スキルが覚醒してパーティーに貢献していたつもりだったが、追放されてしまいました ~今度から新たに出来た仲間と頑張ります~

黒色の猫

文字の大きさ
167 / 453

閑話・マレン(過去編) 19

しおりを挟む
 私たちは、回り道をしながら街へと戻った。

「あれが、街ですよ、ルナさん!!」

 私は、街を指差しながらルナさんに教える。

「ふふ… それは、知ってるよ、マレン」

「あ、そうですよね… あはは」

 少し恥ずかしくなり、話を変える為、気になった事を聞いてみる。

「そう言えば、ルナさんは、街に入った事はあるんですか?」

「いや、ないよ。行くのも面倒だったしね」

「なら、今回が初めての街なんですね」

「そうなるね。だから、案内は任せたよ」

「はい!! 任せて下さい!!」

 そんな話をしている内に、街へとたどり着いた。
 入り口では、昨日みたいな事が起こる事もなく、ルナさんもちゃんと街に入る事が出来た。
 街に入ると、まずは家へと案内し、家族を紹介する。そのついでに、一緒に暮らしたい事を伝えると、二つ返事で、了承してくれた。





 街へと戻った私たちは、すぐに国王にその旨を報告後、魔法師団を混ぜて会議を行う。
 会議の結果、まず複数人の斥候で森を探索。発見後は即座に退却し、森の外に待機させている混合の討伐隊で金色の蜘蛛を討伐する手筈となった。
 その後、1週間ほど森の調査を行ったが、金色の蜘蛛を見つける事は出来なかった。
 その為、金色の蜘蛛はどこかへ逃亡したという結論に至った。




 
 ルナさんが、街に来てから早数ヶ月がたった。
 この数ヶ月で、ルナさんも冒険者登録を済ませ、一緒にダンジョンに行ったりと色々あった。
 そして、今日、私とルナさんで街を離れる事になった。まぁ、離れると言っても帰ってこない訳ではなく、旅をして、村や町などを回るだけだ。
 何で、そんな事になったのか… それは、数日前に遡る。

「ねぇ、マレン。マレンのその能力は、何匹でもいけるの?」

「どうなんですかね… 試した事がないので、分からないですね。でも、どうしてですか?」

「いや、マレンっていつもお金がないって言っているでしょ?」

「え… 私そんなにいつも言ってます!!」

「それでね、その能力を使った稼ぎ方を考えたんだよ」

「あ… 無視ですか…」

 金蜘蛛時代のルナさんは、1日の大半が眠る事だったみたいだけど、今では、よく本を読む様になった。その為、更に賢くなったルナさんにあしらわれる事が増えたような気がする。

「…それで、その稼ぎ方ってのどうやるんですか?」

「それはね…」

 その案とは、私の能力下にある虫さんを街に無数に放ち、情報を集めて、その情報を売ると言うものだった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
作者より(捕捉)

ルナ 金蜘蛛Ver 糸攻撃力UP
   人化Ver 糸操作力UP

 人化Verの際、極細の糸を自身を中心に張り巡らせる事によって、周囲の警戒をしたりしています。

 次で、マレン編が終わる予定です。
しおりを挟む
感想 105

あなたにおすすめの小説

私はもう必要ないらしいので、国を護る秘術を解くことにした〜気づいた頃には、もう遅いですよ?〜

AK
ファンタジー
ランドロール公爵家は、数百年前に王国を大地震の脅威から護った『要の巫女』の子孫として王国に名を残している。 そして15歳になったリシア・ランドロールも一族の慣しに従って『要の巫女』の座を受け継ぐこととなる。 さらに王太子がリシアを婚約者に選んだことで二人は婚約を結ぶことが決定した。 しかし本物の巫女としての力を持っていたのは初代のみで、それ以降はただ形式上の祈りを捧げる名ばかりの巫女ばかりであった。 それ故に時代とともにランドロール公爵家を敬う者は減っていき、遂に王太子アストラはリシアとの婚約破棄を宣言すると共にランドロール家の爵位を剥奪する事を決定してしまう。 だが彼らは知らなかった。リシアこそが初代『要の巫女』の生まれ変わりであり、これから王国で発生する大地震を予兆し鎮めていたと言う事実を。 そして「もう私は必要ないんですよね?」と、そっと術を解き、リシアは国を後にする決意をするのだった。 ※小説家になろう・カクヨムにも同タイトルで投稿しています。

妾の子だからといって、公爵家の令嬢を侮辱してただで済むと思っていたんですか?

木山楽斗
恋愛
公爵家の妾の子であるクラリアは、とある舞踏会にて二人の令嬢に詰められていた。 彼女達は、公爵家の汚点ともいえるクラリアのことを蔑み馬鹿にしていたのである。 公爵家の一員を侮辱するなど、本来であれば許されることではない。 しかし彼女達は、妾の子のことでムキになることはないと高を括っていた。 だが公爵家は彼女達に対して厳正なる抗議をしてきた。 二人が公爵家を侮辱したとして、糾弾したのである。 彼女達は何もわかっていなかったのだ。例え妾の子であろうとも、公爵家の一員であるクラリアを侮辱してただで済む訳がないということを。 ※HOTランキング1位、小説、恋愛24hポイントランキング1位(2024/10/04) 皆さまの応援のおかげです。誠にありがとうございます。

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~

志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」 この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。 父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。 ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。 今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。 その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。

俺の婚約者は地味で陰気臭い女なはずだが、どうも違うらしい。

ミミリン
恋愛
ある世界の貴族である俺。婚約者のアリスはいつもボサボサの髪の毛とぶかぶかの制服を着ていて陰気な女だ。幼馴染のアンジェリカからは良くない話も聞いている。 俺と婚約していても話は続かないし、婚約者としての役目も担う気はないようだ。 そんな婚約者のアリスがある日、俺のメイドがふるまった紅茶を俺の目の前でわざとこぼし続けた。 こんな女とは婚約解消だ。 この日から俺とアリスの関係が少しずつ変わっていく。

薬師だからってポイ捨てされました!2 ~俺って実は付与も出来るんだよね~

黄色いひよこ
ファンタジー
薬師のロベルト=グリモワール=シルベスタは偉大な師匠(神様)とその脇侍の教えを胸に自領を治める為の経済学を学ぶ為に隣国に留学。逸れを終えて国(自領)に戻ろうとした所、異世界の『勇者召喚』に巻き込まれ、周りにいた数人の男女と共に、何処とも知れない世界に落とされた。 『異世界勇者巻き込まれ召喚』から数年、帰る事違わず、ロベルトはこの異世界で逞しく生きていた。 勇者?そんな物ロベルトには関係無い。 魔王が居るようだが、倒されているのかいないのか、解らずとも世界はあいも変わらず巡っている。 とんでもなく普通じゃないお師匠様とその脇侍に薬師の業と、魔術とその他諸々とを仕込まれた弟子ロベルトの、危難、災難、巻き込まれ痛快世直し異世界道中。 はてさて一体どうなるの? と、言う話のパート2、ここに開幕! 【ご注意】 ・このお話はロベルトの一人称で進行していきますので、セリフよりト書きと言う名のロベルトの呟きと、突っ込みだけで進行します。文字がびっしりなので、スカスカな文字列を期待している方は、回れ右を推奨します。 なるべく読みやすいようには致しますが。 ・この物語には短編の1が存在します。出来れば其方を読んで頂き、作風が大丈夫でしたら此方へ来ていただければ幸いです。 勿論、此方だけでも読むに当たっての不都合は御座いません。 ・所々挿し絵画像が入ります。 大丈夫でしたらそのままお進みください。

第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。

黒ハット
ファンタジー
 前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。  

捨て子の僕が公爵家の跡取り⁉~喋る聖剣とモフモフに助けられて波乱の人生を生きてます~

伽羅
ファンタジー
 物心がついた頃から孤児院で育った僕は高熱を出して寝込んだ後で自分が転生者だと思い出した。そして10歳の時に孤児院で火事に遭遇する。もう駄目だ! と思った時に助けてくれたのは、不思議な聖剣だった。その聖剣が言うにはどうやら僕は公爵家の跡取りらしい。孤児院を逃げ出した僕は聖剣とモフモフに助けられながら生家を目指す。

処理中です...