スキルが覚醒してパーティーに貢献していたつもりだったが、追放されてしまいました ～今度から新たに出来た仲間と頑張ります～

閑話・マレン(過去編) 14

　森へと到着した後も、そのままシャドースパイダーに乗ったまま、金蜘蛛さんのもとへむかった。


◆

　
　マレンと別れた後、私は、洞窟へと真っ直ぐ帰らずに、少し回り道し、出会うモンスターを全てをバラバラにしていた。
　バラバラにしている際、ふと何故こんな事をしているのだろうと自問し、思ったよりもマレンの事が気に入っているだろうという答えにいきついた。
　粗方モンスターを倒したので、洞窟へ帰り眠りについた。その眠りは、いつもより何だか心地よかった。

『…ん？』

　私の張ってある糸に反応があった。
　複数の反応があった為、マレンではない。

『また、ゴブリンか…　昨日あんなに倒したのに、まだいたのか…』

　少し飽あきてきたが、私は体を起こし、一応倒しにむかう。
　だけど、むかった事を後悔していた。
　むかった先には、無数の人族がいたのだ。


◆


「サムさん、全員集合しました。」

「分かった。すぐに、むかうから先に行っていてくれ。」

「分かりました。」

　部下の報告を受け、私もすぐに集合場所へむかう。
　今日は、騎士ら３０人ほどを率いてゴブリン討伐にむかう予定になっている。団長は、王国の守護をしている為、いつもは、副団長が率いて討伐にむかうのだが、副団長は今、別の任に出ている為、今回は、私が率いる事になった。
　集合場所につき、すぐに討伐にむかった。
　森に到着して少し森の中に入った所で、ある異変に気付いた。
　私たちは、その場に一塊になった後、斥候を出し、斥候たちが帰ってくるのを待った。
　少しして、斥候が帰ってきた。

「どうだった？」

「ここと一緒でした…　等間隔で、ゴブリンと思われるバラバラの死体がありました。」

「そうか…」

　私は、他の者にも確認するが、答えは同じだった。

「どうしますか、サムさん？」

「そうだな…」

　普通、冒険者がゴブリンを倒したら、魔石を回収した後、アンデットにならないように、死体を燃やすなどして処理する筈だ。稀に、処理をしない冒険者もいるかもしれないが、それでも魔石を回収してないのはおかしい。これは、何かが起こっている可能性がある。
　本来なら、１度撤退し、団長の指示を仰ぐべきなのだが、

「…このまま森を探索し、森で起こっている事の原因を探る。ただし、セコウ。」

　斥候に出でいた内の１人の名を呼ぶ

「はい。」

「お前は、１度王都に戻り、この事を団長に報告してから、指示を仰げ。」

「分かりました。」

　私たちは、それを見送った後、森の奥へと慎重に、進んでいく。
　しばらく進んで行くと、奥から何がやって来た。
　その何かは、すぐに私たちの目の前に現れた。