スキルが覚醒してパーティーに貢献していたつもりだったが、追放されてしまいました ~今度から新たに出来た仲間と頑張ります~

黒色の猫

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閑話・ラスの過去 14

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 ラスは泣きじゃくり私たちを置いて逃げようとしない為、そのまま一緒に逃げ出すが、人族の相手をしていたドルフが私たちの近くまで飛ばされてきた。

「大丈夫、ドルフ!!」

 飛ばされてきたドルフに話しかけるが、

「…まだいける、だから今すぐ行け!!」

 ドルフは、そう言いいながら、止める暇もなく再び人族へむかって行った。だけどドルフの体は、更に傷も増えており見た感じ、既にボロボロだった。

「私も行く。だから、ララは、ラスと一緒に逃げろ…」

 カイマスは、自ら立ちながら、そう言ってくる。

「カイマス…」 「っ!!」

「だ… 大丈夫だ、ラス。だから、ララと一緒に… 「カイマス!!」」

 私は、首を振りながら、目で訴える。

「ララ、お前…」

「ラスちょっと、こっちに来て」

 私は、少し不思議そうにしながらも近寄ってきたラスをギュッと抱きしめる。
 すると、カイマスも、私もろとも一緒にラスを抱きしめる。





 お母さんに呼ばれ、どうしたのかと思いながらも近寄ると力強く抱きしめてくれ、お父さんも、お母さんもろとも私を一緒に抱きしめてくれる。
 2人に抱きしめられて、嬉しい筈なのに、それと同時に何故か嫌な予感もしてきていた。

「ラス、私たちの分までちゃんと生きるのよ…」

「!?」

 突然強い衝撃を受け、私は、意識を手放してしまう。





「ドルフ!!」

 チラッと呼ばれた方をむくと、カイマスが1人で立っていた。それに、何故かララさんの腕の中には気を失った状態のラスちゃんがいた。
 俺は、1度人族から距離をとり、3人の元へ戻る。

「頼んだぞ、ドルフ」

 カイマスは、俺に一言残してから、人族へむかって行った。

「どういう事だ、ララさん?」

 俺は、すぐララさんに話を聞く。
 ララさんは、手短に話してくれ、俺の返事を聞かずに、ラスちゃんを手渡しからすぐにカイマスの元へむかった。

「くそ…」

 俺は悪態をつきながら、頼まれた事を遂行する為、ラスちゃんをしっかりと抱き抱え、その場を離脱した。





「ドルフは、頼みを聞いてくれたようだな」

 ラスを抱えてここから離れていくドルフを横目で見ながら、ララに尋ねる。

「返事を聞く前に、ラスを預けたから、たぶん、渋々って感じね」

「そ… そうか。まぁでも、ドルフならちゃんとやってくれるよ」

「そうね。だから、私たちで時間を稼ぐわよ」

「分かってる。だけど、ララ本と… 「カイマス!!」  悪い、ララ…」

「いいのよ。それじゃあ、行きましょうか」

「あぁ!!」

 躱しながらしていた話を止め、私たちは、人族へ攻撃をしかける。
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