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閑話・マレン(過去編) 20
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ルナさんが考えた案とは、私の能力下にある虫さんを街に無数に放ち、情報を集めて、その情報を売ると言うものだった。
確かに、その案を考えなかった訳ではないけど、やはり勝手に覗く事に抵抗がある。その旨をルナさんに伝えた所、なぜかと理由を聞かれたので、父親の件を話した。
「なるほどね… まぁ、でもそれなら、尚更やった方がいいと思うよ」
「何故ですか?」
理由を尋ねると、何でも私の抱いている感情は、トラウマとやらに近いのものではないかとの事で、それを克服する為に、使うべきだと言われた。
ルナさんが、そこまで私の事を考えてくれているのかと、少しウルっときたのだが、
「それに、情報によっては、高く買い取って貰える可能性があり、それで、美味しい物をたくさん食べられるよ、マレン!!」
その言葉で、涙も引っ込んでしまった。
「ルナさん… それって、絶対後者の理由の方が本命ですよね…」
「ま… まぁ、違うとは言わないわね」
そこまで、きっぱり言われると文句を言う気も起きず、それどころか笑いしか出てこなかった。
「…分かりました。そこまで言われるのなら、やってみたいと思います」
「そうこなくてわね。なら、早速マレンの能力を試してみようか!!」
ルナさんが、珍しく本やご飯以外に、やる気をみせる。この時のルナさんは、かなり頑固になる。まぁでも、能力を試す事には賛成だ。
「だけどルナさん。能力を試すのはいいんですけど、能力を使う相手がいませんよ?」
「それなら、大丈夫よ」
ニヤリとルナさんが笑うと、足下に魔法陣が浮かび上がり、数匹の小さな蜘蛛が現れた。
「1匹だけではなかったんですね…」
私は、自分の影を見ながら、そう呟く。
「まぁね。召喚時に、魔力を使うけど、数の制限はないわね。しかも、このこの子たちは、アサシンスパイダーと言って、隠密に優れた蜘蛛だから、今回やる事にぴったりだと思うよ」
「そ… そうですね」
改めて、ルナさんの凄さを感じながら、私は自分の能力を試していった。
数日試した結果、たぶん私の能力も制限なく使える事が分かった。ただ、使えるのはいいのだが、記憶を遡る際、何度も使うとかなり疲れる事が分かった。しかも、何故か私の能力は、ルナさんにも使う事が出来てしまった。ルナさん的に大丈夫なのかと尋ねると、どこにいても話が出来るから便利とだけ返ってきたので、そのままにしてある。
能力を試す事も終わったので、今日1日休んでから、明日から旅に出る事になった。
◆
旅に出てから、近くの町や村だけでなく、色々な国も見回り、ルナさんの召喚した数多くの蜘蛛を放ち、私は自分の街に戻り、情報屋を開いた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
作者より(捕捉)
・ マレンの母親は生きてますが、マレンとルナは情報屋で、寝泊まりしてます。
・ ルナの召喚は、同族召喚というスキルで、MPを消費し様々な蜘蛛型モンスターを召喚する事が出来ます。召喚された蜘蛛は、死ぬか召喚者が消すかしない限りいつづけます。
確かに、その案を考えなかった訳ではないけど、やはり勝手に覗く事に抵抗がある。その旨をルナさんに伝えた所、なぜかと理由を聞かれたので、父親の件を話した。
「なるほどね… まぁ、でもそれなら、尚更やった方がいいと思うよ」
「何故ですか?」
理由を尋ねると、何でも私の抱いている感情は、トラウマとやらに近いのものではないかとの事で、それを克服する為に、使うべきだと言われた。
ルナさんが、そこまで私の事を考えてくれているのかと、少しウルっときたのだが、
「それに、情報によっては、高く買い取って貰える可能性があり、それで、美味しい物をたくさん食べられるよ、マレン!!」
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「ルナさん… それって、絶対後者の理由の方が本命ですよね…」
「ま… まぁ、違うとは言わないわね」
そこまで、きっぱり言われると文句を言う気も起きず、それどころか笑いしか出てこなかった。
「…分かりました。そこまで言われるのなら、やってみたいと思います」
「そうこなくてわね。なら、早速マレンの能力を試してみようか!!」
ルナさんが、珍しく本やご飯以外に、やる気をみせる。この時のルナさんは、かなり頑固になる。まぁでも、能力を試す事には賛成だ。
「だけどルナさん。能力を試すのはいいんですけど、能力を使う相手がいませんよ?」
「それなら、大丈夫よ」
ニヤリとルナさんが笑うと、足下に魔法陣が浮かび上がり、数匹の小さな蜘蛛が現れた。
「1匹だけではなかったんですね…」
私は、自分の影を見ながら、そう呟く。
「まぁね。召喚時に、魔力を使うけど、数の制限はないわね。しかも、このこの子たちは、アサシンスパイダーと言って、隠密に優れた蜘蛛だから、今回やる事にぴったりだと思うよ」
「そ… そうですね」
改めて、ルナさんの凄さを感じながら、私は自分の能力を試していった。
数日試した結果、たぶん私の能力も制限なく使える事が分かった。ただ、使えるのはいいのだが、記憶を遡る際、何度も使うとかなり疲れる事が分かった。しかも、何故か私の能力は、ルナさんにも使う事が出来てしまった。ルナさん的に大丈夫なのかと尋ねると、どこにいても話が出来るから便利とだけ返ってきたので、そのままにしてある。
能力を試す事も終わったので、今日1日休んでから、明日から旅に出る事になった。
◆
旅に出てから、近くの町や村だけでなく、色々な国も見回り、ルナさんの召喚した数多くの蜘蛛を放ち、私は自分の街に戻り、情報屋を開いた。
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作者より(捕捉)
・ マレンの母親は生きてますが、マレンとルナは情報屋で、寝泊まりしてます。
・ ルナの召喚は、同族召喚というスキルで、MPを消費し様々な蜘蛛型モンスターを召喚する事が出来ます。召喚された蜘蛛は、死ぬか召喚者が消すかしない限りいつづけます。
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