めでたく婚約破棄で教会を追放されたので、神聖魔法に続いて魔法学校で錬金魔法も極めます。……やっぱりバカ王子は要らない? 返品はお断りします!

向原 行人

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第1章 神聖魔法を極めた聖女。魔法学校へ入学する

第7話 神に選ばれし者?

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「ふはは……待たせたな。ロレーヌ家の長男、マルク=ロレーヌである」

 騒がしいアルフレッドを転送した直後、何処かで聞いた事のある声が聞こえてきた。
 部屋の入り口に目を向けると、キラキラした如何にも貴族だといった感じの……って、この人、受験の時に騒いでいた人か。
 言動は最低だけど、Sクラスに入るだけの成績だったのね。

「これで、一先ず全員揃ったね。……いや、アルフレッドが居なくなったから揃ってないんだけど、とりあえず僕の自己紹介から始めるから、各自自己紹介をしていこう。最短でも半年は同じクラスだからね」

 半年は……そっか。半年毎のテストで、入学時みたいにクラスが変わるのね。
 ……って、もしかして私は、半年後まで(仮)のままって事!?

「改めて、皆さん入学おめでとう。諸事情で三人しか居ないけど、僕が君たちの担任のヴィクトール=ジェランだ。錬金魔法の授業では、直接指導するので、よろしく! ……じゃあ、教室へ来た順という事で、次はソフィア」
「えっと、私はソフィア=ロートレックです。色んな魔法を知りたいと思い、入学しました。唯一使える魔法は神……」
「げふんげふん!」
「……使える魔法は神……」
「げふんげふんげふんっ!」
「……よ、よろしくお願いします」

 何故か私が使える魔法を説明しようとしたら、ヴィクトール先生が、わざとらしく咳をする。
 神聖魔法が使える事を言うなって事かしら?

「では、次はリュカ」
「……リュカです。召喚魔法が好き」

 ん? 終わり? 今ので終わりなの?
 まだ続きがあるのかと思って一応目を向けていると、

「ふははははっ! 俺様は皆も知っているであろう、ロレーヌ侯爵家のマルクだ! 俺様は全ての魔法が得意だから、俺様と比較しショックを受ける事もあるかもしれん。だが、そこは生まれ持った才能の差だ。仕方ないと諦め、俺様を崇めるが良い」

 一番最後に来たマルクが自己紹介を始める。
 この人、言動は最低だけど、全ての魔法が使えるというのは、確かに凄いのかも。
 自分に自信があるからこそ、この言動だという事だろうか。
 ……とはいえ、ある程度は自重した方が良いと思うけど。

「では最初に、この学校の制服と教科書を配布します。あと、Sクラスの五人は、一人を除いて全員が魔法理論を理解しているので、この授業を割愛し、代わりに僕が錬金魔法の授業をします」

 えーっと、ヴィクトール先生が私をじっと見つめながら話をしてくる。
 これはつまり、私に錬金魔法を専門に勉強してね……っていう事かしら。
 まぁ神聖魔法以外使えないから、私としては別に構わないんだけどね。
 そんな事を思いつつ、渡された教科書を眺めてみると、基礎と書かれた様々な魔法の本があるのに、その中に神聖魔法の本は無い。
 そんなに難しい魔法でもないのに、何故だろう。

「ヴィクトール先生。配られた教科書の中に、神聖魔法が無いのは何故でしょうか」
「はっはっは。神聖魔法を学びたいなどと言うという事は、さては先程の唯一魔法理論を理解していない生徒というのがお前だな? だが、安心するが良い。このマルク様が教えてやろう。神聖魔法とは、神の魔法。つまり、神に選ばれし者にしか使えない魔法なのだ」
「神に選ばれし者?」
「そうだ。その為、全ての魔法が使える俺様が、唯一使えない魔法という訳だ」

 いや、だったら全ての魔法が使えるって言わない方が良いんじゃない?
 それに、教会の侍祭たちは、得手不得手はあるとしても、ほぼ全員が使えるんだけど。
 流石に間違っているのではないかしら。でないと、私も神に選ばれし者だなんて、大袈裟な事になっちゃうわよ? ……と、ヴィクトール先生に目を向けると、

「えー、まぁマルク君の説明は、遠からず近からず……」
「マルク……君?」
「……マルク様の言う通りですね。では、先ず僕が得意な錬金魔法の話をしましょう」

 言葉を濁した上に、様付けで呼ばされる。
 ……何だろう。明らかに様子がおかしいし、何かありそうね。
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