31 / 58
第1章 神聖魔法を極めた聖女。魔法学校へ入学する
第24話 契約魔法
しおりを挟む
「ふはははっ! ようやく俺様の真の実力を見せる時が来たな」
ダンジョンの中へ入った途端、マルクが先生を追い抜いて、ドンドン先に進んで行く。
「繰り返しになりますが、決して三層目以降には行かないようにしてください」
先生の話をちゃんと聞いていたのか定かでは無いが、あっという間にマルクの姿が見えなくなった。
「皆さんも先に進んで構いませんよ。もちろん私と一緒でも構いませんが」
「じゃあ、俺も行ってこよう」
そう言って、アルフレッドも先へ行ってしまった。
「リュカはいいの?」
「……僕は既にドラゴが居るから」
私と一緒に残ったリュカは、この授業に乗り気ではないらしい。
そんな事を思っていると、
「ではSクラスですし、いきなり第二層へ向かいましょうか。他のクラスでは、先ずダンジョンの雰囲気を知ってもらう為に、第一層を暫く歩くんですけどね」
「それは弱い魔物で、戦闘を経験する為ですか?」
「いえ、言葉通りダンジョンの雰囲気を知ってもらう為です。実は第一層には魔物が出ないんですよ」
そんな事を言いながら、先生が通路を右へ左へと曲がって行く。
ちなみに、ダンジョンの壁が僅かに魔力を発しているそうで、その魔力から魔物が生まれると考えられているんだけど、詳しい事は分からないのだとか。
ただ、各層によって発せられる魔力に違いがあり、出現する魔物が層毎に異なり、また他の層へ魔物が移動する事もないらしい。
うーん、ダンジョンって何なのかしら?
……魔物を発生させるなら、丸ごと壊してしまった方が良いんじゃない?
そんな疑問を口にすると、
「ダンジョン深層の魔物は、貴重な素材となりますからね。第一層を越えて魔物が出て来る事も無いですし、ダンジョンは有益とされる事の方が多いですね」
意外な答えが返ってきた。
なるほど、そういうものなのね。
「さて。では、この先からは魔物が現れます。Sクラスなので大丈夫とは思いますが、使い魔にする方法のおさらいです。ではソフィアさん、魔物を使い魔にする方法は?」
「えっと、リュカみたいに卵から育てるか、魔物を弱らせて、契約の魔法陣に入れる……です」
「その通りです。リュカ君のはレアケースですが、普通は魔物を使い魔となるように契約させないといけないですからね」
この前の召喚魔法の授業で教えてもらった、契約の魔法陣を思い出しながら問いに答え、ふと思う。
「けど、どうして弱らせる必要があるんですか?」
「魔物を使役する訳ですから、術者の方が力が上である事を示す必要があるからです。逆に言うと、実力差があれば――とても強い魔力を持つか、相手が凄く弱い魔物であれば、弱らせる事なく使い魔に出来ますよ」
なるほど。あんまり戦いたくないし、私の魔法は悪魔や不死特化だから、一度戦わずに契約を試してみようかな。
ちょうど、近くに邪悪な気配を感じるし。
きっと、これって魔物だよね。
「とはいえ、いくらSクラスの生徒で、第二層の魔物相手とは言っても、一年生では……って、ソフィアさん!?」
後ろから聞こえる先生の声を一旦無視して、目の前の階段を降りる。
階段のすぐ側には、何らかの力で身を隠しているらしく、姿の見えない何かがいるけれど、邪悪な気配が漏れていて、丸わかりだ。
気配を隠す事も出来ないみたいだし、きっと大した魔物ではないよね。
「コントラクト」
魔物の近くに契約の魔法陣を描いて発動させると、
「え? ひ、引っ張られる!? 何だっ!? この強大な魔力はっ!?」
その上に黒い翼が生えた若い男性の姿の魔物? が現れた。
とりあえず使い魔の契約が出来たらしく、目の前の男性の情報が頭の中へ勝手に入ってくる。
「えーっと、貴方はシェムハザっていうのね? 私はソフィア。宜しくね」
「何を言って……ぐっ!? この強制力はキツい! だが、俺は屈する訳には……世界の可愛い女の子が俺を待っているんだっ! ……あ、でも、この娘も可愛いから、いいか。俺は愛の使者シェムハザ! 宜しくっ!」
…………使い魔の契約には成功したけど、変な魔物を使い魔にしてしまった。
ダンジョンの中へ入った途端、マルクが先生を追い抜いて、ドンドン先に進んで行く。
「繰り返しになりますが、決して三層目以降には行かないようにしてください」
先生の話をちゃんと聞いていたのか定かでは無いが、あっという間にマルクの姿が見えなくなった。
「皆さんも先に進んで構いませんよ。もちろん私と一緒でも構いませんが」
「じゃあ、俺も行ってこよう」
そう言って、アルフレッドも先へ行ってしまった。
「リュカはいいの?」
「……僕は既にドラゴが居るから」
私と一緒に残ったリュカは、この授業に乗り気ではないらしい。
そんな事を思っていると、
「ではSクラスですし、いきなり第二層へ向かいましょうか。他のクラスでは、先ずダンジョンの雰囲気を知ってもらう為に、第一層を暫く歩くんですけどね」
「それは弱い魔物で、戦闘を経験する為ですか?」
「いえ、言葉通りダンジョンの雰囲気を知ってもらう為です。実は第一層には魔物が出ないんですよ」
そんな事を言いながら、先生が通路を右へ左へと曲がって行く。
ちなみに、ダンジョンの壁が僅かに魔力を発しているそうで、その魔力から魔物が生まれると考えられているんだけど、詳しい事は分からないのだとか。
ただ、各層によって発せられる魔力に違いがあり、出現する魔物が層毎に異なり、また他の層へ魔物が移動する事もないらしい。
うーん、ダンジョンって何なのかしら?
……魔物を発生させるなら、丸ごと壊してしまった方が良いんじゃない?
そんな疑問を口にすると、
「ダンジョン深層の魔物は、貴重な素材となりますからね。第一層を越えて魔物が出て来る事も無いですし、ダンジョンは有益とされる事の方が多いですね」
意外な答えが返ってきた。
なるほど、そういうものなのね。
「さて。では、この先からは魔物が現れます。Sクラスなので大丈夫とは思いますが、使い魔にする方法のおさらいです。ではソフィアさん、魔物を使い魔にする方法は?」
「えっと、リュカみたいに卵から育てるか、魔物を弱らせて、契約の魔法陣に入れる……です」
「その通りです。リュカ君のはレアケースですが、普通は魔物を使い魔となるように契約させないといけないですからね」
この前の召喚魔法の授業で教えてもらった、契約の魔法陣を思い出しながら問いに答え、ふと思う。
「けど、どうして弱らせる必要があるんですか?」
「魔物を使役する訳ですから、術者の方が力が上である事を示す必要があるからです。逆に言うと、実力差があれば――とても強い魔力を持つか、相手が凄く弱い魔物であれば、弱らせる事なく使い魔に出来ますよ」
なるほど。あんまり戦いたくないし、私の魔法は悪魔や不死特化だから、一度戦わずに契約を試してみようかな。
ちょうど、近くに邪悪な気配を感じるし。
きっと、これって魔物だよね。
「とはいえ、いくらSクラスの生徒で、第二層の魔物相手とは言っても、一年生では……って、ソフィアさん!?」
後ろから聞こえる先生の声を一旦無視して、目の前の階段を降りる。
階段のすぐ側には、何らかの力で身を隠しているらしく、姿の見えない何かがいるけれど、邪悪な気配が漏れていて、丸わかりだ。
気配を隠す事も出来ないみたいだし、きっと大した魔物ではないよね。
「コントラクト」
魔物の近くに契約の魔法陣を描いて発動させると、
「え? ひ、引っ張られる!? 何だっ!? この強大な魔力はっ!?」
その上に黒い翼が生えた若い男性の姿の魔物? が現れた。
とりあえず使い魔の契約が出来たらしく、目の前の男性の情報が頭の中へ勝手に入ってくる。
「えーっと、貴方はシェムハザっていうのね? 私はソフィア。宜しくね」
「何を言って……ぐっ!? この強制力はキツい! だが、俺は屈する訳には……世界の可愛い女の子が俺を待っているんだっ! ……あ、でも、この娘も可愛いから、いいか。俺は愛の使者シェムハザ! 宜しくっ!」
…………使い魔の契約には成功したけど、変な魔物を使い魔にしてしまった。
30
あなたにおすすめの小説
妹が真の聖女だったので、偽りの聖女である私は追放されました。でも、聖女の役目はものすごく退屈だったので、最高に嬉しいです【完結】
小平ニコ
ファンタジー
「お姉様、よくも私から夢を奪ってくれたわね。絶対に許さない」
私の妹――シャノーラはそう言うと、計略を巡らし、私から聖女の座を奪った。……でも、私は最高に良い気分だった。だって私、もともと聖女なんかになりたくなかったから。
退職金を貰い、大喜びで国を出た私は、『真の聖女』として国を守る立場になったシャノーラのことを思った。……あの子、聖女になって、一日の休みもなく国を守るのがどれだけ大変なことか、ちゃんと分かってるのかしら?
案の定、シャノーラはよく理解していなかった。
聖女として役目を果たしていくのが、とてつもなく困難な道であることを……
聖女の力を隠して塩対応していたら追放されたので冒険者になろうと思います
登龍乃月
ファンタジー
「フィリア! お前のような卑怯な女はいらん! 即刻国から出てゆくがいい!」
「え? いいんですか?」
聖女候補の一人である私、フィリアは王国の皇太子の嫁候補の一人でもあった。
聖女となった者が皇太子の妻となる。
そんな話が持ち上がり、私が嫁兼聖女候補に入ったと知らされた時は絶望だった。
皇太子はデブだし臭いし歯磨きもしない見てくれ最悪のニキビ顔、性格は傲慢でわがまま厚顔無恥の最悪を極める、そのくせプライド高いナルシスト。
私の一番嫌いなタイプだった。
ある日聖女の力に目覚めてしまった私、しかし皇太子の嫁になるなんて死んでも嫌だったので一生懸命その力を隠し、皇太子から嫌われるよう塩対応を続けていた。
そんなある日、冤罪をかけられた私はなんと国外追放。
やった!
これで最悪な責務から解放された!
隣の国に流れ着いた私はたまたま出会った冒険者バルトにスカウトされ、冒険者として新たな人生のスタートを切る事になった。
そして真の聖女たるフィリアが消えたことにより、彼女が無自覚に張っていた退魔の結界が消え、皇太子や城に様々な災厄が降りかかっていくのであった。
2025/9/29
追記開始しました。毎日更新は難しいですが気長にお待ちください。
召喚失敗!?いや、私聖女みたいなんですけど・・・まぁいっか。
SaToo
ファンタジー
聖女を召喚しておいてお前は聖女じゃないって、それはなくない?
その魔道具、私の力量りきれてないよ?まぁ聖女じゃないっていうならそれでもいいけど。
ってなんで地下牢に閉じ込められてるんだろ…。
せっかく異世界に来たんだから、世界中を旅したいよ。
こんなところさっさと抜け出して、旅に出ますか。
宮廷から追放された聖女の回復魔法は最強でした。後から戻って来いと言われても今更遅いです
ダイナイ
ファンタジー
「お前が聖女だな、お前はいらないからクビだ」
宮廷に派遣されていた聖女メアリーは、お金の無駄だお前の代わりはいくらでもいるから、と宮廷を追放されてしまった。
聖国から王国に派遣されていた聖女は、この先どうしようか迷ってしまう。とりあえず、冒険者が集まる都市に行って仕事をしようと考えた。
しかし聖女は自分の回復魔法が異常であることを知らなかった。
冒険者都市に行った聖女は、自分の回復魔法が周囲に知られて大変なことになってしまう。
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
必要なくなったと婚約破棄された聖女は、召喚されて元婚約者たちに仕返ししました
珠宮さくら
ファンタジー
派遣聖女として、ぞんざいに扱われてきたネリネだが、新しい聖女が見つかったとして、婚約者だったスカリ王子から必要ないと追い出されて喜んで帰国しようとした。
だが、ネリネは別の世界に聖女として召喚されてしまう。そこでは今までのぞんざいさの真逆な対応をされて、心が荒んでいた彼女は感激して滅びさせまいと奮闘する。
亀裂の先が、あの国と繋がっていることがわかり、元婚約者たちとぞんざいに扱ってきた国に仕返しをしつつ、ネリネは聖女として力を振るって世界を救うことになる。
※全5話。予約投稿済。
失われた力を身に宿す元聖女は、それでも気楽に過ごしたい~いえ、Sランク冒険者とかは結構です!~
紅月シン
ファンタジー
聖女として異世界に召喚された狭霧聖菜は、聖女としての勤めを果たし終え、満ち足りた中でその生涯を終えようとしていた。
いや嘘だ。
本当は不満でいっぱいだった。
食事と入浴と睡眠を除いた全ての時間で人を癒し続けなくちゃならないとかどんなブラックだと思っていた。
だがそんな不満を漏らすことなく死に至り、そのことを神が不憫にでも思ったのか、聖菜は辺境伯家の末娘セーナとして二度目の人生を送ることになった。
しかし次こそは気楽に生きたいと願ったはずなのに、ある日セーナは前世の記憶と共にその身には聖女としての癒しの力が流れていることを知ってしまう。
そしてその時点で、セーナの人生は決定付けられた。
二度とあんな目はご免だと、気楽に生きるため、家を出て冒険者になることを決意したのだ。
だが彼女は知らなかった。
三百年の時が過ぎた現代では、既に癒しの力というものは失われてしまっていたということを。
知らぬままに力をばら撒く少女は、その願いとは裏腹に、様々な騒動を引き起こし、解決していくことになるのであった。
※完結しました。
※小説家になろう様にも投稿しています
聖女が降臨した日が、運命の分かれ目でした
猫乃真鶴
ファンタジー
女神に供物と祈りを捧げ、豊穣を願う祭事の最中、聖女が降臨した。
聖女とは女神の力が顕現した存在。居るだけで豊穣が約束されるのだとそう言われている。
思ってもみない奇跡に一同が驚愕する中、第一王子のロイドだけはただ一人、皆とは違った視線を聖女に向けていた。
彼の婚約者であるレイアだけがそれに気付いた。
それが良いことなのかどうなのか、レイアには分からない。
けれども、なにかが胸の内に燻っている。
聖女が降臨したその日、それが大きくなったのだった。
※このお話は、小説家になろう様にも掲載しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる