「俺、嬉しいです…蓮志さんのこと幸せにします…」
「おいおい、プロポーズかよ~!」
笑いながら奥の入り口から出てきたのは、洋平だった。
「部外者は入ってこないでください~」
蓮志が冗談を言うのが珍しくて星空は笑った。
「俺からも実は報告があるんだよね~」
「え、何?」
「実は、瑠夏ちゃんと付き合いました~。はい、拍手!」
「おめでとうございます~!」
「それは良かったけど、自ら拍手求めに行くのなんか嫌ですね~」
「おいおい、蓮志そんなこと言うなって~。本当は俺のこと好きなくせに~」
「洋平さんのポジティブさはまあ嫌いじゃないですけど笑」
「え、両思い?じゃぁ結婚!?」
「そんなわけないじゃないですか」
「あ~瑠夏ちゃんと結婚したいな~」
「話聞いてないな、この人」
「よし!今日はめでたいし、サービスするよ!気にせず飲んで~!」
「やった、ありがとうございます!」
「「乾杯」」
ここは沼に落ちるといわれているバー。______&bar
ここに来たのも運命だったのかもしれない。
あの時、バーの扉を開けてから世界が色づき始めた。
もうあの頃の自分はいない。
生きてる限り世界は変えられる。
好きな人となら、沼でもどんな闇でも落ちて良いと思える。
何があっても愛し続けるから。
「蓮志さん、こんばんは」
「こっち座って」
星空は、蓮志に促されるようにカウンターの席に腰掛けた。
「何飲む?」
「じゃぁ蓮志さんの一番好きなカクテルってありますか?」
「わかった、作るね。楽しみにしてて」
いつものように繊細で丁寧な所作に見惚れてしまう。
「はい、お待たせ」
星空の目の前に運ばれてきたのは、澄んだ青に薄紫が混じったような綺麗なカクテルだった。
「これは?」
「ブルームーンだよ」
「綺麗な色ですね。それと美味しいです」
「良かった。ちなみに、星空くんはカクテル言葉って知ってる?」
「初めて聞きました」
「このカクテルの意味には、叶わぬ恋っていうのがあるけど、完全なる愛っていう意味もあるんだよ」
「そうなんですか、なんか俺と蓮志さんみたいですね」
「たしかに。星空くんに対する気持ちを込めたのかも。このカクテルの矛盾した言葉の中に儚さを感じて好きだなって思うんだよね。それを星空くんにも知って欲しかった」
「そうなんですね。俺もこのカクテルのこと知れて良かったし、好きなカクテルだなって思います」
すると、星空は不意に自分の腕がグラスに当たりそうになり少しずらすと、コースターの下から何かが見えるのに気付いた。
「……蓮志さん、これって?」
「ああ、それはスペアキーだよ、星空くん、俺と一緒に暮らさない?」
「俺、嬉しいです…蓮志さんのこと幸せにします…」
「おいおい、プロポーズかよ~!」
笑いながら奥の入り口から出てきたのは、洋平だった。
「部外者は入ってこないでください~」
蓮志が冗談を言うのが珍しくて星空は笑った。
「俺からも実は報告があるんだよね~」
「え、何?」
「実は、瑠夏ちゃんと付き合いました~。はい、拍手!」
「おめでとうございます~!」
「それは良かったけど、自ら拍手求めに行くのなんか嫌ですね~」
「おいおい、蓮志そんなこと言うなって~。本当は俺のこと好きなくせに~」
「洋平さんのポジティブさはまあ嫌いじゃないですけど笑」
「え、両思い?じゃぁ結婚!?」
「そんなわけないじゃないですか」
「あ~瑠夏ちゃんと結婚したいな~」
「話聞いてないな、この人」
「よし!今日はめでたいし、サービスするよ!気にせず飲んで~!」
「やった、ありがとうございます!」
「「乾杯」」
ここは沼に落ちるといわれているバー。______&bar
ここに来たのも運命だったのかもしれない。
あの時、バーの扉を開けてから世界が色づき始めた。
もうあの頃の自分はいない。
生きてる限り世界は変えられる。
好きな人となら、沼でもどんな闇でも落ちて良いと思える。
何があっても愛し続けるから。
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