めでたく婚約破棄で教会を追放されたので、神聖魔法に続いて魔法学校で錬金魔法も極めます。……やっぱりバカ王子は要らない? 返品はお断りします!

向原 行人

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第1章 神聖魔法を極めた聖女。魔法学校へ入学する

第24話 契約魔法

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「ふはははっ! ようやく俺様の真の実力を見せる時が来たな」

 ダンジョンの中へ入った途端、マルクが先生を追い抜いて、ドンドン先に進んで行く。

「繰り返しになりますが、決して三層目以降には行かないようにしてください」

 先生の話をちゃんと聞いていたのか定かでは無いが、あっという間にマルクの姿が見えなくなった。

「皆さんも先に進んで構いませんよ。もちろん私と一緒でも構いませんが」
「じゃあ、俺も行ってこよう」

 そう言って、アルフレッドも先へ行ってしまった。

「リュカはいいの?」
「……僕は既にドラゴが居るから」

 私と一緒に残ったリュカは、この授業に乗り気ではないらしい。
 そんな事を思っていると、

「ではSクラスですし、いきなり第二層へ向かいましょうか。他のクラスでは、先ずダンジョンの雰囲気を知ってもらう為に、第一層を暫く歩くんですけどね」
「それは弱い魔物で、戦闘を経験する為ですか?」
「いえ、言葉通りダンジョンの雰囲気を知ってもらう為です。実は第一層には魔物が出ないんですよ」

 そんな事を言いながら、先生が通路を右へ左へと曲がって行く。
 ちなみに、ダンジョンの壁が僅かに魔力を発しているそうで、その魔力から魔物が生まれると考えられているんだけど、詳しい事は分からないのだとか。
 ただ、各層によって発せられる魔力に違いがあり、出現する魔物が層毎に異なり、また他の層へ魔物が移動する事もないらしい。
 うーん、ダンジョンって何なのかしら?
 ……魔物を発生させるなら、丸ごと壊してしまった方が良いんじゃない?
 そんな疑問を口にすると、

「ダンジョン深層の魔物は、貴重な素材となりますからね。第一層を越えて魔物が出て来る事も無いですし、ダンジョンは有益とされる事の方が多いですね」

 意外な答えが返ってきた。
 なるほど、そういうものなのね。

「さて。では、この先からは魔物が現れます。Sクラスなので大丈夫とは思いますが、使い魔にする方法のおさらいです。ではソフィアさん、魔物を使い魔にする方法は?」
「えっと、リュカみたいに卵から育てるか、魔物を弱らせて、契約の魔法陣に入れる……です」
「その通りです。リュカ君のはレアケースですが、普通は魔物を使い魔となるように契約させないといけないですからね」

 この前の召喚魔法の授業で教えてもらった、契約の魔法陣を思い出しながら問いに答え、ふと思う。

「けど、どうして弱らせる必要があるんですか?」
「魔物を使役する訳ですから、術者の方が力が上である事を示す必要があるからです。逆に言うと、実力差があれば――とても強い魔力を持つか、相手が凄く弱い魔物であれば、弱らせる事なく使い魔に出来ますよ」

 なるほど。あんまり戦いたくないし、私の魔法は悪魔や不死特化だから、一度戦わずに契約を試してみようかな。
 ちょうど、近くに邪悪な気配を感じるし。
 きっと、これって魔物だよね。

「とはいえ、いくらSクラスの生徒で、第二層の魔物相手とは言っても、一年生では……って、ソフィアさん!?」

 後ろから聞こえる先生の声を一旦無視して、目の前の階段を降りる。
 階段のすぐ側には、何らかの力で身を隠しているらしく、姿の見えない何かがいるけれど、邪悪な気配が漏れていて、丸わかりだ。
 気配を隠す事も出来ないみたいだし、きっと大した魔物ではないよね。

「コントラクト」

 魔物の近くに契約の魔法陣を描いて発動させると、

「え? ひ、引っ張られる!? 何だっ!? この強大な魔力はっ!?」

 その上に黒い翼が生えた若い男性の姿の魔物? が現れた。
 とりあえず使い魔の契約が出来たらしく、目の前の男性の情報が頭の中へ勝手に入ってくる。

「えーっと、貴方はシェムハザっていうのね? 私はソフィア。宜しくね」
「何を言って……ぐっ!? この強制力はキツい! だが、俺は屈する訳には……世界の可愛い女の子が俺を待っているんだっ! ……あ、でも、この娘も可愛いから、いいか。俺は愛の使者シェムハザ! 宜しくっ!」

 …………使い魔の契約には成功したけど、変な魔物を使い魔にしてしまった。
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