めでたく婚約破棄で教会を追放されたので、神聖魔法に続いて魔法学校で錬金魔法も極めます。……やっぱりバカ王子は要らない? 返品はお断りします!

向原 行人

文字の大きさ
6 / 58
第1章 神聖魔法を極めた聖女。魔法学校へ入学する

第5話 Sクラス(仮)

しおりを挟む
「諸君、入学おめでとう。我がアストリア魔法学校は……」

 数日前の入学試験で当日に合格を言い渡され、今日の入学式を迎えたのだけれど、この学長といい、教会にいた司祭といい、どうして年配の男性は話が長いのだろうか。

「では、以上で入学の式典を終わります。このホールを出て真っ直ぐ進んだ所に、新入生のクラス分けを貼り出していますので、各自の教室へ移動してください」

 やっと終わった。
 人の波に乗りながらホールを出ると、そのままクラス分けが張り出されている場所へ。
 私の名前は……あった。
 当然のSクラス。
 一夜漬けとはいえ、筆記試験は完璧だったし、魔法も使えるしね。
 だけど、「ソフィア=ロートレック(仮)」というのは、どういう事かしら。
 私以外にSクラスとなった人が四人いるけど、その人たちには(仮)なんて、付いていないのだけど。
 とりあえず教室へ移動してみると、

「お、来たね。ソフィア、僕の事を覚えているかな?」
「えぇ、もちろん。錬金魔法の先生ですね?」

 生徒は未だ誰も来ておらず、入試の時に会った若い試験監督の人が居た。

「はっはっは。その通りだよ。皆が揃ったら改めて自己紹介するけど、僕はヴィクトール=ジェラン。このSクラスの担任だ」
「担任の先生……では、クラス分けに記載されていた、(仮)の意味を教えて欲しいんですけど」
「あー、あれね。いやー、正直に言うと、かなり驚かされたんだよ。ソフィアはテレポートだなんて物凄い魔法を使えるだろ? だから僕は迷わずSクラスに推したんだけど……その、筆記試験の点数がね……」
「え!? もしかして私、筆記試験でどこかミスがありました? 満点……とまではいかないにせよ、九割以上は取れている自信があったんですけど」
「うん。魔法理論は完璧だった。これまで前例の無い、満点の回答だったよ。……魔法理論は」

 やった。思っていた通り、完璧っ!
 ……って、ヴィクトール先生の言い方だと、まさか一般知識がダメだったって事なの?
 あれこそ、完璧に解答出来たのに。

「あー……察したみたいだね。その通りで、ソフィアは一般知識の点数がかなり低くてね」
「何故ですか!? 完璧な解答だと思うのですが」
「納得いかないって顔だね。じゃあ、試験に出て来た問題を、かなり簡単にした問題をいくつか出題しよう。……お使いで、一つ銀貨三枚の食料を五個買いに行くと、銀貨何枚支払う?」

 え? こんなの一般知識どころか、就学前の幼児でも分かる問題じゃない。

「馬鹿にしないで下さい! こんなの答えはゼロに決まっています!」
「……計算式は?」
「街の皆さんが教会へ寄付してくださるので、ゼロ枚の物を何個買おうとゼロ枚です」
「…………分かった。幾つか確認しようと思ったけど、今ので十分だ」
「何がですか?」
「ソフィアが、魔法理論も魔法実技も満点なのに、一般知識が一番下のFクラス並の点数だった理由だよ」

 え? 一番下のクラスの点数? 私が? 何故!?

「どうしてですかっ!?」
「おそらく、ソフィアは幼い頃から教会に居たんだろうね。なんて言うか、ちょっと普通の生徒とは考え方にズレがあるかもしれないね。だけど魔法に関しては、このSクラスの中……いや、魔法学校の教師を含めてトップクラスだ。ソフィアの考え方が、教会の常識から脱したら、(仮)が外れるよ」
「ど、どういう意味か分からないのですが」
「大丈夫。僕がついているからね。素晴らしい魔法の才能を持つソフィアを、僕が脱教会へ導く。それが担任である僕の役目だ」

 ヴィクトール先生が熱く語っているけど、私は別にズレてなんていないんだからっ!
 余計なお世話よっ!
しおりを挟む
感想 166

あなたにおすすめの小説

妹が真の聖女だったので、偽りの聖女である私は追放されました。でも、聖女の役目はものすごく退屈だったので、最高に嬉しいです【完結】

小平ニコ
ファンタジー
「お姉様、よくも私から夢を奪ってくれたわね。絶対に許さない」  私の妹――シャノーラはそう言うと、計略を巡らし、私から聖女の座を奪った。……でも、私は最高に良い気分だった。だって私、もともと聖女なんかになりたくなかったから。  退職金を貰い、大喜びで国を出た私は、『真の聖女』として国を守る立場になったシャノーラのことを思った。……あの子、聖女になって、一日の休みもなく国を守るのがどれだけ大変なことか、ちゃんと分かってるのかしら?  案の定、シャノーラはよく理解していなかった。  聖女として役目を果たしていくのが、とてつもなく困難な道であることを……

聖女らしくないと言われ続けたので、国を出ようと思います

菜花
ファンタジー
 ある日、スラムに近い孤児院で育ったメリッサは自分が聖女だと知らされる。喜んで王宮に行ったものの、平民出身の聖女は珍しく、また聖女の力が顕現するのも異常に遅れ、メリッサは偽者だという疑惑が蔓延する。しばらくして聖女の力が顕現して周囲も認めてくれたが……。メリッサの心にはわだかまりが残ることになった。カクヨムにも投稿中。

お飾りの聖女は王太子に婚約破棄されて都を出ることにしました。

高山奥地
ファンタジー
大聖女の子孫、カミリヤは神聖力のないお飾りの聖女と呼ばれていた。ある日婚約者の王太子に婚約破棄を告げられて……。

召喚失敗!?いや、私聖女みたいなんですけど・・・まぁいっか。

SaToo
ファンタジー
聖女を召喚しておいてお前は聖女じゃないって、それはなくない? その魔道具、私の力量りきれてないよ?まぁ聖女じゃないっていうならそれでもいいけど。 ってなんで地下牢に閉じ込められてるんだろ…。 せっかく異世界に来たんだから、世界中を旅したいよ。 こんなところさっさと抜け出して、旅に出ますか。

聖女の力を隠して塩対応していたら追放されたので冒険者になろうと思います

登龍乃月
ファンタジー
「フィリア! お前のような卑怯な女はいらん! 即刻国から出てゆくがいい!」 「え? いいんですか?」  聖女候補の一人である私、フィリアは王国の皇太子の嫁候補の一人でもあった。  聖女となった者が皇太子の妻となる。  そんな話が持ち上がり、私が嫁兼聖女候補に入ったと知らされた時は絶望だった。  皇太子はデブだし臭いし歯磨きもしない見てくれ最悪のニキビ顔、性格は傲慢でわがまま厚顔無恥の最悪を極める、そのくせプライド高いナルシスト。  私の一番嫌いなタイプだった。  ある日聖女の力に目覚めてしまった私、しかし皇太子の嫁になるなんて死んでも嫌だったので一生懸命その力を隠し、皇太子から嫌われるよう塩対応を続けていた。  そんなある日、冤罪をかけられた私はなんと国外追放。  やった!   これで最悪な責務から解放された!  隣の国に流れ着いた私はたまたま出会った冒険者バルトにスカウトされ、冒険者として新たな人生のスタートを切る事になった。  そして真の聖女たるフィリアが消えたことにより、彼女が無自覚に張っていた退魔の結界が消え、皇太子や城に様々な災厄が降りかかっていくのであった。 2025/9/29 追記開始しました。毎日更新は難しいですが気長にお待ちください。

宮廷から追放された聖女の回復魔法は最強でした。後から戻って来いと言われても今更遅いです

ダイナイ
ファンタジー
「お前が聖女だな、お前はいらないからクビだ」 宮廷に派遣されていた聖女メアリーは、お金の無駄だお前の代わりはいくらでもいるから、と宮廷を追放されてしまった。 聖国から王国に派遣されていた聖女は、この先どうしようか迷ってしまう。とりあえず、冒険者が集まる都市に行って仕事をしようと考えた。 しかし聖女は自分の回復魔法が異常であることを知らなかった。 冒険者都市に行った聖女は、自分の回復魔法が周囲に知られて大変なことになってしまう。

【完結】人々に魔女と呼ばれていた私が実は聖女でした。聖女様治療して下さい?誰がんな事すっかバーカ!

隣のカキ
ファンタジー
私は魔法が使える。そのせいで故郷の村では魔女と迫害され、悲しい思いをたくさんした。でも、村を出てからは聖女となり活躍しています。私の唯一の味方であったお母さん。またすぐに会いに行きますからね。あと村人、テメぇらはブッ叩く。 ※三章からバトル多めです。

地味令嬢を見下した元婚約者へ──あなたの国、今日滅びますわよ

タマ マコト
ファンタジー
王都の片隅にある古びた礼拝堂で、静かに祈りと針仕事を続ける地味な令嬢イザベラ・レーン。 灰色の瞳、色褪せたドレス、目立たない声――誰もが彼女を“無害な聖女気取り”と笑った。 だが彼女の指先は、ただ布を縫っていたのではない。祈りの糸に、前世の記憶と古代詠唱を縫い込んでいた。 ある夜、王都の大広間で開かれた舞踏会。 婚約者アルトゥールは、人々の前で冷たく告げる――「君には何の価値もない」。 嘲笑の中で、イザベラはただ微笑んでいた。 その瞳の奥で、何かが静かに目覚めたことを、誰も気づかないまま。 翌朝、追放の命が下る。 砂埃舞う道を進みながら、彼女は古びた巻物の一節を指でなぞる。 ――“真実を映す者、偽りを滅ぼす” 彼女は祈る。けれど、その祈りはもう神へのものではなかった。 地味令嬢と呼ばれた女が、国そのものに裁きを下す最初の一歩を踏み出す。

処理中です...