スキルが覚醒してパーティーに貢献していたつもりだったが、追放されてしまいました ~今度から新たに出来た仲間と頑張ります~

黒色の猫

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45話・四魔将

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 俺は、感慨にふける暇もなく、上から落ちてきた剣を掴み取りながら、すぐにその場を後にする。
 ただ、シエルたちのもとへ戻る訳でない。
 ユーベルの相手をしている時に、何となくだが嫌な視線を感じていた。
 能力向上のおかげで、今の俺の気配感知能力も上がっている。だから森の中に入った時に、不審な気配を感じとっていたので、今はそこにむかっている。
 気配のした場所… そこは、盗賊たちがいた洞窟の前だった。その前には、水晶を覗き込む、変な男が立っていた。
 とりあえず、怪しさ満点なので変に抵抗させない為に、腕でも斬り落とす事にした。まぁ、間違えていても、エリクサーで治せばいいしね。
 勢い良く振り下ろした剣は、途中何かに阻まれたが、力ずくで破壊する。

 パリーン

 持っていた剣の破壊と同時に、何かが壊れた感覚があった。
 何かが壊れた前に、変な男も俺に気づいたのか、驚きつつも後ろへと飛び退いた。

「まさか、私が見失った瞬間に、私の所まで来るとは思わなかったですね… しかも、私の魔法道具を壊しますか…」

 変な男がつけている指輪がボロボロと崩れ落ちていた。
 見失ったか… やはりこいつが俺たちを見ていた奴で間違いなさそうだな。

「お前が、今回の黒幕であってるのか?」

「黒幕ですか… まぁ、貴方を殺そうとしたのは、あの人の意思ですが、確かにあの剣を渡したのは私ですから、黒幕で間違いではないですかね…」

 俺は、アイテムボックスから剣を取り出す。

「私からも、1つ宜しいでしょうか?」

「何だ?」

「貴方は、何者でしょうか?」

「何者と言われても、ただの冒険者のセウンだ。お前こそ、何者だ?」

「おっと、自己紹介がまだでしたね。私は、魔神教団・四魔将が1人、魔商人カロー・ダイヤと申します」

 四魔将って事は、響き的に幹部的なやつか?
 それより、

「魔神教団ってなんだ?」

「私は、これでも商人の端くれ。情報は、貴重な商品です。これ以上は有料でございますね」

「そうか… なら、いい。もう死ね!!」

 俺は一瞬で、ダイヤの前に移動して、首目掛けて剣を振る。

「チッ…」

 ダイヤは、ギリギリの所でしゃがんで躱す。
 まぁでも、躱された瞬間そのまま顔面目掛けて、膝蹴りを繰り出してやったら、転がっていった。

「クソが!!」

 ダイヤは、鼻を押さえながら立ち上がり憤るが、

「おっと、私とした事が… これ以上は、私の有益になりそうではないので、退散させて貰います」

「俺が、逃がすとでも?」

 ダイヤは、答える前に、懐から何かを取り出す。
 ダイヤが何かを取り出すと同時に、俺はダイヤに接近し、再び剣を振ったが空を切った。

「チッ…」

 俺の気配感知内に、それらしき気配は失くなっていた。
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