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第1章 神聖魔法を極めた聖女。魔法学校へ入学する
第42話 魔法大会準決勝
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「それでは、第72回魔法大会選抜大会の準決勝を始めます!」
短い週末が終わり、学校が始まると、いきなりイベントホールへ移動させられた。
各クラス毎に観覧席に座り、中央にある特設ステージに目を向ける。
そこでは三年生の先生かな? 知らない先生が魔法で声を拡散させて説明を始めていた。
「では、これより恒例の魔法大会の準決勝が始まります。出場者は全力で相手と戦い、観戦者は自分の糧となるよう、その戦いをしっかりと見て勉強してください」
なるほど。確かに、人の魔法を見る事も勉強になるよね。
「ふはははっ! 腕が鳴るな」
「そうね、頑張りましょうね」
マルクがやる気を見せる一方、アルフレッドは体調でも悪いのか、とても静かだ。
「アルフレッド、どうしたの?」
「え? ……いや、何でもない」
「大丈夫? 治癒魔法を掛けようか?」
「いや、本当に大丈夫だから」
なんだろう。週末はあんなに元気だったのに。
……あれ? そういえば、シェムハザはどうしたんだろう。
「ねぇ、アルフレッド。シェムハザは……」
「ソフィア。頼むから、そいつの話はしないでくれ」
「あっ……そういう事なのね」
二人はとても仲が良さそうに見えたけど、きっと何か些細な事で行き違いになり、気まずくなってしまったんだ。
分かった……今は周囲に人が多過ぎるから無理だけど、私が後でシェムハザを召喚して、話す機会を設けるから!
出来ればアルフレッドの出番よりも前に何とかしてあげたいけど、どういう順番で大会が行われるのだろうか。
「では、早速参りましょう。先ずは、本学で一番エントリー数が多い、実践部門から。準決勝第一試合、選手の入場です」
えぇっ!? よりによって、アルフレッドが出場する部門からなのっ!?
「アルフレッド。君は準決勝第三試合だ。控え室に呼ばれているから行こう。案内するよ」
気付けば、いつの間にかヴィクトール先生が居て、アルフレッドに声を掛けていた。
流石にここでシェムハザを召喚なんて出来ないし、仕方がない!
「アルフレッド! 頑張ってねっ! すっごく応援してるからっ!」
「ソフィア……あぁ、任せろっ! 勝ってくる!」
契約者として、シェムハザの分まで気持ちを込めて声を掛けたのが、通じたのだろうか。
アルフレッドが元気になった気もする。
少しでもシェムハザの分まで応援しようと、通路に向かって行くアルフレッドを見つめ続けていると、一瞬こっちに目を向けたので、思いっきり笑顔で手を振ると、アルフレッドも手を振り、姿を消して行った。
きっと、大丈夫よね。
アルフレッドが勝ってくれれば、次の決勝戦では、直接シェムハザに応援してもらえるはず!
そう思いながらステージに目を向けると、いつの間にか第二試合が終わっており、アルフレッドがステージに向かって歩いていた。
「あ、実践部門って、六人同時に戦うのね」
「いや、第一試合からそうだっただろ。見てなかったのか?」
マルクに指摘され、愛想笑いで誤魔化しつつ、ついでにルールを教えて貰うと、六人中の二人に残れば決勝戦に進めるのだとか。
勝敗は、ステージから落ちるか、全員が身につけているマジックアイテムで生み出された、魔法壁が壊されると負けらしい。
「それでは、第三試合……始めっ!」
「アルフレッドー! 頑張ってーっ!」
シェムハザの代わりに一生懸命応援していると、五人に囲まれて居たアルフレッドが、凄い速さで一人を倒し、その包囲網から脱する。
やっぱり剣聖の息子だから、真っ先に狙われたんだろうけど、それをもろともせず、次々と他の選手を倒して行き、
「試合終了!」
ほぼ無傷でアルフレッドが決勝に進出した。
短い週末が終わり、学校が始まると、いきなりイベントホールへ移動させられた。
各クラス毎に観覧席に座り、中央にある特設ステージに目を向ける。
そこでは三年生の先生かな? 知らない先生が魔法で声を拡散させて説明を始めていた。
「では、これより恒例の魔法大会の準決勝が始まります。出場者は全力で相手と戦い、観戦者は自分の糧となるよう、その戦いをしっかりと見て勉強してください」
なるほど。確かに、人の魔法を見る事も勉強になるよね。
「ふはははっ! 腕が鳴るな」
「そうね、頑張りましょうね」
マルクがやる気を見せる一方、アルフレッドは体調でも悪いのか、とても静かだ。
「アルフレッド、どうしたの?」
「え? ……いや、何でもない」
「大丈夫? 治癒魔法を掛けようか?」
「いや、本当に大丈夫だから」
なんだろう。週末はあんなに元気だったのに。
……あれ? そういえば、シェムハザはどうしたんだろう。
「ねぇ、アルフレッド。シェムハザは……」
「ソフィア。頼むから、そいつの話はしないでくれ」
「あっ……そういう事なのね」
二人はとても仲が良さそうに見えたけど、きっと何か些細な事で行き違いになり、気まずくなってしまったんだ。
分かった……今は周囲に人が多過ぎるから無理だけど、私が後でシェムハザを召喚して、話す機会を設けるから!
出来ればアルフレッドの出番よりも前に何とかしてあげたいけど、どういう順番で大会が行われるのだろうか。
「では、早速参りましょう。先ずは、本学で一番エントリー数が多い、実践部門から。準決勝第一試合、選手の入場です」
えぇっ!? よりによって、アルフレッドが出場する部門からなのっ!?
「アルフレッド。君は準決勝第三試合だ。控え室に呼ばれているから行こう。案内するよ」
気付けば、いつの間にかヴィクトール先生が居て、アルフレッドに声を掛けていた。
流石にここでシェムハザを召喚なんて出来ないし、仕方がない!
「アルフレッド! 頑張ってねっ! すっごく応援してるからっ!」
「ソフィア……あぁ、任せろっ! 勝ってくる!」
契約者として、シェムハザの分まで気持ちを込めて声を掛けたのが、通じたのだろうか。
アルフレッドが元気になった気もする。
少しでもシェムハザの分まで応援しようと、通路に向かって行くアルフレッドを見つめ続けていると、一瞬こっちに目を向けたので、思いっきり笑顔で手を振ると、アルフレッドも手を振り、姿を消して行った。
きっと、大丈夫よね。
アルフレッドが勝ってくれれば、次の決勝戦では、直接シェムハザに応援してもらえるはず!
そう思いながらステージに目を向けると、いつの間にか第二試合が終わっており、アルフレッドがステージに向かって歩いていた。
「あ、実践部門って、六人同時に戦うのね」
「いや、第一試合からそうだっただろ。見てなかったのか?」
マルクに指摘され、愛想笑いで誤魔化しつつ、ついでにルールを教えて貰うと、六人中の二人に残れば決勝戦に進めるのだとか。
勝敗は、ステージから落ちるか、全員が身につけているマジックアイテムで生み出された、魔法壁が壊されると負けらしい。
「それでは、第三試合……始めっ!」
「アルフレッドー! 頑張ってーっ!」
シェムハザの代わりに一生懸命応援していると、五人に囲まれて居たアルフレッドが、凄い速さで一人を倒し、その包囲網から脱する。
やっぱり剣聖の息子だから、真っ先に狙われたんだろうけど、それをもろともせず、次々と他の選手を倒して行き、
「試合終了!」
ほぼ無傷でアルフレッドが決勝に進出した。
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