スキルが覚醒してパーティーに貢献していたつもりだったが、追放されてしまいました ~今度から新たに出来た仲間と頑張ります~

黒色の猫

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閑話・魔商人

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 私は、とある森で面白い人材を見つけた。

「これはこれは、ほどよく醜い心で、深い憎悪を抱いていますねぇ…」

 私は、彼に話しかける。

「少し、宜しいでしょうか?」

「!?」

 彼は、急いで振り返る。

「誰だ、お前!! ここで、何してる!!」

「私の名前は、カロー・ダイヤと申します。魔商人をしている者です。以後お見知りおきを」

「魔商人? それで、何でお前は、こんな所にいるだ!!」

「商人がいる理由なんて、1つしかありませんよ…」

 まぁ、私はそれ以外の理由もあるのですが、言う必要のない事ですね。

「?」

 見た感じ、冒険者のようなので、私は1本の剣を取り出す。

「!?」

「おっと、敵対する気はないので、攻撃はしないで下さいね」

 まぁでも、この者のLVは70ですから、攻撃された所で、どうとないですがね。

「チッ… それをどうするつもりだ!!」

「商売ですよ。この剣なんていかがでしょうか?」

「何?」

「貴方に、ぴったりの品だと思うのですが?」

 ふふ… この憎悪の剣がね…

「…いくらだ?」

「そうですね… 本当なら白金貨3枚と言いたい所ですが、今回は特別大サービスで、白金貨1枚でどうでしょうか?」

「・・・」

 払えるけど、信用されていないといった所ですかね…
 少し、譲歩しますか…

「なら、こうしませんか?」

「…なんだ?」

「この剣を貴方にお貸しします」

「剣を貸すだと?」

「はい、そうです。お試し期間とでも思って下さい。それで、もし使ってみて、気に入ったなら購入してくれれば大丈夫ですよ。どうですか?」

「…分かった。それで、いい。剣を寄越せ!!」

「どうぞ?」

 私は、彼に憎悪の剣を手渡す。

「それでは、私はこれで…」

 私は、木の影から彼の様子を伺う。

「コロスコロスコロスコロスコロス」

 おぉ、いい感じに、憎悪が貯まっていってますねぇ…
 このまま、人の負の感情を貯めれば、いつか魔神様も復活を…

「おい、ユーベル遅いけど大丈夫か?」

 これも、魔神様のお導きか、丁度獲物がやって来ましたね。

「や… やめろ、ユーベル!! うぁあああああ~!!」

「どうしました!!」

「うぁああああああああ~!!」

 2人目を襲った後、彼はどこかへ走り去っていった。
 さて、どうやら荷物も置いていかれたようですし、これでも商人の端くれですので、憎悪の剣の代金の回収でもしますかね。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー作者より(捕捉)

憎悪の剣 ・・・ 使用者の憎悪を増幅させ、見境失く人を襲う。
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