理不尽な異世界への最弱勇者のチートな抵抗

神尾優

文字の大きさ
13 / 172
第2章 最弱勇者卒業編

第11話 地図と時計……脳内アナウンスって誰?

しおりを挟む
   
   
   
   休憩を終え地下一層に戻り、スライムをファイアアロー三発で倒すと、再び脳内でアナウンスが聞こえた。

〔レベルが上がりました〕

   この声って何処から聞こえてくるんだろ?
   誰もいないと解ってはいるのに、つい辺りをキョロキョロと見回してしまうけど、まあ、それは置いといて。ダンジョンに戻って来てまだ一戦目ではあるが、レベルが上がったので更なる強化の為にログハウスへと戻ることにした。

   ⇒⇒⇒⇒⇒

   ログハウスに戻るとリビングで椅子に座りステータスを開く。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

   名前      桂木   博貴         Lv   2         
   人間種      人間
   状態   正常

   HP               55/55      
   MP               45/60

   体力               11(+5)   
   筋力               12(+6)
   知力               14(+7)  
   器用度            12(+6)
   敏捷度            11(+5)   
   精神力            14(+8)
   魔力               12(+6)

〈ノーマルスキル〉

   初級炎術Lv10(1)   
   初級光術Lv10(1)
   初級斧術Lv10(1)   
   料理Lv10(1)
   恐怖耐性Lv10(2)   
   鑑定Lv10(1)
   世界共通語Lv10(1)

〈オリジナルスキル〉
   
   スキルポイントアップLv10(30)

   SP   61

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

   おお!   能力値がやっとキャラクターメイキング時の健一達に追いついた。けど、俺は今ソロってやつなんだよな……
   あっちの世界にいた頃、健一が使ってたゲーム用語を思い出す。
   【スキルポイントアップ】はチートってやつだと思うけど、能力値は並だからやっぱり一人はキツい。いや、一人なのは初めから分かってたけど、やはり実戦を経験するとそれを痛感してしまう。
   ちょっとダンジョンに潜っただけなのに、MPの量の関係で二戦だけで戻る羽目になったからなあ……パーティを組んでいれば互いにカバー出来ることを、俺は一人でやらないといけないわけだよな。
   そのことを踏まえ今回のダンジョン探索を振り返り、どんなスキルが必要か考えてみる。
   まず、第一にマッピングスキル。
   薄暗いダンジョン内は、思いの外方向感覚を狂わせる。いちいち道順を確認しながら歩いていては魔物の発見も遅れてしまうし、道に迷ったら致命傷になり兼ねない。手書きでマッピングすれば良いんだけど、ダンジョン内で一人でチマチマ地図を描くのは危険だよな。
   次に索敵スキル。視界に入る前に敵を感知出来れば文句なしなんだが……
   後は攻撃力、防御力向上スキル。【初級炎術】や【初級斧術】の上位版があれば良いんだけど、これは今の所、所得可能スキル一覧には無い。なので、地道にレベルを上げていくしかないだろう。
   後は……時計が欲しいかな。この世界に時計があるか分からないけど、地下に居ると、どの位時間が経っているのか分からなくなるんだよな。
   以上を踏まえ、所得可能スキル一覧を確認していく……やっぱり今取得しているスキルの上位版は出て来てないな……じゃあ、他のやつを……あっ、これか?
   一覧の中に【地図作製】というスキルを見つけた。取得スキルポイントは5。
   5かぁ、思いの外多いな……でもマッピングスキルは早めに取っておきたい。仕方がない、取得するか。
   【地図作製】をLv10で取得する。残りのスキルポイントは11。
   後は……うっ、【気配察知】は取得スキルポイント2か、これは次回だな。後は……おっ【ワールドクロック】てのがある。取得スキルポイントは1か、よし、こいつにしよう。
   【ワールドクロック】をLv10で取得すると視界の右上、HPとMPの下にデジタル時計の様に数字で時間が現れた。
   現在の時刻は十一時二十八分。なんだ昼前だったのか……【地図作製】の性能を確認して昼にするか。
   【地図作製】を発動してみると、脳内に自分を中心とした地図が現れる。が、地図に表示されたのは自分の半径百メートル迄で、その外側は真っ黒になっていた。
   自分は赤い点だよな……外側が黒いって事は、自分で行って地図を埋めろという事か?   あっ、だから【地図作製】か!   でもこれ、ダンジョンのマッピングもしてくれるのかな?   半径百メートル位地図表示したら、一瞬で一層丸々マッピングするんじゃないか?
   ちなみに、【地図作製】にはマーキングという機能がある。人に触りマーキングすると地図に緑色の点で現れるというものだが、レベル9まででレベルに応じた距離、レベル10でも作製した地図からマーキングした相手が外れるとマーキングも外れてしまい、もう一度マーキングしない限り地図に表示されなくなるという欠点もあった。

   ⇒⇒⇒⇒⇒

   昼食を終え、武器庫で皮の胸当て(必要筋力4)と皮の籠手(必要筋力2)を装備し、【地図作製】が一瞬で地図を完成させるのではないかと期待しながらダンジョンに入ってみる。しかし、【地図作製】はダンジョン第一層全体を表示していたが、地図表示の有効範囲は自分を中心に半径五メートルに縮まっていた。
   まあ、取得スキルポイント5のスキルがそんな高性能な訳ないか。
   少し残念に思いつつ、スライムを倒しながら【地図作製】で地図を埋めていく。
   レベルを上げた効果は高く、ファイアアロー二発か斧での攻撃三回でスライムを倒せる様になっていた。まあ、能力値的には約二倍なってる訳だから当然か。
   地下一層のマッピングは順調に進み、下り階段を見つけた所で地図は全て埋まった。途中、出てきたスライムは五匹。全て倒したがレベルは上がらなかった。
   スライム相手では苦戦しなくなっていた為、地下二層に降りようかと思ったが、白い部屋でスライムでレベルを3まで上げることを推奨していたのを思い出し、思い留まった。
   レベルを3迄で上げろって事は、そうしないときつい魔物が地下二層では出るって事だよな……うーん、どうしよう。
   HP、MPを確認すると、まだ余裕はあった。
   ポーションもあるし、階段を降りた付近で少し様子を見てみるか。
   そう決断し、階段を慎重に降りる。
   地下二層は一層と同じ洞窟の様な作りの通路だった。
   辺りを慎重に見回してると、薄暗い通路の先で何かが動くのが見えた。
   なんだ?   スライムじゃ無さそうだが……
   俺が凝視してると、それはジリジリと近づいて来る。
   なんだあれ!
   それが六、七メートルあたりまで近づいて来てやっとその姿が視認出来た俺は、驚愕した。
   現れたのは身長百三十センチ程の人だったのだ。
   いや、正確には人では無いのだろう。その皮膚は緑色をしていて、毛の無い頭には小さな二本の角が生えている。目はランランと紅く輝き、半開きの口からは鋭い牙が見え、醜悪な顔をしていた。

「鑑定!」

   口に出す必要はなかったのだが、余りに異様な姿を見て思わず叫んでしまった。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

   名前   ゴブリンソルジャー   Lv5     
   魔物種      ゴブリン
   状態   正常

   HP                  65/65    
   MP                  15/15

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

   ゴブリン!   ゴブリンって西洋の小鬼だったか?   ていうかレベルとHPが俺より上じゃないか!   一階降りただけでこれか!   スライムとの差が酷すぎる!
   思わぬ強敵の出現にあたふたしてると、ゴブリンはその手に持った錆だらけのショートソードを掲げ、こっちに向かって突進して来た。
   

しおりを挟む
感想 165

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

異世界に召喚されたが勇者ではなかったために放り出された夫婦は拾った赤ちゃんを守り育てる。そして3人の孤児を弟子にする。

お小遣い月3万
ファンタジー
 異世界に召喚された夫婦。だけど2人は勇者の資質を持っていなかった。ステータス画面を出現させることはできなかったのだ。ステータス画面が出現できない2人はレベルが上がらなかった。  夫の淳は初級魔法は使えるけど、それ以上の魔法は使えなかった。  妻の美子は魔法すら使えなかった。だけど、のちにユニークスキルを持っていることがわかる。彼女が作った料理を食べるとHPが回復するというユニークスキルである。  勇者になれなかった夫婦は城から放り出され、見知らぬ土地である異世界で暮らし始めた。  ある日、妻は川に洗濯に、夫はゴブリンの討伐に森に出かけた。  夫は竹のような植物が光っているのを見つける。光の正体を確認するために植物を切ると、そこに現れたのは赤ちゃんだった。  夫婦は赤ちゃんを育てることになった。赤ちゃんは女の子だった。  その子を大切に育てる。  女の子が5歳の時に、彼女がステータス画面を発現させることができるのに気づいてしまう。  2人は王様に子どもが奪われないようにステータス画面が発現することを隠した。  だけど子どもはどんどんと強くなって行く。    大切な我が子が魔王討伐に向かうまでの物語。世界で一番大切なモノを守るために夫婦は奮闘する。世界で一番愛しているモノの幸せのために夫婦は奮闘する。

凡人がおまけ召喚されてしまった件

根鳥 泰造
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。  仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。  それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。  異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。  最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。  だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。  祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな

七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」 「そうそう」  茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。  無理だと思うけど。

【完結】おじいちゃんは元勇者

三園 七詩
ファンタジー
元勇者のおじいさんに拾われた子供の話… 親に捨てられ、周りからも見放され生きる事をあきらめた子供の前に国から追放された元勇者のおじいさんが現れる。 エイトを息子のように可愛がり…いつしか子供は強くなり過ぎてしまっていた…

最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~

ある中管理職
ファンタジー
 勤続10年目10度目のレベルアップ。  人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。  すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。  なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。  チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。  探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。  万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。

異世界に召喚されて2日目です。クズは要らないと追放され、激レアユニークスキルで危機回避したはずが、トラブル続きで泣きそうです。

もにゃむ
ファンタジー
父親に教師になる人生を強要され、父親が死ぬまで自分の望む人生を歩むことはできないと、人生を諦め淡々とした日々を送る清泉だったが、夏休みの補習中、突然4人の生徒と共に光に包まれ異世界に召喚されてしまう。 異世界召喚という非現実的な状況に、教師1年目の清泉が状況把握に努めていると、ステータスを確認したい召喚者と1人の生徒の間にトラブル発生。 ステータスではなく職業だけを鑑定することで落ち着くも、清泉と女子生徒の1人は職業がクズだから要らないと、王都追放を言い渡されてしまう。 残留組の2人の生徒にはクズな職業だと蔑みの目を向けられ、 同時に追放を言い渡された女子生徒は問題行動が多すぎて退学させるための監視対象で、 追加で追放を言い渡された男子生徒は言動に違和感ありまくりで、 清泉は1人で自由に生きるために、問題児たちからさっさと離れたいと思うのだが……

処理中です...