めでたく婚約破棄で教会を追放されたので、神聖魔法に続いて魔法学校で錬金魔法も極めます。……やっぱりバカ王子は要らない? 返品はお断りします!

向原 行人

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第1章 神聖魔法を極めた聖女。魔法学校へ入学する

第35話 錬金魔法による節約生活?

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「ヴィクトール先生。少し教えて欲しい事があるのですが」
「どうしたんだい、ソフィア」
「はい。錬金魔法について、教わりたい事がありまして」
「よし。じゃあ、魔法訓練室へ行こう。僕が教えられる事は何でも教えようじゃないか」

 ホームルームが終わり、職員室へ向かう先生を呼び止めると、魔法訓練室へと移動する事になってしまった。
 別に危険な魔法について質問する訳ではないので、教室でも良いと思うんだけど、質問しているのはこちらなので、大人しくついて行く。

「さぁ、ソフィア。どんな質問だい? 言っておくけど、魔法大会予選の内容については答えられないからね?」
「いえ、そういうのではなくて、私が家で一緒に暮らして居る使い魔の事についてなんです」
「使い魔? それなら、質問相手は僕より召喚魔法の先生の方が適任だと思うけど? 何なら、誰か召喚魔法の先生を呼んでこようか?」
「待ってください。使い魔の話ではあるんですけど、召喚魔法ではなくて、使い魔の食事……エサの事なんです。今は、食堂で出た野菜の切れ端や、傷んで捨てるような野菜を貰っているんですけど、この辺りを錬金魔法で何とか出来ないかと思いまして」

 先日、授業で使い魔にしたホワイト・ラビットのシロの話と、お金が無いので出来るだけエサ代を安く抑えたい旨を伝え、錬金魔法で何とかならないか……という背景を伝えると、

「なるほど。食材の話か。先ずは結論から言うと、魔物のエサに限って言えば、出来るよ」
「そうなんですね! じゃあ、早速家に帰ったらやってみます」
「あぁ、それが良いんじゃないかな。……あ! 念の為の確認だけど、その錬金魔法で魔物のエサを作るのはソフィアで、その作ったエサを与えるのはソフィアのだよね? 他の人の使い魔とかには与えないよね?」
「はい、もちろんですけど……ちなみに、他の人の使い魔に与えると、何かマズい事でもあるんですか?」
「マズいって程でも無いんだけど、錬金魔法で何かを作ると、多少なりともその人の魔力が含まれるからね。使い魔って事は、契約者と魔力的に繋がっている訳だから、契約者以外の魔力を体内に取り込み過ぎない方が良いんだよ」

 ヴィクトール先生曰く、魔力の強さによっては、契約者以外の魔力を取り込み過ぎると、契約を上書き出来てしまう可能性があるとか。
 神聖魔法などの治癒魔法や、錬金魔法で作成したポーションなどは、その魔力が怪我の治療などに使われるけど、ただの食事だとその魔力が消費される事なく蓄積してしまうので、良くないらしい。

「とはいえ、さっきの結論に戻るけど、自分の使い魔であれば、元より魔力的に繋がっている訳だし、問題無いって事さ」
「わかりました。じゃあ、早速家に帰ったら錬金魔法でシロのエサを作ってみます」
「……作るっていうのは流石に難しいんじゃないかな? いや、出来ない訳ではないんだけど、先ずは質を高める……くらいが良いと思うけど。ちょっと待ってて」

 そう言って先生が訓練室を出ていくと、少し経ってから、小さな箱を持って帰って来た。
 中を見てみると、野菜の切れ端が沢山入っている。

「さっきソフィアが言ったように、食堂で野菜の切れ端を貰って来たんだけど……見ていて」
「ニンジンの切れ端が……四角いペレットになりました」
「おそらくソフィアがイメージしているのは、今みたいに野菜の切れ端を集めてエサを作る事なんだろうけど、これはかなり高度な錬金魔法を要するんだ」
「そうなんですか?」
「うん。今のはニンジンだけだったけど、いろんな種類の野菜を対象に、かつ痛んだ部分を除去して、栄養成分を抽出して合成して……って、一度にいろんな事をするからね。まぁ錬金魔法の練習にはピッタリだけど、それより前に、これを出来る様になってみよう」

 そう言うと、先生がポテトの切れ端を手にして……何も変わってない?

「今のは何をしたんですか?」
「見た目に変化は無いように見えるけど、食べない方が良い場所だけを除去したんだよ。具体的にはこの辺りかな。ポテトの芽は食べない方が良いからね」
「あー、僅かに小さくくり抜かれていますね」
「うん。先ずはこの除去をマスターしてから、複数の野菜を合成してみれば良いんじゃないかな」
「わかりました。とりあえず……こんな感じですか?」
「……えっと、ソフィアはこの除去の魔法を知っていたのか」
「いえ? 今、先生のを見て、魔力の制御を真似したんだけですけど……間違ってますか?」

 見せて貰った通りに魔力を扱ったつもりなんだけど、先生が沈黙し、

「……ソフィアは、もう授業とか要らないんじゃないかな」
「いや、要りますよっ! どうしたんですかっ!?」

 何故か項垂れてしまった。
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