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第1章 神聖魔法を極めた聖女。魔法学校へ入学する
第6話 貴族のクラスメイト
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「ここがSクラスの教室か?」
「そうだよ。えっと、君は……」
「俺か? 俺はアルフレッドだ。アンタが先生で、そっちは……あ! もしかして、(仮)の女か。ぷっ……何だよ、(仮)って」
新たに教室へ誰かが入って来たと思ったら……何なの!? この失礼な男は!
短い赤髪を立たせた長身の男で、見た目は悪くない……どころか、きっと美形に分類されるのだろう。
だけど、私を見てニヤニヤするのは、何か腹が立つ。
大体、(仮)っていうのは何かの間違いなのに。
私は、筆記も実技もちゃんと出来たんだからっ!
「えっと、貼ってあった名前……確か、ソフィア(仮)だっけ?」
「私の名前は(仮)じゃないわよっ!」
「はっはっは。そう、怒るなって。将来、シワが増えるぞ?」
「なっ……」
本当に、何なの!?
この男は、相手を不快にさせる事しか出来ないの!?
というか、こんな奴が同じクラスなの!?
神聖魔法で喋れなくしてやろうかとも思ったけど、クラスメイトだし、まだ入学初日なのでグッと我慢。私、偉い!
「……ところで、どうして私の名前が分かったのよ」
「ソフィア(仮)の事か?」
「(仮)は余計だけど、そうよ」
「そんなの簡単だろ。だって、Sクラスに女の名前が一つしかなかったからな」
「え!? クラスに女の子が私一人だけ!?」
いや、確かに恋愛したいとは言ったけど、担任を含め、周囲に異性しか居ないっていう環境はどうなの!?
教会は女性の方が多かったから、ギャップが凄いんだけど。
とはいえ、このアルフレッドは完全に恋愛対象外だけどねっ!
そんな事を考えていると、
「……ここ、Sクラス?」
アルフレッドの言葉を肯定するかのように、教室へまた男性が入って来た。
「あぁ、そうだよ。君は……」
「……リュカ」
「あぁ。リュカ=ロペス君だね。じゃあ、残るは後一人か。とりあえず五人しか居ないし、席なんてどこでも良いだろうから、好きな所へ座っていいよ」
リュカと名乗った男性は、いち早く窓際に座り、長い金髪をかき上げて窓の外に目を向けている。
随分と無口な人だけど、バティスト王子――いえ、もうバカ王子で十分ね――みたいに無駄口を叩きまくるよりかは良いかもしれない。
あと、口を開けば私の事をからかう、こっちのアルフレッドよりもね。
「あれ? ヴィクトール先生。Sクラスって五人ですよね? それなのに、どうして後一人なんですか?」
「あぁ、一人は既に連絡があってね。どうしても外せない用事があるそうだよ」
「今日は入学式なのに……ですか?」
「まぁ貴族だしね。仕方ないんじゃないかな」
「あー、そういう事。これだから貴族は……」
バカ王子もそうだけど、入学式の初日から欠席する貴族といい、スケジュールを調整したり出来ないものなのだろうか。
バカ王子は、私の都合なんて関係無しに連絡も無く来ては話に付き合わされ、どこぞの貴族は治癒の時間外に来て、擦り傷を治せと喚いたり。
まぁこれからは、そういう対応はシャルロットが行ってくれるから、私にはもう関係ないけどね。
「ソフィア。知ってた? 俺も貴族なんだぜ?」
「ふーん。で?」
「おいおい、その格好……ソフィアは平民だろ? 貴族の俺様に平伏しろよ。まぁ見た目は悪くないし、(仮)だが平民でSクラスに入るくらいなんだし、俺のメイドにしてやっても良いんだぜ?」
こ、こいつ。でも、我慢。我慢よ……いや、無理っ!
「……ゲート」
「えっ!? そ、ソフィア!? アルフレッドが突然消えたけど、何かしたのかい!?」
「いえ、知りませんよ? とりあえず、暫くしたら帰ってくるんじゃないんですか?」
ちょっとばかしイラっとしたので、転送魔法を使ってこの街と教会の真ん中辺り……周囲に何もない街道の途中へアルフレッドを送っておいた。
貴族だし、きっと何とかするでしょ。
「そうだよ。えっと、君は……」
「俺か? 俺はアルフレッドだ。アンタが先生で、そっちは……あ! もしかして、(仮)の女か。ぷっ……何だよ、(仮)って」
新たに教室へ誰かが入って来たと思ったら……何なの!? この失礼な男は!
短い赤髪を立たせた長身の男で、見た目は悪くない……どころか、きっと美形に分類されるのだろう。
だけど、私を見てニヤニヤするのは、何か腹が立つ。
大体、(仮)っていうのは何かの間違いなのに。
私は、筆記も実技もちゃんと出来たんだからっ!
「えっと、貼ってあった名前……確か、ソフィア(仮)だっけ?」
「私の名前は(仮)じゃないわよっ!」
「はっはっは。そう、怒るなって。将来、シワが増えるぞ?」
「なっ……」
本当に、何なの!?
この男は、相手を不快にさせる事しか出来ないの!?
というか、こんな奴が同じクラスなの!?
神聖魔法で喋れなくしてやろうかとも思ったけど、クラスメイトだし、まだ入学初日なのでグッと我慢。私、偉い!
「……ところで、どうして私の名前が分かったのよ」
「ソフィア(仮)の事か?」
「(仮)は余計だけど、そうよ」
「そんなの簡単だろ。だって、Sクラスに女の名前が一つしかなかったからな」
「え!? クラスに女の子が私一人だけ!?」
いや、確かに恋愛したいとは言ったけど、担任を含め、周囲に異性しか居ないっていう環境はどうなの!?
教会は女性の方が多かったから、ギャップが凄いんだけど。
とはいえ、このアルフレッドは完全に恋愛対象外だけどねっ!
そんな事を考えていると、
「……ここ、Sクラス?」
アルフレッドの言葉を肯定するかのように、教室へまた男性が入って来た。
「あぁ、そうだよ。君は……」
「……リュカ」
「あぁ。リュカ=ロペス君だね。じゃあ、残るは後一人か。とりあえず五人しか居ないし、席なんてどこでも良いだろうから、好きな所へ座っていいよ」
リュカと名乗った男性は、いち早く窓際に座り、長い金髪をかき上げて窓の外に目を向けている。
随分と無口な人だけど、バティスト王子――いえ、もうバカ王子で十分ね――みたいに無駄口を叩きまくるよりかは良いかもしれない。
あと、口を開けば私の事をからかう、こっちのアルフレッドよりもね。
「あれ? ヴィクトール先生。Sクラスって五人ですよね? それなのに、どうして後一人なんですか?」
「あぁ、一人は既に連絡があってね。どうしても外せない用事があるそうだよ」
「今日は入学式なのに……ですか?」
「まぁ貴族だしね。仕方ないんじゃないかな」
「あー、そういう事。これだから貴族は……」
バカ王子もそうだけど、入学式の初日から欠席する貴族といい、スケジュールを調整したり出来ないものなのだろうか。
バカ王子は、私の都合なんて関係無しに連絡も無く来ては話に付き合わされ、どこぞの貴族は治癒の時間外に来て、擦り傷を治せと喚いたり。
まぁこれからは、そういう対応はシャルロットが行ってくれるから、私にはもう関係ないけどね。
「ソフィア。知ってた? 俺も貴族なんだぜ?」
「ふーん。で?」
「おいおい、その格好……ソフィアは平民だろ? 貴族の俺様に平伏しろよ。まぁ見た目は悪くないし、(仮)だが平民でSクラスに入るくらいなんだし、俺のメイドにしてやっても良いんだぜ?」
こ、こいつ。でも、我慢。我慢よ……いや、無理っ!
「……ゲート」
「えっ!? そ、ソフィア!? アルフレッドが突然消えたけど、何かしたのかい!?」
「いえ、知りませんよ? とりあえず、暫くしたら帰ってくるんじゃないんですか?」
ちょっとばかしイラっとしたので、転送魔法を使ってこの街と教会の真ん中辺り……周囲に何もない街道の途中へアルフレッドを送っておいた。
貴族だし、きっと何とかするでしょ。
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