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イケメンを持つ男
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ぼくにできることなんてなかった。最初から、薄々勘付いてはいたのだ。でも、一人の人の命を助けることがここまで大変だったなんて、さっきまでは考えられなかった。やっぱり、ぼくなんかには無理なんだろうか。中途半端な覚悟で、軽々しく人を助けたいと言ったぼくなんか……。
足が重い。どこに行けばいいのかも分からないまま、ぼくはハタチくんと出会った時のことを思い出していた。
ハタチくんは、ほとんど餓死状態だったぼくを助けてくれた。あの時、どれだけ大変な思いをしたんだろう。見ず知らずのぼくのためにここまで優しくしてくれたんだ。きっと助ける、その言葉が頭をよぎった。
ぼくが気絶している間に何があったのか、ハタチくんは口にしなかった。ただ、無事で良かったと満面の笑みで撫でてくれた。
本当に優しかった。考えれば考えるほど、ハタチくんの笑顔が切ない。
もしかしたら、公園を通りかかった人がたまたまハタチくんに気付いたりしてるんじゃないか。そんな淡い期待と諦めを抱きながら、ぼくはカミナリ公園に引き返そうとした。
ふと右の通りを見ると、誰かがこちらに歩いてくるのが見えた。あの人、見たことがある。
一瞬、どきっとした。歩いてきたのはソウカくんだった。ぼくのことを嫌っている男。そしてぼくも、あの男が嫌いだ。きっと、鉢合わせたらまずいことになるだろう。重い身体をなんとか反転させて、来た道に向かって走りかける。
その時、ぼくはハタチくんの言葉を思い出した。
ーーー不器用だけど、本当は僕たちのことを一番に心配してくれるんだよ。
逃げようとしているはずの足が、今はうろたえていた。滅多に嘘をつかないはたちくんが、ソウカくんのことを信用しているようなことを言ったんだ。正直、今の今までそれだけは信じていなかった。
もし、ちょっとでも希望があるなら……いや、今こそあの言葉に掛けてみるべきなんじゃないのか?
ぼくは、恐る恐る横を見た。
「最悪だ。傘持ってくれば良かった」
ソウカくんは、どこかイラついたように独り言をつぶやいている。本当にあんなやつが優しい人なんだろうか。でもここで怯んだら最後だ。ソウカくんより、ハタチくんと話せなくなることの方が怖いんだ。ぼくは、覚悟を決めてそいつの前に出た。
「んだよ、こないだのねこかよ。なんでお前がこんなところにいんだ。喧嘩でも売りにきたのか」
まだ何もしていないのに、険しい顔でぶつぶつ言ってくる。やっぱり苦手だ。できることなら今すぐに引き返して、他の人を頼りたいところだ。でも、時間がない。ハタチくんを助けるためだ。カルヤくんとレナサちゃんにしたように、感情をこめてアピールをした。おまえなんかへっちゃらだ。さっきの三人組に比べたらなんてことない。
「うるせえな。早くそこをどけよ」
どくものか。殴られたっていい。ハタチくんを助けられなくても……せめて、ハタチくんを助けるためのことはやり尽くしたいんだ。
ソウカくんの面倒くさそうな顔が、だんだん歪んできている。いいぞ、このまま押し切れ。
「はぁ、言葉が通じないってムカつくな。おまえは俺にどうして欲しいんだ」
それを聞いて、ぼくは動きを止めた。なんだ、意外と通じてくれるじゃないか。でも、これからどうしよう。早く用件を言わないと呆れられるかも知れない。ぼくがあたふたしていると、またソウカくんが口を開いた。まずい、急かされる。早くなんとかしないと。
「とりあえず落ち着いてくれるか?おまえが何か言いたいのは分かったから、そんなに焦られるとイライラすんだよ」
なんということだ。てっきり、早くしろって言われると思っていたぼくは目を丸くした。こいつ、ただの乱暴な人じゃなかったんだ。とにかく今は、落ち着かなきゃ。
そうだ。ハタチくんのところに連れていけばいいんだ。なんでこんな簡単なことに気づけなかったんだ。
首を後ろに向けて、また前を向く。これで伝わってくれるといいけど。
「なんだ?向こうに何かあるのか」
ぼくはうなずいて、後ろを向いて走り始めた。
「おい、急に走りだしてどこ行くんだよ」
そういいつつ、ソウカくんは後をついてきてくれている。今まで来た道を全速力で駆け戻った。もうさっきみたいに歩いちゃいけない。だって、ハタチくんのために全力を尽くすって決めたから。
とうとう、雨の勢いが強くなった。ユメマキ公園の中を見てみると、カルヤくんが傘を差しながら何か作業をしていた。なにやら真剣そうだ。ソウカくんはそれに気づいていないようだった。公園の前の道にいた三人組は、もういなかった。
道に迷うことなく、なんとか噴水までたどり着いた。振り向くと、ソウカくんはちゃんと付いてきてくれていた。身体はびしょびしょに濡れている。どうやら、傘を持っていなかったらしい。
ここまで来れば迷わないだろう。いつも使っていた近道の塀を乗り越えようとした時、突然ソウカくんがぼくのしっぽをつかんだ。びっくりして、ぼくはころびそうになる。
「そこを通られると俺がいけないだろ。普通の道で案内しろよ」
そう言って睨んでくる。
やっぱり、この人に頼るんじゃなかった。なにもそこまで言わなくていいじゃないか。乱暴にしっぽを引っ張られたせいで、身体に力が思うように入らなくなってしまった。何度もよろけながら、それでもぼくは走り続けた。もうソウカくんしかいないんだ。絶対に頼らないって決めていたはずなのに、おかしいな。だけど今はこんな状況なんだ。
ちょっと遠回りになったけど、もう少しでハタチくんのいるカミナリ公園にたどり着く。
「ん?この辺りって、確かあいつが……」
後ろでソウカくんが何かをつぶやいている。その声は、少し息を切らしているのが分かった。
やっと商店街の外に出た。あとは公園まで一直線だ。もう迷わない。
きっと助けるからね、ハタチくん!
入り口を駆け抜けて、いつもの場所へ突進する。あと三メートル、二メートル、一……。
ぼくがハタチくんのもとにたどり着く直前で、ソウカくんはぼくを追い抜かして先にハタチくんのもとに駆け寄った。
「おい!しっかりしろ!」
ソウカくんの表情に焦りが見られる。どうやら、本気でハタチくんのことを心配しているらしい。やがてソウカくんはハタチくんを抱え上げて、こちらを向いた。
「ありがとうな、マコト」
初めて名前を呼ばれた。その目は、さっきとは打って変わって優しかった。ぼくは確信した。あれが、イケメンというものなんだろう。
公園を飛び出していくソウカくんの姿をみたぼくは、何かをやり遂げたような安心感に包まれていった。同時に、溜まっていた疲れが一気に襲って来る。身体が言うことを聞かなくなり、とうとうその場に倒れこんでしまった。
意識が遠のいていく。このまま力尽きて死んでしまうのだろうか。ぼくは細目で、空一面に広がる雲をただぼうっと眺めていた。
足が重い。どこに行けばいいのかも分からないまま、ぼくはハタチくんと出会った時のことを思い出していた。
ハタチくんは、ほとんど餓死状態だったぼくを助けてくれた。あの時、どれだけ大変な思いをしたんだろう。見ず知らずのぼくのためにここまで優しくしてくれたんだ。きっと助ける、その言葉が頭をよぎった。
ぼくが気絶している間に何があったのか、ハタチくんは口にしなかった。ただ、無事で良かったと満面の笑みで撫でてくれた。
本当に優しかった。考えれば考えるほど、ハタチくんの笑顔が切ない。
もしかしたら、公園を通りかかった人がたまたまハタチくんに気付いたりしてるんじゃないか。そんな淡い期待と諦めを抱きながら、ぼくはカミナリ公園に引き返そうとした。
ふと右の通りを見ると、誰かがこちらに歩いてくるのが見えた。あの人、見たことがある。
一瞬、どきっとした。歩いてきたのはソウカくんだった。ぼくのことを嫌っている男。そしてぼくも、あの男が嫌いだ。きっと、鉢合わせたらまずいことになるだろう。重い身体をなんとか反転させて、来た道に向かって走りかける。
その時、ぼくはハタチくんの言葉を思い出した。
ーーー不器用だけど、本当は僕たちのことを一番に心配してくれるんだよ。
逃げようとしているはずの足が、今はうろたえていた。滅多に嘘をつかないはたちくんが、ソウカくんのことを信用しているようなことを言ったんだ。正直、今の今までそれだけは信じていなかった。
もし、ちょっとでも希望があるなら……いや、今こそあの言葉に掛けてみるべきなんじゃないのか?
ぼくは、恐る恐る横を見た。
「最悪だ。傘持ってくれば良かった」
ソウカくんは、どこかイラついたように独り言をつぶやいている。本当にあんなやつが優しい人なんだろうか。でもここで怯んだら最後だ。ソウカくんより、ハタチくんと話せなくなることの方が怖いんだ。ぼくは、覚悟を決めてそいつの前に出た。
「んだよ、こないだのねこかよ。なんでお前がこんなところにいんだ。喧嘩でも売りにきたのか」
まだ何もしていないのに、険しい顔でぶつぶつ言ってくる。やっぱり苦手だ。できることなら今すぐに引き返して、他の人を頼りたいところだ。でも、時間がない。ハタチくんを助けるためだ。カルヤくんとレナサちゃんにしたように、感情をこめてアピールをした。おまえなんかへっちゃらだ。さっきの三人組に比べたらなんてことない。
「うるせえな。早くそこをどけよ」
どくものか。殴られたっていい。ハタチくんを助けられなくても……せめて、ハタチくんを助けるためのことはやり尽くしたいんだ。
ソウカくんの面倒くさそうな顔が、だんだん歪んできている。いいぞ、このまま押し切れ。
「はぁ、言葉が通じないってムカつくな。おまえは俺にどうして欲しいんだ」
それを聞いて、ぼくは動きを止めた。なんだ、意外と通じてくれるじゃないか。でも、これからどうしよう。早く用件を言わないと呆れられるかも知れない。ぼくがあたふたしていると、またソウカくんが口を開いた。まずい、急かされる。早くなんとかしないと。
「とりあえず落ち着いてくれるか?おまえが何か言いたいのは分かったから、そんなに焦られるとイライラすんだよ」
なんということだ。てっきり、早くしろって言われると思っていたぼくは目を丸くした。こいつ、ただの乱暴な人じゃなかったんだ。とにかく今は、落ち着かなきゃ。
そうだ。ハタチくんのところに連れていけばいいんだ。なんでこんな簡単なことに気づけなかったんだ。
首を後ろに向けて、また前を向く。これで伝わってくれるといいけど。
「なんだ?向こうに何かあるのか」
ぼくはうなずいて、後ろを向いて走り始めた。
「おい、急に走りだしてどこ行くんだよ」
そういいつつ、ソウカくんは後をついてきてくれている。今まで来た道を全速力で駆け戻った。もうさっきみたいに歩いちゃいけない。だって、ハタチくんのために全力を尽くすって決めたから。
とうとう、雨の勢いが強くなった。ユメマキ公園の中を見てみると、カルヤくんが傘を差しながら何か作業をしていた。なにやら真剣そうだ。ソウカくんはそれに気づいていないようだった。公園の前の道にいた三人組は、もういなかった。
道に迷うことなく、なんとか噴水までたどり着いた。振り向くと、ソウカくんはちゃんと付いてきてくれていた。身体はびしょびしょに濡れている。どうやら、傘を持っていなかったらしい。
ここまで来れば迷わないだろう。いつも使っていた近道の塀を乗り越えようとした時、突然ソウカくんがぼくのしっぽをつかんだ。びっくりして、ぼくはころびそうになる。
「そこを通られると俺がいけないだろ。普通の道で案内しろよ」
そう言って睨んでくる。
やっぱり、この人に頼るんじゃなかった。なにもそこまで言わなくていいじゃないか。乱暴にしっぽを引っ張られたせいで、身体に力が思うように入らなくなってしまった。何度もよろけながら、それでもぼくは走り続けた。もうソウカくんしかいないんだ。絶対に頼らないって決めていたはずなのに、おかしいな。だけど今はこんな状況なんだ。
ちょっと遠回りになったけど、もう少しでハタチくんのいるカミナリ公園にたどり着く。
「ん?この辺りって、確かあいつが……」
後ろでソウカくんが何かをつぶやいている。その声は、少し息を切らしているのが分かった。
やっと商店街の外に出た。あとは公園まで一直線だ。もう迷わない。
きっと助けるからね、ハタチくん!
入り口を駆け抜けて、いつもの場所へ突進する。あと三メートル、二メートル、一……。
ぼくがハタチくんのもとにたどり着く直前で、ソウカくんはぼくを追い抜かして先にハタチくんのもとに駆け寄った。
「おい!しっかりしろ!」
ソウカくんの表情に焦りが見られる。どうやら、本気でハタチくんのことを心配しているらしい。やがてソウカくんはハタチくんを抱え上げて、こちらを向いた。
「ありがとうな、マコト」
初めて名前を呼ばれた。その目は、さっきとは打って変わって優しかった。ぼくは確信した。あれが、イケメンというものなんだろう。
公園を飛び出していくソウカくんの姿をみたぼくは、何かをやり遂げたような安心感に包まれていった。同時に、溜まっていた疲れが一気に襲って来る。身体が言うことを聞かなくなり、とうとうその場に倒れこんでしまった。
意識が遠のいていく。このまま力尽きて死んでしまうのだろうか。ぼくは細目で、空一面に広がる雲をただぼうっと眺めていた。
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