スキルが覚醒してパーティーに貢献していたつもりだったが、追放されてしまいました ~今度から新たに出来た仲間と頑張ります~

黒色の猫

文字の大きさ
49 / 453

39話・罰 1

しおりを挟む
 これ2人に、罰とか与えたら逆に、俺の首が物理的に飛ぶんじゃないのか?
 ちらっと3人を見てみると、3人とも美味しそうに食べていた。

「なぁ、罰って止めといた方がいいか?」

 心配になった俺は、聞いてみた。

「ダメです!! 私は、それだけの事をしでかしたんです。それに、しっかり罰を受けないと下の者に示しがつきません!!」

「シエルの言う通りじゃ…」

「…分かった。なら、遠慮なくさせて貰う」

 2人がそう言うなら、手加減抜きでやらせて貰おう。

「お… お手柔らかに、お願いします…」

「え… 遠慮はしていいのじゃよ?」

「・・・」

 あれを人に試したい俺は、そっと視線を反らしシチューもどきを食べる。

「何故、無言なんじゃ!!」

「タブンダイジョブダトオモウヨ」

「どうして、目を合わせないのじゃ!!」

 マオが詰め寄ってくるが、残りのシチューを流し込む。シエルは、顔を青くしているが、自分が言った事もあるせいか、何も言ってこない。

「セウンさん、本当に、大丈夫なんですか?」

「あぁ、もしかしたら痛みがあるかもしれないが、死にはしない…」

「な… 何かヤバそうなのじゃ!!」

 マオは、更に詰め寄ってくる。シエルは、体を震わせている。

「だからシェーンは、止めといた方がいいぞ?」

 もう1度、シェーンには救いの手を差しのべておく。

「だ… 大丈夫です!! シエルもマオさんも同じパーティー何ですから、私も罰を受けます!!」

「「シェーン!!」」

「分かった。そこまで意思が固いなら、もう何も言わない… それなら、早速やろうか?」

 3人とも、食べ終わってるようなので、罰を執行する事にする。

「はい…」「覚悟は出来てるのじゃ…」「分かりました…」

 でもその前に、

「なぁ、結界石持ってるか?」

 結界石… 四方に置く事で、結界を作り出す事の出来るアイテムの事だ。まぁ、それなりに値は張る。俺は、持ってないから、3人に聞いてみた。

「持ってます。マオ」

「分かったのじゃ」

 マオは、どこからともなく結界石を取り出す。
 アイテムボックスもちか?

「これをどうするのじゃ?」

「馬車の四方に置いて貰っていいか?」

「? 分かったのじゃ」

 シエル、シェーンついでに、俺も受け取り馬車の四方に置く。

「それじゃあ、俺の後をついて来て貰ってもいいか?」

「分かった」「分かったのじゃ」「分かりました」

 俺たちは、馬車から距離をとる。
 ある程度離れてから、

「こんなもんかな?」

 俺は、3人にむき直る。

「それじゃあ、罰を始めようか…」

 3人は、首を縦に振る。

「まずは、シエルとマオ、こっちに来てくれるか?」

「…分かった」 「…分かったのじゃ」

 2人は、ゆっくりと俺に近寄ってくる。
 俺は、2人の頭の手をのせる。2人とも、少し顔を赤くする。少し、罪悪感があるけど、宣言通り手加減なしだ。まぁ、手加減があるのかどうか知らないけどな…

「2人とも、声はなるべく出さないようにな… 眠れる力ソーン・能力覚醒」

 それを、2人に使う。

「「!!」」

 2人は、口を押さえながら、何故か俺の胸の中で見悶える。少しして、痛みが落ち着いたのか、倒れそうになる所を支える。
しおりを挟む
感想 105

あなたにおすすめの小説

私はもう必要ないらしいので、国を護る秘術を解くことにした〜気づいた頃には、もう遅いですよ?〜

AK
ファンタジー
ランドロール公爵家は、数百年前に王国を大地震の脅威から護った『要の巫女』の子孫として王国に名を残している。 そして15歳になったリシア・ランドロールも一族の慣しに従って『要の巫女』の座を受け継ぐこととなる。 さらに王太子がリシアを婚約者に選んだことで二人は婚約を結ぶことが決定した。 しかし本物の巫女としての力を持っていたのは初代のみで、それ以降はただ形式上の祈りを捧げる名ばかりの巫女ばかりであった。 それ故に時代とともにランドロール公爵家を敬う者は減っていき、遂に王太子アストラはリシアとの婚約破棄を宣言すると共にランドロール家の爵位を剥奪する事を決定してしまう。 だが彼らは知らなかった。リシアこそが初代『要の巫女』の生まれ変わりであり、これから王国で発生する大地震を予兆し鎮めていたと言う事実を。 そして「もう私は必要ないんですよね?」と、そっと術を解き、リシアは国を後にする決意をするのだった。 ※小説家になろう・カクヨムにも同タイトルで投稿しています。

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

妾の子だからといって、公爵家の令嬢を侮辱してただで済むと思っていたんですか?

木山楽斗
恋愛
公爵家の妾の子であるクラリアは、とある舞踏会にて二人の令嬢に詰められていた。 彼女達は、公爵家の汚点ともいえるクラリアのことを蔑み馬鹿にしていたのである。 公爵家の一員を侮辱するなど、本来であれば許されることではない。 しかし彼女達は、妾の子のことでムキになることはないと高を括っていた。 だが公爵家は彼女達に対して厳正なる抗議をしてきた。 二人が公爵家を侮辱したとして、糾弾したのである。 彼女達は何もわかっていなかったのだ。例え妾の子であろうとも、公爵家の一員であるクラリアを侮辱してただで済む訳がないということを。 ※HOTランキング1位、小説、恋愛24hポイントランキング1位(2024/10/04) 皆さまの応援のおかげです。誠にありがとうございます。

お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~

志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」 この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。 父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。 ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。 今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。 その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。

俺の婚約者は地味で陰気臭い女なはずだが、どうも違うらしい。

ミミリン
恋愛
ある世界の貴族である俺。婚約者のアリスはいつもボサボサの髪の毛とぶかぶかの制服を着ていて陰気な女だ。幼馴染のアンジェリカからは良くない話も聞いている。 俺と婚約していても話は続かないし、婚約者としての役目も担う気はないようだ。 そんな婚約者のアリスがある日、俺のメイドがふるまった紅茶を俺の目の前でわざとこぼし続けた。 こんな女とは婚約解消だ。 この日から俺とアリスの関係が少しずつ変わっていく。

悪役令嬢に転生したので、ゲームを無視して自由に生きる。私にしか使えない植物を操る魔法で、食べ物の心配は無いのでスローライフを満喫します。

向原 行人
ファンタジー
死にかけた拍子に前世の記憶が蘇り……どハマりしていた恋愛ゲーム『ときめきメイト』の世界に居ると気付く。 それだけならまだしも、私の名前がルーシーって、思いっきり悪役令嬢じゃない! しかもルーシーは魔法学園卒業後に、誰とも結ばれる事なく、辺境に飛ばされて孤独な上に苦労する事が分かっている。 ……あ、だったら、辺境に飛ばされた後、苦労せずに生きていけるスキルを学園に居る内に習得しておけば良いじゃない。 魔法学園で起こる恋愛イベントを全て無視して、生きていく為のスキルを習得して……と思ったら、いきなりゲームに無かった魔法が使えるようになってしまった。 木から木へと瞬間移動出来るようになったので、学園に通いながら、辺境に飛ばされた後のスローライフの練習をしていたんだけど……自由なスローライフが楽し過ぎるっ! ※第○話:主人公視点  挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点  となります。

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る

マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息 三歳で婚約破棄され そのショックで前世の記憶が蘇る 前世でも貧乏だったのなんの問題なし なによりも魔法の世界 ワクワクが止まらない三歳児の 波瀾万丈

処理中です...