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第967話 苦戦
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全員の準備が終わり50階へ突入する。
「攻撃してくる雑魚は倒して進みますよ。ご主人様は、溶岩ナマズを釣り上げるのに集中してください。みなさんも昨日の役割通りに行動してくださいね」
ピーチの指示に従って陣形を組み進んでいく。ただ、進む場所は、氷山と火山のちょうど間の草原になっている場所を歩いて進んでいる。ここならどちらからの攻撃にも対処しやすいからな。
1時間程進んだところで、マグマからウナギが姿を現した。昨日の作戦会議の後に、マグマから出てくる赤いのをウナギ、雪から出てくる白いのをヘビと呼ぶように決まったのだ。一応対応する時のために名付けただけだが、
周囲に3匹の溶岩ナマズとタコが2匹いた。ウナギの正面はシュリとリンドに任せる事になっているので、俺は溶岩ナマズを釣り上げる事に集中する。
自在に動き回るウナギに、溶岩ナマズのマグマの津波はかなり危険なコンボなので、防御には手を抜かない。むしろ、過剰なほどに力を入れているといってもいいだろう。
そして出合い頭の先制攻撃は魔物側の方が早かった。
3匹の溶岩ナマズが揃って津波を起こしたのだ。そして、その津波に乗るようにウナギが飛び上がり俺たちに襲ってきた。迫力がある分とてもキモイ……
前に出ていたリンドが先に受け止めるようだ。両手で持った大盾を地面に突き刺し踏ん張るようにしてフォートレスを張る。その横でシュリがリンドのフォートレスと盾の間に、自分のフォートレスを張った。
フォートレスにあたったマグマの津波は、海で起こる津波とは別物の音がした。それは質量が違うわけだし、重い音が聞こえても不思議ではない。そこにウナギの突進が加われば、耳を劈くような音がした。
おぉ……今までいろんな攻撃を耐えてきたフォートレスが、一部貫かれてる。あのウナギの口ってそんなに硬いのだろうか? 勢いのまま突っ込んでリンドの張ったフォートレスを半分突き破り、シュリの張ったフォートレスに止められていた。
「タンクは、シュリとリンドで1組、シャルロットとサーシャ、メルフィで1組でフォートレスを重ねて対応! 柔軟に位置を変えて突撃を防いでください。ライム、マグマを押し戻して」
リンドのフォートレスが破られたのを見て、ピーチから指示がとぶ。確かに力量を考えるとそう別けるのが無難だよな。
ライムが風の魔法を唱えた。風の壁のような物をマグマだまりに向かって、押し付けるような感じでマグマを押し戻した。
イリアは溶岩ナマズとタコに向かって牽制をしている。そして今回は、名誉挽回のためにグレンが戦闘に参加している。今までは連携が取れないから、俺たちの戦闘とは関係ない所で戦わせていたが、今回はタコの相手をしてもらっている。
触手に捕まれば大変な事になるが、元のサイズに戻ったグレンを一瞬で捕獲するのは困難だろう。速度的にも大きさ的にも、タコには難しい。
タコの手? 触手? がグレンに向いているのなら、溶岩ナマズは護りが薄くなっているはずだ。そうなれば俺の釣り針の出番! 溶岩ナマズが出てくるタイミングを見計らって投げる!
よっし! 運よく口の中に入ったので、本当の意味で釣り上げているような感じだ。スパイクを地面に突き刺し釣り上げるために、力任せに手繰り寄せる。1人で綱引きをしている気分だが、溶岩ナマズを釣り上げた。
そこに待ってましたと言わんばかりに、前衛陣が群がりすぐにドロップ品になった。
次の獲物を釣り上げるために残りの溶岩ナマズに目を向けると、グレンがタコの触手を食いちぎってる姿が目に入った。猛禽類の顔をしてるからって、普通噛みつくかね? 一応マグマがまとわりついてるんだぞ?
そんな事はお構いなしに、タコの触手をちぎっては投げちぎっては投げ……落としてる? 捨ててる? まぁそんな事はどうでもいい、今分かればいいのは実際に倒せているという事だ。触手がとうとうなくなってしまった。
タコって触手の長さが全部半分以下になっても、死なないんだな。って思った次の瞬間にブクブクと沈んでいた。あれ? 浮かんでこないって事は死んだのかな? 触手も無いし攻撃してこないだろう。
2匹目のタコにグレンが噛みついていたので、俺はせっせと溶岩ナマズを釣り上げて、前衛陣に捌いてもらっていた。
その間も、タンクのメンバーがウナギの攻撃を受け止め、あり得ない大きさの音をたてながら攻撃を防いでいた。
「みんな、雑魚は片付いたからウナギを倒そう。その場所につなぎとめるのは無理だろうから、タンクが受けたら止まっている間に攻撃を繰り返そう。タンクの皆、頑張ってくれ!俺も大盾もってタンクにまわるからな!」
俺は釣り針を収納の腕輪に戻して、大盾を取り出す。俺も1人だと突破されそうで怖いのだが、誰か一緒にやってくれる人はいない物だろうか?と思っていたら、ケイティが両手剣から片手剣と盾に持ち替えており俺の補助についてくれた。
すぐにウナギが俺の方に向かってきたので、慌てて最大限のフォートレスを張る。俺のフォートレスは何とかウナギの突進に耐えきったが、もう一撃でも軽くくらえば砕けてしまう位にひびが入っていた。
あっ! ウナギが前衛の攻撃を受けて体をよじった時に、大きな体がぶつかりフォートレスが砕けてしまた。だが、後ろでフォートレスを張っていたケイティが、ウナギの攻撃を防いでくれている。
思ったよりウナギの皮膚に弾力があり、まとわりついている固まった溶岩のせいで、斬撃系と打撃系の攻撃はあまり効いていないようだ。
突き攻撃も敵の体が大きすぎてあまり効果が無いように見える。
フォートレスで突進を防ぎ、攻撃を繰り返すが体のデカさもあってとにかくタフだった。30分位奮戦していると、状況が一変する。
背後から大きな音が聞こえてヘビまでやってきたのだ。一番近くにいた俺が慌ててフォートレスを張ったが突き破られてしまい、陣形の真ん中を突っ切る形で横切っていった。
幸いにもケガをしたメンバーはいなかった。だけど、体勢を崩されて吹き飛ばされてしまったメンバーが何人かいた。
ピーチの指示で態勢を立て直して、陣形を組みなおす。
そしてヘビは意外な行動をとった。
「攻撃してくる雑魚は倒して進みますよ。ご主人様は、溶岩ナマズを釣り上げるのに集中してください。みなさんも昨日の役割通りに行動してくださいね」
ピーチの指示に従って陣形を組み進んでいく。ただ、進む場所は、氷山と火山のちょうど間の草原になっている場所を歩いて進んでいる。ここならどちらからの攻撃にも対処しやすいからな。
1時間程進んだところで、マグマからウナギが姿を現した。昨日の作戦会議の後に、マグマから出てくる赤いのをウナギ、雪から出てくる白いのをヘビと呼ぶように決まったのだ。一応対応する時のために名付けただけだが、
周囲に3匹の溶岩ナマズとタコが2匹いた。ウナギの正面はシュリとリンドに任せる事になっているので、俺は溶岩ナマズを釣り上げる事に集中する。
自在に動き回るウナギに、溶岩ナマズのマグマの津波はかなり危険なコンボなので、防御には手を抜かない。むしろ、過剰なほどに力を入れているといってもいいだろう。
そして出合い頭の先制攻撃は魔物側の方が早かった。
3匹の溶岩ナマズが揃って津波を起こしたのだ。そして、その津波に乗るようにウナギが飛び上がり俺たちに襲ってきた。迫力がある分とてもキモイ……
前に出ていたリンドが先に受け止めるようだ。両手で持った大盾を地面に突き刺し踏ん張るようにしてフォートレスを張る。その横でシュリがリンドのフォートレスと盾の間に、自分のフォートレスを張った。
フォートレスにあたったマグマの津波は、海で起こる津波とは別物の音がした。それは質量が違うわけだし、重い音が聞こえても不思議ではない。そこにウナギの突進が加われば、耳を劈くような音がした。
おぉ……今までいろんな攻撃を耐えてきたフォートレスが、一部貫かれてる。あのウナギの口ってそんなに硬いのだろうか? 勢いのまま突っ込んでリンドの張ったフォートレスを半分突き破り、シュリの張ったフォートレスに止められていた。
「タンクは、シュリとリンドで1組、シャルロットとサーシャ、メルフィで1組でフォートレスを重ねて対応! 柔軟に位置を変えて突撃を防いでください。ライム、マグマを押し戻して」
リンドのフォートレスが破られたのを見て、ピーチから指示がとぶ。確かに力量を考えるとそう別けるのが無難だよな。
ライムが風の魔法を唱えた。風の壁のような物をマグマだまりに向かって、押し付けるような感じでマグマを押し戻した。
イリアは溶岩ナマズとタコに向かって牽制をしている。そして今回は、名誉挽回のためにグレンが戦闘に参加している。今までは連携が取れないから、俺たちの戦闘とは関係ない所で戦わせていたが、今回はタコの相手をしてもらっている。
触手に捕まれば大変な事になるが、元のサイズに戻ったグレンを一瞬で捕獲するのは困難だろう。速度的にも大きさ的にも、タコには難しい。
タコの手? 触手? がグレンに向いているのなら、溶岩ナマズは護りが薄くなっているはずだ。そうなれば俺の釣り針の出番! 溶岩ナマズが出てくるタイミングを見計らって投げる!
よっし! 運よく口の中に入ったので、本当の意味で釣り上げているような感じだ。スパイクを地面に突き刺し釣り上げるために、力任せに手繰り寄せる。1人で綱引きをしている気分だが、溶岩ナマズを釣り上げた。
そこに待ってましたと言わんばかりに、前衛陣が群がりすぐにドロップ品になった。
次の獲物を釣り上げるために残りの溶岩ナマズに目を向けると、グレンがタコの触手を食いちぎってる姿が目に入った。猛禽類の顔をしてるからって、普通噛みつくかね? 一応マグマがまとわりついてるんだぞ?
そんな事はお構いなしに、タコの触手をちぎっては投げちぎっては投げ……落としてる? 捨ててる? まぁそんな事はどうでもいい、今分かればいいのは実際に倒せているという事だ。触手がとうとうなくなってしまった。
タコって触手の長さが全部半分以下になっても、死なないんだな。って思った次の瞬間にブクブクと沈んでいた。あれ? 浮かんでこないって事は死んだのかな? 触手も無いし攻撃してこないだろう。
2匹目のタコにグレンが噛みついていたので、俺はせっせと溶岩ナマズを釣り上げて、前衛陣に捌いてもらっていた。
その間も、タンクのメンバーがウナギの攻撃を受け止め、あり得ない大きさの音をたてながら攻撃を防いでいた。
「みんな、雑魚は片付いたからウナギを倒そう。その場所につなぎとめるのは無理だろうから、タンクが受けたら止まっている間に攻撃を繰り返そう。タンクの皆、頑張ってくれ!俺も大盾もってタンクにまわるからな!」
俺は釣り針を収納の腕輪に戻して、大盾を取り出す。俺も1人だと突破されそうで怖いのだが、誰か一緒にやってくれる人はいない物だろうか?と思っていたら、ケイティが両手剣から片手剣と盾に持ち替えており俺の補助についてくれた。
すぐにウナギが俺の方に向かってきたので、慌てて最大限のフォートレスを張る。俺のフォートレスは何とかウナギの突進に耐えきったが、もう一撃でも軽くくらえば砕けてしまう位にひびが入っていた。
あっ! ウナギが前衛の攻撃を受けて体をよじった時に、大きな体がぶつかりフォートレスが砕けてしまた。だが、後ろでフォートレスを張っていたケイティが、ウナギの攻撃を防いでくれている。
思ったよりウナギの皮膚に弾力があり、まとわりついている固まった溶岩のせいで、斬撃系と打撃系の攻撃はあまり効いていないようだ。
突き攻撃も敵の体が大きすぎてあまり効果が無いように見える。
フォートレスで突進を防ぎ、攻撃を繰り返すが体のデカさもあってとにかくタフだった。30分位奮戦していると、状況が一変する。
背後から大きな音が聞こえてヘビまでやってきたのだ。一番近くにいた俺が慌ててフォートレスを張ったが突き破られてしまい、陣形の真ん中を突っ切る形で横切っていった。
幸いにもケガをしたメンバーはいなかった。だけど、体勢を崩されて吹き飛ばされてしまったメンバーが何人かいた。
ピーチの指示で態勢を立て直して、陣形を組みなおす。
そしてヘビは意外な行動をとった。
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